カリブ諸国の料理とお菓子 -チキンシチュー・フリホレス ネグロス・エンサラダ デ レイポヨ・コーンプディング-
日・カリブ交流年とカリブ共同体(CARICOM)
2024年は「日・カリブ交流年」です。
「日・カリブ交流年」は日本とカリブ共同体(CARICOM:カリコム)の本格的な交流が始まってから30年が経過したことを記念して制定されました。
加盟国・地域は、アンティグア・バーブーダ、ガイアナ、グレナダ、ジャマイカ、スリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、ハイチ、バハマ、バルバドス、ベリーズと英領モンセラットの14か国1地域です。
(カリブ共同体(CARICOM))
外務省ウェブサイト・中南米・カリブ共同体(CARICOM:カリコム)から一部加工・引用
「日・カリブ交流年2024」では、日本とカリブ共同体(カリコム)双方で、交流を深めることを目的とした記念事業が実施されています。
JICA関西
日本の政府開発援助(ODA)を通じて開発途上国への国際協力を行っている国際協力機構(JICA・ジャイカ)。
そのJICAの関西の拠点が「JICA関西」で、神戸市中央区にあります。
この度、このJICA関西の食堂で「日・カリブ交流年」にちなんだカリブ諸国料理が提供されていることを知り、興味を持って訪問しました。
神戸三宮駅から阪神電車を利用して岩屋駅で下車し、駅から歩いてJICA関西を訪問しました。
(阪神電車・岩屋駅)
岩屋駅は兵庫県立美術館に近いこともあり、アートを意識した駅舎となっています。
岩屋駅のすぐ近くにはJRの灘駅があり、JRを利用してJICA関西へ行くこともできます。
JICA関西は、「HAT神戸(ハットこうべ)」と呼ばれる神戸・東部新都心の地区にあります。
兵庫県立美術館から大通りを西へ向かい、ハット見上げるとJICA関西がありました。
(JICA関西・全景)
海外からの研修員の宿泊施設もある、大きくて立派な建物です。
(JICA関西玄関・JICA関西食堂案内板)
JICA関西の玄関とJICA関西食堂の案内板です。
「食べることからはじまる国際協力」
確かに各国の料理を食べることで、その国の認識が深まり、国際協力に取り組むきっかけにもなると思います。
食堂は年末年始を除いて年中無休で営業されていますが、これは宿泊している研修員の食事を提供する役割もあるためです。
JICA関西食堂のカリブ諸国料理
JICA関西食堂は、施設の1階にあり、誰でも利用することが出来ます。
(JICA関西食堂・玄関)
メニューケースの横に「月替わりエスニック料理」の案内板がありました。
(月替わりエスニック料理案内(カリブ諸国料理))
9月(2024年9月1日~30日)の月替わりエスニック料理はカリブ諸国料理です。
2024年が「日・カリブ交流年」であることにちなんで提供されています。
この料理をいただくこととし、レジで食券を購入しました。
厨房で食券をお渡しし、カリブ諸国料理を御用意いただきました。
(JICA関西食堂・カリブ諸国料理)
こちらがカリブ諸国料理のセットです。
写真左側のメインプレートには、チキンシチュー、フリホレス・ネグロス、ライスが盛り付けられています。
写真右下の小鉢に入ったサラダは、エンサラダ・デ・レイポヨです。
そして写真右上のお菓子は、コーンプディングです。
それぞれの料理やお菓子を簡単に御紹介します。
【チキンシチュー(ハイチ風チキンの煮込み / Haitian chicken stew)】
「チキンシチュー」はハイチの料理で、鶏肉を野菜やスパイス(トマト、玉ねぎ、パプリカ、セロリ、ニンニク、タイムなど)で煮たシチューです。
(チキンシチュー)
鶏肉にスパイスがしっかり効いており、チキンソテーのような感じでいただきました。
【フリホレス・ネグロス(キューバ風ブラックビーンズ / Cuban style black beans cooked)】
「フリホレス・ネグロス」はキューバの料理で、ブラックビーンズ(黒インゲン豆)の煮込みです。
ちなみに、「フリホレス(フリホーレス)」はスペイン語で「インゲン豆」を意味し、中南米では「インゲン豆の煮込み」料理の名称ともなっています。
(フリホレス・ネグロス)
小豆の煮込みのようにも見え、甘そうなイメージだったのですが、実際は逆で、ピリ辛の豆料理でした。
ブラックビーンズを刻んだ玉ねぎや青唐辛子と一緒に煮込み、スパイスや塩で調味された料理です。
ブラジル料理の「フェイジョアーダ」に似ていると思いました。
【エンサラダ・デ・レイポヨ(プエルトリコ風サラダ / Puerto Rican salad)】
「エンサラダ・デ・レイポヨ」はプエルトリコの料理で、プエルトリコ風のサラダです。
(エンサラダ・デ・レイポヨ)
トマト、アボカド、玉ねぎ、人参、カイワレ大根などたくさんの野菜で作られたサラダです。
ドレッシングはクミンの風味とレモンの酸味が効いていました。
魚介のマリネ「セビーチェ」に似た、さっぱりして酸味の強いサラダでした。
【コーンプディング(トウモロコシ粉とココナッツミルクのデザート / Dominican Republiccorn flour and coconut milk dessert)】
食後にコーンプディングとコーヒーをいただきました。
(コーンプディングとコーヒー)
ドリンクはセルフサービスで、緑茶・ウーロン茶・紅茶・コーヒーの4種類が用意されていました。
(コーンプディング)
「コーンプディング」はドミニカ共和国のお菓子です。
粒々感のあるトウモロコシ粉にココナッツミルクや砂糖を加え、火にかけてとろみをつけ、冷やし固めたお菓子です。
仕上げにシナモンがふりかけられています。
このコーンプディング、ほかの料理と一緒にトレーに用意された時点から、私は気にかかって仕方ありませんでした。
アイスクリームのような冷たいお菓子だと思ったからです。
「溶けないうちに食事をサッと済ませないと」との一心で、早めに食事を済ませました。
そしてデザートにコーンプディングをいただいてみると…全然冷たくない(笑)
食感はフルフルとして、トウモロコシ粉のツブツブ感も残っていて、木綿豆腐を粗めに裏ごしして作る「白和え」とよく似ています。
ほんのり甘く、シナモン(肉桂)が効いているので、京都の八つ橋に似た風味だと思いました。
窓越しに庭を眺めながら、ゆったりと食後のひとときを楽しみました。
食堂を出る際、レジ横で「けん玉」が販売されている光景を目にしました。
「けん玉」は広島県廿日市市が発祥の玩具です。
私はかつて、「けん玉」を広島から世界に広めようと、「ひろしま国際プラザ(※)」の食堂で、世界各国から来られた中国四国地方各県受入れの海外研修員の皆さんと「けん玉交流イベント」をしたことがあります。
※Hiroshima International Plaza:広島県立国際協力センターとJICA中国の複合施設
その「けん玉」に人気が出て、JICA関西の食堂でも販売されるようになったことをとても嬉しく思いました。
JICAかんさい地球ひろば
JICA関西食堂で食事を済ませ,1階のロビー展示コーナーや広報展示室(「JICAかんさい地球ひろば」)を見学させていただきました。
ロビー展示コーナーには,各国ゆかりの物が展示品されていました。
(SDGs JICA KANSAI)
カラフルで派手なセットで、奥からお笑いタレントが登場しそうですが、「JICA MANZAI」ではなく「JICA KANSAI」です(笑)
左上にある「From KOBE」と書かれたハートマークも、朝日放送「新婚さんいらっしゃい!」のハートマークとそっくりです。
JICA関西に来られた研修員の皆さんには、関西のお笑い文化にも触れていただきたいです。
広報展示室には、世界のそれぞれの地域の特性や文化が紹介されたコーナーや、世界の民族衣装や民芸品が展示されたコーナーなどがありました。
(広報展示室)
さらに中へ進むと,世界の食べもの・飲みものの紹介コーナーがありました。
(世界の食べもの・飲みもの紹介)
ドリンク、フルーツの缶詰、麺、海老せんべい、お菓子などが屋台風に展示されていました。
こんな感じで「JICAかんさい地球ひろば」を興味深く見学させていただきました。
まとめ
全国のJICAの拠点施設では,国際協力を中心とした世界各国の情報を得ることが出来ます。
また,世界の料理を用意され,広く一般の方も利用できる食堂が併設されている施設もあります。
こうした施設を利用すれば,国内にいながら,気軽に世界旅行気分を味わうことが出来ます。
<関連サイト>
国際協力機構「JICA関西」(神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)
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なーまんは30年前、カリブという車に乗っていましたが、カリブ共同体の事は初めて知りました!
名前だけは聞いた事がある国が多いですが、そこそこ大きい国は加盟できないのでしょうか?
JICA関西だけでなく、JICAジャマイカ支所もある様ですね(^.^)
岩屋駅の駅舎はスティールパンの音楽が流れてきそう♪
フリホレス・ネグロスはうずら豆にも見えますね (^^;;
甘そうで実は辛い豆料理、冷たそうで実は冷たくないデザート!
まさに異文化交流でございますね(^_^)
投稿: なーまん | 2024年9月22日 (日) 18時28分
カリブ諸国の食事って特にイメージがないですが、米も食べるんですね。
コーンプディングはアイスクリームのようで、見た目からはふるふる食感が想像できません。
JICAって結構あちこちあるんですねー。
埼玉に近いのは東京か筑波でしたが、見たら事業所ごとにレストランのメニューが違って、興味深いです。
投稿: chibiaya | 2024年9月22日 (日) 21時49分
なーまん 様
なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
なーまんさんもカリブ共同体に加盟できますね(笑)
私も確かそんな名前の車に乗っていた…と調べてみたら、カムリとカリーナでした。
JICAジャマイカ支所は、ジャマイカJICA支所と間違えてしまいそうな名前ですね(笑)
「スティールパン」、初めてお聞きしたので、動画で検索してみたら、「あー、この音の楽器か!」と理解できました。
確かに岩屋駅の前でスティールパンの音楽が流れていたら、ワクワクしますね!
フリホレス・ネグロスの豆、ちょっと自信がなく、うずら豆なのかも知れません…ごめんなさい。
小豆好きの私は、見た目からして小豆に見えて、甘い料理に違いないとバイアスがかかってしまいました。
日本のように豆を甘く煮て食べるのは、世界的にも珍しいのですが…。
デザートも見た目でアイスクリームに違いないとバイアスをかけてしまいました。
溶けないうちにと、食事を急いで済ませただけに、常温だと知ったときの驚きは大きかったです(笑)
自分の価値観・背丈でしか、人やモノを見れていないことがよくわかりました。
相手のことをよく知ろうとする、わかろうとすることこそ、異文化交流の出発点なのでしょうね。
投稿: コウジ菌 | 2024年9月22日 (日) 22時21分
chibiaya 様
chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
プレートにライスがありましたが、カリブ諸国でも日本と同じ品種(ジャポニカ米)なのだろうか?と一瞬思いました。
確かに中南米でもお米を食べるようですね。
コーンプディング、私は一口食べるまで、キャラメルアイスかと思っていました(笑)
確かに見た目では、表面にトウモロコシ粉のツブツブが目立つので、ふるふる感は想像できませんよね。
常温で、つぶつぶ感が残る「ムース」に近いようにも思います。
JICA、世界各地だけでなく、日本各地にもたくさんの拠点がありますね。
レストランも世界の料理(エスニック料理)が提供される基本方針は一緒ですが、どこの国・地域の料理が出されるかは事務所によって違うところが興味深いです。
そんな中、JICA関西食堂だけは、日替わりや週替わりのメニューに加えて、月替わりのメニューまで用意されているところがスゴイです!
投稿: コウジ菌 | 2024年9月22日 (日) 23時04分
カリブ諸国で思い浮かぶのは…陽に若々しく澄んだ海に、リズムに陽気な音楽。
JICAの食堂で海外のエスニック料理を味わうのって、JICAの研修員にその地を
担当される方の研修の一環っぽくも思えたり(そんな意味合いもあるんでしょうね、
なにごとも派遣先を知る勉強みたいな)。
ふと、ご紹介の料理を調理されてる方はその国の方なのかな? そんなことが
気になったり。。。
投稿: サウスジャンプ | 2024年10月15日 (火) 00時09分
サウスジャンプ 様
サウスさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
カリブ諸国のイメージを教えていただき、ありがとうございました。
カリブ諸国は、世界の船が船籍国にすることが多く、クルーズ客船が盛んなことでも有名です。
世界有数の観光地・リゾート地ですね。
全国のJICA食堂の中でも、神戸のJICA関西食堂は世界各地の料理を積極的に提供されている食堂です。
おっしゃるとおり、滞在されているJICA研修員さんにとっては、世界各地の料理を味わうことで、異文化理解を深めるという研修の一環でもあると思います。
また、滞在されている研修員さんが、施設内の調理室で自分の国の料理を紹介するようなイベントも行われています。
JICA関西食堂の調理員さんは地元の方が中心だと思いましたが、テーマの国のJICA研修員や大使館(総領事館)の方が料理を監修されていることも多いと思います。
投稿: コウジ菌 | 2024年10月15日 (火) 22時55分