沖縄の食文化探訪1 -もずく塩パン・グルクン唐揚げ・てびち・ばくだんおにぎり-
広島から東京・神奈川経由で沖縄へ
2024年3月10日から11日にかけて、沖縄県を訪問しました。
前日(3月9日)に東京・池袋で開催された映画「散歩屋ケンちゃん」のイベントに参加し、神奈川県藤沢市のホテルに泊まりました。
そして翌朝、羽田空港から飛行機で那覇空港へ向かったのです。
(空路案内)
(国土地理院「地理院地図」の一部を使用)
①広島空港から羽田空港、②羽田空港から那覇空港、③那覇空港から広島空港という3つ空路を利用しました。
ここでクイズです。
「この3つの空路を航空運賃が高かった順に並び変えてください」
※ヒント1:①414マイル、②984マイル、③650マイル
※ヒント2:広島-羽田便や羽田-那覇便は多数あるが、広島-那覇便は1日1往復のみ
マイルだけで推測すると、航空運賃が高い順に②→③→①となりそうですが、実際はそうではありませんでした。
正解は、航空運賃が高い順に③→②→①です。
(式で表すと「③>>②≒①」という感じです)
航空運賃は距離だけでなく、発着便数や利用客数、競合会社数など複数の要素で決められることがわかります。
今回は、沖縄のスーパーマーケット・道の駅で出会った沖縄の食を御紹介します。
もずく塩パン
那覇空港に着いて、沖縄市内でレンタカーを借り、スーパーマーケットや道の駅に行ってみました。
うるま市にある「うるマルシェ」では、沖縄の名産「もずく」を使った塩パンが販売されていました。
(もずく塩パン(包装))
小麦粉、太白胡麻油、砂糖、もずく、塩、パン酵母、バターで作られた、添加物なしのパンです。
(もずく塩パン)
パン生地の中に黒いもずくが練り込まれているのがわかります。
もっちりした食感で、「チャバタ」や「フォカッチャ」に似ています。
ほのかに胡麻油とバターの風味を感じる、美味しいパンでした。
グルクン唐揚げ
沖縄市美原にあるスーパーマーケット「コープ美里」の総菜コーナーで、グルクンの唐揚げが販売されていました。
(グルクン唐揚げ(包装))
「グルクン」は沖縄県の県魚で、一般的には「タカサゴ」と呼ばれています。
全体的に赤っぽい、色鮮やかな魚ですが、唐揚げにすると目立たなくなります。
(グルクン唐揚げ)
「唐揚げにされているから骨も大丈夫だろう」と、丸ごといただきました。
外はパリパリ、中はジューシーな状態に揚げられていました。
あっさりとした白身に、旨味が凝縮されていました。
ギザミ(キュウセン、ベラ)、メバル、キス、コチなど近海で採れる白身魚に近い味です。
てびち
「てびち」は、豚足をやわらかく煮た料理で、沖縄の代表的な料理の1つです。
調味料は醤油、砂糖、酒(泡盛)、昆布などが用いられます。
宜野湾市大山(国道58号沿い)にあるスーパーマーケット・レストラン「ジミー大山店」の総菜コーナーで「とろとろてびち」が販売されていました。
(てびち(包装))
豚足をとろとろに煮込んだ「てびち」が2つ入っていました。
夜に伺ったので半額でした。
(てびち)
特に皮のプルプルした食感がたまりません。
甘さ控えめで、くどくないので、いくらでも食べられそうでした。
その美味しさから、野生動物のように無心になって「てびち」にかぶりつき、骨以外を食べ尽くしました。
ひめゆりの塔と平和祈念公園
沖縄県南部、糸満市にある「ひめゆりの塔」と「平和祈念公園」を訪問しました。
(ひめゆりの塔)
「ひめゆりの塔」は、沖縄戦で亡くなったひめゆり学徒のための慰霊碑です。
ひめゆり学徒のことをほとんど知らずに訪問したのですが、現地で資料を読むと、いかに悲惨な出来事だったかが理解できました。
当時の軍部は、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒(ひめゆり学徒)を動員し、陸軍病院で看護活動に従事させました。
しかしながら、米軍の攻撃で日本軍が劣勢になると、軍部は突然「解散命令」を出して「ひめゆり学徒」を危険な戦場に放してしまうのです。
人の命よりも軍部の都合が優先されたわけです。
そのため「ひめゆり学徒」は多くの犠牲者が出ました。
この話を知っただけでも、「ひめゆりの塔」に訪問した価値がありました。
続いて、平和祈念公園を訪問しました。
とても広い公園で、園内には様々な施設がありました。
(多目的広場と沖縄県平和祈念堂)
手前が多目的広場、奥の白い塔が平和祈念像が安置されている平和祈念堂です。
(平和の丘モニュメント)
こちらは「平和の丘モニュメント」です。
アーチ形で、広島平和記念公園の「原爆死没者慰霊碑」とよく似ています。
(平和の礎(いしじ))
こちらは「平和の礎(いしじ)」と呼ばれる刻名碑です。
沖縄戦などで亡くなられた20万人余りの人々のお名前が刻まれています。
(「命どぅ宝」石碑)
「命(ぬち)どぅ宝」、命こそが最高の宝だと改めて思いました。
「道の駅いとまん」の「ばくだんおにぎり」
ひめゆりの塔と沖縄平和祈念公園を見学した後、車で糸満市の「道の駅いとまん」に寄りました。
「道の駅いとまん」は、全国最南端で、沖縄県最大規模の道の駅です。
(道の駅いとまん「うまんちゅ市場」)
「うまんちゅ広場」は、野菜や果物、加工品などが販売されているファーマーズマーケットです。
(道の駅いとまん「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」)
「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」では、糸満市をはじめとする沖縄県内の特産品・名産品が販売されています。
(糸満市の名物・特産品)
これらの施設をひととおり回った後、「お魚センター」へ行ってみました。
この施設では、鮮魚、もずく、海ぶどう、水産加工品、海鮮丼などが販売されています。
施設内店舗「西南門小(にしへーじょうぐわー)カマボコ屋」に掲示されている「ばくだんおにぎり」の広告が目に留まりました。
(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」の広告)
船上の漁師の「まかない」から生まれた料理のようです。
単に「ばくだん」とも呼ばれています。
お土産にされるのか、「ばくだん」をまとめ買いされる地元客もおられました。
(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」(包装))
「さけ」、「うめ」、「みそ」の3種類が販売されていたので、私は「みそ」を購入し、外のテラスでいただきました。
(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」(中身))
ご飯に甘辛いみそを詰め、そのおにぎりを魚のすり身(かまぼこ)で包んで揚げたものです。
薄いかまぼこ(さつま揚げ)で包まれているので、弾力があって、プリプリした歯ごたえが楽しめました。
これなら少々上から落としても、割れないどころか、バウンドして再び手元に戻ってきそうです(笑)
ご飯と具とかまぼこの美味しさを一度に味わえる、ボリュームのあるおにぎりでした。
糸満市で、平和と「ばくだん(おにぎり)」について多くのことを学びました。
<関連サイト>
「うるマルシェ」(沖縄県うるま市字前原183-2)
「コープ美里」(沖縄県沖縄市美原4-29-1)
「Jimmy's(ジミー)」(大山店:沖縄県宜野湾市大山2-22-5 ほか)
「ひめゆりの塔・ひめゆり平和祈念資料館」(沖縄県糸満市字伊原671-1)
「平和祈念公園」(沖縄県糸満市字摩文仁444)
「道の駅いとまん」(沖縄県糸満市西崎町4-20-4)
「西南門小カマボコ屋」(沖縄県糸満市西崎町4-17-21)
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素人考えで恐縮ですが・・・
那覇から広島に直帰せず、羽田経由で帰った方が安い?
そんなことはないですよね(^^;;
もずく塩パン、一瞬あんぱんやお焼きをイメージしました(^.^)
練り込んだ方が食べやすい?
魚のすり身で包んでおにぎりを油で揚げるばくだんは非常に新鮮!
もずくばくだんもできそうですね(^.^)v
投稿: なーまん | 2024年5月19日 (日) 17時59分
1泊2日の沖縄!何だかもったいない(笑)
おにぎりを魚のすり身で包んで揚げるとは面白いですね。
ばくだんという名前から、拳ぐらいありそうなのをイメージしましたが、意外と小さそうな?
山口のいろり山賊の爆弾おにぎりから連想しちゃったのかも(^^;)
投稿: chibiaya | 2024年5月19日 (日) 20時59分
なーまん 様
なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
ごめんなさい。私の説明の仕方がいまいちでした。
「広島-羽田、羽田-那覇、那覇-広島、それぞれの区間を片道(単独)で購入すると想定した場合、航空運賃はどういう順番になるでしょう」という問題でした。
A:広島-羽田を往復した場合の航空運賃と、B:往路は広島-羽田、復路は羽田から那覇を経由して広島に戻った場合の航空運賃、を比較して、合計するとBの方が安いということは、まずないと思います…。
もずく塩パンですが、沖縄はもずくそのものや、もずくの加工品がたくさん売られていました。
もずくがあんパンやおやきのように、具で入っていたら…ぬるぬるで食べにくいでしょうね(笑)
生地に練り込むことで、パンにすることできたのだと思います。このパン、個人的にかなりおすすめです!
平和都市・糸満市の名物が「ばくだん」だったことに驚きました(笑)
もずくで作る場合、水気をよく切ってから揚げないと、高温の油の中でばくだんのように跳ね散りそうです(笑)
投稿: コウジ菌 | 2024年5月19日 (日) 21時00分
chibiaya 様
chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
確かに、沖縄に1泊2日ではもったいないと思いましたが、割と安く行けたので、満足です!
ばくだんおにぎりの大きさは、拳を一回り小さくした(ゴルフボールを一回り大きくした)程度のものです。
ただ、おにぎりの周りが魚のすり身(かまぼこ)で、厚みもあるので、1個でもかなりの食べ応えがありましたよ。
山口の「いろり山賊」の大きなおむすび、よく御存知ですね!
こちらのおむすびは確かにビッグサイズです。
いろり山賊の厨房で、ご飯の入った丼を2つあわせ、それを回転させながら、1つの大きなおむすびを作られていた姿が印象的に残ってます。
次回、またばくだんおにぎりを入手する機会があったら、おでんの具として煮込んでみたいです。
破裂したら雑炊かリゾットになってしまいますが(笑)
投稿: コウジ菌 | 2024年5月19日 (日) 21時43分