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2024年10月 6日 (日)

あずきの研究18 -御座候 書写山麓店の赤タルト・赤ブレンド珈琲・豆紡(まめつむぎ)-

姫路の御座候と書写山

 兵庫県姫路市にやってきました。

(姫路駅前から眺めた姫路城)
Photo_20241005143401

 姫路駅から真正面に位置する姫路城を眺めると、姫路に来たことを実感します。

 ここ姫路は、回転焼(今川焼、大判焼)で有名な「御座候(ござそうろう)」の本拠地です。

 その御座候が、令和4(2022)年4月に手仕事をテーマとした旗艦店、手仕事喫茶「御座候」書写山麓店(しょしゃさんろくてん)をオープンされました。

 こちらのお店で小豆を使ったオリジナルケーキや、回転焼「御座候」の赤あん・白あんに合うオリジナルコーヒーが味わえるという情報を得たので、訪問することとしました。

 書写山は姫路市街から車で約20分の場所にあり、姫路駅から気軽に歩いて行ける距離ではないため、姫路駅北口から神姫(しんき)バスの「書写山ロープウェイ」行きを利用して書写山を目指しました。

 姫路駅からバスで約30分で終点「書写山ロープウェイ(山麓駅)」に到着しました。

(書寫山圓教寺案内図)
Photo_20241005143601

 書写山山頂にある「書寫山圓教寺(しょしゃさん えんぎょうじ)」は天台宗のお寺で、「西の比叡山」とも呼ばれています。

(書写山ロープウェイ)
Photo_20241005143602

 書写山の山麓と山頂を結ぶ、書写山ロープウェイです。


御座候 書写山麓店

 書写山ロープウェイ山麓駅のすぐ近くに「御座候 書写山麓店」があります。

(御座候 書写山麓店 駐車場案内看板)
Photo_20241005143801

 手仕事を意識し、手作り感のある駐車場案内看板がありました。

(御座候 書写山麓店 入口)
Photo_20241005144001

 お店の入口には、石積みの門と店名が書かれた表札がありました。

 通路の中心に大きな木がありますが、それをあえて残されているところに、自然の恵みを生かし、大切にされているお店のお心遣いを感じました。

 中に入ると、きれいに手入れされた庭の先にお店がありました。

(御座候 書写山麓店 店舗)
Photo_20241005144501

 のれんのデザインが、赤あんと白あんの「御座候(回転焼)」に見えます。

 どんなあずきの世界が待っているのか、期待しながらお店に入りました。


赤タルトと赤ブレンド珈琲

 入口では、お店の方が「御座候(回転焼)」を焼いておられました。

 テーブル席に着き、メニューを見ると、
・焼きたての「御座候(赤あん、白あん)」
・小豆を使ったオリジナルケーキ「赤タルト」、「赤ロール」
・赤あんや白あんの風味に合わせた「赤ブレンド珈琲」、「白ブレンドコーヒー」
・同じく赤あんや白あんの風味に合わせた「赤の煎茶(冷茶)」、「白の煎茶(冷茶)」
・「あずき茶」、「和紅茶」
・「ぞうすい」、「うどん」、「赤飯おにぎり」(ランチタイム)
などが用意されていました。

 あずき好きの私は、このお店でしか味わえない「赤タルト」と「赤ブレンド珈琲」を注文しました。

 その際、お店の方から、持ち帰り用の「御座候(回転焼)」の注文の有無を確認されました。

 喫茶ルームで過ごした後、帰りに焼きたての「御座候(回転焼)」を用意していただけるようです。

 遠方ということもあり、私は「赤タルト」と「赤ブレンド珈琲」のみ注文しました。

 テーブル席から外の庭を眺めながら待っていると、しばらくしてタルトとコーヒーが運ばれてきました。

(赤タルトと赤ブレンド珈琲)
Photo_20241005144701

 あずき好きにはたまらない、夢のような組合せです。

 「赤タルト」をアップで見てみましょう。

(赤タルト)
Photo_20241005144801

 タルトの表面に寒天でつやを出した小豆がのせられている様子は、和菓子の「水無月(みなづき)」を連想させます。

 サックリと焼かれたタルト生地の上に、しっとりとしたあんこクリームの生地がのせられ、表面には粒あんがたっぷりとかけられています。

 タルトの周囲には生クリームがデコレーションされ、和菓子好きも洋菓子好きも喜ぶお菓子となっています。

 「赤タルト」を味わってから「赤ブレンド珈琲」をいただきました。

 私はコーヒーをストレートで飲むため、濃すぎたり苦すぎたりするコーヒーは苦手なのですが、このコーヒーは繊細な小豆の味を生かすよう、まろやかで苦味も少なく仕上げられています。

 「小豆にはお茶」という概念を覆す、ストレート派にも嬉しいハンドドリップコーヒーでした。


書写山麓店限定「豆紡(まめつむぎ)」

 喫茶タイムを楽しんだ後、店内の販売商品を見て回りました。

 すると、書写山麓店限定で「豆紡(まめつむぎ)」というお菓子が販売されていました。

(豆紡(包装))
Photo_20241005145701

 遠方から来られたお客さん向け、お土産向けに開発された商品です。

 日持ちがし、小豆やてぼう豆の風味を最大限生かした豆粉のお菓子です。

(豆紡(詰め合わせ))
Photo_20241005145801

 写真左列の茶色のお菓子が「珈琲(エスプレッソ)」、中央列の紫色のお菓子が「あずき」、右列の若草色のお菓子が「煎茶」です。

 丸いコイン形をした、直径約3.5cm、厚さ約0.8cmのお菓子です。

(豆紡(あずき・煎茶・珈琲))
Photo_20241005145802

 こちらの写真は、上が「あずき」で御座候(回転焼)を焼く職人の姿が、右下が「煎茶」で重箱に詰められた和菓子が、左下が「珈琲(エスプレッソ)」でお餅を搗く臼と杵がそれぞれ描かれています。

(豆紡・あずき(中身))
Photo_20241006073401

 見た目は落雁(らくがん)のようですが、落雁より甘さは控えめで、しっとりとしています。

 豆粉を氷砂糖の粉末で固めたお菓子です。

 「あずき」があるのは当然として、なぜ「珈琲(エスプレッソ)」があるのか、なぜ抹茶ではなく「煎茶」なのかと思いましたが、よく考えるとお店の喫茶のドリンクメニューと一致していることに気付きました。

 「お店の味を御家庭でも」が商品コンセプトだと思います。

 豆粉特有のホロッとした食感で、豆とそれぞれの素材の濃厚な味わいを楽しむことが出来ました。


 「御座候 書写山麓店」は、あずき好きにはたまらない、手仕事喫茶で御座候。


<関連サイト>
 「御座候 書写山麓店」(兵庫県姫路市書写1199-3)

<関連記事>
 「あずきの研究11 -今川焼きと小豆あんの呼び方-
 「あずきの研究13 -御座候本社工場・あずきミュージアム見学-
 「あずきの研究16 -河岡食品の「ぬれおはぎ」・「月見ぬれ団子」,イズミの「小豆と抹茶のタルト」-
 「夏越の祓と京都の和菓子 水無月 -神道と道教,道教の特徴と日本の行事・文化-

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コメント

回転焼のルーツは江戸の今川焼き!
と、マイ大阪ガスのサイトにあります(^.^)v 
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1281857_38851.html

姫路で「今川焼き下さい」とわざと言い「御座候でございますね?」
とお店の人に尋ねられたら「御座候に御座候!」と答えてみたいです(^_^o)
御座候は横浜にも3件ある様なので、試しに「御座候下さい!」と言ってみようと思いました(^。^)
ワインレッドは濃い赤の事ですが、あずきレッドはもっと濃い赤!
昔ワインレッドの心という歌がありましたが、替え歌に出来そうですね(^_−☆

ありそうでない、小豆のタルト!食べる前からわかる、絶対美味しいやつ!!
豆紡も美味しいそうです。
お供に飲むのは珈琲にはエスプレッソ、煎茶には煎茶、小豆には…エスプレッソも煎茶も合いそうですね。
アツアツのあんこが美味しい季節になってきました。
いちばん近い御座候は大宮にしかないので、あま太郎で我慢します。
https://tabelog.com/saitama/A1102/A110204/11025311/

なーまん 様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

マイ大阪ガスのサイトを御紹介いただき、ありがとうございました。
なーまんさんは「今川焼」とお呼びのようですね。
広島県では、御座候の場合はお店の名前と同じ「御座候」、あと広島県西部でよく言われるのが「二重焼(にじゅうやき)」です。
マイ大阪ガスのサイトでも、広島県だけが「二重焼」となっています(笑)

「御座候」には「ございます」という意味があるというお話、フォローしていただきありがとうございます。
関西や広島では、「御座候(店名)に御座候(商品名)が御座候(ございます)」と言っても通用しそうです(笑)
横浜では大丈夫かな?(笑)

「お客様、赤あんと白あんどちらになさいますか?」
「あのー消えそうに 燃えそうな あずきレッドの…」
これは使えるかも(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

小豆のタルト、賛同いただけるとは嬉しいです!
豆紡も、甘さ控えめで、豆の香りや香ばしさも感じられて美味しかったです。

豆紡と合わせる飲み物、言われてみれば、豆紡と同じ飲み物で合わせるのが一番のような気がします。

御座候(回転焼)、たい焼き、ぜんざい、あんまん…甘党、あんこ好きにはたまらない季節となりました。
「あま太郎」は西日本ではあまり聞かない名前ですが、甘いお菓子を連想させる、かわいい名前ですね。

大判焼を販売されているお店は、なぜか一緒にたこ焼きも販売されることが多いのが不思議です。

回転焼(今川焼)に、京都だとロンドン焼それでしょうか。
回転焼に似てるだけで別物のおぼえなんですけど、
他府県の方はどんな印象をお持ちなのかなと気になったり。
赤タルトのあんこで思い出したんですけど、
日本あんこ協会、あるんですよね。https://anko.love/
あんにも色々で深いです。

サウスジャンプ 様

サウスさん、おはようございます。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

京都のロンドン焼、一時期京都に住んでいましたが、今初めて知りました!
ハイカラなネーミングで、とても興味を持ちました。

回転焼(今川焼)は、全国でいろんな名前で呼ばれていますが、それだけ全国的に親しまれているおやつなのでしょうね。
回転焼のことを「御座候」と呼ぶのは、西日本の「御座候」店舗がある地域だけのような感じがします。
広島では「二重焼き(にじゅうやき)」とも呼ばれてます。

日本あんこ協会も初めて知りました。
へぇー、こうした協会があるのなら、私も入りたいな(笑)
会長の「にしい あんこ」さん、女性かと思ったら男性だというのも面白いです。
たくさんの興味深い情報、ありがとうございました!

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