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2024年6月

2024年6月30日 (日)

日本各地のレモン菓子・レモンケーキ7 -沖縄のレモンケーキ・ヒラミーレモンケーキ、沖縄のレモンケーキの特徴-

沖縄のレモンケーキ

 沖縄県内では、たくさんのレモンケーキが販売されています。

 沖縄のレモンケーキは、定番のおやつとして人気があるだけでなく、年中行事(お盆(旧盆)やシーミー(清明祭)など)のお供え物としても用いられています。

 今や全国展開しているレモンケーキですが、沖縄では独自の文化が形成されてきたようです。

 そこで私は、「沖縄にはどんなレモンケーキがあり、どんな特徴が見い出せるのか」を研究テーマの1つとし、その真相を解明すべく、沖縄県内各地でレモンケーキを購入しました。


佐和田洋菓子店「レモンケーキ」

 沖縄市美原にあるスーパーマーケット「コープ美里」のお菓子コーナーで、レモンケーキが販売されていました。

(佐和田洋菓子店「レモンケーキ」(包装))
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 「佐和田洋菓子店」(浦添市)の「レモンケーキ」です。

 1個130円(税込)でした。

 包装は全国的によく見かけるレモンケーキ用のものです。

(佐和田洋菓子店「レモンケーキ」)
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 サイズは横約7cm、幅約5cm、高さ約4cmと大きめです。

 レモンチョコレートがほぼ全体に(7割程度)コーティングされています。

(佐和田洋菓子店「レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地は軽くて、サックリとしています。

 「レモンケーキと言えばこれ!」と言えるような定番のレモンケーキです。


マルキヨ製菓「レモンケーキ」

 読谷村の大型スーパーマーケット「サンエー大湾シティ店」を訪問しました。

(サンエー大湾シティ店)
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 パン・お菓子コーナーへ行くと、レモンケーキが販売されていました。

(マルキヨ製菓「レモンケーキ」(包装))
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 「マルキヨ製菓」(浦添市)の「レモンケーキ」です。

 1個100円(税込)でした。

 こちらの包装も、全国的によく見かけるレモンケーキ用のものです。

(マルキヨ製菓「レモンケーキ」)
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 開封すると、レモンの香りが広がりました。

 サイズは横約6.5cm、幅約4cm、高さ約4.5cmです。

 高さがあり、いなり寿司のような珍しい形をしています。

 レモンチョコレートが表面に4割程度、厚めにコーティングされています。

(マルキヨ製菓「レモンケーキ」(中身))
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 上げ底になっており、底の部分はカステラの焼き目(焼き色が付いた部分)のように、香ばしい焼き目が付いていました。

 きめ細かで、サックリとして、クッキーのような香ばしさのある、レモン風味豊かなレモンケーキです。


御菓子御殿「レモンケーキ」

 同じ「サンエー大湾シティ店」のパン・お菓子コーナーで見つけた「御菓子御殿」(読谷村)の「レモンケーキ」です。

(御菓子御殿「レモンケーキ」(包装))
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 包装に「爽やかな香り レモンケーキ」と表記されています。

 1個120円(税込)でした。

(御菓子御殿「レモンケーキ」)
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 ケーキ生地の焼き色が薄く、色がレモンチョコレートと一体化しています。

 サイズは横約6.5cm、幅約4cm、高さ約4.5cmです。

 レモンチョコレートが表面に5割程度コーティングされています。

(御菓子御殿「レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地がしっかりと焼き上げられており、サックリとした仕上がりになっています。

 このレモンケーキも、馴染み深い定番のレモンケーキでした。


アヤナス大宜味「シークヮーサー&レモンケーキ」

 うるま市の農水産直売所「うるマルシェ」を訪問しました。

(うるマルシェ)
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 「うるマルシェ」には、沖縄県中部を中心とした広いエリアから集められた数多くの食材・加工品・お土産が販売されています。

 加工品・焼菓子のコーナーでレモンケーキが販売されていました。

(アヤナス大宜味「シークヮーサー&レモンケーキ」販売風景)
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 かご一杯に山積みで販売されているレモンケーキ、こういうのを期待していました(笑)

 POPに、
「もう食べました?」
「どこか懐かしくも新しい味わい」
「お土産にどうぞ」
と書かれていることから、シークヮーサーのレモンケーキは地元でもまだ新しい(珍しい)お菓子なのでしょう。

(アヤナス大宜味「シークヮーサー&レモンケーキ」(包装))
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 「山原レモンケーキ with シークヮーサー」と記載されたシールが貼られています。

 沖縄本島北部「山原(やんばる)」地方の「大宜味(おおぎみ)シークヮーサーパーク」で販売されているシークヮーサー入りレモンケーキです。

 1個180円(税込)でした。

(アヤナス大宜味「シークヮーサー&レモンケーキ」)
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 ケーキ生地の表面いっぱいにレモンチョコレートがコーティングされています。

 艶やかな濃い黄色のレモンチョコレートです。

 サイズは横約7cm、幅約5cm、高さ約4.5cmと大きめです。

(アヤナス大宜味「シークヮーサー&レモンケーキ」(中身))
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 レモンチョコレートが厚めにコーティングされています。

 ケーキ生地はしっとりとしてクリーミーな食感で、ほのかにシークヮーサーの風味を感じました。


エーデルワイス沖縄「ヒラミーレモンケーキ 島果のめぐみ」

 那覇空港でもレモンケーキを探しました。

(ゆいレール・那覇空港駅)
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 デパートリウボウ那覇空港店で箱入りのレモンケーキが販売されていました。

(エーデルワイス沖縄「ヒラミーレモンケーキ 島果のめぐみ」(箱))
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 エーデルワイス沖縄(西原町(にしはらちょう))の「ヒラミーレモンケーキ 島果(しまか)のめぐみ」です。

 「ヒラミーレモン」はシークヮーサーの和名です。

(エーデルワイス沖縄「ヒラミーレモンケーキ 島果のめぐみ」(包装))
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 太陽、ヒラミーレモン(シークヮーサー)、島、海がデザインされた包装です。

(エーデルワイス沖縄「ヒラミーレモンケーキ 島果のめぐみ」)
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 ヒラミーレモン風味のアイシング(砂糖がけ)が縞模様にかけられています。

 サイズは横約6cm、幅約4.5cm、高さ約3cmです。

(エーデルワイス沖縄「ヒラミーレモンケーキ 島果のめぐみ」(中身))
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 表面はカリッと香ばしく、中はしっとりとしています。

 アイシングはシャリシャリで、ヒラミーレモン(シークヮーサー)の酸味とほろ苦さを強く感じました。

 レモンではなくヒラミーレモンで、チョコレートではなくアイシングで、コーティングも表面全体ではなく縞模様で作られた、ちょっと珍しいお菓子です。


沖縄のレモンケーキの特徴

 沖縄のレモンケーキの特徴をまとめておきます。

①レモンの形(基本形)を守り、レモンチョコレートがコーティングされた伝統的なレモンケーキが中心
②レモンの風味や酸味を強調したり、レモンピール(レモンの皮)が加えられたりした個性的なレモンケーキは少ない
③ケーキ生地は、バターやアーモンドプードルを使った濃厚なものより、軽くてあっさりとしたものが主流
④ケーキ生地の焼き色が薄く、レモンチョコレートと一体化した色合いになっている
⑤比較的サイズが大きめのものが多い
⑥スーパーマーケットや産直施設でも販売され、気軽にお手頃価格で購入できる
⑦沖縄特産のシークヮーサー(ヒラミーレモン)が使われたレモンケーキもある

 沖縄のレモンケーキは、年中行事のお供え物としても使われることもあり、一般的・伝統的な形・製法で作られたものが主流で、サイズは比較的大きく、誰もが食べやすいよう軽めの食感で仕上げられ、身近なお店で気軽に入手できることが特徴と言えるでしょう。

 また最近の傾向として、沖縄特産のシークヮーサー(ヒラミーレモン)を使ったレモンケーキも販売され、新たな沖縄みやげとなっています。

 沖縄では、お供え物や身近なお菓子としてレモンケーキが愛され続けています。


<関連サイト>
 「コープ美里」(沖縄県沖縄市美原4-29-1)
 「佐和田洋菓子店」(沖縄県浦添市屋富祖2-2-3)
 「サンエー」(「大湾シティ店」沖縄県中頭郡読谷村字大湾343 ほか)
 「マルキヨ製菓」(沖縄県浦添市牧港5-11-3)
 「御菓子御殿」(「読谷本店」沖縄県中頭郡読谷村字宇座657-1 ほか)
 「うるマルシェ」(沖縄県うるま市字前原183-2)
 「大宜味シークヮーサーパーク」(沖縄県国頭郡大宜味村津波1424-1)
 「エーデルワイス沖縄」(「デパートリウボウ那覇空港店」沖縄県那覇市鏡水150 ほか)

<レモンケーキ関連記事>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 埼玉県在住のchibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。
 当ブログ「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」も御参照ください。

2024年6月23日 (日)

チョコレートの新しい潮流4 -「ラテアートカフェ クレマ」のチョコレートとカカオサブレ・広島修道大学公開講座「チョコレートとカカオを極めよう」-

「ラテアートカフェ クレマ」のチョコレート・カカオサブレ

 広島県東広島市八本松にあるカフェ「ラテアートカフェ クレマ」を訪問しました。

(「ラテアートカフェ クレマ」店舗)
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 エスプレッソ、カプチーノ、デザート、ランチのほか、手作りのビーントゥバーチョコレートも提供されています。

 チョコレートの製造・販売は、広島大学名誉教授の佐藤清隆先生との御縁によるものです。

 今回は、このお店のチョコレートを購入するために訪問しました。

 お店に入ると、チョコレートやクッキーなどの販売コーナーがあり、お店の代表者である竹崎さんが、ランチタイムでお忙しいにもかかわらず、親切・丁寧に対応してくださいました。

 このお店では、スイスのダニエル・ペーター(※)が開発したミルクチョコレート(ダニエル・ペーターのレシピをもとに再現したミルクチョコレート)も販売されているのですが、この商品は不定期販売で、一度に作られる量も少ないため、訪問日には販売されていませんでした。
 ※世界で初めてミルクチョコレートを開発した人物

 そこで私は、そのダニエル・ペーターのミルクチョコレートと同じ原材料を使用して作られた「ホワイトチョコレート」と、チョコレートクッキーを購入しました。

 ホワイトチョコレートには、説明書と保冷剤も付けていただきました。

(ホワイトチョコレート(包装・説明書))
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 竹崎さんがチョコレートにかけておられる情熱や愛情が伝わってきました。

 佐藤先生のお話をすると、竹崎さんは喜んでくださり、「チョコレートと佐藤先生のどちらがお好きなのですか?」と問われました。

 私は少し照れながら「どっちもです」とお答えしました。

 続けて「佐藤先生にはどんな印象を持たれていますか?」と問われたので、私は「ずばり「お調子者」ですかね。私も同じなので、波長が合うんです(笑)」とお答えすると、竹崎さんは「そうそう、その表現ぴったりですね」と笑いながらおっしゃっていました。

 バリスタである竹崎さんの接客サービス・お人柄の良さに触れたワンシーンでした。

 お店の外で、面白い看板を見つけました。

(「激痛公園」案内看板)
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 「激痛公園?そんな名前の公園があるんだ」と思い、歩いて行ってみました。

(「激痛公園・健康の小路」)
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 足つぼマッサージが出来る公園でした。

 八本松ガーデンプレイスは面白い所だなと思いつつ、自宅に帰りました。

 自宅でホワイトチョコレートを開封しました。

(チョコレート包装紙(裏面))
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 包装紙の裏面にメッセージがありました。

 佐藤先生との出会いにより、クレマのチョコレートが生まれたことが説明されています。

(ホワイトチョコレート)
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 銀紙を外すと、中に長方形のタブレットチョコレート(板チョコ)が入っていました。

 口に含むと、カカオバターのコクとミルクの甘い香りが広がりました。

 きめ細かく、口の中でやさしく溶ける美味しいホワイトチョコレートでした。

 続いて、カカオサブレをいただきました。

(カカオサブレ(包装))
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 カカオニブがのせられた、丸いチョコレートクッキー(サブレ)です。

(カカオサブレ)
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 甘さを抑えたチョコレートクッキーとほろ苦いカカオニブを一緒にいただくと、不思議なことに、クッキーのわずかな甘みが強く引き出されました。

 ビターで芳醇なカカオの美味しさをダイレクトに味わえる、チョコレート好きの方におすすめのクッキーです。


修道オーブンアカデミー公開講座「チョコレートとカカオを極めよう」

 2024年6月22日、広島修道大学で修道オーブンアカデミー公開講座「チョコレートとカカオを極めよう」が開催されました。

 担当講師は、広島修道大学人文学部の松崎雅広教授と広島大学の佐藤清隆名誉教授です。

 チョコレートをカカオを極めたい一心で、私も受講させていただきました。

 久しぶりに広島修道大学を訪問しました。

(広島修道大学7号館)
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 広島修道大学7号館です。

(広島修道大学7号館玄関)
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 7号館の玄関に、今回の公開講座のポスターが掲示されていました。

(公開講座「チョコレートとカカオを極めよう」ポスター)
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 カカオの原産地、ヒトとカカオの遭遇、カカオの生産、チョコレートの製造など、チョコレートやカカオに関する様々な研究成果が学べる講座です。

 私は最前列の席で佐藤先生に御挨拶し、受講しました。

※広島修道大学関係者様へ
 以下の記事は講座の概要紹介に留め、直接研究内容に触れる資料・レジュメについては掲載しておりませんが、何か支障となる記事や表現がございましたら御連絡ください。すぐに修正させていただきます。


今回の講座で新たに学んだこと

 今回の講座で私が新たに学んだことをまとめます。

・カカオ豆は、赤ちゃんのミルクのように栄養が豊富

・カカオ豆ほど脂肪の含有率が高い豆はない

・チョコレートの健康効果として、抗ガン・抗炎症、糖尿病・動脈硬化予防、利尿作用、血流の促進、中枢神経刺激、肥満防止、脳梗塞の抑止などが期待される

・カカオは、日差しが強く高温な熱帯の環境下でも自らを酸化させないよう、抗酸化作用のあるポリフェノールをたくさん保有している

・カカオの生育には、気温16℃以上、年間雨量1500ミリ以上、湿度70%以上を確保できる環境が必要

・地球は過去に何度も氷期を迎えたが、最終氷期(ヴュルム氷期:7万年~1万8500年前)にも、アマゾン川周辺だけは熱帯雨林として残り、カカオは絶滅を免れた。

(最終氷期のアマゾン川周辺の熱帯雨林)
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 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房 p83 図4.9を引用

空色の斜線部分が熱帯雨林として残ったエリアです。
ちなみに、この講座が開催された6月22日は世界熱帯雨林の日でした。

・カカオの外皮は非常に硬く、それを割って中の甘い果肉(カカオポッド)を得られるのは、ゾウやサイなどの大型哺乳類(メガファウナ)かヒトのみ

・メガファウナやヒトを介することにより、カカオの種子はより遠くへ運ばれた

・現在のカカオ生産は、西アフリカが中心で、ガーナとコートジボワールだけで全体の約60%を占める

・カカオ農家のうち、生活収入ライン(5.81USドル/日)以下が約73%、極度貧困ライン(1.9USドル/日)以下が約35%を占めている

・カカオ豆の国際価格は、ロンドンやニューヨークの先物市場の取引で決められるため、実態に即していない(フェアトレードがなされていない)

・最近の世界的な異常気象(西アフリカの大雨・洪水・干ばつ、フィリピンの洪水、アマゾン流域の干ばつ等)で、カカオ豆の国際価格が暴騰している


カカオニブの試食と産地当てテスト

 講演の途中、カカオニブの試食と産地当てテストが行われました。

 フィリピン産とベネズエラ産のカカオニブを試食してそれぞれの特徴をつかんだ上で、改めて出されたカカオニブがどちらの産地のものか、ブラインドテストで当てるというものです。

 テスト開始の際、佐藤先生が「最前列には、いつも私の講演に参加してくれる人がおられますが、このテストで当たらなかったらやめなさい!」と挑戦状が出されました。

 ほら、お調子者でしょう(笑)

 同じお調子者の私は「必ず当ててみせる!」との意気込みでテストに臨みました。

 まずはフィリピン産とベネズエラ産、それぞれのカカオニブを試食し、その特徴をとらえました。

(カカオニブ(フィリピン産))
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 フィリピン産は、フルーティで酸味を強く感じました。

 水を飲んで舌をリセットし、続いてベネズエラ産のカカオニブをいただきました。

 ベネズエラ産は、酸味が控えめな分、若干の渋味があり、ワインかシャンパンのようなアルコールの香りと、ナッツのような香ばしい香りを感じました。

 私が感じた特徴をグラフにお示しすると、次のとおりです。

(カカオ産地別の特徴(テスト))
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 ※画像をクリックすると拡大します

 このグラフは私が感じた特徴をお示ししたもので、一般的な産地の特徴をお示ししたものではないことに御留意ください。

 こうした特徴をつかんだ上で、改めてブラインドテスト用のカカオニブが用意され、どの産地のものか当てるテストが開始されました。

 熟成されたアルコールの香りがしたことから、私はベネズエラ産だと判断しました。

 正解は「ベネズエラ産」でした。

 何とか当てることができ、私は次回以降も佐藤先生の講演に参加することが認められました(笑)


まとめ

 講演会終了後,佐藤先生に御挨拶に伺いました。

 私が「ラテアートカフェ クレマ」へ伺ったことをお話しすると、喜んでおられました。

 その後、ちょうどお昼を迎えたので、大学の食堂「フォレスト」でランチをいただきました。

(フォレスト「ふわふわオムライス」)
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 チキンライスをふわふわの卵で包んだオムライスをいただきました。

 大学からの帰りがけに、お店で明治のハイカカオチョコレート「チョコレート効果 Cacao 86%」を買いました。

(明治「チョコレート効果 Cacao 86%」)
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 ダークチョコレートは55%前後のものが多く流通しているようで、カカオ86%だと相当苦いレベルです。

 知れば知るほど、その奥深さに驚くチョコレートとカカオの世界。

 当ブログのカカオ・チョコレートの内容もハイレベルになれるよう、これからもフィールドワーク・記事作成を続けていきたいと思います。


<関連サイト>
 「ラテアートカフェ クレマ」(広島県東広島市八本松東6-2-31 八本松ガーデンプレイス1階)
 「広島修道大学」(広島市安佐南区大塚東1-1-1)
 「チョコレート効果」(明治)

<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。

<参考文献>
 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房

2024年6月16日 (日)

ひろしま国際プラザ「難民の故郷の味フェア」 -ミャンマーのオンタミンとチェッターヒン、ベトナムの鶏肉八角焼き、インドネシアのソトアヤム、スリランカのパリップサラーダヤ-

6月20日は世界難民の日

 毎年6月20日は「世界難民の日」(World Refugee Day:ワールド・リフュージー・デー)です。

 難民の保護と支援に対する世界的な関心を高めることを目的に,2000年12月4日の国連総会で決議されました。

 日本でも,全国各地で「世界難民の日」にちなんだイベントが行われています。

 今回は,そのイベントの1つ,「ひろしま国際プラザ」で開催された「難民の故郷の味フェア」について御紹介したいと思います。


ひろしま国際プラザ(HIP)

 広島県東広島市鏡山には,試験・研究機関が集積する「広島中央サイエンスパーク」があります。

(広島中央サイエンスパーク)
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 そしてこの「広島中央サイエンスパーク」内に「ひろしま国際プラザ」があります。

(ひろしま国際プラザ)
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 「ひろしま国際プラザ」(HIP:Hiroshima International Plaza)は,「広島県立広島国際協力センター(HICC:Hiroshima International Cooperation Center)」と「国際協力機構(JICA)中国センター」が一体化した複合施設です。

(ひろしま国際プラザ入口(レストラン「ラコルト」と宿泊棟))
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 手前の丸い建物がレストラン「ラコルト」,奥が海外からの研修員などが宿泊・滞在する宿泊棟です。

 私はJICA中国やHICCの職員の方々とインドネシアへ出張したり,このHIPで中国・四国地方各県の海外研修員の皆さんと交流事業を企画・実施したことがあるので,HIPには親しみと懐かしさを感じます。


難民の故郷の味フェア

 「難民の故郷の味フェア」は,「世界難民の日」にちなんだイベントで,今年度(2024年度)は6月11日から24日まで開催されています。

(難民の故郷の味フェア(2024年)チラシ)
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 JICA中国ウェブサイト(イベント)から引用

 ひろしま国際プラザの玄関に、レストラン「ラコルト」のメニューと「難民の故郷の味フェア」の案内がありました。

(レストラン「ラコルト」メニュー・難民の故郷の味フェア案内)
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 「MEAL For Refugees(ミール・フォー・リフュージーズ)」とは、食(ミール)を通じて難民(リフュージーズ)への理解を深める取組みのことです。

 フェア期間中は、「食」を通じて難民問題を知ることを目的に,難民を多く輩出している国の料理が毎日2品以上提供されます。

 レストラン「ラコルト」に入店しました。

 ランチは定額制(大人900円、小学生800円、3歳~小学生未満350円、3歳未満は無料)でバイキング形式となっています。

 世界各国の料理が日替わりで提供され,それにご飯・野菜カレー・フレッシュサラダ・ドリンク(コーヒー・紅茶・ウーロン茶・お茶)・デザートが付きます。

 レジで支払いを済ませ、セルフサービスで料理を皿に盛りました。

 それでは、今回味わった料理を御紹介します。

(レストランラコルトのランチ(2024年6月15日))
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 私が訪問した2024年6月15日のランチです。

 近くにおられた海外研修員(イスラム圏出身の女性)と私では、皿の盛り付け方が全く異なることに気付きました。

 私はライス、スープ、おかずを別々の皿に分け、定食のような盛り付けにしたのですが、その海外研修員の方は1枚の大皿にライスとおかずを一緒に盛り付け、ワンプレートランチにされていました。

 食文化の違いが、こういうシチュエーションでも無意識に出てくることを実感しました。

 それでは,それぞれの料理を御紹介します。


オンタミン(ミャンマー)

 最初に、ミャンマーの「オンタミン」を御紹介します。

(オンタミン(チェーフィングディッシュ))
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 ミャンマーの「ココナッツミルクご飯」です。

 ハラルフードにはネームプレートに緑色の「Halal」シールが貼られており、イスラム圏の人々へ配慮がなされています。

(オンタミン)
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 ココナッツミルクの香ばしさが楽しめる米料理です。

 わずかに油と塩分を感じ、ピラフやバターライスに似た料理でした。

 ちなみに「タミン」は「ご飯」という意味で、ミャンマーでは、日本語と同様に「食事」という意味でもこの単語が用いられています。


チェッターヒン(ミャンマー)

 続いて、同じミャンマーの「チェッターヒン」を御紹介します。

(チェッターヒン(大皿))
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 「チェッター」が鶏、「ヒン」がカレー(風の煮込み)で、ミャンマーの「チキンカレー」です。

(チェッターヒン)
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 鶏肉・玉ねぎ・トマトなどの具を炒め、ターメリックやチリペッパーなどのスパイスを合わせて煮込まれた料理でした。

 ピリ辛のカレー煮込みで、オンタミンと一緒にいただきました。

 イスラム圏の出身の女性研修員は、大皿にオンタミンを盛り、その上からチェッターヒンをかけて召し上がっていましたが、これが正解だと思います。


鶏肉の八角焼き(ベトナム)

 続いて、ベトナムの「鶏肉の八角焼き」を御紹介します。

(鶏肉の八角焼き(チェーフィングディッシュ))
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 スパイスの「八角(はっかく、スターアニス)」で香り付けしたグリルチキンです。

(鶏肉の八角焼き)
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 醤油ベースの甘辛なタレに、八角の甘くてさわやかな風味が加わった中華風の鶏料理でした。


ソトアヤム(インドネシア)

 続いて、インドネシアの「ソトアヤム」を御紹介します。

(ソトアヤム(お椀))
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 汁椀が用意されていたので、それに「ソトアヤム」(スープ)を注ぎ入れました。

 カレー風味の鶏肉汁で、具は鶏肉、玉ねぎ、人参などが入っていました。

 スープの色を確かめるため、おかわりをいただき、今度は皿に「ソトアヤム」を注ぎ入れてみました。

(ソトアヤム(皿))
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 ターメリックで黄色味を帯びたスープでした。

 実は私、メニュー表を見た時点では、すっかり「サテアヤム」(鶏の串焼き)だと思い込んでいたので、スープジャーに入った「ソトアヤム」を見た瞬間、「さて?」と少し戸惑いました(笑)

 ちなみに、インドネシア語で「ソト」は「スープ」、「サテ」は「串焼き」、「アヤム」は「鶏」という意味になります。

 「サテアヤム」はこれまで何度か味わったことがありますが、「ソトアヤム」は今回初めていただきました。


パリップサラーダヤ(スリランカ)

 続いて、スリランカの「パリップサラーダヤ」を御紹介します。

(パリップサラーダヤ)
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 「パリップ」は「レンズ豆」のことで、「パリップサラーダヤ」は「レンズ豆のサラダ」という意味です。

 レンズ豆のほか、刻んだパプリカや赤玉ねぎが入った、さっぱりとした冷製サラダでした。


カレーコロッケ・デザート(冷やし焼き芋)・コーヒー

 難民の故郷の料理とは別に、カレーコロッケや冷やし焼き芋もいただきました。

(鶏肉の八角焼き・カレーコロッケ・冷やし焼き芋)
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 カレーコロッケは揚げ立てで、サクサク・ホクホク感が楽しめました。

 冷やし焼き芋は、ねっとりとした食感でとても甘く、締めくくりのデザートとして最適でした。

 食後にコーヒーをいただきました。

(コーヒーと難民紹介文(フレディ・マーキュリー))
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 カウンターにイギリスのロックバンド「クイーン」のボーカリスト「フレディ・マーキュリー」の紹介文がありました。

 タンザニアのサンジバルで生まれ、その地に住んでいたことのあるフレディ・マーキュリーも難民の1人だったそうです。

 難民の苦労・辛さ・大変さについて考えつつ、コーヒーをいただきました。

(「MEAL For Refugees」の紹介と募金箱)
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 食事を済ませてレストランを後にする際,「MEAL For Refugees」の一環として募金箱が設置されていたので,わずかながら募金させていただきました。

 訪問した日は多くの研修員・留学生が食事しておられ,国際色豊かな環境での食事となりました。


ひろしま国際プラザ館内見学

 ランチを済ませた後、ひろしま国際プラザ館内を見学しました。

 「世界難民の日」にちなんで,世界の難民の状況を紹介するコーナーがありました。

(「難民って聞いたことありますか?」(紹介・展示コーナー))
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 「難民」という言葉を聞いたことはありますが、周りを海に囲まれた日本に住んでいると、どこか遠い国の出来事のような感じもします。

 だからこそ、日本でも意識啓発が必要なのでしょう。

(ミャンマーの子供たち)
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 自分の背丈ほどの収穫物を背負って仕事をしているミャンマーの子供たちの写真がありました。

 この子供たちの屈託のない笑顔を絶やすことのないよう、国際問題を1つ1つ解決していく必要があると感じました。

 また、玄関ロビーでは、JICA青年海外協力隊の平和活動が紹介されていました。

(ヒロシマから世界へ~協力隊員が伝える原爆~)
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 さらに同時開催で、「G7広島サミット」に出席された各国首脳・国際機関の長の芳名録も展示されていました。

(G7広島サミット・各国首脳・国際機関の長・芳名録)
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 皆さん横書きで書かれている中、飛び込みで参加されたウクライナのゼレンスキー大統領だけが思いっきり斜めに書いておられます(笑)(写真右下)

 岸田総理の芳名録もありました。

(G7広島サミット・岸田文雄総理大臣・芳名録)
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 なるほど、こんな字を書かれるのか(笑)

 JICAプラザの一角には、「世界のファッション紹介コーナー」がありました。

(世界のファッション紹介コーナー)
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 カラフルで様々な絵柄があるものですね。

 今回のひろしま国際プラザ訪問は、世界各国の料理を楽しみ、難民や世界平和など国際問題を考える良い機会となりました。


<関連サイト>
 「ひろしま国際プラザ(HIP)」(広島県東広島市鏡山3-3-1 広島中央サイエンスパーク内)
 「国際協力機構(JICA)中国センター」(広島県東広島市鏡山3-3-1)
 「難民支援協会(JAR)」(東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階)
 「世界難民の日」(UNHCR(国連難民高等弁務官事務所))

<関連記事>
 「アルバニア料理の特徴と主な料理 -ペシュク・ネ・フーレ,トゥルリ・ペリメシュ,ミシュ・メ・ラク,ラバーニ-」(JICA関西「JICA関西食堂」)
 「ひろしま国際プラザ「難民の故郷の味フェア」 -チキンのレモン煮・麻婆豆腐・アメリカンドッグ・ブロッコリーライス・チルカーノ・アスウィットサラダ・ケニア紅茶-

<参考文献>
 沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」学研プラス

2024年6月 9日 (日)

沖縄の食文化探訪3 沖縄の「田芋(タイモ)」-田芋ジューシー・田芋でんがく・タームパイ(タームパイの形は何に由来しているのか)-

沖縄の田芋(タイモ)

 沖縄で芋と言えば全国的に「紅芋(ベニイモ)」が有名ですが、地元では「田芋(タイモ)」という芋も人気があります。

 沖縄ではタイモのほか、地域によってターンム、タームとも呼ばれています。

 サトイモ科の芋で、里芋以上に粘りがあり、ご飯のおこげのような、独特の香ばしい香りがあるのが特徴です。

 サトイモ科の芋は「タロイモ」と呼ばれますが、「タイモ」もこれとよく似た呼び名となっています。

 沖縄では料理やお菓子によく用いられる食材です。

 今回は沖縄の田芋の魅力を御紹介したいと思います。


月桃葉包み田芋ジューシー

 沖縄県うるま市の「うるマルシェ」で「田芋ジューシー」が販売されていました。

 「ジューシー」は、米を豚肉・鶏肉・野菜などの具とだし汁で炊いた「炊き込みご飯」を言います。

(田芋ジューシーの商品紹介)
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 「ちまき」のように月桃の葉で包まれた「月桃葉包み田芋ジューシー」のほか、月桃葉のカップに詰められたジューシー、そして「よもぎ」入りのジューシーも販売されていました。

(月桃葉包み田芋ジューシー(包装))
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 こちらは「月桃葉包み田芋ジューシー」です。

 「やんばる入口食品」(うるま市)で作られたもので、1つ400円(税込)でした。

 月桃の葉を開けると、1食分のジューシーが入っていました。

(月桃葉包み田芋ジューシー)
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 ジューシーの具に、さいの目切りの田芋が入っていました。

 里芋入り炊き込みご飯のイメージですが、とても香ばしい田芋の風味が味わえました。

 さらに月桃のさわやかで香ばしい風味が加わり、沖縄ならではの魅力的なジューシーに仕上がっていました。


田芋でんがく

 宜野湾市大山、「ごっぱち」(国道58号)沿いにあるスーパーマーケット・レストラン「ジミー大山店」の総菜コーナーで、「田芋でんがく」が販売されていました。

(田芋でんがく(パック))
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 「でんがく」と言えば、沖縄以外では「田楽、豆腐やこんにゃくなどに味噌を塗って焼いた料理」をイメージされる方が多いと思います。

 また、私の住む広島市では、ホルモンの煮込み汁のことを「でんがく」と呼んでいます。

 見た目から、これらの「でんがく」とは明らかに違うと思いつつ、「田芋でんがく」を購入しました。

 宿泊施設に持ち帰り、田芋でんがくを紙皿に盛ってみました。

(田芋でんがく)
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 ドロッとした粘りがあり、色は灰色に近い紫色です。

(田芋でんがく(粘り))
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 田芋でんがくをスプーンで持ち上げると、相当な粘りがありました。

 そのまま口に運んでみると…ほどよい甘さの「きんとん」でした。

 そして、見た目とは裏腹に美味しく、そのギャップに驚きました。

 田芋でんがくは、田芋の香ばしい香りが楽しめる、沖縄のおやつです。


タームパイ

 「タームパイ」は、甘い田芋あん入りのパイです。

 沖縄では様々なお店でタームパイが販売されており、人気の高さが伺えました。

 そんなタームパイをいくつか御紹介します。


【金武町産田芋の三角パイ】

 沖縄県うるま市の「うるマルシェ」でタームパイを購入しました。

(金武町産田芋の三角パイ(パック))
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 金武(きん)町産の田芋で作られた「金武町産田芋の三角パイ」です。

(金武町産田芋の三角パイ)
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 小さな三角おむすびのような形をしたタームパイです。

 油で揚げたパイです。

(金武町産田芋の三角パイ(中身))
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 パイ生地の中には、甘くてトロッと粘りのある、「田芋でんがく」のようなあんが入っていました。

 おやつにぴったりのお菓子でした。


【タームパイ(マルキヨ製菓)】

 読谷村(よみたんそん)の「サンエー」大湾シティ店で、ホールのタームパイが販売されていました。

 「マルキヨ製菓」(浦添市)のタームパイです。

(タームパイ(マルキヨ製菓)(ホール))
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 「ホールケーキのようなビッグサイズのタームパイもあるのか」と思いながら購入しました。

(タームパイ(マルキヨ製菓)(カット))
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 タルトの土台に田芋あんとケーキ生地をのせ、オーブンで焼いたパイです。

 表面のケーキ生地は、香ばしくしっとりとしています。

 紫色の層が「田芋あん」で、田芋(タロイモ)のほか、なた豆、いんげん豆、えんどう豆も使われています。

 美味しいので、ホールにもかかわらず、あっという間に食べてしまいました。


【田いもパイ(おおやまパイ)】

 タームパイを求めて、レンタカーで「ごっぱち」を走り、宜野湾市のお店へ向かいました。

 お店の周辺は住宅地で道も狭く、カーナビを頼りに何とかたどり着けました。

(おおやまパイ店舗)
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 天女が描かれた看板に「ようこそ 田芋の里 大山へ」と記載されています。

 ちなみに、左側の黒い軽自動車は、私が使用したレンタカーです。

 注文を受けてからタームパイが揚げられるため、出来上がりに約10分かかります。

 初めての訪問で、到着時刻が予測出来なかったこともあり、突然のお店訪問となってしまったことをお店の方にお詫びし、出来上がるまで車の中で待ちました。

(田いもパイ(おおやまパイ)(パック))
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 手渡された「田いもパイ」は、揚げたてアツアツでした。

 車の中に入れておくと、車内に油の匂いが充満しました(笑)

(田いもパイ(おおやまパイ))
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 こちらが「おおやまパイ」の「田いもパイ」です。

(田いもパイ(おおやまパイ)(中身))
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 田芋あんをパイ生地で包み、油で揚げたものです。

 生地はドーナツのようなサックリとした仕上がりで、中には田芋あんがたっぷりと包まれていました。

 ねっとりとして香ばしい田芋あんと揚げたパイの相性が抜群でした。

 揚げ立てを味わっていただきたい一品です。


タームパイの形は何に由来しているのか

 今回の沖縄の旅では、このタームパイが研究テーマの1つでした。

 その理由は、タームパイの形が、中国からもたらされた日本古来のお菓子「唐菓子(からくだもの)」の「餢飳(ぶと)」の形にそっくりだからです。

(餢飳(ぶと))
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 これは京都・祇園の京菓子店「亀屋清永」で購入した餢飳です。

 中にあんこ(こしあん)が詰められています。

 先程御紹介した「おおやまパイ」の「田いもパイ」とそっくりの形ですよね。

 「タームパイと餢飳にどんな関係性があるのか」を調べるため、レンタカーで沖縄県内の様々なタームパイを購入したというわけです。

 その結果、「タームパイは餢飳ではなく、アップルパイとの関係性が強い」ことがわかりました。

 その理由として、
①タームパイは餢飳の形だけでなく、三角形や円形など様々な形がある
②沖縄の食文化は中国だけでなく、アメリカの影響も大きく受けている
③タームパイだけでなく、アップルパイにも餢飳に似た形をしたものがある
④沖縄ではタームパイと並んで、アップルパイも数多く販売されている
⑤タームパイとアップルパイを同じコーナーで販売しているお店も多い
⑥タームパイは近年、田芋の知名度向上のために作られたお菓子である
ことが挙げられます。

 これらの理由から、タームパイは沖縄で身近なアップルパイをお手本に作られている可能性が高いという結論に至りました。

 残念ながら、当初私が予想した餢飳との関係はなさそうですが、田芋やタームパイを通じて沖縄の食文化について学ぶことが出来ました。


まとめ

 田芋を使った様々な料理・お菓子をいただき、沖縄の田芋の魅力を知ることが出来ました。

 沖縄では、田芋のチーズケーキやアイスクリームなども人気のようです。

 沖縄の田芋、私は今回初めていただきましたが、またぜひ食べタイモのの1つとなりました。


<関連サイト>
 「タイモ(田芋)」(「くゎっちーおきなわ」)
 「うるマルシェ」(沖縄県うるま市字前原183-2)
 「やんばる入口食品」(沖縄県うるま市赤道1056-1)
 「Jimmy's(ジミー)」(「大山店」沖縄県宜野湾市大山2-22-5 ほか)
 「ターンムディンガク」(「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」農林水産省)
 「サンエー」(「大湾シティ店」沖縄県中頭郡読谷村字大湾343ほか)
 「マルキヨ製菓」(沖縄県浦添市牧港5-11-3)
 「おおやまパイ」(沖縄県宜野湾市大山三丁目15-26)
 「亀屋清永」(京都市東山区祇園石段下南)
 「沖縄田芋チーズケーキ」(「BLUE SEAL(ブルーシール)」アイスクリーム)

<関連記事>
 「広島の名物・郷土料理4 -でんがく・ホルモンおでん,田楽とおでんの食文化史-
 「唐菓子(からくだもの)-清浄歓喜団と餢飳(ぶと)-

2024年6月 2日 (日)

広島工業大学公開講座「食資源、食品製造、健康科学の分野から食を考える」を受講して

広島工業大学公開講座

 広島工業大学では、毎年一般市民を対象とした公開講座が開催されています。

 令和6年度は「食」の分野の講座が開催されました。

 テーマは「食資源、食品製造、健康科学の分野から食を考える -人と食と健康についての知見を再認識しよう-」です。

(広島工業大学公開講座チラシ)
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 講座は3日間、各日2講座(1講座90分)ずつの計6講座で構成され、全講座受講すれば修了証も交付されます。

 「食」をテーマにした大学の公開講座であればぜひ受講したいと思い、私も申し込みました。

 講座開催当日、広島市中区の「サテライトキャンパスひろしま(広島県民文化センター)」を訪問しました。

(サテライトキャンパスひろしま(広島県民文化センター))
Photo_20240602131201

 広島県民文化センターの建物です。

 「サテライトキャンパスひろしま」はこの建物の5階にあります。

(会場案内)
Photo_20240602131301

 1階ロビーで会場を確かめ、5階の会場に伺いました。

 私は全講座受講しましたので、各講座の概要を御紹介したいと思います。

※広島工業大学関係者様へ
 以下の記事は講座の概要紹介に留め、直接研究内容に触れる資料・レジュメについては掲載しておりませんが、何か支障となる記事や表現がございましたら御連絡ください。すぐに修正させていただきます。


講座1「食品マーケティングと新商品開発」

 生命学部食品生命科学科の畠中和久教授から、「食品マーケティングと新商品開発」について学びました。

○マーケティングを理解したからと言って、決して売れるとは限らない

○「ニーズ」は「何かが不足している状態、その状態から沸き起こる欲求」、「ウォンツ」は「ニーズを満たしてくれる特定のモノ・サービスに対する欲求」

○顧客の声を聴き、顧客の要求や困りごとに応えるのが「マーケットイン」、一方、買い手のニーズやウォンツよりも企業側の理論を優先させるのが「プロダクトアウト」

○これまで大ヒットした商品は、実はすべて「プロダクトアウト」(市場創造型)商品
(例:カップヌードル、ボンカレー、カニかまぼこ、ウォークマン、スマートフォン、パソコン)

○「セグメンテーション(顧客の切り分け・細分化)」も重要
 例:明治の「フラン」…30歳前後の女性、帰国子女を対象にしたおしゃれな感じのチョコレート

○アサヒの「スーパードライ」は、消費者志向(コクとキレ味)を優先し、そのネーミングと一点集中戦略で大ヒットした

○アマノフーズのフリーズドライ技術が世界初のカップラーメンの具材(エビ・ネギ)として採用された


講座2「高電圧を用いた殺菌・食品加工技術」

 生命学部食品生命科学科の松井雅義准教授から、「高電圧を用いた殺菌・食品加工技術」について学びました。

○高電圧殺菌法は、非加熱なので食品の品質劣化を防ぐことができる

○高電圧の食品加工は、非加熱でやわらかくでき、細胞に適度な傷をつけることができ(調味料がしみ込みやすくなり)、加工と同時に殺菌もできる(消費期限が長くなる)というメリットがある

○高電圧パルス電界(Pulsed Electric Field:PEF)の研究事例として、魚肉のアニサキス死滅、ポテトチップスの改良(細胞に適度な傷を入れるとカラッと揚がり、油切れも良くなる)、フレッシュジュースの改良(色よく仕上がる・消費期限の延長)などがある

○PEF印可によるタンパク質(食品アレルギーの元)の構造変化の研究
 ※印可(いんか)…電気回路に電源や別の回路から電圧や信号を与えること

○放電プラズマを利用したコーヒー豆の焙煎
 ※プラズマ…原子核(プラスイオン)と電子(マイナスイオン)がバラバラに動き回っている状態


講座3「食とがん予防」

 生命学部生体医工学科の十川千春教授から、「食とがん予防」について学びました。

(会場(講座3「食とがん予防」)とレジュメ)
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○食生活を見直す(塩分を控える、野菜・果物を食べる、熱いものは少し冷まして摂取する)ことも、がん予防につながる

○「ファイトケミカル」は「抗酸化・殺菌・免疫力向上などが期待できる植物由来の微量成分」

○免疫細胞の約7割が腸内に存在するため、腸内環境を整えることも大切


講座4「ゲノム情報を駆使して行う新しい時代の農作物品種の創造」

 生命学部食品生命科学科の今井章裕准教授から、「ゲノム情報を駆使して行う新しい時代の農作物品種の創造」について学びました。

○細胞は筋肉細胞、皮膚細胞、神経細胞などに分化するが、その分化した細胞を元に戻した(脱分化・多能性をもった細胞に戻した)ものがiPS細胞

○植物の生殖様式には「種子繁殖」のほか、根・茎・葉から次世代の植物が無性的に繁殖する「栄養繫殖」(挿し木(芽)・種芋・株分けなど)がある

○倍数性育種法(コルヒチンなどを用いて染色体数を増減させた育種法)の事例として、4倍体のジャガイモ、6倍体のサツマイモ・パンコムギ、8倍体のイチゴなどがある

○ハイブリッド野菜の例:「ハクラン(白菜とキャベツ(※))」、「オレタチ(オレンジとカラタチ)」、「千宝菜(キャベツと小松菜)」、「メロチャ(メロンとカボチャ)」、「はなっこりー(菜心とブロッコリー)」
 ※キャベツの和名は「甘藍(かんらん)」

○ゲノム編集食品の例:「天然毒素低減ジャガイモ」、「GABA高蓄積トマト」、「高オレイン酸ダイズ」、「穂発芽耐性コムギ」、「無花粉スギ」


講座5「超高齢社会における健康寿命の延伸への取り組み」

 生命学部生体医工学科の玉里祐太郎講師から、「超高齢社会における健康寿命の延伸への取り組み」について学びました。

(会場(講座5「超高齢社会における健康寿命の延伸への取り組み」)とレジュメ)
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○「平均寿命」は、(今生きている人全体ではなく)生まれたばかりの赤ちゃん(0歳)の平均余命

○「健康寿命」は、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間
 (平均寿命-介護を必要とする年数=健康寿命)

○日本人は現在のところ平均寿命・健康寿命とも世界トップ

○日本は高齢化社会や高齢社会を超え、超高齢社会に突入している

○日本が取り組むべき栄養課題は、「食塩の過剰摂取」、「若年女性のやせ」、「経済格差による栄養格差」

○和食は脂肪が少なく、野菜が多く、バランスが良い一方、塩分が多い

○長寿の食として、野菜・果物・魚・未精製の穀物・オリーブオイル・赤ワインを多く摂取する地中海食が注目されている


講座6「健康づくりの定番!「食と運動」の再検討」

 生命学部食品生命科学科の長﨑浩爾教授から、「健康づくりの定番!「食と運動」の再検討」について学びました。

○エネルギーが余ると脂肪細胞に脂肪が蓄積され、エネルギーが必要になると脂肪は遊離脂肪酸とグリセロールに分解されてエネルギーとして利用される

○血糖の80%以上は筋肉で使われる

○食事をすると血糖値が上昇し、すい臓から血糖降下作用のあるインスリンが分泌される

○インスリンの情報伝達が異常をきたすと、血糖の筋細胞への流入がブロックされ、血糖が消費されなくなる

○体内にインスリンが出回ると、脂肪合成の促進や脂肪分解の抑制作用が働き、さらに太ってしまう

○食後に血糖値が急上昇・急低下する現象を「血糖値スパイク」という

○体脂肪は1グラムあたり約7キロカロリー。脂肪を1kg減らすためには、約7000キロカロリーを消費する必要がある

(脂肪(1kg)の模型)
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○フルマラソン(42.195km)走っても消費カロリーは2000~3000キロカロリー。運動だけでダイエットすることは容易ではない

○食事制限だけで減量させると、筋肉や骨まで減少し、基礎代謝も低下し、太りやすい体質となる

○ダイエットには、「いい加減に」食事制限・運動することが有効

 最後に質問の時間があり、残り時間にも若干余裕があったので、長﨑先生へ質問させていただきました。

【質問】
 「血糖値の急激な上昇を防ぐ「低GI食品」がありますが、筋細胞での血糖取り込みと比べて有効性はいかがでしょうか」

【回答】
 「低GI食品にも一定の有効性があると思うので、食生活にうまく取り入れていくのが良いでしょう」

 この回答に続き、長﨑先生から聴講者向けに「GIとはグリセミック・インデックスの略で…」と補足説明していただきました。

 回答だけでなく、フォローまでしてくださり、ありがとうございました。


まとめ

 こうして3日間、全6講座を受講しました。

(講座レジュメ)
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 各講座に用意されたレジュメも厚みがある冊子で、質・量ともに充実していました。

 講座終了後、受付で修了証をいただきました。

(修了証)
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 ライトグリーンの厚紙で作成された、名前と交付番号入りの立派な修了証でした。

 自分が興味を持った講座を受講でき、大学から修了証までいただけたことに感動しました。

 こうした講座を通じて、一般市民や大学進学を目指す高校生などに学問に興味を持ってもらう機会が増えれば、大学にとっても受講者にとってもメリットは大きいと思います。

 科学的な視点から「食」を考える良い機会となりました。


<関連サイト>
 「広島工業大学」(広島市佐伯区三宅2-1-1)
 「サテライトキャンパスひろしま」(広島県広島市中区大手町一丁目5-3・県立広島大学)

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