中央アジア・コーカサス諸国の料理(ラグマン・カザフシャルガム・オジャクリ・カラムリピログ)と協力隊珈琲
JICA関西
日本の政府開発援助(ODA)を通じて開発途上国への国際協力を行っている国際協力機構(JICA・ジャイカ)。
そのJICAの関西の拠点が「JICA関西」で、神戸市中央区にあります。
このJICA関西の食堂で「中央アジア・コーカサス諸国料理」が提供されていることを知り、興味を持って訪問しました。
今回は、少し距離がありましたが、神戸の中心街・三宮から歩いてJICA関西を訪問しました。
(JICA関西・夜景)
今までランチタイムに何度か訪問しましたが、ディナータイムの訪問は初めてです。
JICA関西食堂は昼だけでなく夜も営業されていますが、これは宿泊している研修員の食事を提供する役割もあるためです。
(JICA関西玄関)
JICA関西の玄関では「JICA」の文字がライトアップされていました。
(JICA関西食堂案内板)
ディナータイムはどんな雰囲気なのか、ワクワクしながら施設に入りました。
JICA関西食堂の中央アジア・コーカサス諸国料理
JICA関西食堂は、施設の1階にあり、誰でも利用することが出来ます。
(JICA関西食堂・玄関)
入口で「月替わりエスニック料理」の食券を購入し、厨房へ持っていくと、「少しお時間をください」と、呼び出しベルが手渡されました。
ひとまずテーブル席へ向かうと、大きなモニター画面に月替わりエスニック料理の案内がありました。
2024年12月の月替わりエスニック料理は中央アジア・コーカサス諸国料理です。
(月替わりエスニック料理案内(中央アジア・コーカサス諸国料理))
このモニターの目の前の席に座り、それぞれの料理を確かめながら食事することにしました。
中央アジア・コーカサス諸国は、中央アジア(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン)と、コーカサス(アルメニア、ジョージア、アゼルバイジャン)で構成される地域の総称です。
(中央アジア・コーカサス諸国)
JICAウェブサイト・広報誌「mundi(2017年4月号)」から一部加工・引用
今回は中央アジア、ジョージア、カザフスタン、ウズベキスタンの料理をいただきます。
しばらく待っているとブザーが鳴ったので、再び厨房へ行くと、料理が提供されました。
(JICA関西食堂・中央アジア・コーカサス諸国料理)
こちらが中央アジア・コーカサス諸国料理のセットです。
写真左側手前のメインプレートがラグマンです。
写真右上の四角いプレートには、3種の料理(カザフシャルガム・オジャクリ・カラムリピログ)が盛り付けられています。
それぞれの料理を簡単に御紹介します。
【ラグマン(麺料理 / Noodle dishes)】
「ラグマン」は、ウズベキスタンやキルギスなど中央アジアで広く食べられている料理です。
(ラグマン)
日本の「うどん」に具だくさんのトマトシチューをかけたような料理です。
トマトシチューは、玉ねぎ・ナス・牛肉・サヤインゲン・パプリカ(ピーマン)・セロリ・ネギなどの具をトマトでじっくり煮込んだものです。
美味しいのですが、麺が太くて食べるのが大変でした。
麺をプラスチックの箸で食べようとするとツルツル滑り、フォークで食べようとすると太すぎてクルクル巻けないのです。
私の場合は、最終的に麺は箸、スープはスプーンでいただくことで落ち着きました。
【カザフ・シャルガム(大根サラダ / Radish salad)】
「カザフ・シャルガム」はカザフスタンの料理で、大根サラダです。
(カザフ・シャルガム)
大根、人参、パプリカのサラダで、粉唐辛子をまぶしてピリ辛に仕上げられています。
酢の酸味はあまり感じなかったものの、日本の「紅白なます」によく似ていると思いました。
【オジャクリ(ジャガイモ料理 / Potato dishes)】
「オジャクリ」はジョージアの料理で、ジャガイモの煮込み料理です。
(オジャクリ)
ジャガイモを玉ねぎ、豚肉、パプリカ(黄色)と一緒に煮込んだもので、仕上げにコリアンダー(パクチー・香菜)がのせられています。
見た目もそうですが、「肉じゃが」そっくりの味でした。
ワインビネガーが使われているからか、わずかな酸味も感じました。
フランス・アルザス地方の郷土料理「ベッコフ」もそうですが、改めて、ジャガイモを玉ねぎや肉と一緒に煮込むと「肉じゃが」の味に近づくのだなと思いました。
【カラムリ・ピログ(キャベツパイ / Cabbage pie)】
「カラムリ・ピログ」はウズベキスタンの料理で、キャベツパイです。
(カラムリ・ピログ)
主な具はキャベツと玉ねぎです。
いただいてみると、コショウやクミンの香りを感じました。
そして、甘いキャベツに粒コショウがピリッと辛いアクセントとなっていました。
(カラムリ・ピログ(中身))
中身を観察すると、キャベツや玉ねぎのほか、クミンシード(クミンの種子)も入っていました。
表面はサクサク、中身はしっとりとしたパイでした。
中央アジア・コーカサス諸国に思いを馳せながら、美味しくいただきました。
付記
青年海外協力隊でペルーに行かれる方から、あいさつの品としてコーヒーをいただきました。
(協力隊珈琲(ペルー))
「協力隊珈琲 ペルーに行ってきます」と記載されています。
協力隊珈琲(JOCABUCKS COFFEE)には、「煌(きらめき)」、「爽(さわやか)」、「深(ふかみ)」の3種類があります。
いただいたコーヒーは「煌(きらめき)」でした。
(煌(きらめき)・食品表示)
裏をめくってみると、コーヒーの原産国はペルー…ではなく、ブラジル、コロンビア、グアテマラとなっていました。
こうしたちょっとした贈り物があると便利ですね。
ペルーでの御活躍をお祈り申し上げます。
<関連サイト>
国際協力機構「JICA関西」(神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)
「青年海外協力協会(JOCA)」(長野県駒ヶ根市中央16-7)
<関連記事>
「ウズベキスタン・キルギス料理の特徴と主な料理 -ノン・ラグマン-」
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コメント
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ランチの幟はよく見かけますが、ディナーの幟は見かけませんね^o^
ラグマンはシルクロード経由で中国から伝わった手延べ麺の様ですが、写真で拝見する限り、日本の讃岐うどんの様に見えますね^^;
日本の稲庭うどんも包丁で切った後、手で細くする様ですが・・・
https://www.kanbun.co.jp/udon/process/
カザフ・シャルガム本当和食の様ですね!
コーカサス諸国地方はキリスト教とイスラム教が混在しているので、料理も面白そう!
旧ユーゴスラビアみたいに(^.^)v
因みに、JICA横浜の今のメニューはこんな感じd(^_^o)
https://www.jica.go.jp/domestic/yokohama/office/restaurant/__icsFiles/afieldfile/2024/12/04/LUNCH20241209.pdf
投稿: なーまん | 2024年12月 8日 (日) 17時55分
ジョージアはヨーロッパのイメージがあったのですが、地理的にはアジアに近いんですね。
どの料理も既視感のあるビジュアルで抵抗なく受け入れられそうに見えました。
ラグマンの麺、普通のうどんに見えますが、うどんではないんですよね?(笑)
投稿: chibiaya | 2024年12月 8日 (日) 22時07分
なーまん 様
なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
そうですねー「ディナー」と書かれた幟は見かけませんねーって、やはりそこを突いてこられましたか(笑)
夕食時もランチの幟が立っていました。
ラグマンの麺は、日本のうどんが使われているのではないかと思います。
稲庭うどんのサイト、拝見しましたが、手延べそうめんと同じような方法で作られるのですね。
JICA関西食堂の麺は、さすがにここまではされてないと思います(笑)
カザフ・シャルガム、これ和食の紅白なますそのものですよね。
和食だと、赤いパプリカを入れることはないでしょうが、このカザフ・シャルガムがおせちに入っていても誰も違和感は感じないでしょう。
様々な宗教や文化が入り混じる地域なので、料理のバリエーションも豊富だと思います。
JICA横浜のメニューも御紹介いただき、ありがとうございました。
JICA横浜は週替わりのメニューなんですね。
インドネシアの「アヤムリチャリチャ」やマダガスカルの「牛肉のキモ(キーマ)」など、近くだったら味わってみたい料理ばかりです\(^o^)/
投稿: コウジ菌 | 2024年12月 8日 (日) 22時26分
chibiaya 様
chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
ジョージアはヨーロッパかアジアか…おっしゃるとおり、アジアに近いヨーロッパという位置付けですね。
言われてみれば確かに、今回の料理はうどん、紅白なます、肉じゃが、キャベツ入りお好み焼のセットと呼んでも違和感がないくらい、日本でもお馴染みの料理(に近い料理)ばかりです。
ラグマンの麺、これは多分、コシのある冷凍うどんの麺だと思います(笑)
(JICA関西食堂さんに違うと怒られるかもしれませんが…)
逆に言えば、日本の身近な食材で中央アジアの料理が作れるわけです。
トマトパスタのような、うどんのような不思議な料理でした。
投稿: コウジ菌 | 2024年12月 8日 (日) 22時52分