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2024年9月

2024年9月29日 (日)

魚柄仁之助先生の世界7 -「自家製かんぴょう」と「しそ塩」(かんぴょうの味噌汁・かんぴょう煮・かんぴょう卵とじ・しそ塩サラダ・トンテキ梅風味・しそ塩チキン棒)-

魚柄仁之助先生から「自家製かんぴょう」と「しそ塩」が届く

 食文化研究家の魚柄仁之助さんから,長野で採れた夕顔で作られた「かんぴょう」と「しそ塩」を送っていただきました。

 手紙の封筒に入れて私の自宅へ送ってくださいました。

(郵送で届いた「かんぴょう」と「しそ塩」)
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 突然送られてきたので驚きましたが,尊敬する魚柄先生からの贈り物だけに,とても嬉しかったです。

 天使の乙女が描かれた封筒と送り主とのギャップを感じつつ、開封しました(笑)

 自家製かんぴょうとしそ塩は,それぞれ保存袋に入れられ、さらにラップで丁寧に包まれていました。

 同封されたお手紙には、
 「おこんにちわっ。干瓢(かんぴょう)としそ塩です。赤しその葉を洗って干し、塩漬1年経ってから、天日で干して粉にしました。ハーブソルトと思って、サラダやおにぎりなどに使ってください」
と書かれていました。

 かんぴょうは、夕顔を薄くスライスし、魚柄先生の御自宅(東京)のベランダにある物干しハンガーで干されたものです。

(自家製かんぴょう)
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 このようにグルグル巻きにして送っていただきました。

 そして「しそ塩」です。

(しそ塩)
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 この「しそ塩」は、市販とは異なり、無糖(赤しそと塩のみ)なのだそうです。

 確かに「しそ」はハーブの一種で、それを塩漬けしたものは「ハーブソルト」で間違いありませんが、こういう発想をしたことはなく、新鮮味がありました。

 赤しそを約1年塩漬けして、それをさらに天日干しにし、粉にした、手間暇かけられた一品です。

 いくつか料理して,魚柄先生お手製の「かんぴょう」と「しそ塩」をいただくことにしました。


かんぴょうの味噌汁

 魚柄先生から「細長いままの干瓢はとっつきにくいが、カットしてあれば味噌汁、煮物などにポイポイ入れるだけ」と教えていただいたので、実践してみました。

(かんぴょう(カット・瓶詰め))
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 乾物をカットし、空きびんなどに保存しておくアイデアは、魚柄先生が考案されたもので、こうしておけば乾物も必要な量だけすぐに使うことができます。

 いつもの味噌汁にカットしたかんぴょうをポイポイ入れてみました。

(かんぴょうの味噌汁)
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 かんぴょうはやわらかく元に戻り、いとも簡単にかんぴょう料理ができました。

 かんぴょうは、シャクシャクした食感で、味噌との相性も抜群でした。

 かんぴょうを調理するのは面倒なイメージがありますが、ちょっとの工夫で簡単に調理することが可能なことがわかりました。


かんぴょう煮

 だしパックでだしをとり,醤油・みりん・砂糖で味付けしただし汁でかんぴょうを煮て,かんぴょう煮を作りました。

(かんぴょう煮)
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 自家製かんぴょうは,肉厚・幅広なのでだし汁がよく浸みており,とてもやわらかくなっていました。

 かんぴょうの持ち味を生かすなら,魚柄先生がおっしゃるように,夕顔を肉厚・幅広に切った方が良いことがわかりました。


かんぴょうの卵とじ

 かんぴょう煮を溶き卵で煮て「かんぴょう卵とじ」を作りました。

(かんぴょうの卵とじ)
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 だし汁が浸み込んだ肉厚のかんぴょうが鶏肉や油揚げのような役目をし、ごはんにかけたら親子丼や衣笠丼(※)そっくりだと思いました。

 ※衣笠丼(きぬがさどん)…京都市北区・右京区の衣笠山にちなんだ京都のご当地料理。刻んだ油揚げと九条ねぎを卵とじにしてごはんにのせた丼


しそ塩サラダ

 魚柄先生のお手紙に「サラダに使ってください」とあったので、サラダ用に「しそ塩ドレッシング」を作ってみました。

(しそ塩ドレッシング)
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 材料は米酢、油、塩、しそ塩です。

 しそ塩の塩分が控えめなため、少し塩を足しました。

(サラダ)
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 サラダも用意しました。

 このサラダに「しそ塩ドレッシング」をかけてみましょう。

(しそ塩サラダ)
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 ドレッシングがかかっているところがはっきりわかりますね。

 はっきり言います。これはいまいちでした。

 しその酸味に酢の酸味も加わって、酸っぱくなり過ぎたのです。

 ドレッシングの酸味はしそ塩だけで十分で、油と塩としそ塩で作ればよかったようです。


トンテキ梅風味

 しそ塩をハーブソルトとしてトンテキを作ってみました。

 豚ロース肉の両面を焼き、仕上げにしそ塩をふりかけました。

(トンテキ梅風味)
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 トンテキに、梅干しの風味と酸味がほどよく加わり、さっぱりと美味しくいただけました。


しそ塩チキン棒

 魚柄先生が考案された料理の1つに「チキン棒」があります。

 チキン棒は、鶏のムネ肉やササミに塩をすり込み、肉の水分を飛ばして鶏の旨味を凝縮させ、それを蒸した料理です。

 塩をして水分を飛ばすことで保存性が高まり、地鶏のような食感のハム・サラダチキンが出来上がるのです。

 チキン棒は過去に一度作ったことがあるのですが、今回は魚柄先生お手製の「しそ塩」を使った「魚柄スペシャルチキン棒」を作ってみました。

 鶏のささみに軽く塩を振り、さらに「しそ塩」をまぶしました。

(しそ塩をまぶした鶏ささみ)
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 バジルをまぶしたサラダチキンがあるので、ハーブソルトのように「しそ塩」をまぶしたサラダチキンも相性が良さそうです。

 前回チキン棒を作った時は、自宅のベランダで干すことをためらい、冬場に室内でラップをして3~4日干したのですが、水分が完全に飛ばず、肉を少し傷ませてしまいました。

 そこで今回は思い切って、外のベランダでそのまま干してみることにしました。

 晴れて日差しが強かったこともあり、みるみるうちに肉の水分が飛んでいきました。

(天日干しした鶏ささみ)
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 昼間の約7時間、ベランダで天日干しした鶏ささみです。

 水分が飛んで、旨味が凝縮され、肉の色も濃くなりました。
 (その分、肉も小さくなりましたが…)

 わずか半日でこの状態です。

 晴れた日に洗濯物を干すと一気に乾くのと同じ原理で、改めて日光の力はすごいなと感じました。

 エアコンの室外機の上に置いておいたからかも知れませんが(笑)

 天日干しした鶏ささみをラップで包み、蒸し器にセットしました。

(鶏ささみを蒸し器にセット)
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 15分ぐらい蒸せば完成です。

(鶏ささみ蒸し上がり)
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 ラップにぴっちりと包まれたチキン棒が出来上がりました。

 しばらく冷ましてから、ラップを取り外しました。

(しそ塩チキン棒)
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 市販のバジルをまぶしたサラダチキンのようです。

 いただいてみると…「うまいっ!」

 肉の旨味が凝縮され、しそ塩の酸味もほどよく効いたチキン棒になりました。

(しそ塩チキン棒(中身))
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 肉に弾力が増し、噛みしめるとモギュモギュとした食感が楽しめました。

 その味わい・食感は、ささみの燻製そっくりでした。

 晴れた日は、洗濯物と一緒に、鶏肉や夕顔(かんぴょう)を干すことをおすすめします(笑)


<関連サイト>
 KOKOCARA「「チキン棒」を作ってみた!」生協パルシステム

<関連記事>
 「魚柄仁之助先生の世界3 -長野の自家製かんぴょう(かんぴょう煮・かんぴょうの油炒め・かみなり汁)-
 「魚柄仁之助先生の世界6 -エゴマ味噌・エゴマの実を使った料理、「縁食」と「非円食」について-

<参考文献>
 魚柄仁之助「うおつか流 食べつくす!」農文協

2024年9月22日 (日)

カリブ諸国の料理とお菓子 -チキンシチュー・フリホレス ネグロス・エンサラダ デ レイポヨ・コーンプディング-

日・カリブ交流年とカリブ共同体(CARICOM)

 2024年は「日・カリブ交流年」です。

 「日・カリブ交流年」は日本とカリブ共同体(CARICOM:カリコム)の本格的な交流が始まってから30年が経過したことを記念して制定されました。

 加盟国・地域は、アンティグア・バーブーダ、ガイアナ、グレナダ、ジャマイカ、スリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、ハイチ、バハマ、バルバドス、ベリーズと英領モンセラットの14か国1地域です。

(カリブ共同体(CARICOM))
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 外務省ウェブサイト・中南米・カリブ共同体(CARICOM:カリコム)から一部加工・引用

 「日・カリブ交流年2024」では、日本とカリブ共同体(カリコム)双方で、交流を深めることを目的とした記念事業が実施されています。


JICA関西

 日本の政府開発援助(ODA)を通じて開発途上国への国際協力を行っている国際協力機構(JICA・ジャイカ)。

 そのJICAの関西の拠点が「JICA関西」で、神戸市中央区にあります。

 この度、このJICA関西の食堂で「日・カリブ交流年」にちなんだカリブ諸国料理が提供されていることを知り、興味を持って訪問しました。

 神戸三宮駅から阪神電車を利用して岩屋駅で下車し、駅から歩いてJICA関西を訪問しました。

(阪神電車・岩屋駅)
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 岩屋駅は兵庫県立美術館に近いこともあり、アートを意識した駅舎となっています。

 岩屋駅のすぐ近くにはJRの灘駅があり、JRを利用してJICA関西へ行くこともできます。

 JICA関西は、「HAT神戸(ハットこうべ)」と呼ばれる神戸・東部新都心の地区にあります。

 兵庫県立美術館から大通りを西へ向かい、ハット見上げるとJICA関西がありました。

(JICA関西・全景)
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 海外からの研修員の宿泊施設もある、大きくて立派な建物です。

(JICA関西玄関・JICA関西食堂案内板)
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 JICA関西の玄関とJICA関西食堂の案内板です。

 「食べることからはじまる国際協力」

 確かに各国の料理を食べることで、その国の認識が深まり、国際協力に取り組むきっかけにもなると思います。

 食堂は年末年始を除いて年中無休で営業されていますが、これは宿泊している研修員の食事を提供する役割もあるためです。


JICA関西食堂のカリブ諸国料理

 JICA関西食堂は、施設の1階にあり、誰でも利用することが出来ます。

(JICA関西食堂・玄関)
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 メニューケースの横に「月替わりエスニック料理」の案内板がありました。

(月替わりエスニック料理案内(カリブ諸国料理))
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 9月(2024年9月1日~30日)の月替わりエスニック料理はカリブ諸国料理です。

 2024年が「日・カリブ交流年」であることにちなんで提供されています。

 この料理をいただくこととし、レジで食券を購入しました。

 厨房で食券をお渡しし、カリブ諸国料理を御用意いただきました。

(JICA関西食堂・カリブ諸国料理)
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 こちらがカリブ諸国料理のセットです。

 写真左側のメインプレートには、チキンシチュー、フリホレス・ネグロス、ライスが盛り付けられています。

 写真右下の小鉢に入ったサラダは、エンサラダ・デ・レイポヨです。

 そして写真右上のお菓子は、コーンプディングです。

 それぞれの料理やお菓子を簡単に御紹介します。


【チキンシチュー(ハイチ風チキンの煮込み / Haitian chicken stew)】

 「チキンシチュー」はハイチの料理で、鶏肉を野菜やスパイス(トマト、玉ねぎ、パプリカ、セロリ、ニンニク、タイムなど)で煮たシチューです。

(チキンシチュー)
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 鶏肉にスパイスがしっかり効いており、チキンソテーのような感じでいただきました。


【フリホレス・ネグロス(キューバ風ブラックビーンズ / Cuban style black beans cooked)】

 「フリホレス・ネグロス」はキューバの料理で、ブラックビーンズ(黒インゲン豆)の煮込みです。

 ちなみに、「フリホレス(フリホーレス)」はスペイン語で「インゲン豆」を意味し、中南米では「インゲン豆の煮込み」料理の名称ともなっています。

(フリホレス・ネグロス)
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 小豆の煮込みのようにも見え、甘そうなイメージだったのですが、実際は逆で、ピリ辛の豆料理でした。

 ブラックビーンズを刻んだ玉ねぎや青唐辛子と一緒に煮込み、スパイスや塩で調味された料理です。

 ブラジル料理の「フェイジョアーダ」に似ていると思いました。


【エンサラダ・デ・レイポヨ(プエルトリコ風サラダ / Puerto Rican salad)】

 「エンサラダ・デ・レイポヨ」はプエルトリコの料理で、プエルトリコ風のサラダです。

(エンサラダ・デ・レイポヨ)
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 トマト、アボカド、玉ねぎ、人参、カイワレ大根などたくさんの野菜で作られたサラダです。

 ドレッシングはクミンの風味とレモンの酸味が効いていました。

 魚介のマリネ「セビーチェ」に似た、さっぱりして酸味の強いサラダでした。


【コーンプディング(トウモロコシ粉とココナッツミルクのデザート / Dominican Republiccorn flour and coconut milk dessert)】

 食後にコーンプディングとコーヒーをいただきました。

(コーンプディングとコーヒー)
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 ドリンクはセルフサービスで、緑茶・ウーロン茶・紅茶・コーヒーの4種類が用意されていました。

(コーンプディング)
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 「コーンプディング」はドミニカ共和国のお菓子です。

 粒々感のあるトウモロコシ粉にココナッツミルクや砂糖を加え、火にかけてとろみをつけ、冷やし固めたお菓子です。

 仕上げにシナモンがふりかけられています。

 このコーンプディング、ほかの料理と一緒にトレーに用意された時点から、私は気にかかって仕方ありませんでした。

 アイスクリームのような冷たいお菓子だと思ったからです。

 「溶けないうちに食事をサッと済ませないと」との一心で、早めに食事を済ませました。

 そしてデザートにコーンプディングをいただいてみると…全然冷たくない(笑)

 食感はフルフルとして、トウモロコシ粉のツブツブ感も残っていて、木綿豆腐を粗めに裏ごしして作る「白和え」とよく似ています。

 ほんのり甘く、シナモン(肉桂)が効いているので、京都の八つ橋に似た風味だと思いました。

 窓越しに庭を眺めながら、ゆったりと食後のひとときを楽しみました。


 食堂を出る際、レジ横で「けん玉」が販売されている光景を目にしました。

 「けん玉」は広島県廿日市市が発祥の玩具です。

 私はかつて、「けん玉」を広島から世界に広めようと、「ひろしま国際プラザ(※)」の食堂で、世界各国から来られた中国四国地方各県受入れの海外研修員の皆さんと「けん玉交流イベント」をしたことがあります。
 ※Hiroshima International Plaza:広島県立国際協力センターとJICA中国の複合施設

 その「けん玉」に人気が出て、JICA関西の食堂でも販売されるようになったことをとても嬉しく思いました。


JICAかんさい地球ひろば

 JICA関西食堂で食事を済ませ,1階のロビー展示コーナーや広報展示室(「JICAかんさい地球ひろば」)を見学させていただきました。

 ロビー展示コーナーには,各国ゆかりの物が展示品されていました。

(SDGs JICA KANSAI)
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 カラフルで派手なセットで、奥からお笑いタレントが登場しそうですが、「JICA MANZAI」ではなく「JICA KANSAI」です(笑)

 左上にある「From KOBE」と書かれたハートマークも、朝日放送「新婚さんいらっしゃい!」のハートマークとそっくりです。

 JICA関西に来られた研修員の皆さんには、関西のお笑い文化にも触れていただきたいです。

 広報展示室には、世界のそれぞれの地域の特性や文化が紹介されたコーナーや、世界の民族衣装や民芸品が展示されたコーナーなどがありました。

(広報展示室)

 さらに中へ進むと,世界の食べもの・飲みものの紹介コーナーがありました。

(世界の食べもの・飲みもの紹介)
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 ドリンク、フルーツの缶詰、麺、海老せんべい、お菓子などが屋台風に展示されていました。

 こんな感じで「JICAかんさい地球ひろば」を興味深く見学させていただきました。


まとめ

 全国のJICAの拠点施設では,国際協力を中心とした世界各国の情報を得ることが出来ます。

 また,世界の料理を用意され,広く一般の方も利用できる食堂が併設されている施設もあります。

 こうした施設を利用すれば,国内にいながら,気軽に世界旅行気分を味わうことが出来ます。


<関連サイト>
 国際協力機構「JICA関西」(神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)

<関連記事>
 「アルバニア料理の特徴と主な料理 -ペシュク・ネ・フーレ,トゥルリ・ペリメシュ,ミシュ・メ・ラク,ラバーニ-」(JICA関西食堂エスニック料理)
 「ひろしま国際プラザ「難民の故郷の味フェア」 -チキンのレモン煮・麻婆豆腐・アメリカンドッグ・ブロッコリーライス・チルカーノ・アスウィットサラダ・ケニア紅茶-
 「ひろしま国際プラザ「難民の故郷の味フェア」 -ミャンマーのオンタミンとチェッターヒン、ベトナムの鶏肉八角焼き、インドネシアのソトアヤム、スリランカのパリップサラーダヤ-

2024年9月15日 (日)

ドライブインの魅力2 -岡山県備前市「大阪屋」のサービスランチ-

食事のオアシス・大阪屋

 岡山県南部は、中四国地方の交通の要衝であり、関西にも近いことから、幹線道路沿いにたくさんのドライブインがあります。

 そんな岡山県内のドライブインの1つ、岡山県備前市の「大阪屋(大阪屋食堂)」を訪問しました。

 「大阪屋」は、大阪と北九州を結ぶ幹線道路・国道2号沿いにある24時間営業のドライブインです。

(大阪屋)
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 NHKの「ドキュメント72時間」やTBSの「坂上&指原のつぶれない店」でも紹介されたお店です。

(ドキュメント72時間「岡山 24時間営業のドライブイン」紹介画像)
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 ※NHKウェブサイト「ドキュメント72時間」・「過去のエピソード」の画像を一部引用

 私はお昼時に訪問したのですが、お店の前の広い駐車場には、たくさんの小型車(軽自動車や普通車)が駐車していました。

 さらに国道をはさんだ向かい側にも広い駐車場があり、こちらの駐車場にはたくさんの大型車(トラックなど)が駐車していました。

 ちなみに、近くにJR赤穂線の香登(かがと)駅があり、この駅から徒歩約1分なので、鉄道でお店を訪問することも可能です。

(大阪屋(店舗))
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 お店に出入りされるお客さんが多く、お客さんが映り込まないタイミングでお店の写真を撮るのに一苦労でした。

 お店の入口にはUFOキャッチャーも設置されています。

 お店に入ると、前払い方式となっており、レジには順番待ちの列ができていました。

 注文する料理もレジの順番を待っている間に決めておく必要があります。

(食品サンプル)
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 ラーメン、チャンポン、うどん・そば、焼飯、うな重、焼肉、海老フライ、ハンバーグ、トンカツ、カレーライス、唐揚、皿うどん、カツ丼、天丼、中華丼、握り寿司、ホットケーキ、チョコレートパフェ、ビール、日本酒、チューハイ…和洋中、人気の料理は何でも揃っています。

 これらの料理・ドリンクが24時間、お手頃価格で、いつでも味わえるところがこのお店の魅力です。


大阪屋の「サービスランチ」

 数多くのメニューの中で、私は「サービスランチ」(1,050円(税込1,155円))の食券を購入しました。

 席は自由に決められるようですが、訪問時は満席に近く、唯一空いていたテーブル席に座りました。

 すると、すぐに店員さんが来られて、水とおしぼりがセットされ、食券の半券を持って厨房に向かわれました。

 お昼時だったこともあり、店内は長距離ドライバー、職場仲間、近所の人々などでとても賑わっていました。

 お店の人気メニューは、大阪屋の「秘伝のタレ」が使われた「ホルモンうどん」(ホルモン入り焼うどん・岡山県津山市のご当地グルメ)と「焼肉セット」です。

 「ホルモンうどん」は、大盛りや定食(ごはん・みそ汁・漬物のセット)で注文される方も多く見かけました。

 店内を眺めていると、すぐに(5分程度で)サービスランチが運ばれてきました。

(サービスランチ)
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 洋食だけに、割り箸のほか、紙ナプキンに包まれたナイフとフォーク、スプーンが用意されていました。

 箸袋には「食事のオアシス 大阪屋」と記載されています。

 メインプレートのほかに、ライスとポタージュスープが付いています。

 最初にポタージュスープをいただいたのですが、これが美味しく、最初からテンションが上がりました。

(サービスランチ(おかず))
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 こちらがサービスランチのおかずです。

 鶏肉のソテー(ステーキ)、ハンバーグ(デミグラスソース)、白身魚のフライ(タルタルソース)、マカロニサラダ、千切りキャベツ(フレンチドレッシング)、レタス、プチトマトがワンプレートに盛られています。

 鶏肉のソテーは、塩とスパイスで調味されており、肉厚でジューシーでした。

 ハンバーグは、ボリュームがあり、デミグラスソースがかけられていました。

 白身魚のフライは、熱々で、肉厚のフライをナイフとフォークで切り分け、タルタルソースをたっぷりまぶしていただきました。

 マカロニサラダとフレンチドレッシングのサラダは、「ランチ」の定番の付け合わせで、ごはんやおかずと一緒にいただくと食が進みました。

 メインの鶏肉のソテー・ハンバーグ・白身魚のフライは、いずれも熱々のベストな状態で提供されたことが嬉しかったです。

 「和洋中」何でもありの食堂(レストラン)ですが、それぞれの料理のクオリティも高いところが素晴らしいと思いました。

 ボリューム満点のサービスランチを美味しくいただきました。


まとめ

 食事後に店内を見渡すと、野球の山本由伸選手のサイン入りユニフォームが展示されていました。

(山本由伸選手サイン入りユニフォーム)
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 山本由伸さんがオリックス・バファローズに在籍されていた時のユニフォームです。

 地元・岡山県備前市出身の山本由伸さんは、子供の頃からこの「大阪屋」へ食事に来られていたそうです。

 その山本由伸さんのイチオシは大阪屋の秘伝のタレで味付けされた「焼肉セット」なのだとか。

 確かに、ホルモンうどんと同様に、焼肉セットを召し上がっておられるお客さんを多く見かけました。

 このお店に限らず、岡山県内には焼肉店とトンカツ店がとても多いように思います。

 岡山県内の幹線道路を車で走っていると、意識しているからかも知れませんが、頻繁に焼肉店とトンカツ店を見かけるのです。

 今回訪問した「大阪屋」も焼肉店が併設されており、焼肉の人気の高さが伺えました。

(大阪屋・ゲームコーナー)
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 お店の出入口付近に、ゲームコーナーがありました。

 その奥には、お菓子やドリンクの販売コーナーもありました。

 こちらのお店は、食事をするだけでなく、憩いの場でもあり、まさに「オアシス」だと実感しました。


 岡山にある「大阪屋」

 トラックで全国を移動されている長距離ドライバー、マイカー・タクシードライバー、普段使いされている近所の人、職場仲間で来られる人、深夜・早朝に食事に来られる人など、24時間、様々な人々が行き交うドライブインレストランです。


<関連サイト>
 「大阪屋」(岡山県備前市香登西238)

<関連記事>
 「ドライブインの魅力1 -「ドライブイン灘」の灘定食・「ドライブイン黒浜」の黒浜定食-

2024年9月 8日 (日)

ドライブインの魅力1 -「ドライブイン灘」の灘定食・「ドライブイン黒浜」の黒浜定食-

ドライブインとは

 1955年頃から高度経済成長期を迎えた日本は、生活水準の向上や、自動車の利便性が認識されてきたことを背景に、自動車の保有者・利用者が増加する「モータリゼーション(自動車中心社会)」を迎えました。

 そのモータリゼーションに合わせて増加したのが「ドライブイン」(自動車利用者向けの飲食施設・商業施設)です。

 かつては主要幹線道路沿いにたくさんのドライブインがありましたが、高速道路網の発達、飲食チェーン店やファストフード店の全国展開、コンビニエンスストアの店舗数拡大、道の駅の充実などの影響を受け、昔ながらのドライブインは減少傾向にあります。

 そんなドライブインの魅力は、お店ごとに個性があること、実力一本勝負なこと、誰もが楽しめる(美味しく食べられる)こと、お手頃価格でコストパフォーマンスが良いこと、そして温かいサービスが受けられることです。

 そんなドライブインの魅力に触れたいと、ドライブインのレストラン・食堂を巡る企画を考えました。

 ドライブインをあまり御存知ない方、ドライブ中にドライブインを目にするけど利用されたことがない方、日ごろからドライブインをよく利用される方、様々な方がいらっしゃると思いますが、どなたにも楽しんでいただける記事になればと思います。


「ドライブイン灘」の「灘定食」

 瀬戸内海沿岸を走る国道185号沿い、広島県呉市安浦町から東広島市安芸津町にかけてのエリアには、人気のドライブインが集まっています。

 その1つが、広島県呉市安浦町にある「ドライブイン灘」です。

(ドライブイン灘)
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 車の運転中にドライブインの目立つ大きな看板を見ると、どんなお店なのか入ってみたくなる騒動にかられます。

 駐車場に車を止め、お店を訪問しました。

(ドライブイン灘(店舗))
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 お店の入口に「灘」と書かれた立派な石碑が置かれています。

 お店に入りました。

(ドライブイン灘(店内))
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 ログハウスのような店内で、窓からは目の前に瀬戸内海が眺められます。

 大きな石から作られたテーブルにも驚きました。

 海沿いのテーブル席に座り、メニューを見ると、海鮮料理をはじめとして、定食、寿司、丼もの、ハンバーグ・海老フライ、カレーライス、うどん・そば、手打ちラーメン、中華料理など、和洋中様々な料理がありました。

 こうしたジャンルを問わず人気メニューが楽しめるところも、ドライブインの魅力の1つです。

 こちらのお店は海鮮料理が充実しているので、私はメニューに「魚を堪能したい方はこちら!」と書かれた「灘定食(松)」を注文しました。

(テーブル席からの眺め(海))
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 その後、窓越しに瀬戸内海を眺めながら料理を待ちました。

 目の前が海なので、船に乗っているような気分です。

(温泉たまご)
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 「はい、どうぞ」

 まずは単品の温泉たまごが運ばれてきました。

 コース料理の前菜みたいだなと思いながらいただきました。

 しばらくして全ての料理がセットで用意されました。

(灘定食(松))
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 魚の煮付け、刺身の盛合せ、小鉢、ごはん、味噌汁、漬物がお盆いっぱいにのせられています。

 小鉢(写真右下)は玉ねぎを出汁で煮込んだ料理でした。

(刺身盛合せ(灘定食))
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 刺身は、鯛、カンパチ、マグロ、イカ、甘エビの盛合せでした。

 それぞれの刺身が分厚く、種類も多いので贅沢感がありました。

(煮付け(灘定食))
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 魚の煮付けは本メバルでした。

 メバルと一緒に煮た青菜、エリンギ、豆腐も添えられています。

 煮汁が濃すぎず甘すぎず、絶妙な味加減で、新鮮で身がプリプリのメバルを味わいました。


「ドライブイン黒浜」の「黒浜定食」

 次に御紹介するのは、東広島市安芸津町にある「ドライブイン黒浜」です。

 こちらのお店も瀬戸内海沿岸を走る国道185号沿いにあります。

(ドライブイン黒浜(入口))
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 東広島市と呉市の境に位置し、実は「ドライブイン灘」と至近距離にあります。

 私は複数の地元(東広島市)の人から「魚が美味しいお店」、「家族や仲間が集まると行くお店」だと聞いていたので、いつか訪問したいと思っていました。

 日を改めて車で訪問しました。

(ドライブイン黒浜(店舗))
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 落ち着いた雰囲気のお店です。

 この写真の背後には瀬戸内海が広がっています。

 お店に入りました。

 店内は地元の家族連れや団体客が多く、一般的なドライブインのイメージとは少し異なる光景でした。

 私は奥のテーブル席を御案内いただきました。

(ドライブイン黒浜(店内の様子))
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 ふかふかの椅子に座ると、窓越しに海と大芝大橋が見えました。

(木製のメニューブック)
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 年季の入った木製のメニューブックが、レトロ喫茶店のようで嬉しくなりました。

 定食・丼・うどん・寿司・洋食・中華とバラエティーに富んだ料理が用意されています。

 海鮮料理が有名なお店なので、私は「黒浜定食」を注文しました。

 ちなみに、鯛のかぶと煮や魚のアラ炊きがメニューにあるお店は、そのお店で鮮魚を捌いて提供されている可能性が高いので、鮮魚を取り扱っておられるかどうかの1つの目安となります。

 料理を待っている間も、ひっきりなしに家族連れや地元同窓会などのメンバーが出入りされ、地元で評判が高いことがよくわかりました。

 しばらくして「黒浜定食」が運ばれてきました。

(黒浜定食)
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 刺身盛合せ、魚の煮付け、小鉢、ごはん、吸い物、漬物、緑茶がお盆に所狭しと並べられています。

 小鉢は、あさりとクラゲとキュウリの酢の物でした。

(刺身盛合せ(黒浜定食))
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 刺身は、鯛、カンパチ、マグロの盛合せでした。

 隣の席におられた地元の女性が、刺身を見て「太い刺身じゃねえー」(ぶ厚い刺身だね)と広島弁丸出しでつぶやいておられたのが笑えました(笑)

 その女性は爆盛りの天ぷら定食を嬉しそうに召し上がっていました。

 そして特筆すべきは魚の煮付けです。

(煮付け(黒浜定食))
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 「でかい煮付けじゃねえー」と言いたくなるほど、大きな(丸ごと1尾の)鯛の煮付けでした。

 少々お行儀が悪いですが、煮付けの横に割り箸を置いてサイズを確かめました。

(煮付け(黒浜定食)・サイズ測定)
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 「太い刺身」に「でかい煮付け」、魚好きにはたまりません。

 お吸い物にも鯛の身がたっぷり入っていました。

 お手頃価格でうまいものを惜しみなく提供されるところに、ドライバーだけでなく、地元の人々からも愛される秘訣があるように思いました。


まとめ

 お腹いっぱいになったので、車で大芝大橋を渡って大芝島へ行ってみました。

(大芝大橋)
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 写真左側が本州、写真右側が大芝島です。

 大芝大橋を車で渡り、しばらく走っていると、海を隔てた先にある小芝島の案内看板がありました。

(小芝島案内看板)
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 小芝島はその形から「ハート島」とも呼ばれています。

(小芝島)
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 干満差がある日の干潮時には、大芝島と陸続きになることから、「大芝島のモンサンミッシェル」とも呼ばれています。


 瀬戸内海・国道185号沿いに集まるドライブインと、大芝島のモンサンミッシェル、2大聖地を巡礼することが出来ました。


<関連サイト>
 「ドライブイン灘」(広島県呉市安浦町三津口6-9-8)
 「ドライブイン黒浜」(広島県東広島市安芸津町小松原5)

<関連記事>
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ6」(「ハート島のレモンケーキ」の紹介)

2024年9月 1日 (日)

沖縄の食文化探訪7 沖縄の「ぜんざい」-富士家ぜんざい・黒糖ぜんざい 「沖縄ぜんざい」と「かき氷」の違いについて-

沖縄のぜんざい

 「ぜんざい」と言えば、小豆を煮て砂糖で甘みをつけた温かい(つぶあんの)汁をイメージされる方が多いと思います。

 ところが、沖縄の「ぜんざい」は、この温かい「ぜんざい」とは大きく異なります。

 沖縄のぜんざいは、甘く煮た金時豆(または小豆)に冷たい「かき氷」をのせたものなのです。

 お店によっては、かき氷に豆の煮汁・黒糖・抹茶などのシロップやミルクがかけられたり、トッピングとして白玉だんごや紅芋・田芋などがそえられたりします。

 沖縄ぜんざいは、ぜんざい・かき氷店のほか、飲食店のデザートメニューや沖縄そば店のサイドメニューとしても用意されています。

 そして、このぜんざいを通年食べられるお店も数多くあります。

 ちなみに、温かい「ぜんざい」は、「ホットぜんざい」として区別されているようです。

 今回は、そんな沖縄ぜんざいの魅力を御紹介したいと思います。


「ぜんざいの富士家」の「富士家ぜんざい」

 沖縄のぜんざいを求めて、那覇市泊にある「ぜんざいの富士家 泊店」を訪問しました。

(ぜんざいの富士家(店舗))
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 賑やかな壁画を眺め、ワクワクしながらお店に入りました。

 沖縄ぜんざいのお店なので、沖縄ぜんざいやかき氷が年中提供されています。

 また、フードメニューとして、タコライス、タコス、沖縄そばなども用意されています。

 私は沖縄ぜんざいの定番メニュー「富士家ぜんざい」を注文しました。

 しばらくして、テーブルに「富士家ぜんざい」が運ばれてきました。

(富士家ぜんざい(別盛り))
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 かき氷は富士家オリジナルの青いタンブラー容器に、金時豆の煮豆と白玉だんごはガラスの器に、別々に盛られています。

 煮豆と白玉だんごの器の奥には、「亀せんべい」と呼ばれる揚げせんべいが添えられています。

 テーブルには、かき氷と煮豆を別盛りにする理由が紹介されていました。

(「なぜ、この容器に氷を入れるのか」)
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 「豆の煮汁から作った手作りの氷を最後までシャリシャリのまま食べてもらいたい思いから」
 「従来の器だとシャリシャリ氷が溶けるのがどうしても早いため」
 「今回、抜群に保冷性のあるハイドロフラスク社のタンブラー容器に氷を入れました」
 「豆とモチを氷が入ってる容器に」
 「三、四回に分けてゆっくり、くつろぎながらお召し上がりください」

 スプーンでかき氷をすくい、豆とモチが盛られた器に合わせました。

(富士家ぜんざい)
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 今になって気付きました。

 「盛り付けが逆だーっ(笑)」

 豆とモチを、かき氷の入ったタンブラー容器へ移すよう説明書きがあるのに、私はその逆をしています。

 沖縄のぜんざいに不慣れな私は、豆と白玉だんごの組合せこそ「ぜんざい」で、それにかき氷を足す感覚で盛り付けたのです。

 手作りの氷を最後までシャリシャリのまま食べてもらうための方法なのに…

 かき氷は、豆の甘い煮汁を凍らせた氷を削ったもので、これだけでも十分美味しいものでした。

 そのため、改めてシロップをかける必要がなく、豆とモチが盛られた器も、シロップの量はごくわずかでした。

 だからこそ、お店の説明書きにも、かき氷のトッピングとして、かき氷の入ったタンブラー容器に豆とモチを加える方法を紹介されているのでしょう。

 初めてのことばかりで、色々戸惑いましたが、甘い金時豆や白玉だんごとかき氷は、相性が抜群に良いことがわかりました。

 温かいぜんざいと比べて、あっさりとした甘さなので、「(温かい)ぜんざいは甘すぎて…」という方にもおすすめです。

 食べ終えて、くつろいでいると、壁に面白い説明書きが掲示されていました。

(ぜんざいの富士家と不二家のペコちゃん)
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 「フジヤといっても(ペコちゃんの不二家)ではありません」
 「ぜんざいの富士家です。」

 確かにどちらもスイーツを中心とした店舗・飲食店を展開されていますね(笑)


黒糖ぜんざい

 嘉手納町(かでなちょう)にある「道の駅かでな」を訪問しました。

(道の駅かでな)
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 「道の駅かでな」は、飲食・物販・休憩施設だけでなく、隣接する嘉手納基地を一望できる展望所や、嘉手納基地の概要や嘉手納町の歴史が学べる展示室も設置されています。

(嘉手納基地(道の駅かでな展望所))
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 4階の展望所から眺めた嘉手納基地の様子です。

 私が訪問した日は日曜日だったこともあり、戦闘機は飛んでいませんでしたが、嘉手納基地の広大な滑走路や敷地に圧倒されました。

 展望所と同じ4階に、スイーツ・軽食のお店「スカイラウンジ」があります。

(道の駅かでな「スカイラウンジ」)
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 「ぜんざい」の旗が立っていました。

 「(訪問した)3月でもかき氷(ぜんざい)があるとは、さすが沖縄」と思いつつ、吸い寄せられるようにお店に入りました。

 メニュー表を見ると、ぜんざいは「黒糖ぜんざい」と「黒糖ミルクぜんざい」の2種類が用意されていました。

 そこで「黒糖ぜんざい」を注文しました。

(黒糖ぜんざい)
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 「何というボリューム!」

 思わず笑ってしまうほど大きなかき氷でした。

 かき氷に黒糖シロップがかけられ、頂点に甘い金時豆がトッピングされています。

 「せっかくなので外で食べよう」と、お店を出て、再び展望所へ向かいました。

(黒糖ぜんざいと嘉手納基地)
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 展望所のテーブルでいただいた「ぜんざい」は格別でした。

 黒糖のシロップのかき氷は初めてで、注文の時点では「金時豆だけのぜんざいもあれば、そちらを選ぶのだけど…」と思っていたのですが、実際にいただくと、その考えは一変しました。

 黒糖は「重くて、クセがある」イメージがあったのですが、かき氷にかけると「軽くて、カラメルに似た香ばしさがある」シロップに大変身するのです。

 黒糖シロップと金時豆の相性も抜群でした。

 食べ進めると、カップの底に金時豆と白玉が入っていました。

(黒糖ぜんざい(底の様子))
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 これは嬉しいサプライズでした。

(黒糖ぜんざい(金時豆と白玉だんご))
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 前半は黒糖シロップのかき氷を、後半は金時豆や白玉だんごと合わせたかき氷を楽しむことが出来ました。

 最後に、黒糖シロップがほどよく溶け込んだ金時豆や白玉だんごをいただきましたが、これまた、黒糖の風味が金時豆の煮汁と見事にマッチし、最後の最後まで美味しくいただけました。


「沖縄ぜんざい」と「かき氷」の違いについて

 今回、初めて沖縄の「ぜんざい」をいただいて、かき氷と黒糖シロップの相性がとても良いことがわかりました。

 また、宇治金時に使われるような「小豆の粒あん」ではなく、「金時豆とその煮汁」を使ったかき氷だと、(金時豆は煮崩れないので)甘い金時豆そのものの美味しさを味わえることも理解出来ました。

 そして、このことに関連して気付いたことがあります。

 沖縄ぜんざいは、「ぜんざい」という名が示すとおり、金時豆(小豆)とその煮汁、白玉だんごがメインで、それを冷やして食べるために、「かき氷」が(トッピングとして)盛られて完成されたお菓子ではないかということです。

 つまり、沖縄ぜんざいは、冷やしぜんざいにかき氷が追加されたものであり、かき氷の一種として考案されたものではないという考え方です。

 この考え方だと、かき氷にあんこをトッピングした「氷あずき」や「宇治金時」とは全く別物のお菓子となります。

 でもこのように考える方が、「氷あずき」ではなく「ぜんざい」と呼ばれることへの説明がうまくつくのです。

 まあ、美味しければそれで良いのですが、沖縄ぜんざいは、温かいぜんざい(ホットぜんざい)に比べて、さっぱりとした甘さなので、それだけ幅広い方々にお楽しみいただけるお菓子だと思います。

 沖縄ぜんざい。機会があれば、御賞味ください。


まとめ

 今回の沖縄県訪問は1泊2日とわずかな期間でしたが、月桃(サンニン)や田芋(ターム)を使った料理・お菓子、ムーチー・くんぺん(こんぺん)・ポーポー・レモンケーキ・ヒラミーレモンケーキなどの郷土菓子、沖縄の「ランチ」、いなり寿司とチキン、そして今回の「ぜんざい」など、様々な沖縄の食とめぐり合うことが出来ました。

 沖縄の食を中心とした旅となりましたが、レンタカーやゆいレールでの移動途中に、いくつか観光スポットにも立ち寄りました。

 立ち寄ったのは、コザの街並み(沖縄市)、西海岸リゾート(恩納村)、美浜アメリカンビレッジ(北谷町)、国際通り・首里城(那覇市)、平和祈念公園・ひめゆりの塔(糸満市)などです。

(アメリカンビレッジ(デポアイランドシーサイド))
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 こちらは、北谷町(ちゃたんちょう)にある「美浜アメリカンビレッジ」の夜景です。

(アメリカンビレッジ(デポセントラル))
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 多くの人々がショッピングや飲食を楽しんでおられました。

 ゆいレールで首里城公園へも行きました。

(守礼門(首里城公園))
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 守礼門(しゅれいもん)や首里杜館(すいむいかん)などを見学しました。

(ゆいレール(そらとぶピカチュウデザイン)・牧志駅)
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 ゆいレールの車内チャイムは、沖縄の代表曲・沖縄ゆかりの曲を中心に構成されており、心が和みました。

 私は県庁前駅で流れるメロディ「てぃんさぐぬ花」が沖縄らしくて好きです。


 また機会があれば、沖縄を訪問し、沖縄の食文化を探訪したいと思います。


<関連サイト>
 「ぜんざいの富士家」(沖縄県那覇市泊2-10-9)
 「道の駅かでな」(沖縄県中頭郡嘉手納町屋良1026-3)
 「アメリカンビレッジ」(沖縄県中頭郡北谷町字美浜)
 「首里城公園」(沖縄県那覇市首里金城町1-2)

<参考文献>
 芝崎本実 監修「あんこのことがすべてわかる本」誠文堂新光社

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