神奈川の食文化探訪4 -横浜名所めぐり・横浜中華街・広東料理「楽園」-
横浜名所めぐり
神奈川県横浜市にやってきました。
横浜市の食の文化をテーマにした生涯学習グループ「ミズホ学級」の講演会・食事会に参加するためです。
訪問に先立ち、ミズホ学級運営委員の方からお手紙をいただきました。
そのお手紙には、滞在期間中に横浜を楽しんでもらおうという趣旨で、横浜市中心部の観光名所が紹介され、横浜市内や中華街の地図も同封されていました。
その地図を広げてみると、私の宿泊先や講演会・食事会の会場(産業貿易センタービル・神奈川県民ホール)に赤丸のシールが貼られ、主要な観光名所には蛍光ペンでマーキングがされていました。
とてもありがたく思い、御紹介いただいた観光スポット・お店を散策してみることとしました。
スマホに頼ると道を覚えないので、いただいた地図しか使わないことを心に決めました。
伊勢佐木町のホテルに荷物を置き、まずは関内から馬車道へ向かって歩いてみました。
(神奈川県立歴史博物館)
お手紙には「現在、県立博物館になっている建物は100年以上前に建てられ、戦後、修復を一部された旧(横浜)正金銀行です。ドイツ風の建物だそうです」と紹介されていました。
さらに馬車道通りを海方面へ向かって歩いていると、港町横浜らしいレンガ造りのギャラリーを見つけました。
(万国橋ギャラリー)
「万国橋ギャラリー」です。
訪問日は、大型客船を中心にした絵が展示されており、せっかくなのでお邪魔しました。
「にっぽん丸」、「飛鳥Ⅱ」、「ぱしふぃっくびいなす」などの大型客船の絵が展示されていました。
その後、海岸通りを歩き、お手紙に紹介されていた横浜三塔の1つ、横浜税関(クイーンの塔)を眺めました。
(横浜税関(クイーンの塔))
横浜三塔は、開港以来、船乗りのシンボルとなり、激しい爆撃にも残った建物なのだそうです。
(神奈川県庁舎(キングの塔))
その後、神奈川県庁舎(キングの塔)を見ながら、本町通りを西へ歩き、元町を目指しました。
(横浜・元町「フェニックスアーチ」)
元町ショッピングストリート入口で見た、夕暮れのフェニックスアーチが印象的でした。
その後、元町からアメリカ山公園を目指しました。
いただいたお手紙に、元町・中華街駅の中からエレベーター(エスカレーター)でアメリカ山公園に登れるとあったので、探してみると、本当にエスカレーターがありました。
その後、エリスマン邸やベーリックホールを訪問しました。
この先にお手紙をくださった方が通われた女学校があるとのことだったので、「こんなところで学生時代を過ごされたのか」と思いを馳せながら歩きました。
代官坂を下りて元町に戻り、その先の中華街を目指しました。
横浜中華街と広東料理「楽園」訪問
横浜中華街エリアに入った途端、一気に賑やかな光景が目に飛び込んできました。
先程まで歩いた閑静な山手地区とのギャップを感じました。
これから先は中華街ガイドマップを片手に、おすすめのお店を目指しました。
横浜中華街は何度か来たことがあるのですが、中に入ると方向感覚がつかめず、自分がどこを歩いているのかわからなくなったので、まずは中華街のシンボル的建物「関帝廟(かんていびょう)」を目指しました。
(関帝廟)
その後、北へ向かって歩き、「善隣門(ぜんりんもん)」を目指しました。
(横浜中華街牌楼・善隣門)
横浜中華街の代表的な門(牌楼)の1つ「善隣門」です。
これぞ中華街の光景。BGMはやはりこの曲です。
(熱烈的中華飯店「Cooking man」)
(You Tube:seikonacashio「熱烈的中華飯店 作業用BGM 2003年作品」)
お手紙で御紹介いただいたお店、広東料理「楽園」は、この善隣門を入ってすぐの場所にありました。
(広東料理「楽園」店舗)
こぢんまりとしたアットホームな中華料理店です。
【焼売】
このお店でぜひ味わってみたい料理がありました。
焼売(シュウマイ)です。
今から約5年前、最初に横浜のミズホ学級の皆様とお会いした時、帰りがけにお土産として中華街の焼売をいただいたのですが、その焼売の美味しさが忘れられず、どのお店の焼売だったのかずっと気になっていました。
そのため、真っ先に焼売を注文しました。
(焼売(シュウマイ))
いただいてみると…「そうそう、これだ」と思いました。
プリップリの海老と、よく練って強い粘りを持たせた豚肉が包まれた焼売でした。
海老焼売かと思うほど海老がたくさん使われているのが嬉しいです。
【巻揚】
続いて、お店の看板料理の1つ「巻揚(まきあげ)」をいただきました。
(巻揚)
これはちょっと珍しい料理です。
メニュー表には「蝦類(海老料理)」のメニューとして掲載されています。
具は、細切りのタケノコ、ネギ、海老、カニ、焼豚(チャーシュー)、椎茸などです。
そして包まれている皮ですが、パリパリして弾力のある薄い皮で、これは小麦粉や米粉で作られた皮(春巻の皮)ではないことはわかりました。
「では一体何の皮だろうか」としばらく考え、ふと1つの食材が思い浮かびました。
豚の皮です。
この弾力は豚の皮か腸ではないかと思いました。
そこでお店の方に「この巻揚の皮は、豚の皮ですか?」と伺ったところ、「そのとおりです」と教えていただきました。
具だくさんの揚げ春巻のような料理でした。
【牛腩飯(牛バラの肉ご飯)】
このお店は牛バラ肉の煮込みも看板料理の1つとなっています。
単品料理のほか、焼きそば、スープそば、ご飯と合わせた料理もあったので、私は「牛腩飯(ぎゅうなんはん・牛バラの肉ご飯)」を注文しました。
(牛腩飯(牛バラの肉ご飯))
白いご飯の上に、ホロホロになるまで柔らかく煮込まれた牛バラ肉のあんかけがたっぷりとかけられていました。
サッと茹でた青菜(チンゲン菜)も添えられていました。
大きな牛バラ肉をご飯と一緒に豪快にほおばると、この上ない幸せを感じました。
横浜市中心部の地理に、ちょっぴり詳しくなりました。
そして、思い出のお店も1軒できました。
<関連サイト>
「横浜中華街」(横浜市中区山下町)
「広東料理 楽園」(横浜市中区山下町154)
<関連記事>
「魚柄仁之助先生の世界1 -講演会「食生活が急速に変化した昭和の時代~昭和初期の非常食が生んだ今日のグルメ料理~」に参加して-」
「魚柄仁之助先生の世界5 -ミズホ学級ファイナル講演会「毎日が命日」・食事会-」
« 魚柄仁之助先生の世界5 -ミズホ学級ファイナル講演会「毎日が命日」・食事会- | トップページ | 横浜発祥の洋食・デザートを求めて -ホテルニューグランドのスパゲッティナポリタン・ドリア・プリンアラモード、センターグリルのナポリタン- »
「日本各地の食文化」カテゴリの記事
- 栃木の食文化探訪 -宇都宮の黒カレー・かりまん・揚げたてあげあんパン・チャット-(2025.01.05)
- 広島のいなり寿司 -「尾道いなり」と「棒いなり」(ばあちゃんの駅弁・いなりとチキン)-(2024.08.18)
- 沖縄の食文化探訪6 -沖縄のいなり寿司の特徴・なぜ沖縄で「いなりとチキン」が人気なのか-(2024.08.11)
- 沖縄の食文化探訪5-沖縄の大衆食堂で「ランチ」を味わう(トンカツ・天ぷら・海老フライ・揚げかまぼこ・ポークと玉子焼き・沖縄そば)-(2024.07.28)
- 沖縄の食文化探訪4-城まんじゅう、くんじゃんナントゥ、いもぽき、ポーポー、こんぺん・くんぺん-(2024.07.14)
コメント
« 魚柄仁之助先生の世界5 -ミズホ学級ファイナル講演会「毎日が命日」・食事会- | トップページ | 横浜発祥の洋食・デザートを求めて -ホテルニューグランドのスパゲッティナポリタン・ドリア・プリンアラモード、センターグリルのナポリタン- »
昔、山手から元町への近道、西野坂 (フェリス坂)を下りていたら、いつの間にかフェリスの女学生の集団に紛れ込んでしまい、とても緊張した事があります(^_^;)
「楽園」はまだ行った事がありませんが、ミズホ学級の方のお薦めなら、さぞかし美味しいのでしょうね!
お写真を拝見しながら思わず「俺にもよこせ!」と、自分で書いた文章を黙読してしまいました(^。^)
牛腩飯(ぎゅうなんはん・牛バラの肉ご飯)」は食べた事ありませんが、牛バラそばなら美味しんぼで登場した、接客態度の悪い店のモデルになった海員閣 などで食べた事があります(^_^)
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140105/14000137/
投稿: なーまん | 2023年12月10日 (日) 16時38分
なーまん 様
なーまんさん、こんばんは。
早速コメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>
へぇー、フェリス坂と呼ばれる坂があるんですね。
元町と山手の間は、かなり急な坂でした。
このあたりはいろんな学校があるようで、皆さん坂を上り下りして通学されているようですね。
私がフェリス女学院の集団に紛れ込んでしまったら、学校に入ってしまったとアタフタするでしょう(笑)
「楽園」はこぢんまりしたお店で、昔からの常連客の方を多くみかけました。
モツ料理や海鮮料理が看板のお店のようです。特に焼売が美味しかったです。
私は1人で伺いましたが、中華は大勢でいろんな料理を食べるのが醍醐味ですね。
横浜中華街にお詳しいなーまんさんと一緒なら、いろんなお店に連れていっていただけそうです(^-^)
牛バラの肉ご飯、これはおそらく汁そばや焼きそばでも同じあんかけだと思います。
牛バラそばだと、熱々でボリューム満点のそばがいただけそうです。
「海員閣」のウェブサイトを御紹介いただき、ありがとうございます。拝見しました。
こちらの牛バラそばも美味しそうですね。大きな塊の牛肉がゴロゴロで、肉そば・肉うどんのレベルではないですね(笑)
現在は事前予約制・コースのみのようで、ちょっと敷居が高いですね…(^^ゞ
投稿: コウジ菌 | 2023年12月10日 (日) 19時16分
神奈川に6年間住んでいましたが、横浜は縁のない場所でしたね~。
中華街も1回しか行ったことがありません。
中華街は大勢でいろんな料理を頼んで食べるのが楽しそうなので、友人・知人の少ない私には、これまた縁のない場所かも(笑)
肉まんの食べ歩きをいっぺんやってみたいなあと思わないでもないですが(^^)
あとは崎陽軒のシウマイ弁当、あれもまだ食べたことがないので食べてみたいと思っているひとつです。
投稿: chibiaya | 2023年12月10日 (日) 22時26分
chibiaya 様
chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
神奈川県にお住まいだったのに、横浜へはあまり行かれなかったのですね。
逆に身近過ぎたので、わざわざ観光地へ行こうという気がしなかったのかも知れませんね。
私も広島市内ですが、宮島とか平和記念公園とかお好み村とか、あまり行くことはないので。
お好み焼も牡蠣ももみじ饅頭も、あまり食べませんし…。
中華街での肉まんの食べ歩きは面白そうです。
お店によって違いがあるでしょうね。
店頭でテイクアウト商品を買って、美味しかったら、次回そのお店に食べに行くというのも良さそうです。
崎陽軒のシウマイ弁当、地元の人の評判も良いので、今回、羽田空港で思い切って買ってみました。
(羽田空港には山積みで販売されています(笑))
自宅に戻ってからいただいたのですが、シウマイ以外のおかずも豊富で、納得の味・量でした。
召し上がって、損はないと思いますよ。
投稿: コウジ菌 | 2023年12月10日 (日) 23時07分
横浜めぐり、歩き応えに見応えがあったんじゃないかなって思います。
関西に神戸の港町もそうですけれど、西洋のレトロな建物は見ていて
飽きないです。街全体が博物館みたいな感じなのが好きです。
中華街、いったんなかに入ってしまうとごっちゃで派手な色味に目を奪われ
方向感覚におかしくなるような、迷路か迷宮か、迷うふうに陥りがち。
広東料理、巻揚の皮になにかしら?に名推理って感じですね。
牛なん飯のつやつやにしずる感がたまりませんもうごちそうさまでした<(_ _)>
投稿: サウスジャンプ | 2023年12月16日 (土) 09時53分
サウスジャンプ様
サウスジャンプさん、おはようございます。
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^-^)
横浜めぐりをされたことがあるんですね!
西洋のレトロな建築物、中華街、行き交う船…横浜・神戸・長崎などの港町は、街の雰囲気がよく似ていますね。
サウスさんと同様、昔からの建物もちゃんと保存されているところに魅力を感じます。
見どころがたくさんあったので、横浜の街をずっと歩いていました(笑)
中華街は、何度行っても方向感覚がつかめず、迷ってしまいます(笑)
そして、どのお店も同じように見え、お店選びに困ってしまいます。
それだけに、今回地元の人におすすめのお店を教えてもらえたので、とてもありがたかったです。
料理の食材は、食べながら推理するのですが、はっきりとわからない場合、もやもやして、お店の方にお伺いすることも多いです(普段は小心者なのに、こういう時だけ変に勇気が出るのです…)
牛バラご飯、シズル感を感じていただけたとのこと、ありがとうございます。
とっても嬉しいです!!
投稿: コウジ菌 | 2023年12月16日 (土) 10時38分