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2024年5月12日 (日)

美術館とカフェ・レストランの魅力9 -ひろしま美術館「フィンランドのライフスタイル」-フィンランド風ミートボール・リンゴンベリーのクランブルタルト・小海老のオープンサンド)-

ひろしま美術館特別展「フィンランドのライフスタイル」

 広島市中区基町にある「ひろしま美術館」で特別展「フィンランドのライフスタイル」(2024年4月6日~6月2日)が開催されています。

(ひろしま美術館特別展「フィンランドのライフスタイル」チラシ)
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 (ひろしま美術館特別展「フィンランドのライフスタイル」チラシを引用)

 この特別展では、1930年代から現在にかけてフィンランドが育んだデザイナーが制作した家具、陶器、ガラス製品、テキスタイルなどが展示されており、生活を豊かに彩るフィンランドのデザインと、自然に育まれたその暮らしについて紹介されています。

 「ひろしま美術館」を訪問しました。

 エントランスには,特別展「フィンランドのライフスタイル」の案内がありました。

(ひろしま美術館・特別展案内)
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 このエントランスの一角に、今回の特別展にちなんだフィンランドの料理・お菓子の案内看板がありました。

(カフェ・ジャルダン掲示板(特別メニュー案内))
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 「フィンランド風ミートボール」、「小海老のオープンサンド」、「リンゴンベリーのクランブルタルト」の3種が提供されています。

 はやる気持ちを抑えながら、正面玄関へと向かいました。

(ひろしま美術館正面玄関・「フィンランドのライフスタイル」案内)
Photo_20240512110701

 ミュージアムショップには、特別展の図録や絵葉書、フィンランドの様々なグッズ(ムーミン・マリメッコ・イッタラなど)が販売されていました。


フィンランド風ミートボール(リハプッラ)

 ひろしま美術館内の「カフェ・ジャルダン」に伺いました。

 庭が眺められる窓側の席に座り、しばらくメニュー表を見た後、フィンランド風ミートボールとリンゴンベリーのクランブルタルト(ドリンクセット)を注文しました。

 料理が運ばれてくるのを待っていると、やたらと私のそばに人が近づいてきました。

 何事かと周りを見渡すと、私が座る席の窓越しにメニュー表が置かれており、外からそのメニュー表を眺めて(お店を利用するかどうか)思案されている人々でした。

(ひろしま美術館中庭とメニュー表)
Photo_20240512111001

 お店で注目度ナンバーワンの席に座ったようです(笑)

 やがて待望の料理が運ばれてきました。

(フィンランド風ミートボール・パン・スープ)
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 フィンランド風ミートボール(リハプッラ)、パン、スープのセットです。

 パンは「アンデルセン」の3種類のパン(食パン・セサミパン・バゲット)、スープはミネストローネが用意されました。

(フィンランド風ミートボール)
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 フィンランド風ミートボールには、デミグラスソースに似たソースがかかり、マッシュポテト、キュウリのピクルス、リンゴンベリー(こけもも)のジャムが添えられていました。

 ミートボールにリンゴンベリーのジャムが添えられているのが、この料理の一番の特徴です。

 フィンランドは国土の7割以上が森で覆われていることもあり,リンゴンベリーやビルベリーなどのベリーが豊富に採れるのです。

 お菓子だけでなく、肉料理にも甘いベリーソースを合わせるのがフィンランド流なのですが、これが意外とよく合うのです。

 ミートボールに甘酸っぱいリンゴンベリーのジャムを付けたり、酸味の効いたキュウリのピクルスをのせたりしながらいただくと、より一層深い味わいとなり、美味しくいただけました。


リンゴンベリーのクランブルタルト

 デザートとして、リンゴンベリーのクランブルタルトをいただきました。

(リンゴンベリーのクランブルタルト)
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 タルト生地にカスタードクリームとベリー(リンゴンベリーとラズベリー)の層があり、表面にはクランブルがのせられていました。

 リンゴンベリーのソース、アイスクリーム、イチゴ、ミントが添えられています。

 しっとりとしたタルト生地、甘酸っぱいベリー、ホロホロ・サクサクのクランブルと、様々な味・食感が一度に楽しめ、それらが見事に調和しました。

 その後、庭を眺めながらカモミールティーをいただき、食後のひとときを楽しみました。


小海老のオープンサンド(トースト・スカーゲン)

 それから1週間後、再び「カフェ・ジャルダン」に伺いました。

 もう1つの特別メニュー「小海老のオープンサンド(トースト・スカーゲン)」をいただくためです。

 席に着き、今回は迷わず「小海老のオープンサンド」(ドリンクセット)を注文しました。

 しばらくして料理とドリンクが運ばれてきました。

(小海老のオープンサンドとコーヒー)
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 見た目の美しさに感動しました。

 パンに小海老と野菜がたっぷりのせられたオープンサンドです。

(小海老のオープンサンド)
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 土台のパンは、穀物(ひまわりの種、亜麻仁、ゴマ、ライ麦粒)がたっぷり入った「ソフトカーネラグブロート」というパンです。

 みっしりと詰まった生地で、オープンサンドに適しています。

 そのパンにバターが塗られ、その上に小海老とルッコラなどの野菜(ベビーリーフ)がのせられています。

 さらに、長細く刻んだビーツ、とびっこ(魚卵)、ディルが飾られ、彩り豊かなオープンサンドに仕上げられています。

 添えられたレモンを絞り、オープンサンドにふりかけていただきました。

 パンとともに、たっぷりの海老と野菜を一度に味わう贅沢感・満足感を味わえました。


 食後にコーヒーを飲みながら、「全体的に店内の照明が控えめなので、料理の写真が若干暗くなってしまうよな…」と思いました。

 その後、しばらく庭を眺めていて、ふと店内の照明が落とされている理由がわかりました。

 店内から眺める庭、それ自体を1つのアート作品ととらえた時、店内から美しく観賞するためには店内(周囲)の照明を落とす必要があるのです。

(カフェ・ジャルダンから眺めた庭)
Photo_20240512114401 

 このように理解すると、店名を「カフェ・ジャルダン(庭)」と命名されている理由もわかります。

 このお店は、パリのオープンカフェのように外のテラスで食事することもできるのですが、外のテラスでいただくと、より身近に庭(ジャルダン)を感じながらカフェタイムを楽しめそうです。


<関連リンク>
 「ひろしま美術館」(広島市中区基町3-2)
 「アンデルセン」(広島アンデルセン・広島市中区本通7-1 ほか)

<関連記事>
 「美術館とカフェ・レストランの魅力1 -ジャルダンプレート・ピスタチオのムース・黒ねこクッキー・白磁彩菓・トンバイ有田-
 「美術館とカフェ・レストランの魅力6 -ひろしま美術館特別展と印象派・バルビゾン派,2種のタルティーヌとペーシュメルバ-
 フィンランド料理については、「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」に掲載している「フィンランド料理」の記事を御覧ください。

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コメント

待ってました!
美術館とカフェ・レストランの魅力シリーズですね(^_^)
アートな空間で料理を楽しむのはまさに至福の一時 (^.^)v
私服でも制服でも!
各国料理の特徴と主な料理も合わせて拝見しました(^_^)
料理も民芸品ですから、美術館や博物館と相性が良いのは当然ですね(^_^)
新横浜の近くにイケアというスウェーデンの家具や雑貨のお店がありますが、
そこのレストランにもミートボールがありますd(^_^o)
https://www.ikea.com/jp/ja/stores/restaurant/

なーまん 様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

お待たせしました(笑)
アートと食を楽しむコーナーです。(花より団子の傾向にありますが…)
美術館などのイベントを調べてみると、そのイベントに関連した料理やお菓子を提供するお店も結構あることに驚かされます。
私のような食に興味のある人間も呼び込むことができるからでしょうか(笑)

過去の記事も御丁寧にお読みいただいたようで、誠にありがとうございます。
おっしゃるとおり、アートも料理も、人間の創作活動の集大成ですから、両者の共通点もあり、相性が良いのでしょうね。

イケア、新横浜の近くにあるんですね。情報ありがとうございます。
お察しのとおり、イケアのレストランに興味があり、一度行ってみたいと思っているのですが、近くにお店がないので、なかなか行く機会がありません…。
そのイケアのレストランには、今回御紹介した「フィンランド風ミートボール」とよく似た「スウェーデンミートボール」が提供されているんですね!
ミートボールのソースもリンゴンベリーのジャムもそっくりで、そのままそっくり広島に持ってきたのでは?と思うほどです(笑)
今回も楽しませていただき、ありがとうございました!

ひろしま美術館はよく展示物と食のコラボをされているんですね。
IKEAのメニューに似た感じがありますが、値段が全然違いそう(笑)
https://www.ikea.com/jp/ja/food/salesareas/restaurant/

注文伝票立てって呼ぶんでしょうか…それの猫が可愛いですね。
ひろしま美術館のHPにも黒猫がいますが、シンボル的な存在なのでしょうか?

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

ひろしま美術館にある「カフェ・ジャルダン」はアンデルセンのカフェなので、お得意のパンやスープを主体に、展示物と食のコラボがしやすいことも理由の1つかと思います。
ほかの美術館・博物館でも、意外と特別展にちなんだ料理・お菓子を提供されているお店が多く、そのたびに心ときめきます(笑)
IKEAのレストランメニューに、よく似たメニューがあるようですね(笑)
「フィンランド風ミートボール」はIKEAの「デンマークミートボール」に、「小海老のオープンサンド」はIKEAの「シュリンプオープンサンド」にそっくりです!
そしてリンゴンベリーのジュースまであるんですね。
首都圏ではいつでもお手頃価格の北欧の料理が食べられますね。

猫の注文伝票立て、よくお気付きですね!
注文伝票があるので、どこかほかへ移そうかと考えたのですが、おっしゃるとおり、この黒猫はひろしま美術館のシンボル的存在なので、そのままで写真を撮りました。(それで正解でしたね(笑))
ひろしま美術館所蔵のゴッホ「ドービニーの庭」に描かれていた猫で、「ドービニーの庭」のように猫と(ひろしま美術館の)庭がカフェのテーブルから一緒に見れるように置かれているのだと思います。

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