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2024年5月19日 (日)

沖縄の食文化探訪1 -もずく塩パン・グルクン唐揚げ・てびち・ばくだんおにぎり-

広島から東京・神奈川経由で沖縄へ

 2024年3月10日から11日にかけて、沖縄県を訪問しました。

 前日(3月9日)に東京・池袋で開催された映画「散歩屋ケンちゃん」のイベントに参加し、神奈川県藤沢市のホテルに泊まりました。

 そして翌朝、羽田空港から飛行機で那覇空港へ向かったのです。

(空路案内)
Photo_20240519132901
 (国土地理院「地理院地図」の一部を使用)

 ①広島空港から羽田空港、②羽田空港から那覇空港、③那覇空港から広島空港という3つ空路を利用しました。

 ここでクイズです。

 「この3つの空路を航空運賃が高かった順に並び変えてください」
 ※ヒント1:①414マイル、②984マイル、③650マイル
 ※ヒント2:広島-羽田便や羽田-那覇便は多数あるが、広島-那覇便は1日1往復のみ

 マイルだけで推測すると、航空運賃が高い順に②→③→①となりそうですが、実際はそうではありませんでした。

 正解は、航空運賃が高い順に③→②→①です。
 (式で表すと「③>>②≒①」という感じです)

 航空運賃は距離だけでなく、発着便数や利用客数、競合会社数など複数の要素で決められることがわかります。


 今回は、沖縄のスーパーマーケット・道の駅で出会った沖縄の食を御紹介します。


もずく塩パン

 那覇空港に着いて、沖縄市内でレンタカーを借り、スーパーマーケットや道の駅に行ってみました。

 うるま市にある「うるマルシェ」では、沖縄の名産「もずく」を使った塩パンが販売されていました。

(もずく塩パン(包装))
Photo_20240519133801

 小麦粉、太白胡麻油、砂糖、もずく、塩、パン酵母、バターで作られた、添加物なしのパンです。

(もずく塩パン)
Photo_20240519133802

 パン生地の中に黒いもずくが練り込まれているのがわかります。

 もっちりした食感で、「チャバタ」や「フォカッチャ」に似ています。

 ほのかに胡麻油とバターの風味を感じる、美味しいパンでした。


グルクン唐揚げ

 沖縄市美原にあるスーパーマーケット「コープ美里」の総菜コーナーで、グルクンの唐揚げが販売されていました。

(グルクン唐揚げ(包装))
Photo_20240519134001

 「グルクン」は沖縄県の県魚で、一般的には「タカサゴ」と呼ばれています。

 全体的に赤っぽい、色鮮やかな魚ですが、唐揚げにすると目立たなくなります。

(グルクン唐揚げ)
Photo_20240519134101

 「唐揚げにされているから骨も大丈夫だろう」と、丸ごといただきました。

 外はパリパリ、中はジューシーな状態に揚げられていました。

 あっさりとした白身に、旨味が凝縮されていました。

 ギザミ(キュウセン、ベラ)、メバル、キス、コチなど近海で採れる白身魚に近い味です。


てびち

 「てびち」は、豚足をやわらかく煮た料理で、沖縄の代表的な料理の1つです。

 調味料は醤油、砂糖、酒(泡盛)、昆布などが用いられます。

 宜野湾市大山(国道58号沿い)にあるスーパーマーケット・レストラン「ジミー大山店」の総菜コーナーで「とろとろてびち」が販売されていました。

(てびち(包装))
Photo_20240519134601

 豚足をとろとろに煮込んだ「てびち」が2つ入っていました。

 夜に伺ったので半額でした。

(てびち)
Photo_20240519135201

 特に皮のプルプルした食感がたまりません。

 甘さ控えめで、くどくないので、いくらでも食べられそうでした。

 その美味しさから、野生動物のように無心になって「てびち」にかぶりつき、骨以外を食べ尽くしました。


ひめゆりの塔と平和祈念公園

 沖縄県南部、糸満市にある「ひめゆりの塔」と「平和祈念公園」を訪問しました。

(ひめゆりの塔)
Photo_20240519135401

 「ひめゆりの塔」は、沖縄戦で亡くなったひめゆり学徒のための慰霊碑です。

 ひめゆり学徒のことをほとんど知らずに訪問したのですが、現地で資料を読むと、いかに悲惨な出来事だったかが理解できました。

 当時の軍部は、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒(ひめゆり学徒)を動員し、陸軍病院で看護活動に従事させました。

 しかしながら、米軍の攻撃で日本軍が劣勢になると、軍部は突然「解散命令」を出して「ひめゆり学徒」を危険な戦場に放してしまうのです。

 人の命よりも軍部の都合が優先されたわけです。

 そのため「ひめゆり学徒」は多くの犠牲者が出ました。

 この話を知っただけでも、「ひめゆりの塔」に訪問した価値がありました。


 続いて、平和祈念公園を訪問しました。

 とても広い公園で、園内には様々な施設がありました。

(多目的広場と沖縄県平和祈念堂)
Photo_20240519135901

 手前が多目的広場、奥の白い塔が平和祈念像が安置されている平和祈念堂です。

(平和の丘モニュメント)
Photo_20240519135902

 こちらは「平和の丘モニュメント」です。

 アーチ形で、広島平和記念公園の「原爆死没者慰霊碑」とよく似ています。

(平和の礎(いしじ))
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 こちらは「平和の礎(いしじ)」と呼ばれる刻名碑です。

 沖縄戦などで亡くなられた20万人余りの人々のお名前が刻まれています。

(「命どぅ宝」石碑)
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 「命(ぬち)どぅ宝」、命こそが最高の宝だと改めて思いました。


「道の駅いとまん」の「ばくだんおにぎり」

 ひめゆりの塔と沖縄平和祈念公園を見学した後、車で糸満市の「道の駅いとまん」に寄りました。

 「道の駅いとまん」は、全国最南端で、沖縄県最大規模の道の駅です。

(道の駅いとまん「うまんちゅ市場」)
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 「うまんちゅ広場」は、野菜や果物、加工品などが販売されているファーマーズマーケットです。

(道の駅いとまん「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」)
Photo_20240519140502

 「糸満市物産センター 遊食来(ゆくら)」では、糸満市をはじめとする沖縄県内の特産品・名産品が販売されています。

(糸満市の名物・特産品)
Photo_20240519140601

 これらの施設をひととおり回った後、「お魚センター」へ行ってみました。

 この施設では、鮮魚、もずく、海ぶどう、水産加工品、海鮮丼などが販売されています。

 施設内店舗「西南門小(にしへーじょうぐわー)カマボコ屋」に掲示されている「ばくだんおにぎり」の広告が目に留まりました。

(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」の広告)
Photo_20240519140801

 船上の漁師の「まかない」から生まれた料理のようです。

 単に「ばくだん」とも呼ばれています。

 お土産にされるのか、「ばくだん」をまとめ買いされる地元客もおられました。

(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」(包装))
Photo_20240519140901

 「さけ」、「うめ」、「みそ」の3種類が販売されていたので、私は「みそ」を購入し、外のテラスでいただきました。

(西南門小カマボコ屋「ばくだんおにぎり」(中身))
Photo_20240519141001

 ご飯に甘辛いみそを詰め、そのおにぎりを魚のすり身(かまぼこ)で包んで揚げたものです。

 薄いかまぼこ(さつま揚げ)で包まれているので、弾力があって、プリプリした歯ごたえが楽しめました。

 これなら少々上から落としても、割れないどころか、バウンドして再び手元に戻ってきそうです(笑)

 ご飯と具とかまぼこの美味しさを一度に味わえる、ボリュームのあるおにぎりでした。

 糸満市で、平和と「ばくだん(おにぎり)」について多くのことを学びました。


<関連サイト>
 「うるマルシェ」(沖縄県うるま市字前原183-2)
 「コープ美里」(沖縄県沖縄市美原4-29-1)
 「Jimmy's(ジミー)」(大山店:沖縄県宜野湾市大山2-22-5 ほか)
 「ひめゆりの塔・ひめゆり平和祈念資料館」(沖縄県糸満市字伊原671-1)
 「平和祈念公園」(沖縄県糸満市字摩文仁444)
 「道の駅いとまん」(沖縄県糸満市西崎町4-20-4)
 「西南門小カマボコ屋」(沖縄県糸満市西崎町4-17-21)

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コメント

素人考えで恐縮ですが・・・
那覇から広島に直帰せず、羽田経由で帰った方が安い?
そんなことはないですよね(^^;;
もずく塩パン、一瞬あんぱんやお焼きをイメージしました(^.^)
練り込んだ方が食べやすい?
魚のすり身で包んでおにぎりを油で揚げるばくだんは非常に新鮮!
もずくばくだんもできそうですね(^.^)v

1泊2日の沖縄!何だかもったいない(笑)
おにぎりを魚のすり身で包んで揚げるとは面白いですね。
ばくだんという名前から、拳ぐらいありそうなのをイメージしましたが、意外と小さそうな?
山口のいろり山賊の爆弾おにぎりから連想しちゃったのかも(^^;)

なーまん 様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

ごめんなさい。私の説明の仕方がいまいちでした。
「広島-羽田、羽田-那覇、那覇-広島、それぞれの区間を片道(単独)で購入すると想定した場合、航空運賃はどういう順番になるでしょう」という問題でした。
A:広島-羽田を往復した場合の航空運賃と、B:往路は広島-羽田、復路は羽田から那覇を経由して広島に戻った場合の航空運賃、を比較して、合計するとBの方が安いということは、まずないと思います…。

もずく塩パンですが、沖縄はもずくそのものや、もずくの加工品がたくさん売られていました。
もずくがあんパンやおやきのように、具で入っていたら…ぬるぬるで食べにくいでしょうね(笑)
生地に練り込むことで、パンにすることできたのだと思います。このパン、個人的にかなりおすすめです!

平和都市・糸満市の名物が「ばくだん」だったことに驚きました(笑)
もずくで作る場合、水気をよく切ってから揚げないと、高温の油の中でばくだんのように跳ね散りそうです(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

確かに、沖縄に1泊2日ではもったいないと思いましたが、割と安く行けたので、満足です!

ばくだんおにぎりの大きさは、拳を一回り小さくした(ゴルフボールを一回り大きくした)程度のものです。
ただ、おにぎりの周りが魚のすり身(かまぼこ)で、厚みもあるので、1個でもかなりの食べ応えがありましたよ。

山口の「いろり山賊」の大きなおむすび、よく御存知ですね!
こちらのおむすびは確かにビッグサイズです。
いろり山賊の厨房で、ご飯の入った丼を2つあわせ、それを回転させながら、1つの大きなおむすびを作られていた姿が印象的に残ってます。

次回、またばくだんおにぎりを入手する機会があったら、おでんの具として煮込んでみたいです。
破裂したら雑炊かリゾットになってしまいますが(笑)

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