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2024年5月

2024年5月26日 (日)

沖縄の食文化探訪2 -月桃(げっとう)を使ったお菓子・料理(カーサームーチー・月桃葉包み田芋ジューシー・あがらさー)-

旅先で感動した食材・料理

 旅先で初めて出会った食材や料理の中で、1つでも心の底から感動したものがあれば、それはとても幸せなことだと言えるでしょう。

 沖縄は今回で2回目の訪問となりましたが、私が初めて沖縄へ訪問した時に感動した食材は「シークヮーサー」でした。

 シークヮーサーは、レモン・かぼす・すだちに似た柑橘類の1つで、酸味が強く、さわやかな風味があるのが特徴です。

 那覇市街を歩いていて、のどが渇いてたまらなかった時、自動販売機でたまたま買ったペットボトルのシークヮーサージュースがさわやかでとても飲み心地が良く、目が覚めるような感動をした思い出があります。

 そして今回、シークヮーサーと同様に感動したのが「月桃(げっとう)」です。

 「月桃」は、沖縄や奄美大島、台湾などの温暖な地域に群生するショウガ科の植物で、沖縄では「サンニン」とも呼ばれます。

 そのまま食べるのではなく、様々な食品を月桃の葉で包むことで、食品への香り付けや殺菌・防腐効果が期待できる植物です。

 東南アジアの「バナナの葉」と似たような使い方がされます。

 私は当初、月桃の葉は「ムーチー(餅)を包む葉」程度の認識しかなかったのですが、実際に月桃の葉が用いられた食品を食べてみて、そのジャスミンにも似たさわやかな風味に感動を覚えました。

 今回は、そんな月桃を使ったお菓子・料理を御紹介します。


カーサームーチー(紅芋)

 沖縄県うるま市の「うるマルシェ」を訪問しました。

(うるマルシェ)
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 このお店で「カーサームーチー」が販売されていました。

 「カーサー」は「月桃の葉」、「ムーチー」は「餅(鬼餅とも表現される)」で、「月桃の葉に包んで蒸した餅」という意味です。

 「もち家のモッチッチ」(沖縄市)で作られたムーチーで、1個172円(税込)でした。

(カーサームーチー(包装))
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 月桃の葉の形に合わせ、お餅が縦長に包まれています。

 紅芋(べにいも)の色と同じ紫色のひもで結ばれています。

 御祝儀袋を開ける感覚で、ゆっくりと開けてみました。

(紅芋のカーサームーチー)
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 紫色のお餅(ムーチー)が入っていました。

 ほんのりとした甘みを感じる素朴な紅芋のお餅です。

 お餅を月桃の葉に包んで蒸すことで、さわやかで香ばしい月桃の香りがしみ込んでいました。

 月桃の葉は、調理器具であり、皿であり、天然の香料であり、殺菌剤・保存料でもあるのです。

 カンボジアでバナナの葉を使った料理をいただきましたが、それとよく似た使い方だと思いました。

 そして、沖縄は東南アジアと共通する南国の食文化圏でもあることを実感しました。


月桃葉包み田芋ジューシー

 同じ「うるマルシェ」で、月桃の葉で包まれたジューシーが販売されていました。

 「ジューシー」は、米を豚肉・鶏肉・野菜などの具とだし汁で炊いた「炊き込みご飯」です。

 「ちまき」のように月桃の葉で包まれたものが販売されていました。

 「やんばる入口食品」(うるま市)で作られたもので、1つ400円(税込)でした。

(月桃葉包み田芋ジューシー)
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 月桃の葉を開けると、田芋のジューシーが詰められていました。

 「田芋(たいも・ターム)」は里芋の一種で、沖縄では料理やお菓子によく用いられる食材です。

 ジューシーの具は田芋、ゴボウ、ニンジン、椎茸、鶏肉で、だし汁には醤油・みりん・かつお・昆布が使われていました。

 月桃のさわやかで香ばしい風味が、ジューシーの味をより一層高みへと導いていました。

 私はこのジューシーの味に感動し、月桃に魅力を感じるようになったのです。

 そしてこの「月桃」と同様に「田芋」にも感動を覚えたのですが、沖縄の田芋につきましては、また別の機会に特集を組み、皆様に御紹介できればと考えています。


あがらさー

 沖縄県糸満市の「道の駅いとまん」は、全国最南端で、沖縄県最大規模の道の駅です。

 こちらのファーマーズマーケット(農産物直売所)「うまんちゅ市場」へやってきました。

(道の駅いとまん「うまんちゅ市場」)
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 このお店に「あがらさー」という郷土菓子があったさー。

(「あがらさー」紹介・販売)
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 陳列ケースに「あがらさー」の紹介文がありました。

「あがらさー」
 あがらさーとは蒸し器の意味です
 沖縄のお菓子で蒸しカステラ又は蒸しパンに近いもっちりした感じのお菓子もあがらさーと言います
 沖縄の黒糖、蒸し器に入れた月桃の香りも一緒に味わってください

 カップケーキのような形をしたお菓子が3つ、月桃の葉とともに袋詰めされていました。

 地元・糸満市にお住まいの個人の方が作られたもので、1袋190円(税込)でした。

(あがらさー)
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 黒糖のミニ蒸しパンで、特に頂点の黒糖が集まったカリカリした部分が美味しかったです。

(あがらさーと月桃葉)
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 あがらさーの中身はこんな感じで、まさに黒糖の蒸しパンそのものでした。

 月桃の葉を敷いて蒸されることで、蒸しパンに月桃の良い香りが加わっていました。

 「あがらさー」は、おやつにぴったりの、沖縄の郷土菓子です。


まとめ

 月桃の葉は、実用性(蒸し台・包装・皿・保存・殺菌)だけでなく、風味付け(フレーバー)にも大きな役割を果たしている植物であることがわかりました。

 沖縄県内のお店を意識して探せば、月桃が使われた様々な商品をゲットできますよ!


<関連サイト>
 「「月桃」お菓子やコスメ、オリオン商品まで沖縄で広く親しまれるハーブ」(オリオンビール)
 「うるマルシェ」(沖縄県うるま市字前原183-2)
 「やんばる入口食品」(沖縄県うるま市赤道1056-1)
 「道の駅いとまん」(沖縄県糸満市西崎町4-20-4)

<関連記事>
 「カンボジア料理の特徴と主な料理4 -プラホックを使った料理(プラホック・チャー,バナナの葉包み焼き)・カンボジアの食文化-
 「カンボジア料理の特徴と主な料理7 -トゥック・トレイ・コンコン,ナムガウ,モアン・アン,冬瓜茶,チョンボ,ドリアン-

2024年5月19日 (日)

沖縄の食文化探訪1 -もずく塩パン・グルクン唐揚げ・てびち・ばくだんおにぎり-

広島から東京・神奈川経由で沖縄へ

 2024年3月10日から11日にかけて、沖縄県を訪問しました。

 前日(3月9日)に東京・池袋で開催された映画「散歩屋ケンちゃん」のイベントに参加し、神奈川県藤沢市のホテルに泊まりました。

 そして翌朝、羽田空港から飛行機で那覇空港へ向かったのです。

(空路案内)
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 (国土地理院「地理院地図」の一部を使用)

 ①広島空港から羽田空港、②羽田空港から那覇空港、③那覇空港から広島空港という3つ空路を利用しました。

 ここでクイズです。

 「この3つの空路を航空運賃が高かった順に並び変えてください」
 ※ヒント1:①414マイル、②984マイル、③650マイル
 ※ヒント2:広島-羽田便や羽田-那覇便は多数あるが、広島-那覇便は1日1往復のみ

 マイルだけで推測すると、航空運賃が高い順に②→③→①となりそうですが、実際はそうではありませんでした。

 正解は、航空運賃が高い順に③→②→①です。
 (式で表すと「③>>②≒①」という感じです)

 航空運賃は距離だけでなく、発着便数や利用客数、競合会社数など複数の要素で決められることがわかります。


 今回は、沖縄のスーパーマーケット・道の駅で出会った沖縄の食を御紹介します。


もずく塩パン

 那覇空港に着いて、沖縄市内でレンタカーを借り、スーパーマーケットや道の駅に行ってみました。

 うるま市にある「うるマルシェ」では、沖縄の名産「もずく」を使った塩パンが販売されていました。

(もずく塩パン(包装))
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 小麦粉、太白胡麻油、砂糖、もずく、塩、パン酵母、バターで作られた、添加物なしのパンです。

(もずく塩パン)
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 パン生地の中に黒いもずくが練り込まれているのがわかります。

 もっちりした食感で、「チャバタ」や「フォカッチャ」に似ています。

 ほのかに胡麻油とバターの風味を感じる、美味しいパンでした。


グルクン唐揚げ

 沖縄市美原にあるスーパーマーケット「コープ美里」の総菜コーナーで、グルクンの唐揚げが販売されていました。

(グルクン唐揚げ(包装))
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 「グルクン」は沖縄県の県魚で、一般的には「タカサゴ」と呼ばれています。

 全体的に赤っぽい、色鮮やかな魚ですが、唐揚げにすると目立たなくなります。

(グルクン唐揚げ)
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 「唐揚げにされているから骨も大丈夫だろう」と、丸ごといただきました。

 外はパリパリ、中はジューシーな状態に揚げられていました。

 あっさりとした白身に、旨味が凝縮されていました。

 ギザミ(キュウセン、ベラ)、メバル、キス、コチなど近海で採れる白身魚に近い味です。


てびち

 「てびち」は、豚足をやわらかく煮た料理で、沖縄の代表的な料理の1つです。

 調味料は醤油、砂糖、酒(泡盛)、昆布などが用いられます。

 宜野湾市大山(国道58号沿い)にあるスーパーマーケット・レストラン「ジミー大山店」の総菜コーナーで「とろとろてびち」が販売されていました。

(てびち(包装))
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 豚足をとろとろに煮込んだ「てびち」が2つ入っていました。

 夜に伺ったので半額でした。

(てびち)
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 特に皮のプルプルした食感がたまりません。

 甘さ控えめで、くどくないので、いくらでも食べられそうでした。

 その美味しさから、野生動物のように無心になって「てびち」にかぶりつき、骨以外を食べ尽くしました。


ひめゆりの塔と平和祈念公園

 沖縄県南部、糸満市にある「ひめゆりの塔」と「平和祈念公園」を訪問しました。

(ひめゆりの塔)
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 「ひめゆりの塔」は、沖縄戦で亡くなったひめゆり学徒のための慰霊碑です。

 ひめゆり学徒のことをほとんど知らずに訪問したのですが、現地で資料を読むと、いかに悲惨な出来事だったかが理解できました。

 当時の軍部は、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒(ひめゆり学徒)を動員し、陸軍病院で看護活動に従事させました。

 しかしながら、米軍の攻撃で日本軍が劣勢になると、軍部は突然「解散命令」を出して「ひめゆり学徒」を危険な戦場に放してしまうのです。

 人の命よりも軍部の都合が優先されたわけです。

 そのため「ひめゆり学徒」は多くの犠牲者が出ました。

 この話を知っただけでも、「ひめゆりの塔」に訪問した価値がありました。


 続いて、平和祈念公園を訪問しました。

 とても広い公園で、園内には様々な施設がありました。

(多目的広場と沖縄県平和祈念堂)
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 手前が多目的広場、奥の白い塔が平和祈念像が安置されている平和祈念堂です。

(平和の丘モニュメント)
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 こちらは「平和の丘モニュメント」です。

 アーチ形で、広島平和記念公園の「原爆死没者慰霊碑」とよく似ています。

(平和の礎(いしじ))
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 こちらは「平和の礎(いしじ)」と呼ばれる刻名碑です。

 沖縄戦などで亡くなられた20万人余りの人々のお名前が刻まれています。

(「命どぅ宝」石碑)
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 「命(ぬち)どぅ宝」、命こそが最高の宝だと改めて思いました。


「道の駅いとまん」の「ばくだんおにぎり」

 ひめゆりの塔と沖縄平和祈念公園を見学した後、車で糸満市の「道の駅いとまん」に寄りました。

 「道の駅いとまん」は、全国最南端で、沖縄県最大規模の道の駅です。

(道の駅いとまん「うまんちゅ市場」)
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 「うまんちゅ広場」は、野菜や果物、加工品などが販売されているファーマーズマーケットです。

(道の駅いとまん「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」)
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 「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」では、糸満市をはじめとする沖縄県内の特産品・名産品が販売されています。

(糸満市の名物・特産品)
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 これらの施設をひととおり回った後、「お魚センター」へ行ってみました。

 この施設では、鮮魚、もずく、海ぶどう、水産加工品、海鮮丼などが販売されています。

 施設内店舗「西南門小(にしへーじょうぐわー)カマボコ屋」に掲示されている「ばくだんおにぎり」の広告が目に留まりました。

(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」の広告)
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 船上の漁師の「まかない」から生まれた料理のようです。

 単に「ばくだん」とも呼ばれています。

 お土産にされるのか、「ばくだん」をまとめ買いされる地元客もおられました。

(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」(包装))
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 「さけ」、「うめ」、「みそ」の3種類が販売されていたので、私は「みそ」を購入し、外のテラスでいただきました。

(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」(中身))
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 ご飯に甘辛いみそを詰め、そのおにぎりを魚のすり身(かまぼこ)で包んで揚げたものです。

 薄いかまぼこ(さつま揚げ)で包まれているので、弾力があって、プリプリした歯ごたえが楽しめました。

 これなら少々上から落としても、割れないどころか、バウンドして再び手元に戻ってきそうです(笑)

 ご飯と具とかまぼこの美味しさを一度に味わえる、ボリュームのあるおにぎりでした。

 糸満市で、平和と「ばくだん(おにぎり)」について多くのことを学びました。


<関連サイト>
 「うるマルシェ」(沖縄県うるま市字前原183-2)
 「コープ美里」(沖縄県沖縄市美原4-29-1)
 「Jimmy's(ジミー)」(大山店:沖縄県宜野湾市大山2-22-5 ほか)
 「ひめゆりの塔・ひめゆり平和祈念資料館」(沖縄県糸満市字伊原671-1)
 「平和祈念公園」(沖縄県糸満市字摩文仁444)
 「道の駅いとまん」(沖縄県糸満市西崎町4-20-4)
 「西南門小カマボコ屋」(沖縄県糸満市西崎町4-17-21)

2024年5月12日 (日)

美術館とカフェ・レストランの魅力9 -ひろしま美術館「フィンランドのライフスタイル」-フィンランド風ミートボール・リンゴンベリーのクランブルタルト・小海老のオープンサンド)-

ひろしま美術館特別展「フィンランドのライフスタイル」

 広島市中区基町にある「ひろしま美術館」で特別展「フィンランドのライフスタイル」(2024年4月6日~6月2日)が開催されています。

(ひろしま美術館特別展「フィンランドのライフスタイル」チラシ)
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 (ひろしま美術館特別展「フィンランドのライフスタイル」チラシを引用)

 この特別展では、1930年代から現在にかけてフィンランドが育んだデザイナーが制作した家具、陶器、ガラス製品、テキスタイルなどが展示されており、生活を豊かに彩るフィンランドのデザインと、自然に育まれたその暮らしについて紹介されています。

 「ひろしま美術館」を訪問しました。

 エントランスには,特別展「フィンランドのライフスタイル」の案内がありました。

(ひろしま美術館・特別展案内)
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 このエントランスの一角に、今回の特別展にちなんだフィンランドの料理・お菓子の案内看板がありました。

(カフェ・ジャルダン掲示板(特別メニュー案内))
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 「フィンランド風ミートボール」、「小海老のオープンサンド」、「リンゴンベリーのクランブルタルト」の3種が提供されています。

 はやる気持ちを抑えながら、正面玄関へと向かいました。

(ひろしま美術館正面玄関・「フィンランドのライフスタイル」案内)
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 ミュージアムショップには、特別展の図録や絵葉書、フィンランドの様々なグッズ(ムーミン・マリメッコ・イッタラなど)が販売されていました。


フィンランド風ミートボール(リハプッラ)

 ひろしま美術館内の「カフェ・ジャルダン」に伺いました。

 庭が眺められる窓側の席に座り、しばらくメニュー表を見た後、フィンランド風ミートボールとリンゴンベリーのクランブルタルト(ドリンクセット)を注文しました。

 料理が運ばれてくるのを待っていると、やたらと私のそばに人が近づいてきました。

 何事かと周りを見渡すと、私が座る席の窓越しにメニュー表が置かれており、外からそのメニュー表を眺めて(お店を利用するかどうか)思案されている人々でした。

(ひろしま美術館中庭とメニュー表)
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 お店で注目度ナンバーワンの席に座ったようです(笑)

 やがて待望の料理が運ばれてきました。

(フィンランド風ミートボール・パン・スープ)
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 フィンランド風ミートボール(リハプッラ)、パン、スープのセットです。

 パンは「アンデルセン」の3種類のパン(食パン・セサミパン・バゲット)、スープはミネストローネが用意されました。

(フィンランド風ミートボール)
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 フィンランド風ミートボールには、デミグラスソースに似たソースがかかり、マッシュポテト、キュウリのピクルス、リンゴンベリー(こけもも)のジャムが添えられていました。

 ミートボールにリンゴンベリーのジャムが添えられているのが、この料理の一番の特徴です。

 フィンランドは国土の7割以上が森で覆われていることもあり,リンゴンベリーやビルベリーなどのベリーが豊富に採れるのです。

 お菓子だけでなく、肉料理にも甘いベリーソースを合わせるのがフィンランド流なのですが、これが意外とよく合うのです。

 ミートボールに甘酸っぱいリンゴンベリーのジャムを付けたり、酸味の効いたキュウリのピクルスをのせたりしながらいただくと、より一層深い味わいとなり、美味しくいただけました。


リンゴンベリーのクランブルタルト

 デザートとして、リンゴンベリーのクランブルタルトをいただきました。

(リンゴンベリーのクランブルタルト)
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 タルト生地にカスタードクリームとベリー(リンゴンベリーとラズベリー)の層があり、表面にはクランブルがのせられていました。

 リンゴンベリーのソース、アイスクリーム、イチゴ、ミントが添えられています。

 しっとりとしたタルト生地、甘酸っぱいベリー、ホロホロ・サクサクのクランブルと、様々な味・食感が一度に楽しめ、それらが見事に調和しました。

 その後、庭を眺めながらカモミールティーをいただき、食後のひとときを楽しみました。


小海老のオープンサンド(トースト・スカーゲン)

 それから1週間後、再び「カフェ・ジャルダン」に伺いました。

 もう1つの特別メニュー「小海老のオープンサンド(トースト・スカーゲン)」をいただくためです。

 席に着き、今回は迷わず「小海老のオープンサンド」(ドリンクセット)を注文しました。

 しばらくして料理とドリンクが運ばれてきました。

(小海老のオープンサンドとコーヒー)
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 見た目の美しさに感動しました。

 パンに小海老と野菜がたっぷりのせられたオープンサンドです。

(小海老のオープンサンド)
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 土台のパンは、穀物(ひまわりの種、亜麻仁、ゴマ、ライ麦粒)がたっぷり入った「ソフトカーネラグブロート」というパンです。

 みっしりと詰まった生地で、オープンサンドに適しています。

 そのパンにバターが塗られ、その上に小海老とルッコラなどの野菜(ベビーリーフ)がのせられています。

 さらに、長細く刻んだビーツ、とびっこ(魚卵)、ディルが飾られ、彩り豊かなオープンサンドに仕上げられています。

 添えられたレモンを絞り、オープンサンドにふりかけていただきました。

 パンとともに、たっぷりの海老と野菜を一度に味わう贅沢感・満足感を味わえました。


 食後にコーヒーを飲みながら、「全体的に店内の照明が控えめなので、料理の写真が若干暗くなってしまうよな…」と思いました。

 その後、しばらく庭を眺めていて、ふと店内の照明が落とされている理由がわかりました。

 店内から眺める庭、それ自体を1つのアート作品ととらえた時、店内から美しく観賞するためには店内(周囲)の照明を落とす必要があるのです。

(カフェ・ジャルダンから眺めた庭)
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 このように理解すると、店名を「カフェ・ジャルダン(庭)」と命名されている理由もわかります。

 このお店は、パリのオープンカフェのように外のテラスで食事することもできるのですが、外のテラスでいただくと、より身近に庭(ジャルダン)を感じながらカフェタイムを楽しめそうです。


<関連リンク>
 「ひろしま美術館」(広島市中区基町3-2)
 「アンデルセン」(広島アンデルセン・広島市中区本通7-1 ほか)

<関連記事>
 「美術館とカフェ・レストランの魅力1 -ジャルダンプレート・ピスタチオのムース・黒ねこクッキー・白磁彩菓・トンバイ有田-
 「美術館とカフェ・レストランの魅力6 -ひろしま美術館特別展と印象派・バルビゾン派,2種のタルティーヌとペーシュメルバ-
 フィンランド料理については、「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」に掲載している「フィンランド料理」の記事を御覧ください。

2024年5月 5日 (日)

多磨全生園「お食事処なごみ」と映画「あん」・国立ハンセン病資料館 -森の釜めし・旅する小豆たち・ハンセン病療養所の食・白桃クリームパン-

多磨全生園(たまぜんしょうえん)

 東京都東村山市にある国立療養所「多磨全生園」・国立ハンセン病資料館を訪問しました。

 西武鉄道・池袋駅から池袋線の電車に乗り、秋津駅で下車しました。

(西武鉄道・秋津駅)
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 多磨全生園へは、近隣の駅から相当な距離があることから、バスを利用するのが一般的ですが、私は街の散策も兼ねて、秋津駅から徒歩で向かいました。

 そのため、多磨全生園まで約20分かかかりました。

 多磨全生園は、かつては隔離された施設でしたが、現在は居住区など一部の施設を除き、一般にも開放されています。

(「多磨全生園」入口)
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 入口にはたくさんのお願い・注意事項が示されており、マナーを守って入園する必要があります。

 園内に入ってしばらく歩くと、総合案内図がありました。

(「多磨全生園」総合案内図)
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 総合案内図で食堂(お食事処なごみ)の場所を確かめ、その食堂を目指しながら散策しました。


「お食事処なごみ」の「森の釜めし」と「旅する小豆たち」

 「お食事処なごみ」に到着しました。

(「お食事処なごみ」店舗)
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 入所者の皆さんのための食堂ですが、一般にも開放されています。

(「お食事処なごみ」店舗の様子)
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 柘植 文「森の釜めし」(少年画報社「ひとりごはん No.17」)から一部引用

 店内の様子は、この絵のとおりです。

 客席のうち、半分がテーブル席、半分が座敷席となっています。

 テーブル席に着き、テーブルに置かれていたメニュー表を眺めました。

 しばらく考えたのち、「森の釜めし」(とり五目釜めし)を注文しました。

 お店の方から「釜めしは約20分かかりますが、よろしいですか?」と尋ねられたので、私は「あっ、大丈夫です」とお答えしました。

 釜めしが炊き上がるのを待つ間、店内を見学させていただきました。

(映画「あん」関連品展示コーナー)
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 樹木希林さん主演の映画「あん」の関連品が展示されていました。

 この食堂が映画のロケ地となったからです。

 映画製作時に樹木希林さんと市原悦子さんが愛用された急須、湯呑み、マグカップがラップをかけて展示されていました。

 再び席に戻り、パンフレットを読みながら、のんびりと出来上がりを待ちました。

 その時、後ろから「アイーン!」という声が聞こえてきました。

 「えっ、志村けん?」

 振り向くと、ソフトクリームを買いに来た親子がおられ、キャッシュレス決済をされているところでした。

 「アイーン」という声は、東村山市のキャッシュレス決済「アインPay」の決済音のようです。

 名称の「アイン」は、地域愛の「アイ」とコインの「イン」に由来すると説明されていますが…私には、東村山市出身の志村けんさんの名言を意識して作られているようにしか思えません(笑)

 クスクス笑いながら過ごしていると、釜めしが運ばれてきました。

(森の釜めし(とり五目釜めし)セット)
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 お釜でじっくり炊き上げた釜めしに、味噌汁と漬物がセットになっています。

(森の釜めし(とり五目釜めし))
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 具は鶏肉、しめじ、人参、ゴボウ、タケノコ、絹さやです。

 人参と絹さやが、赤い花のように見えます。

 鶏肉と野菜の旨味がご飯にたっぷり染み込んだ、具だくさんの釜めしでした。

 釜めしを味わった後、ぜんざいも注文しました。

(ぜんざい「旅する小豆たち」(店舗))
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 お店の方がぜんざいを持って来られた際、しみじみと「ここのぜんざいは美味しいですよー」と教えてくださいました。

 とろりとして、ほど良い甘さのぜんざい、モチモチの白玉、ぜんざいの甘さを引き立たせる塩昆布。

 思わず「アイーン!」と声に出したくなるような、美味しいぜんざいでした。


人権の森と国立ハンセン病資料館

 食事を済ませ、園内を散策しました。

 人と出会う度にあいさつを交わし、清々しい気持ちになりました。

(「いのちとこころの人権の森宣言」の碑)
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 多磨全生園の散歩道は「人権の森」と呼ばれ、いのちとこころの人権の学びの場となっています。

 その「人権の森」の中に「国立ハンセン病資料館」があります。

(国立ハンセン病資料館)
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 館内には、ハンセン病対策の歴史や療養所での暮らしなどが展示・紹介されています。

 今回学んだことをいくつか御紹介します。

・1907年頃、国と県が療養所をつくってハンセン病患者を閉じ込める政策を開始した

・1930年頃、国はすべてのハンセン病患者を療養所に閉じ込めてしまうことにした(絶対隔離)

・いったん入所した患者は死ぬまで外に出られず、家にも帰れないようにした(終生隔離)

・それぞれの県で、どこが早くすべての患者を療養所に入れてしまえるか競争した(無癩県運動)

・各療養所に、逃亡を試みたり、職員へ反抗した患者を閉じ込めるための監禁室が作られた

・入所者が療養所から逃げ出さないよう、持参金を取り上げられ、療養所の中でしか使えないお金(※)に換えさせられた
 ※「園内通用券」と呼ばれた。多磨全生園では1952年まで使用

・治療薬「プロミン」が出るまで、ハンセン病の治療には大風子油(※)の筋肉注射しかなかった
 ※大風子(たいふうし)という木の種からとった油。効果は不明

・入所者は病気を治すどころか、食事の支度や洗濯、重病患者のお世話などの労働「患者作業」をさせられた

・入所者の給料はわずかで、入所者へ食べ物や包帯を買うためのお金が原資とされたため、給料の支払いが増えると、逆に入所者の食べ物や包帯を買うお金が減ることとなった

・入所者が子どもを産むことは許されず、断種・中絶手術が行われた

・亡くなって火葬されても家のお墓に入れず、園内の納骨堂に眠っている人がたくさんおられる


ハンセン病療養所の食とショッピングセンター「多磨」

 国立ハンセン病資料館で「隔離の中の食 -生きるために 悦びのために-」という冊子をいただきました。

 ハンセン病患者・療養所の食についても、いくつか御紹介します。

・ハンセン病で味覚と嗅覚が冒されることはほとんどない

・隔離された環境で暮らす人々にとって、食は数少ない楽しみの1つ

・かつては園内で野菜や果物の栽培、養鶏・養豚が行われた

・大量の主食(麦飯)に味噌汁・漬物・わずかなおかずが付く程度の献立、一汁一菜の献立が長く続いた

・様々なおかずが作られるようになったのは、食料事情が安定する1960~1970年代以降

・症状や後遺症の重い患者へは、職員が食事を介助したり、食材をすりおろして提供したり、自助具付きスプーン・フォーク・湯呑みが支給されたり、プラスチックの食器が用いられたりした

・食材を調理前に受け取り、自分で調理する(例:「焼き魚」→生の魚を自分で焼く、「ご飯」→米を自分で炊く(※))人もおられる
 ※「現品支給」と呼ばれる

・自分のお金で好きな食品を買って食べる「補食」が認められるようになり、園内に売店も設置された


 売店はその後、スーパーマーケット化され、現在はショッピングセンター「多磨」として営業されています。

 このショッピングセンター「多磨」は、「お食事処なごみ」の隣にあります。

(ショッピングセンター「多磨」)
Photo_20240505145901

 店内では食料品や日用品など様々な商品が販売されています。

 私は地元のパン屋さんで作られた菓子パンを購入しました。

(白桃クリームパン(包装))
Photo_20240505150001

 商品のパンが、スーパーなどで見かけるロール型のポリ袋に入っているところに味があります。

 包装がポリ袋で、周りに商品案内もなかったので、お店の方にどんなパンなのか尋ねると、「おそらく白桃ホイップクリーム入りのパンだと思います」とのお話でした。

(白桃クリームパン(中身))
Photo_20240505150401

 ホイップクリームと白桃クリームの二層で、白桃クリームの中には細かくカットされた白桃がザクザク入っており、予想を大きく上回る美味しさでした。


「旅する小豆たち」と映画「あん」

 「お食事処なごみ」で会計をする際、お土産用ぜんざい「旅する小豆たち」も購入しました。

(ぜんざい「旅する小豆たち」(お土産用・包装))
Photo_20240505150901

 その際、お店の方から「映画「あん」は御覧になりましたか?」と問われ、私は「あ、いえ、まだ観てません」とお答えしました。

 するとお店の方から「ぜひ御覧ください。この店も登場しますから」とお話があったので、私は「あ、ぜひ映画も観てみます」とお話しし、お店を後にしました。

 後日、映画「あん」を観賞しました。

 どら焼き屋を営む千太郎(永瀬正敏)のもとに、徳江(樹木希林)が訪れ、そのお店で働くことを懇願します。

 千太郎は当初、老齢の徳江を雇うつもりはなかったのですが、徳江が持ち寄った小豆あんを食べて、その美味しさに考えが一変し、徳江に働いてもらうこととなりました。

 次第に徳江の作るあんこの味が評判となり、開店前からお客さんが列をなすほど人気店になったのですが…

 徳江の変形した手に気づいた人から、ハンセン病患者だという噂が街で広まったのです。

 ハンセン病への偏見から、やがてお客さんは遠のき、その異変に気付いた徳江は辞職し、療養所に戻ってしまいます。

 徳江を引き留められなかったことを悔いた千太郎は、常連客のワカナ(内田伽羅)とともに徳江の住む療養所(多磨全生園)を訪問するようになりますが、ある日突然、徳江は亡くなってしまいます…


 徳江はあんこを作る際、小豆に語りかけたり、小豆の声を聴いたりと、小豆に愛情をたっぷり注ぐのですが、それが美味しさの秘密だったというわけです。

 ぜんざいの商品名「旅する小豆たち」も、「小豆がやってきた旅の話を聴いてあげる」ことに由来するようです。

 映画「あん」を観賞してから、ぜんざい「旅する小豆たち」をいただきました。

 包装紙を広げてみると…

(ぜんざい「旅する小豆たち」(お土産用・包装紙とレトルトパウチ))
Photo_20240505152101

 包装紙の裏側には、映画「あん」と「お食事処なごみ」について、写真入りで詳しく紹介されていました。

 映画を観て、改めて気付いたことも多かったです。

 レトルトパウチを開け、ぜんざいをお椀に盛りました。

(ぜんざい「旅する小豆たち」(お土産用・盛り付け))
Photo_20240505152401

 地元・東村山市に工場がある「遠藤製餡」で作られたぜんざいです。

 小豆の一粒一粒をふっくらと炊き上げ、全体がねっとりとした食感に仕上げられています。

 甘さ控えめで、小豆の風味が生かされています。

 徳江さんがにこやかに語りかけてくれているような、やさしくてホッとする味のぜんざいでした。


<関連サイト>
 「国立療養所多磨全生園」(東京都東村山市青葉町4-1-1)
 「多磨全生園 お食事処なごみ」(東京都東村山市青葉町4-1-10 多磨全生園内)
 「国立ハンセン病資料館」(東京都東村山市青葉町4-1-13)
 「あん」(映画「あん」製作委員会)
 「遠藤製餡」(工場・営業本部 東京都東村山市久米川町5-36-5)

<参考文献>
 柘植 文「森の釜めし」(少年画報社「ひとりごはん No.17」)
 「「人権の森と史跡」めぐり」多磨全生園入所者自治会
 「常設展示解説シート はじめてのみなさんへ」国立ハンセン病資料館
 「隔離のなかの食 -生きるために 悦びのために-」国立ハンセン病資料館

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