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2023年12月24日 (日)

みなみく七大伝説スイーツ2023 -広島市南区の第九伝説・黄金伝説・河童猿猴伝説・妖怪伝説にちなんだスイーツ-

「みなみく七大伝説スイーツ2023」について

 2023年9月16日から11月30日の期間、ひろしま南区スイーツ委員会主催で、「みなみく七大伝説スイーツ2023」が開催されました。

 このイベントは,広島市南区に伝わる「みなみく七大伝説」にちなんだスイーツを進徳女子高等学校と南区の洋菓子店が協同して開発し、紹介・販売されたものです。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」リーフレット(表紙))
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 「みなみく七大伝説」は、広島市南区に伝わる7つの伝説(妖怪伝説、第九伝説、河童猿猴伝説、天女姫伝説、黄金伝説、鉄道伝説、菓子伝説)を言います。

 スイーツを通じて広島市南区の魅力を知ってもらうことを目的に開催されました。


「みなみく七大伝説スイーツ2023」展示販売

 2023年10月8日、何気なく広島市中区にある紙屋町シャレオを歩いていていると、中央広場で「みなみく七大伝説スイーツ」が販売されていました。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」案内板)
Photo_20231224135101

 イベント参加店舗が日替わりで出張販売されていました。

 その時初めてイベントを知った私は、「あっ、今年も開催してるんだ」という感覚でした。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」展示販売(紙屋町シャレオ中央広場))
Photo_20231224135102

 その時、一緒にお仕事をしていた広島市南区役所地域起こし推進課の方が私を見つけ、声をかけてくださいました。

 偶然の再会を喜び、しばらく2人で立ち話をしました。

 最後にお菓子を購入したのですが、この再会がきっかけとなり、私もどっぷり「みなみく七大伝説スイーツ2023」のイベントにハマってしまいました(笑)

 それでは、広島市南区に伝わる様々な伝説にも簡単に触れながら、各伝説にちなんだスイーツを御紹介したいと思います。


第九伝説

 「第九伝説」は、原爆の傷跡が残る昭和21年の大晦日に広島の小さな喫茶店でレコードコンサートが開かれ、その時に流されたベートーベンの「第九」で人々の悲しみが癒されたというお話です。


【喫茶プリンタルト】

 「第九伝説」にちなんだスイーツとして、パティスリー「アニバーサリー」から「喫茶プリンタルト」が販売されました。

(喫茶プリンタルト(アニバーサリー・第九伝説))
Photo_20231224135901

 プリンがたっぷりのせられたタルトです。

 プリンは広島県産の玉子が使われており、タルト生地にのせられるよう少しかために仕上げられています。

 一方、タルト生地にはバニラビーンズ入りカスタードクリームとアーモンドクリームが使われています。

 レトロな喫茶店をイメージさせるプリンタルトでした。


【メロディティラミス】

 「第九伝説」にちなんだスイーツとして、西洋菓子「カトルフィユ」から「メロディティラミス」が販売されました。

(メロディティラミス(カトルフィユ・第九伝説・フタ付))
Photo_20231224140201

 フタを開けてみると…

(メロディティラミス(カトルフィユ・第九伝説))
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 ティラミスの上に音符の形をしたチョコレートがのせられていました。

(メロディティラミス(カトルフィユ・第九伝説・中身))
Photo_20231224140701

 底に甘いコーヒーゼリーが注がれ、その上にマスカルポーネとコーヒーシロップに浸したスポンジケーキが詰められています。

 これらがきれいな層になっており、その白と黒の層は音符をのせる楽譜のようにも見えました。

 伝説にちなみ、スポンジケーキには米粉が使用され、コーヒーの香り豊かな仕上がりとなっていました。


黄金伝説

 「黄金伝説」は、広島市南区にある黄金山(おうごんざん)の由来(海賊が金塊を埋めた説、黄金と同等の「丹」(赤土・硫化水銀。神社や社寺の塗装・奈良の大仏や木造船の防腐剤として使用)が採れた説、山一面が麦畑で黄金色に輝いた説など諸説あり)についてのお話です。

 黄金山は、南区民にとって比治山(ひじやま)とならぶ象徴的な山ですが、その山をモチーフにしたお菓子がいくつか販売されていました。

【モンドール】

 「黄金伝説」にちなんだスイーツとして、パティスリー&ヴェノワズリー「トレモロ」から「モンドール」が販売されました。

(モンドール(トレモロ・黄金伝説))
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 「モンドール」。フランス語では「Mont d'Or」表記され、まさしく「黄金の山」という意味になります。

 タルト生地にクルミやドレンチェリーなどが入った生キャラメルソースがコーティングされ、金箔がのせられた焼菓子です。

(モンドール(トレモロ・黄金伝説・中身))
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 中はドライフルーツを混ぜたアーモンドペーストで、サックリとしたタルトとは裏腹に、しっとりとした食感が楽しめました。


【黄金山(トレモロ・黄金伝説)】

 「黄金伝説」にちなんだスイーツとして、同じ「トレモロ」から「黄金山」という名前のレモンケーキが販売されました。

(黄金山(トレモロ・黄金伝説))
Photo_20231224141101

 黄金山の山の形をしたレモンケーキです。

 頂上には黄金に輝く輪切りの広島レモンがのせられています。

(黄金山(トレモロ・黄金伝説・中身))
Photo_20231224141102

 オレンジリキュールとアーモンドパウダーが入ったケーキ生地に、レモンの砂糖漬けがのせられています。

 しっとりとしたケーキ生地で、しっかりとレモン風味を感じられるレモンケーキでした。


【四季桜】

 「黄金伝説」にちなんだスイーツとして、洋菓子・洋食レストラン「ルードゥメール」から「四季桜」が販売されました。

(四季桜(ルードゥメール・黄金伝説))
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 黄金山に咲く桜をイメージしたチーズケーキです。

(四季桜(ルードゥメール・黄金伝説・中身))
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 ケーキ生地には桜あんとヨーグルトが混ぜ込まれており、ほのかに桜の風味を感じる甘酸っぱいチーズケーキでした。


河童猿猴伝説

 「河童猿猴伝説」は、猿猴川(えんこうがわ)において、豊漁や水難防止を願う神「猿猴(河童)」が崇め祀られたというお話です。

 広島駅に近い猿猴川沿いに、「河童猿猴伝説の地」があります。

(河童猿猴伝説の地(猿猴川))
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 この案内板の隣には河童像も設置されています。

(大正橋西たもとの河童像)
Photo_20231224142401

 右手で握っているモノまでリアルで、見ているこっちが恥ずかしい(笑)

 気分を取り直し、スイーツの紹介に移ります。


【カッパ頭の抹茶ティラミス】

 「河童猿猴伝説」にちなんだスイーツとして、「アニバーサリー」から「カッパ頭の抹茶ティラミス」が販売されました。

(カッパ頭の抹茶ティラミス(アニバーサリー・河童猿猴伝説))
Photo_20231224142601

 栗の甘露煮を中心に置き、その周りに福岡県産の奥八女抹茶を使用した深緑色の抹茶ゼリーが配され、謎に満ちた河童の様子が表現されています。

(カッパ頭の抹茶ティラミス(アニバーサリー・河童猿猴伝説・中身))
Photo_20231224142801

 中には、北海道産マスカルポーネチーズとコーヒーシロップに浸されたスポンジ生地で作られたティラミスが詰められていました。

 ズブズブと川に引き込まれていくような、後を引く美味しさのティラミスでした。


妖怪伝説

 「妖怪伝説」は、稲荷町の「稲生(いなり)神社」に、夜な夜な現れる様々な妖怪を退治した稲生武太夫が祀られているというお話です。


【妖怪モンブラン(カトルフィユ・妖怪伝説)】

 「妖怪伝説」にちなんだスイーツとして、「カトルフィユ」から「妖怪モンブラン」が販売されました。

(妖怪モンブラン(カトルフィユ・妖怪伝説))
Photo_20231224143201

 「これモンブラン(白い山)じゃないやろ!」と思わずツッコミたくなるような、真っ黒なモンブランです。

 和栗のマロンクリームに竹炭パウダーを混ぜることにより、不気味な妖怪をイメージさせる真っ黒なクリームに仕上げられています。

 銀色のアラザンがちりばめられています。

(妖怪モンブラン(カトルフィユ・妖怪伝説・中身))
Photo_20231224143301

 土台はタルト生地で、中にレモンコンフィチュールをあわせた生クリームとレモン果汁が入ったカスタードクリームがはさまれ、その上に真っ黒なマロンクリームが盛られています。

 つまり、意外にもマロンとレモンの風味が楽しめるケーキなのです。

 また、タルト生地には甘酸っぱいフランボワーズが入っており、良いアクセントになっていました。


 どのスイーツも南区の新たな伝説となりそうなものばかりで、楽しめました。


<関連サイト>
 「ひろしま南区スイーツ委員会
 「進徳女子高等学校国際食育デザイン科」(広島市南区皆実町一丁目1-58)
 「アニバーサリー」(広島市南区段原山崎3-2-3)
 「カトルフィユ」(広島市南区皆実町二丁目5-1)
 「トレモロ」(広島市南区西霞町2-12 ネスト西霞1F)
 「ルードゥメール」(広島市南区宇品海岸二丁目23-29)

<関連記事>
 「ひろしま南区スイーツフェア -南区3名山(似島(安芸小富士)・黄金山・比治山)と代表花(ミモザ・桜・広島椿)のスイーツ-
 「広島市南区の黄金山と「黄金山まんじゅう」

<参考文献>
 リーフレット「みなみく七大伝説スイーツ2023」(ひろしま南区スイーツ委員会)
 リーフレット「南区散策ガイド みなみ区を行く」(広島市南区地域起こし推進課)
 冊子「南区七大伝説 黄金伝説」(南区魅力発見委員会)

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コメント

「みなみく七大伝説スイーツ2023」
とても上手いネーミングですね!
「南区七不思議スイーツ2023」より美味そうだし、ボリュームも感じられます!
ポスターもステキ(^_^)
紙屋町シャレオもオシャレな名前ですが、地下街ですKA?
蓋を開けたらオタマジャクシじゃなくて音符というのも味な演出^o^
神武東征の動機は九州の丹を掘り尽くしたから!
という説もある様です(^^)
黄金といえば広島レモンd(^_^o)
「黄金山」もシンプルですがしっとりとして美味そう!
妖怪モンブラン、竹炭味とイカ墨味を作ってくれないかな?
と、相変わらずくだらないコメントですみませんm(_ _)m

角切りプリンがのったタルトって初めて見ました。
固めならそういうこともできるんですね~。面白い。
カッパをケーキにしてみようという発想もユニークですねー。
私にはもずくの中に卵黄が入っているように見えました。
今週はアヒルの卵黄が尾を引いているのかも(笑)

なーまん 様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

確かに「七不思議スイーツ」というネーミングだと怪しげなスイーツになりますね(笑)
また、あえてひらがなにすることで、スイーツの優しいイメージも持たせているのでしょうね。
このネーミングで和らげないと、伝説のお話が妖怪や河童ですから(笑)

シャレオは本当に「オシャレ」から名付けられたシャレのような名前です。
おっしゃるとおり地下街で、中央広場では様々なイベントが開催されています。

そう言えば、音符のことを「オタマジャクシ」と呼ぶ人おられますね。本物が入っていたら、フタを締め直しそうですが(笑)
「丹」の話、なーまんさんならきっと御存知だと思いましたが、やはり予想どおりでした\(^o^)/
丹は黄金と同じくらい、貴重で高価なものだったようですね。
神武東征の動機になったとする説があるのも、わかる気がします。

「黄金山」という名のレモンケーキ、生地がしっとりとしていて、おすすめの一品です。
「妖怪モンブラン」、イカ墨のクリームだと少し抵抗があります(笑)
でも中身はマロンとレモンの風味が楽しめる美味しいケーキでした。
ただ「モンブラン(白い山)」ではなく、「モンノワール(黒い山)」ですよね(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

角切りプリンがのっかったプリンタルト、私も初めてで、実はこれを目当てに2回お店に通いました。
タルトにのせることを前提に作られたプリンだと思います。
ちなみに、ホールのプリンタルトも販売されていました。

河童をケーキにしてみようという発想は、高校生からのアイデアではないかと思います。
お店の方からもお話を伺ったのですが、高校生のアイデアを実際に商品化させるのは大変だったようです。
確かに色からして、もずくと卵黄にも見えますね(笑)
アヒルの塩漬け卵黄を中心に置けば、「蛋黄酥 (ダンファンス) 」のような中華風ケーキになりそうです(笑)

七大伝説をスイーツにしてしまうってアイデアが愛らしくて、
ご紹介のどれもデザインに伝説が味付けされてますね。
河童、いえ、抹茶ティラミスなんてなるほどって。
妖怪伝説の稲生武太夫さん、稲生もののけ録ですね!
ニフティブログにその絵巻の本を紹介してたのを思い出しました。
絵巻にいっぱい出てくるユニークなもののけたち!
妖怪モンブランも登場してたわ~…って思わせるような、
その大きいアラザンが目のようにも見えて、
映画「もののけ姫」の祟り神にも見えた感じがしたものですから。
素敵なスイーツとの出会いに、ごちそうさまでした(^-^)

サウスジャンプ様

サウスさん、おはようございます。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

広島市南区だけで7つも伝説を作り、さらにそれぞれの伝説にちなんだスイーツを作るのは大変だったと思います(笑)
それだけに、今後も末長くこういうイベントが開催され、盛り上がるといいなと思います。

抹茶ティラミス、河童と沼地のイメージが表現されてますよね。
稲生武太夫さん、ご存知の方をご紹介できて良かったです。
妖怪モンブランのアラザンが目に見えましたか(笑)
言われてみれば確かに、祟り神に見えますね。

次回、残りの伝説・スイーツをご紹介しようと思っています。
サウスさんのお気に入りがありますように…

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