美術館とカフェ・レストランの魅力7 -「おいしいボタニカル・アート」おいしいコラボレーション・ホテルグランヴィア広島「サブール」-
広島県立美術館特別展「おいしいボタニカル・アート」
広島市中区上幟町にある「広島県立美術館」で特別展「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」(2023年10月6日~11月26日)が開催されています。
(「おいしいボタニカルアート」チラシ(一部))
(広島県立美術館「おいしいボタニカルアート」チラシの一部を加工・引用)
この特別展では、イギリスのキュー王立植物園の協力を得て、野菜、果物、ハーブ、スパイスなどの植物画や、18~19世紀の食卓を飾った家具や食器、レシピなど約190点の作品が紹介されています。
また、期間中に関連イベントも開催されており、その1つ「おいしいコラボレーション」では、植物や英国文化にちなんだコラボレーション料理が広島市内のレストラン・カフェで提供されています。
今回は,この「おいしいコラボレーション」料理の1つ、ホテルグランヴィア広島のランチコース「サブール」を御紹介します。
ホテルグランヴィア広島
広島駅にやってきました。
駅構内に広島県立熊野高等学校の大書(書道作品)が展示されていました。
(大書「ようこそ平和都市広島へ」展示(広島県立熊野高等学校))
広島と言えば平和記念公園・原爆ドームや宮島をイメージされる方が多いと思いますが、「瀬戸の恵みによる豊かな食文化」や「人々を繋ぐ伝統工芸」に魅力を感じてお越しいただく方も増えたらいいなと思います。
ホテルグランヴィア広島はこの広島駅に直結しています。
(ホテルグランヴィア広島)
写真左が広島駅、中心の建物がホテルグランヴィア広島です。
ホテルに入ると記念撮影コーナーがありました。
(わんぱく線・記念撮影コーナー)
種別:JR、行先:ホテルグランヴィア広島の「わんぱく線」です。
JR系列のホテルならではのサービスです。
(ランチ・ご昼食のご案内)
「JR」のコーナーを楽しんだ後、21階のスカイレストランアンドラウンジ「L&R」へ向かいました。
ランチコース「サブール」
スカイレストランアンドラウンジ「L&R」はホテルの高層階にあり、広島の市街地を眺望することができます。
広島城、縮景園そして広島県立美術館を眺めながら食事できるので、広島県立美術館とのコラボレーション企画会場としても適しています。
これから目の前でどんなアート(料理)が展開されるのか、ワクワクしながら席に着きました。
最初にグラスに水が注がれましたが、三原市大和町の「タジメナチュラルウォーター」を使用されていました。
この水をサービスで提供されるのはすごいことで、お店によっては有料だと知っているだけに、がぶ飲みはできませんでした。
やがて最初の一皿、栗のポタージュが運ばれてきました。
(栗のポタージュ)
秋の訪れを感じる栗のポタージュです。
濃厚な栗の味が体に浸みわたりました。
中には細かく刻まれたベーコンとハマグリが入っており、アクセントとしての風味や色合いも楽しめました。
しばらくして、パンのサービスがありました。
(パン(パンプキン・バゲット))
パンプキン、バゲット、オリーブの3種が用意されていました。
続いて前菜です。
(春菊のタブレ 季節野菜とアオリ烏賊を添えて(プレート))
春菊を使って緑に色づけたタブレ(クスクス・ショートパスタ)にベビーリーフ、プチトマト、ラディッシュなどの野菜とアオリ烏賊の刺身を盛った一品です。
黒い模様がデザインされた白いお皿のように見えますが、この黒い模様はイカスミで、「すくうのが難しければパンに付けてお召し上がりください」とのことでした。
(春菊のタブレ 季節野菜とアオリ烏賊を添えて)
底に円形に盛られている緑色の粒々がタブレ(クスクス)です。
タブレには、とても細かく刻まれた赤玉ねぎやブロッコリーも混ぜ込まれていました。
もはや芸術作品・ボタニカルアートのレベルの、見た目も味も洗練された料理でした。
続いて魚料理です。
(舌平目のポッシェ サフランソース)
「舌平目のポッシェ サフランソース」です。
舌平目の身を茹で、魚のすり身を包んで、サフランと白ワインで仕上げたサフランソースをかけた料理です。
はんぺんを舌平目の身で包み、ソースをまとわせたようなイメージです。
やわらかく脂の乗った舌平目の身とフワフワの魚のすり身が口の中で一体化し、白ワインベースの濃厚なソースがうまくまとめていました。
皿の右側の料理は、紫キャベツの酢漬けと芽キャベツです。
舌平目のポッシェと交互に美味しくいただきました。
魚料理を食べ終え、窓越しに広島の街を眺めていると、やがて肉料理が運ばれてきました。
(スペイン産アーモンドポーク バラ肉のコンフィ ガルビュールソース)
「スペイン産アーモンドポーク バラ肉のコンフィ ガルビュールソース」です。
スペイン産のアーモンドポーク(バラ肉)をコンフィにし(低温の油で煮て)、ガルビュールソース(野菜と白いんげん豆のスープから作られたソース)をたっぷりと添えた料理です。
やわらかい肉の旨味と、脂身のコク・甘味を味わえました。
ガルビュールソースはパンに付けても美味しいとのお話だったので、パンのおかわりをいただき、パンにも付けていただきました。
そして、お楽しみのデザートです。
(お楽しみデザートとハーブティー)
ボタニカル(植物)にちなみ、いつもならコーヒーを選ぶところを、今回は背伸びしてハーブティーを選びました。
(お楽しみデザート(バニラアイス・コーヒームース・りんごのコンポート))
この日のお楽しみデザートは、バニラアイス・コーヒームース・りんごのコンポートでした。
バニラアイスは卵黄とバニラの香りをしっかりと感じました。
リンゴのコンポートは上品な甘さで、サクサクの食感も感じられる程度に煮詰められていました。
コーヒームースは、チョコレートのウェハースの上にほろ苦いコーヒームースがのせられていました。
さらにコーヒームースの上には、りんごを煮詰めてシナモンを効かせた褐色のソースや、クルミ、コーヒーのチュイール(薄焼き、「瓦」という意味)がのせられていました。
砂糖は和三盆が使用されていました。
プレートには、チョコクランチとクラッシュラズベリー、そして柚子風味のソースが添えられていました。
ほろ苦いコーヒームースにさわやかな香りの柚子ソースを添えていただくと、より一層美味しくいただけました。
まとめ
今回のランチコースで、広島県立美術館の特別展「おいしいボタニカルアート」の「サブール(風味)」を楽しむことができました。
特別展「おいしいボタニカルアート」の鑑賞についてはサボーる結果となりましたが(笑)、日を改めて広島県立美術館へも足を運び、ボタニカルアートも味わいたいと思います。
<関連サイト>
「ホテルグランヴィア広島」(広島市南区松原町1-5)
「広島県立美術館」(広島市中区上幟町2-22)
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