JR貨物食堂(JR貨物岡山機関区)で「ハチクマライス」を味わう
岡山市北区にある「JR貨物岡山機関区」を訪問しました。
この岡山機関区の構内に「JR貨物食堂」という職員食堂があります。
今回は、この「JR貨物食堂」と「ハチクマライス」について御紹介したいと思います。
JR貨物岡山機関区とJR貨物食堂
JR貨物岡山機関区周辺を歩いていると、JR貨物食堂の看板がありました。
(JR貨物 岡山機関区とJR貨物食堂の看板)
看板には「JR貨物食堂 一般の方もどうぞ」と書かれています。
「JR貨物食堂」は、JR貨物職員以外の方でも気軽に利用することが出来ます。
※現在、平日のみの営業となっています。
(JR貨物食堂へ続く道)
看板の矢印が示す方向へ歩きました。
(JR貨物食堂(店舗裏))
途中、「JR貨物食堂」と書かれた赤い店舗テントが見えましたが、ここはどうやら店舗の裏側のようです。
さらに歩くと、職員出入口に着きました。
(JR貨物 岡山機関区・職員出入口(手前))
食堂へは、この職員出入口から入るようです。
(JR貨物 岡山機関区・職員出入口)
職員出入口には、業務を終えたJR貨物職員向けに「お疲れ様でした」と書かれています。
その一方で「関係者以外立入禁止」・「防犯カメラ作動中」という標識も…
駐輪場には、乗務員が構内を移動するための自転車がずらりと駐輪されていました。
(JR貨物 岡山機関区とJR貨物食堂)
構内に入ると、JR貨物食堂の案内看板はパタッとなくなるのですが、自動販売機がまとまって設置されている建物が福利厚生棟で、ここに食堂も入っているだろうと、自動販売機へ向かって歩きました。
JR貨物食堂の様子
予想どおり自動販売機近くにJR貨物食堂の玄関があったので、緊張と期待でドキドキしながら入店しました。
(JR貨物食堂)
平日・月曜日の朝9時に伺ったのですが、JR貨物職員の方が数名食事されていました。
厨房でメニューを注文し、先に精算を済ませる方式です。
メニュー札には、うどん・そば・カレーライス・焼き飯・カツ丼・天とじ丼などの定番メニューのほか、日替わりの朝定食や単品のおかずも用意されていました。
お店の方からは「朝定食はいかがですか。今日のおかずは焼き鯖です」とすすめていただきましたが、私は最初に単品のおかずコーナーへ行き、目当ての料理がないか探しました。
私が目玉をキョロキョロさせて探したのは「目玉焼き」です。
なぜなら、鉄道関係の食堂で「ハチクマライス」を食べたかったからです。
「ダメもと」、「なくて当たり前」と思いながらも探してみると…
「あった!!」
1皿だけ目玉焼きが用意されていました。
実は、目玉焼きがなかったら、無理を承知でお店の方に目玉焼きを作っていただくようお願いしようかとまで考えていただけに、あって本当に嬉しかったです。
朝定食はまたの機会に味わうこととし、目玉焼き(100円)、それに単品でライス(150円)と味噌汁(50円)を注文しました。
(ライス・味噌汁・目玉焼き)
目玉焼きには、千切りキャベツも添えられています。
漬物はセルフサービスで、たくあんときゅうりの漬物を小皿に盛りました。
スプーンにクルクルと紙ナプキンが巻かれていますが、こうしたところにお店の方のプライドを感じました。
ハチクマライス
「ハチクマライス」は、ごはんに目玉焼きをのせた、鉄道乗務員向けの「まかない丼」です。
かつて、長距離夜行列車(ブルートレインなど)の乗務員が、まかないの食事として、食堂車の営業時間(乗客の食事時間)を外した時間帯に、ハチクマライスが食べられたようです。
ハチクマライスの由来は、古典落語(江戸落語)で常連の登場人物「八五郎(ハチゴロウ)」と「熊五郎(クマゴロウ)」の名前にあやかったものと言われています。
粗忽な(ドジでおっちょこちょいな)の「ハチ」や、荒っぽい「クマ」でも簡単に美味しく作れるという意味を込めて命名されたのだとか。
私はハチクマライスという料理があることを、広島の洋食レストラン「広亭タナカ」の先代シェフ・田中恒士さんから教わりました。
(かつて、このお店でハチクマライス用の万能ソースが販売されていました。)
鉄道ファン(鉄道マニア)、鉄道関係者、昔の洋食に詳しい人ぐらいしか知らないであろうハチクマライス。
そのハチクマライスを、JR貨物食堂で作ってみました。
ごはんに目玉焼きをのせ、テーブルに置かれていた調味料から「中濃ソース」を選んで、目玉焼きにかけました。
(ハチクマライス)
これです、これです、私がJR貨物食堂でやってみたかったことが実現出来ました。
(JR貨物食堂の関係者様へお詫び申し上げます。)
こちらの食堂は、ごはんの盛りがよく、なおかつ美味しいので、丼物にしても美味しくいただけました。
鉄道職員さん達と同じ食堂でいただいたハチクマライスは格別で、思い出に残る朝食となりました。
まとめ
ハチクマライスでお腹を満たした後、少しだけ岡山機関区を見学しました。
(JR貨物 岡山機関区)
岡山機関区の玄関には、蒸気機関車「C62-1」の車輪が展示されています。
もしかすると、この蒸気機関車がけん引した「あさかぜ」・「さくら」などの寝台特急の食堂車で、本当にハチクマライスが食べられていたのかも知れません。
続いて線路沿いを歩いてみました。
(EF210形電気機関車(桃太郎))
手前の車両は、西日本を中心に活躍するEF210形電気機関車で、「桃太郎」という愛称で呼ばれています。
ちなみに、東日本では「金太郎」という愛称の赤い電気機関車(EH500形電気機関車)が活躍しています。
「桃太郎」も「金太郎」も、力強く貨物を引っ張る、たくましさや頼もしさを感じます。
今回御紹介したハチクマライスは、「鉄道博物館」(さいたま市大宮区)や「京都鉄道博物館」(京都市下京区)のレストランでも用意されているようです。
(鉄道博物館・京都鉄道博物館のハチクマライス)
(「鉄道博物館」・「京都鉄道博物館」のウェブサイトから一部引用・加工)
自宅でも簡単に作れますので、御興味を持たれた方は御賞味ください。
<関連サイト>
「JR貨物食堂」(岡山市北区西島田町2-1)
「鉄道博物館」(さいたま市大宮区大成町三丁目47)
「京都鉄道博物館」(京都市下京区観喜寺町)
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