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2023年9月10日 (日)

メキシコ料理の特徴と主な料理 -ウェボスディボルシアドス・トルティーヤ・トマティーヨ・フリホーレス・ワカモレ・チョリソ・チチャロン-

メキシコの食文化

 メキシコ料理は、マヤ文明やアステカ文明など先住民から受け継がれてきた食文化と、スペインの征服によって持ち込まれたスペインの食文化が融合して形成されています。

 メキシコはトウモロコシ、トマト、アボカド、ピーマン、唐辛子などの食材の原産地で、これらの食材はスペインを通じて世界に広まりました。

 メキシコの代表的な料理として、トウモロコシを使ったパンや料理(「トルティーヤ」(トウモロコシの平焼きパン)、「タコス」(トルティーヤに肉や刻み野菜をはさんだ料理)、「エンチラーダ」(トルティーヤに炒めた肉や野菜を詰め、ソースやチーズをかけてオーブンで焼いた料理、「ポソレ」(豚肉とトウモロコシのスープ)など)、サボテンを使った料理、豆・唐辛子・トマトなどを使ったスープ、トマト・玉ねぎ・唐辛子などで作られる調味料「サルサ」、カカオや唐辛子を砕いて作られる「モレ(ソース)」、アボカドのディップ「ワカモレ」などがあります。

 お酒では、リュウゼツランから作られる蒸留酒(テキーラ・メスカルなど)やビール(コロナ・エキストラなど)が有名です。


メキシコの朝ごはんプレート

 東京・外苑前の「World Breakfast Allday」(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)を訪問しました。

 2023年8月・9月のスペシャルメニューは,「メキシコの朝ごはん」です。

 今回は,この「メキシコの朝ごはん」を御紹介します。


【ウェボス・ディボルシアドス】

 今回のプレートのメイン料理は「ウェボス・ディボルシアドス」です。

(ウェボス・ディボルシアドス)
Photo_20230910105901

 お店のリーフレットによると、「ウェボス・ディボルシアドス」は、メキシコの朝ごはんの定番「ウェボス・ランチェロス(※)」の一種で、直訳すると「離婚した卵」という意味を持つ料理なのだそうです。
 ※トルティーヤに卵と赤いサルサ(サルサ・ランチェラ)をかけた料理。「牧場の卵」という意味。

 トルティーヤに赤いサルサと緑のサルサがかけられているのが特徴です。

 日本の赤いきつねと緑のたぬきを一度に味わうような贅沢感があります(笑)

 赤と緑はメキシコの国旗にも採用されている、メキシコを象徴する色でもあります。

 写真左側はトウモロコシを原料とした濃い紫色のトルティーヤと赤いサルサの組合せ、写真右側はトウモロコシ粉や小麦粉を原料とした白いトルティーヤと緑のサルサの組合せです。

 赤いサルサ(サルサ・ロハ)はトマト・玉ねぎ・ニンニク・唐辛子などで、緑のサルサ(サルサ・ベルデ)はトマティーヨ(ほおずきトマト)・玉ねぎ・ニンニク・緑色の唐辛子などで作られています。

(トマティーヨ)
Photo_20230910111401
(「World Breakfast Allday Mexico」紹介リーフレットから一部抜粋・引用)

 「トマティーヨ」は、見た目も呼び名も緑色のトマトを連想させますが、食用ホオズキの一種です。

 半熟卵の黄身をくずし、トルティーヤやサルサにまぶしていただきました。

(ウェボス・ディボルシアドス(目玉焼きの黄身をくずした様子))
Photo_20230910111601

 トルティーヤの生地がサルサや卵でやわらかくなっており、フランスのガレットに似た料理だと思いました。

 プレートの中央には、2種類のトルティーヤの仲を取り持つように「フリホーレス」(塩茹でしたいんげん豆を炒めたペースト状の料理)がかけられ、その上に2種類のトルティーヤチップスが飾られていました。

(フリホーレスとトルティーヤチップス)
Photo_20230910112401

 フリホーレスは、粘りとコクがあるいんげん豆のペーストで、トルティーヤチップスに添えたり、サルサと共にトルティーヤにまぶしたりしていただきました。

 また、プレート上部にはアボカドのディップ「ワカモレ」や挽き肉と唐辛子を炒めた「チョリソ」、「赤玉ねぎのピクルス」が盛り付けられており、こちらもトルティーヤやトルティーヤチップスと一緒にいただきました。

(ワカモレ)
Photo_20230910112601

 こちらは「ワカモレ」です。

 アボカドに細かく刻んだトマトや玉ねぎなどを加え、ライム(レモン)と塩で味を調えたディップ(浸しソース)で、アボカドの濃厚なコクと旨味を楽しむことができました。


チチャロン

 単品で「チチャロン」を注文しました。

 「チチャロン」は、豚皮を油でカリカリに揚げた「豚皮せんべい」です。

 スペイン発祥のスナックなので、メキシコだけでなく、ペルーやフィリピンにも似た名称のスナックが存在します。

(チチャロン)
Photo_20230910113501

 お皿にドサッと大量に盛られていました。

 中心部はトマト・玉ねぎ・ハーブ・唐辛子などを細かく刻み、ビネガー(酢)をベースに調味したサルサです。

 一瞬、「油で揚げた豚皮をこんなにたくさん食べられるだろうか」と思いましたが、豚皮の存在を感じさせないほど軽く、中国・東南アジアの海老せんべいのようなパリッとした食感で、スナック菓子感覚でいただけました。

 ビネガーベースのサルサを添えると、さっぱりとしてより一層美味しくいただけました。


 今回いただいたメキシコ料理は、いずれも酸味や辛さが生かされており、サルサやディップを添えることにより、多様な味を楽しむこともできました。

 「ビバ メキシコ!」(メキシコ万歳!)


<関連リンク>
 「World Breakfast Allday」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<参考文献>
 「メキシコ」(「World Breakfast Allday」リーフレット)
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」(学研プラス)
 「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」(産経新聞出版)

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コメント

昔、四大河文明というものを習いましたが、別に大河が無くても文明は誕生するわけですね!
アメリカ大陸が無ければユーラシア大陸の食卓はもっと貧しかったでしょうし、飢え死にする人も沢山いたと思います(~_~;)
アメリカ原産の食材のない食卓なんて、想像しただけでも味気ない(^^;;
カゴメのサイトを見たら赤いサルサと緑のサルサがありました( ◠‿◠ )
サルサも奥が深そうですね(^_^)
チチャロンはビールに合いそう!やめられない止まらない?

なーまん 様

なーまんさん、こんにちは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

おっしゃるとおり、アメリカ大陸(新大陸)がなければ、トウモロコシもトマトもジャガイモもいんげん豆もカボチャも唐辛子もない…これでは救荒食もなくて、飢え死にする人ももっと多かったでしょうね。
イギリスからメイフラワー号に乗ってやってきたピューリタンも、原住民からアメリカ大陸の作物を提供され、生き延びることができたようですし…。
サルサもサラダもソースも、その名称は塩(Sal)にあると言われますが、サルサもそれだけ重要な調味料に位置付けられているのだと思います。
赤いサルサと緑のサルサ、いずれも食欲がそそられる色で、どんな料理にも合う万能調味料(万能ソース)ですね。
お店や家ごとに様々なサルサがあるようです。
きっと、日本で言う味噌や醤油のように、伝統的で毎日の食事に欠かせない調味料なのでしょう。

チチャロン、最初に食べた時、「衣だけじゃないの?」と思うぐらい豚皮の存在感がなく、驚きました。
トルティーヤチップスのように、全くクセがなく、食べやすいスナックでした。
そのままバリバリ食べ続けるよりは、トマトや玉ねぎのサルサを添えて食べる方が美味しかったです。
間違いなくビールに合うと思いますが、お酒が弱い私はそれを実践できないところが説得力に欠けるところです…(^^ゞ

タコスとかトルティーヤ、大好きです。
ウェボス・ディボルシアドスの、ピンクの物体は何でしょうか?
箸休め的なピクルス??
まさか紅生姜じゃないですよね?(笑)
チチャロン、豚は鳴き声以外は食べるという沖縄にもありそうだなと思ったらアンダカシーという名で存在していました。
私が知らなかっただけで、豚の皮を揚げたスナック菓子って意外とポピュラーなのでしょうか…

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

タコスにトルティーヤ。香ばしいトウモロコシの生地にサルサをつけて食べると美味しいですよね!
ウェボス・ディボルシアドスのピンクの物体は、紅生姜のような見た目ですが、実は「赤玉ねぎのピクルス」です(笑)
甘酸っぱくて、おっしゃるとおり、箸休め・口直し的な感じでした。
メキシコにはオアハカというカラフルな街がありますが、メキシコ料理も赤・緑・ピンク・白・黒…と色彩豊かですよね。

チチャロンと同じ料理がスペイン語圏だけでなく、沖縄にもあるというのは初めて知りました!
また「高たんぱく・低糖質」食品として今注目されているということも初めて知りました。
沖縄は昔から豚肉がよく食べられてきたので、東南アジアなどから調理法が流入し、同じような料理が作られてきたのかも知れません。
簡単に調理でき、無駄なく豚を消費できる食べ物ということで、豚肉消費国・地域では結構ポピュラーなスナックなのではないかと思います。

サルサの赤や緑といった彩りそれ自体に調味料で、
見た目からの食欲に刺激を誘われます。
風土にスパイシーカラーおぼえる料理のお写真と解説から
メキシコその土着性といったあたり
(お店で提供される料理ですけれど)味わえました^^
メキシコ、といえば思い浮かぶものに、
世界遺産の遺跡、風土や社会に強く根差した壁画アート……
魅了される国です。

サウスジャンプ 様

サウスジャンプさん、こんばんは。
この度もコメントいただき、ありがとうございます。

サルサの鮮やかな赤や緑は、見た目からも食欲がわきますよね。
さらにサルサには赤・青唐辛子が使われているので、食べるとより一層食欲がわきます。
まさにスパイシーカラーですね(笑)
メキシコ人は、色彩感覚が優れておられるように思います。

メキシコは文明で栄え、遺跡が多い国ですね。そのためか神話も有名ですよね。
壁画アートが有名なことは、初めて知りました。
ネットでいくつか見ましたが、実にカラフルで、完成度が高いものばかりですね!
メキシコ料理ばかり調べていましたが、サウスジャンプさんのお話で、メキシコの文化や芸術にも興味を持ちました!
色々と教えてくださり、ありがとうございます。

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