沖縄の食文化探訪5-沖縄の大衆食堂で「ランチ」を味わう(トンカツ・天ぷら・海老フライ・揚げかまぼこ・ポークと玉子焼き・沖縄そば)-
国際通りと第一牧志公設市場
沖縄県那覇市のメインストリート「国際通り」にやってきました。
(国際通り)
お土産屋さんや飲食店などがぎっしりと連なり、夜遅くまで賑やかな通りです。
この国際通りから「市場本通り」を南へ向かって少し歩いたところに、「第一牧志公設市場」があります。
(那覇市第一牧志公設市場)
久しぶりに訪問すると、第一牧志公設市場は真新しい建物になっていました。
(2023年3月移転・リニューアルオープン)
市場内をしばらく散策した後、さらに南へ歩きました。
大衆食堂ミルク
浮島通りまで歩くと、そのすぐ近くに、長い間地元の人々に愛されている食堂があります。
(大衆食堂ミルク(浮島通り側))
「大衆食堂ミルク」です。
初めての方は入るのに少し勇気が要るかも知れませんが、地元の常連さんが普段使いで利用されている沖縄の大衆食堂で、誰でも温かく迎えていただけます。
店内には、沖縄料理を中心としたメニュー札がびっしりと並べられており、お客さんは食事したり、会話を楽しんだり、テレビを観たり、新聞を読んだりと思い思いの過ごし方をされていました。
「ほーっ いいじゃないか こういうのでいいんだよ こういうので」
とつぶやきながら店内を見渡していると、「孤独のグルメ」の主人公・井之頭五郎(松重豊)さんの写真がありました。
(大衆食堂ミルクを訪れる井之頭五郎の写真)
たまたま見つけられるような場所ではないのですが…(笑)
テーブル席に着き、メニューを眺めて、何を注文するかしばらく考えました。
その時、隣の席の方がメニューにはない「ランチ」を注文されました。
「えっ、ランチがあるんだ」
食堂や町中華で提供される「ランチ」は、ごはん・おかず・サラダなどが1つの皿(ワンプレート)に盛られて提供されるもので、サービスメニューの一種です。
「ランチ」という名称ですが、ランチタイムだけでなく終日注文できるお店も多いのも特徴の1つです。
メニューにない料理を注文する面白さもあり、私も「ランチ」を注文しました。
大衆食堂ミルクの「ランチ」
向かいのテーブル席に座っておられた年配の女性が地元紙・琉球新報を読んでおられました。
そして読み終えられた時、にこっと笑顔で私に新聞を手渡してくださいました。
「アットホームな雰囲気でいいなぁ」、「これが沖縄の温かい人情なんだろうな」と思いつつ、しばらく琉球新報を読んでいると、テーブルに「ランチ」が運ばれてきました。
(大衆食堂ミルクのランチ)
「うわっ、すごいボリューム!」
料理が盛られた大皿が定食のお盆からはみ出しています。
山盛りのライスに、トンカツ、鶏の天ぷら、海老フライ、玉子焼き、サラダ、漬物、オレンジ、さらに沖縄そばまで付いています。
そしてトンカツや海老フライの調味料として、小袋のとんかつソース(大皿の右上)が付けられているところが面白いです。
トンカツ1枚、鶏の天ぷら2枚、開いた海老フライ1本、大きな玉子焼き、山盛りでドレッシングもたっぷりかかったサラダ(レタス・千切りキャベツ・キュウリ)…と、テンション上がりまくりです。
トンカツや鶏の唐揚げを食べ進めていると、さらにその奥からおかずが登場しました。
(ランチのおかず(揚げかまぼこ・ポーク))
焼いたポーク(ランチョンミート)2枚と、揚げかまぼこ2枚が奥に埋まっていました。
なるほど、沖縄の定番料理「ポークと玉子焼き」も味わえるよう構成されているのです。
油で焼いた料理や揚げた料理ばかりなので、ボリューム満点です。
ライスと一緒に美味しくいただきました。
そして沖縄そばです。
(沖縄そば)
麺のコシがかなり強いことに驚きました。
この麺に、かつお節の出汁が効いたつゆがたっぷり注がれ、刻みねぎと刻み玉子が盛られていました。
あっさりしたつゆで、「ラーメン」よりは「かけそば」に近いと思いましたが、麺が太くてコシがあり、量もあったので、沖縄そばだけでも相当食べ応えがありました。
「大衆食堂ミルク」の「ランチ」には、沖縄料理・沖縄の食文化が詰め込まれていました。
(大衆食堂ミルク(奥側))
お腹いっぱいになり、幸せな気分でお店を後にしました。
まとめ
沖縄のローカル食堂には、今回御紹介した「ランチ」のほか、
「みそ汁」(野菜や卵など具材たっぷりの一品料理)
「ポークと玉子焼き」(ランチョンミートと玉子焼き)
「ちゃんぽん」(卵でとじた野菜炒めをごはんにのせた料理)
「カレー」(昔ながらの黄色いカレー)
「煮付け」(豚の三枚肉と野菜の煮物)
「ゆし豆腐」(にがりを入れて固まる前のおぼろ豆腐)
「すき焼き」(フライパンで調理し、皿に盛り付けられるのが特徴)
「イカスミ汁」(イカ、豚肉、ニガナを煮込み、イカ墨を加えた真っ黒な汁)
など、地元ならではの料理が用意されています。
こうした食堂では、メニューに「おかず」しか書かれていなくても、ごはんと汁物が付いてくるようです。
ボリューム満点ですので、お腹を空かせてから訪問されることをおすすめします。
<関連サイト>
「第一牧志公設市場」(沖縄県那覇市松尾2-10-1)
「大衆食堂ミルク」(沖縄県那覇市松尾2-10-20)
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