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2025年4月

2025年4月27日 (日)

鉄道博物館交流協力企画展「和風×台味 台湾鉄路の食文化」-トレインレストラン特製魯肉飯・マンゴーシャーベット・ビューレストラン特製牛肉麺-

鉄道博物館駅から鉄道博物館へ

 2025年3月、さいたま市を訪問しました。

 大宮駅に着くと、ポスターなどで「鉄道のまち大宮」というコピーをよく見かけました。

 大宮駅からニューシャトルに乗って、鉄道博物館駅へ向かいました。

 ニューシャトルは、東北・上越・北陸新幹線の高架軌道に沿って走る新交通システムです。

 大宮駅を出発すると、次の駅が鉄道博物館駅です。

(ニューシャトル・鉄道博物館駅・内宿行)
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 現代的なデザインで、グッドデザイン賞を受賞した2020系車両です。

(鉄道博物館駅(駅名標))
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 「鉄道博物館駅」…鉄道ファンや鉄道好きの子どもたちにはたまらない駅名です。

 入館券を提示し、鉄道博物館に入館しました。

 訪問した日は平日の月曜日でしたが、親子連れや子どもを中心に多くの人で賑わっていました。

(鉄道博物館・車両ステーション)
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 鉄道博物館の中心にある「車両ステーション」には、数多くの鉄道車両が展示されていました。

(特急「ひばり」(クハ481形)と急行列車(クモハ455形))
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 特急「ひばり」(写真左)は、かつて東京・上野~仙台を結んでいた特急列車です。

 一方、急行列車(クモハ455系)(写真右)は、かつて東北本線や常磐線などで活躍した交直両用の急行列車です。

 貨物列車も展示されていました。

(貨物列車・コンテナ内部)
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 山口県下関市からコンテナで海産物が運ばれる様子だと思います。

 寝台特急・ブルートレインも展示されていました。

(寝台特急「あさかぜ」・B寝台車)
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 ブルートレインに乗ったことがないので、とてもワクワクしました。

(寝台特急「あさかぜ」・B寝台車(内部))
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 寝台車の中を見学しましたが、想像していたより狭く、簡易な作りでした。

 私が寝台車に乗ったら、寝る間を惜しんで車窓から外を眺め、寝ることはないでしょう(笑)


交流協力企画展「和風×台味(タイウェイ) 台湾鉄路の食文化」

 今回、鉄道博物館を訪問した一番の理由は、企画展「和風×台味 台湾鉄路の食文化」を鑑賞し、館内のレストランで企画展コラボ料理を味わうことでした。

(「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化」広告(日本語版))
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 2024年の年末、JR上野駅で偶然このチラシを見つけ、訪問することを決めました。

 「台湾の鉄道と食」の観点から、台湾の鉄道、日台の食堂車の歴史・概要、駅弁の歴史、2027年オープン予定の台北の国家鉄道博物館などを紹介する企画展です。

(「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化」広告(台湾華語版))
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 チラシをひっくり返すと、このような台湾華語版の広告となっています。

 鉄道博物館のエントランスホールにも案内看板がありました。

(「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化」案内看板)
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 企画展初日には、日本と台湾の駅弁文化をテーマにした「駅弁シンポジウム」(主催:株式会社広島駅弁当)も開催されました。

(「和風×台味 台湾鉄路の食文化」会場入口)
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 「和風×台味 台湾鉄路の食文化」会場入口の様子です。

 会場内は写真撮影禁止となっていたので、御紹介することはできませんが、日本と台湾の鉄道・食堂車・駅弁の歴史について、興味深く学ぶことができました。


「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」から台湾の食文化を学ぶ

 ミュージアムショップで「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」を購入しました。

(「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」)

 図録は、「Ⅰ 台湾の鉄道路線」、「Ⅱ 列車内外のレストラン」、「Ⅲ 台湾の駅弁」、「Ⅳ 出発!国家鉄道博物館プロジェクト ただいま進行中」という4章で構成されています。

 図録のコラムに、「日本統治時代の台湾の駅では、駅弁の他に何を売ってたの?」という題名で、1916年の台湾日日新報の記事内容がイラスト付きで紹介されていました。

(1916年当時 台湾の駅のホームで販売されていた商品)
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 (「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」p41のイラストを一部加工・引用)

 当時の台湾の駅では、国姓爺(こくせんや)まんじゅう、巻き寿司、弁当、ミカン、スイカ、柿、まんじゅう、牛乳、芭蕉実(実芭蕉(みばしょう):バナナの一種)、スモモ、国姓爺もち、寿ずし(いなり寿司)、羊羹などが販売されていたようです。

 ちなみに「国姓爺」とは、「鄭成功(ていせいこう)」という人物の別称です。

 鄭成功は、江戸時代初期の1624年に今の平戸市で貿易商だった中国人の父(鄭芝龍)と日本人の母(田川マツ)との間に生まれました。

 1645年、21歳のとき、隆武帝から明王朝の姓(国姓)である「朱」姓を賜わったことから、人々の間で「国姓爺」(「国の姓」を賜った「爺(旦那)」という意味)と呼ばれるようになりました。

 「明」王朝の復興を願って大陸の「清」と戦い(反清復明運動)、その後、オランダに占拠されていた台湾を解放した功績から、台湾では英雄としてたたえられています。

 近松門左衛門は、この鄭成功をモデルに「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」という物語を描き、人形浄瑠璃や歌舞伎で人気を得ました。

 こうした背景から、「国姓爺まんじゅう」や「国姓爺もち」など「国姓爺」という名を冠した菓子・お土産が人気だったようです。

(「国姓爺まんじゅう」・「国姓爺もち」の広告)
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 (「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」p41の広告を一部引用)

 私も成功して「乞爺菌」と呼ばれるように頑張ります!
 (と言いつつ、本当にこう呼ばれたら、ちょっと嫌かも…(笑))


トレインレストラン特製魯肉飯(ルーローハン)&マンゴーシャーベットセット

 お昼時になったので、館内のレストランで企画展コラボメニューをいただくこととしました。

 本館2階の「トレインレストラン日本食堂」を訪問しました。

(トレインレストラン特製魯肉飯&マンゴーシャーベット案内看板)
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 こちらのお店の企画展コラボメニューは、「トレインレストラン特製魯肉飯&マンゴーシャーベット」です。

 お店に入ると、店員さんから「窓側のお席と車内のお席どちらになされますか?」と尋ねられました。

 窓側の席で行き交う列車を眺めながら食事をいただくか、車内席で食堂車の雰囲気を楽しみながら食事をいただくかを決める必要があったので、私は車内席をお願いしました。

(トレインレストラン日本食堂・車内席)
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 テーブル席を御案内いただき、席に着いた後、私は「トレインレストラン特製魯肉飯&マンゴーシャーベット」を注文しました。

 ちなみに「魯肉飯」は、本来は「滷肉飯」と表記するのが正しいとされています。

 「滷」という文字に「(長時間)汁で煮込む」という意味があるからです。

 しかし、あまりにも複雑な字のため、発音の同じの「魯」であてられるようになったと言われています。

 しばらくして、魯肉飯が運ばれてきました。

(トレインレストラン特製魯肉飯(テーブル席))
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 台湾の食堂車(臺灣餐車)に乗って食事しているような気分になりました。

(トレインレストラン特製魯肉飯)
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 ごはんの上に豚肉の煮込みが盛られ、その上に糸唐辛子が飾られています。

 チンゲン菜と煮卵が添えられていました。

 大きな角切りの豚肉は、醤油ベースの甘辛で、八角(スターアニス)の香りが効いており、口の中でホロリと崩れるほどやわらかく煮込まれていました。

 豚肉はごはんとの相性も抜群で、あっという間に食べ終えてしまいました。

 その後、デザートとしてマンゴーシャーベットをいただきました。

(マンゴーシャーベット)
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 マンゴーシャーベットにウエハースが添えられていました。

 マンゴーそのものをいただいているような、ねっとりした食感のシャーベットでした。


ビューレストラン特製牛肉麺(ニョウロウメェン)

 満腹中枢が働く前に、続けて南館4階の「ビューレストラン」を訪問しました。

 店名のとおり、(実際に走行している新幹線の)眺めを楽しみながら食事することができるレストランです。

 事前に食券を購入し、厨房へ注文するセルフサービスのレストランで、広い店内に大勢のお客さんが利用されていました。

 私は「ビューレストラン特製牛肉麺」の食券を購入し、注文しました。

 空いている席に座り、しばらく待っていると、出来上がりを知らせる呼び出しベルが鳴ったので、料理を受け取りに行きました。

(ビューレストラン特製牛肉麺)
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 台湾の牛肉麺(ニョウロウメェン)は、「外省人」(がいしょうじん:中国各地の省から台湾へ移住した人やその子孫)の故郷の味と、地元台湾の食材を融合して生み出された料理です。

 醤油ベースの汁麺に、角切りの牛肉の煮込みがたっぷり盛られていました。

(ビューレストラン特製牛肉麺(牛肉))
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 具は、牛肉煮込み、チンゲン菜、煮卵、白ねぎです。

 かかっているスパイスは花椒(ホアジャオ)だと思います。

 醤油ベースのピリ辛スープと、甘辛く仕上げられた牛肉煮込みが麺とよく合いました。

 魯肉飯に続けて牛肉麺を食べると、ごはんか汁麺かの違いだけで、同じような具・味付けのものをいただいているような感じもしましたが、いずれもあらかじめ作っておいて、注文に応じて素早く提供できるというメリットがあると思いました。

 パスタや洋食を食べる親子連れ、うどんやラーメンを食べるシニア世代、カツカレーを箸で食べる欧米人など、多種多様な国の料理・人々で構成される面白いレストランでした。


まとめ

 食事を終え、館内から外を眺めると、様々な列車を見ることができました。

(新幹線E4系Max・E259系・E231系)
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 写真手前のE4系Max(二階建て新幹線)は鉄道博物館の展示列車ですが、その奥を走るE259系(成田エクスプレスなどで使用される列車)や、E231系(二階建て・グリーン車を有する在来線)は、実際に運行されている車両です。

 帰り際、鉄道博物館駅構内で、アーケードゲーム「電車でGO!!」を見かけました。

(電車でGO!!(鉄道博物館駅構内))
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 私もかつて広島駅の改札口に設置されていた「電車でGO!」にハマり、通勤・通学客に注目されながら運転していたことを思い出しました。

(ニューシャトル・鉄道博物館駅・大宮行)
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 2000系車両がやってきました。

 写真左側は新幹線の高架で、ニューシャトルと新幹線が並行して走っています。

 「鉄道のまち大宮」で、鉄道や台湾の鉄道の食文化について学ぶことができました。
 (「鐡道之街-大宮」可見鐡道與臺灣鐡路的飲食文化)


<関連サイト>
 「鉄道博物館」(さいたま市大宮区大成町三丁目47番)
 「鉄道のまち大宮」(JR東日本)

<関連記事>
 「台湾の食文化の特徴と主な料理2 -「和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」と「駅弁ひとり旅」から台湾の駅弁を理解する・魯肉飯(滷肉飯)と台湾の駅弁「排骨便當」を作る-

<参考文献>
 「交流協力企画展 和風×台味 台湾鉄路の食文化 図録」鉄道博物館・国家鉄道博物館準備処

2025年4月20日 (日)

中国新聞文化センター講座「カカオのテロワールとチョコレートのおいしさのヒミツ」

中国新聞文化センター クレドビル教室

 2025年4月5日に、中国新聞文化センターでチョコレートの専門家・佐藤清隆先生(広島大学名誉教授)の1日講座が開催されることを知りました。

 チョコレートの味の決め手となるカカオ豆を産地別に食べ比べ、それぞれのカカオ豆の特徴や違いを学ぶ講座で、チョコレート作り体験やココアの試飲もあると紹介されていました。

 受講料は3,520円(一般)で、材料代500円と合わせると4,020円でしたが、即断即決で会員登録、受講申込みをしました。

 講座当日、広島市中区基町の「パセーラ(基町クレド)」を訪問しました。

(パセーラ(基町クレド))
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 基町クレドの10階に中国新聞文化センター クレドビル教室があります。

(中国新聞文化センター・クレドビル教室)
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 初めて訪問しましたが、フロアがとても広く、いくつも教室があるので驚きました。

 講座開始30分前に教室に着くと、佐藤先生と中国新聞文化センター職員の方々が会場準備をしておられました。

 佐藤先生は私を見つけるなり、「おおっ、この講座を受けに来たの?」と、とても嬉しそうに声をかけてくださいました。

 そして中国新聞文化センター職員のお2人に、「彼はいつも私の講演会に来てくれてね。皆勤賞だなぁー」と、色々と紹介していただいたのですが、話が長引いて準備の邪魔になりそうだったので、笑顔で「また開始時刻が近づいたら来ますねー」と言って一旦教室を離れました(笑)

 開始10分前に再訪し、最前列の席に座りました。


板チョコレート作り体験

 受講生が集まり、講座が開始されました。

 受講生のテーブルには、講座テキスト、各産地のカカオ豆、スティックシュガー、紙コップ、小皿、試食用のスプーンなどが用意されていました。

(受講生用準備品とカカオ)
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 写真右下の黄色いものはカカオで、本物のエクアドル産カカオを色だけ塗り直したものです。

(カカオ豆(ホンジュラス・ボリビア・フィリピン))
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 今回御用意いただいたカカオ豆は、ホンジュラス産(北米)、ボリビア産(南米)、フィリピン産(アジア)のもので、ホンジュラス産は「クリオロ種」、ボリビア産は「野生種」(ベニ川で収穫された「Beni(ベニ)」という品種)、フィリピン産はフィリピンの農園から佐藤先生が直接入手された「トリニタリオ種」です。

 ボウルには、すでにテンパリング(温度調整・結晶化)済みの「カカオマス」(液状のカカオニブ、チョコレートリカー)が用意されていました。

(カカオマスと温度計)
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 カカオマスの温度は、34.5℃を示しています。

 このカカオマスを木のスプーンに入れてもらい、カカオマスを試食しました。

(カカオマスの試食)
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 ほろ苦い液状のチョコレートでした。

 佐藤先生はカカオマスを金属トレーに移し替えると、すぐにトレーを机にバンバン打ち付け、中の空気を抜く作業(タッピング)を開始されました。

 その際、「バシャン、バシャン」と会場に大きく鳴り響くレベルでトレーを机に叩きつけられました。

 「佐藤先生はどこへ行かれても、大きな音をさせ、机や床をチョコレートまみれにされている…」と心の中でクスクス笑いながら、受講しました。

 受講生も各自、テーブルでタッピングを体験しました。

(カカオマスを小皿に流し込んだ様子)
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 テーブルに用意された小皿にカカオマスを注ぎ、その小皿をテーブルにバンバン叩きつけてカカオマスの中の空気を抜きました。

 このタッピングは、垂直に音を立てて叩きつける必要があります。

 叩きつけた衝撃でこぼれないかと心配でしたが、カカオマスはこぼれることなく、小皿に均一にならされていきました。

 カカオマスをこぼしたのは、「(金属トレーを)ひっくり返してもこぼれない」とおっしゃいながらタッピングを実演された佐藤先生だけでした(笑)

(タッピングを終えたカカオマス)
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 表面が鏡のように美しく均一になりました。

 タッピングを終えたカカオマス(金属トレー・小皿)は、すぐに冷蔵庫に入れて冷やし固められました。


生チョコレート作り体験

 続いて、生チョコレート作りが行われました。

 生チョコレートを作る様子を見るのは初めてです。

 今回の生チョコレートは、乳製品に生クリームではなく、牛乳が使用されました。

 ちなみに、生クリームを使う際にも、動物性のものを使う必要があるとのお話でした。

 いざ作ろうという時、佐藤先生は牛乳がないことに気付き、会場の皆さんに「どこか牛乳がありませんか~?」と尋ねておられました。

 私は「机や椅子の周りから(要冷蔵の)牛乳が出てくるわけないでしょうが!」とツッコミました。

 中国新聞文化センターの方が牛乳を用意され、佐藤先生に差し出されました。

 佐藤先生が「これはおいしい牛乳ですよ~」と自信たっぷりにおっしゃっていたので、よく見ると、紙パックに「おいしい牛乳」と商品名が書かれていました(笑)

 その牛乳を約50℃に温め、34℃のカカオマスに注ぎました。

(カカオマスに牛乳を注ぐ様子)
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 佐藤先生はこれまで「ミルクチョコレートを作る時に牛乳を混ぜてはいけない」と散々おっしゃっていたので、大丈夫なのかと半信半疑で作業を見守りました。

 牛乳で生チョコレートを作る時に大事なことは、カカオマスと牛乳の割合で、カカオ70%の場合は「9対5」にする必要があるそうです。

(カカオマスと牛乳を混ぜる様子)
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 カカオマスと牛乳を混ぜ合わせる(乳化させる)ため、ゴムベラを使って素早く混ぜます。

 乳化させてマヨネーズを作るのと同じ要領です。

 ゴムベラで切るような感じで素早く混ぜるのがコツで、泡立て器だと失敗するそうです。

(カカオマスと牛乳が混ざった様子)
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 牛乳を注いで白っぽくなっていたカカオマスが、混ぜ合わさってチョコレート色に戻っています。

(液状の生チョコレートの試食)
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 なるほど、ダークチョコレートに比べてかなり滑らかで食べやすくなっていました。


トリュフチョコレート作り体験

 出来上がった液状の生チョコレートを、氷水とドライヤーの冷風で冷やし固めました。

(氷水とドライヤーの冷風で生チョコレートを冷やし固める様子)
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 実際にはなかなか固まらず、「あれっ、固まるはずなんだけど、おかしいな、おかしいな」という感じで作業されました。

(生チョコレートの温度を細かく測る様子)
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 「温度が原因か?」と生チョコレートの温度を何度も計測されていました。

 根気強く混ぜ合わせているうちに、生チョコレートに粘りが出てきて、次第に固まりました。

(生チョコレートが冷やし固まった様子)
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 この生チョコレートをトリュフの形に丸め、ココアパウダーをまぶしました。

(生チョコレートにココアパウダーをまぶす様子)
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 受講生がココアパウダーをまぶしておられる様子を見た佐藤先生が、「フンコロガシが糞を転がしているような感じだなぁ」と食欲をそぐようなことをつぶやいておられました…。

 こうしてトリュフチョコレートも完成しました。

(トリュフチョコレート)
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 口どけが滑らかで、ほのかな苦味とコクのあるトリュフチョコレートでした。


カカオ豆の産地当てクイズ

 今回の講座は実習が中心でした。

 佐藤先生から受講生の皆さんへ、
 「各産地のカカオ豆の殻を割って中の実(胚乳・カカオニブ)を取り出してみてください」
 「その際、カカオニブの中に小さく細長い棒(胚芽)があるので取り出してください」
とお話がありました。

(殻付きカカオ豆(ホンジュラス・ボリビア・フィリピン))
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 私も紙コップからカカオ豆を取り出し、爪を使ってカカオ豆の硬い殻を取り除いてみました。

 豆が大きいフィリピン産は比較的容易に皮がむけましたが、豆が小さく野生種のボリビア産は皮をむくのにとても苦労しました。

(カカオ豆の皮むき体験(フィリピン))
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 写真左が殻を割った「カカオニブ(カカオの胚乳)」、右がそれを細かく砕いたもの、カカオニブの上側にある小さい茶柱のような形をしたものは胚芽(ジャーム、チュニブ)です。

 胚芽はやがてカカオの木へと成長するものですが、これを食べてもジャリジャリして苦いだけなので、チョコレートを作る際には取り除く必要があります。

 胚芽を取り除いたカカオニブをそのままいただき、各産地の味や風味の違いを確かめました。

 続いて、手のひらの上にカカオニブをのせ、その上から砂糖(グラニュー糖)をたっぷりかけていただきました。

 こうすると、甘くて食べやすいチョコレートの味に様変わりします。

 その後、佐藤先生が別に用意されたカカオニブが受講生に配付され、このカカオニブがどこの産地のものか当てるクイズが出されました。

 私は写真撮影やメモに集中するあまり、どのカカオニブをどの場所に戻せばよいのかわからなくなり、クイズも外してしまいました。

 ちなみに正解はボリビア産で、まずまずの正答率でした。


ピュアココア

 テキストを使った講義では、チョコレートの作り方、カカオの生育条件、カカオの品種(フォラステロ種・トリニタリオ種・クリオロ種など)、カカオ豆とテロワール(生育した土地の土壌や気候による違い・特徴)、現在のカカオ・チョコレートの状況などが紹介されました。

 終了後、カカオマス(ダークチョコレート)に牛乳を加えて作ったピュアココア(ミルクココア)が用意されました。

(ココア(ピュアココア))
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 粉末の調整ココアとの違いは、ピュアココアには「乳酸」が残っていることです。

 カカオマスや牛乳に含まれる油脂もそのまま摂取できます。

 ココアではなく「ミルク入りチョコレートドリンク」と呼びたい、やさしい味のドリンクでした。


板チョコレートの試食・お土産

 講義終了後、冷蔵庫で冷やされた板チョコレートを持ってきていただきました。

 滑らかで光沢のある板チョコレートに仕上がりました。

(完成した板チョコレート(会場試食用))
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 フィリピン産カカオ豆70%のチョコレートです。

 受講生各自でタッピングして作った小皿の板チョコレートは、お土産としていただきました。

 小皿に受講生の氏名が書かれた付箋が貼られていたので、配付もスムーズでした。

(完成した板チョコレート(お土産用))
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 2日ぐらい寝かせたチョコレートの方が美味しいとのことだったので、後日いただきましたが、苦味の効いた美味しいビターチョコレートに仕上がっていました。


絵本「ひと粒のチョコレートに」の購入とサイン

 中国新聞文化センターの方から、佐藤先生が書かれたチョコレートの絵本の紹介がありました。

 良い機会なので、私も1冊購入しました。

(絵本「ひと粒のチョコレートに」)
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 この絵本の面白いところは、ブックカバーが板チョコの銀紙のようなデザインになっていて、しかも、板チョコの銀紙そっくりにギザギザになっていることです。

(本をブックカバーから引き出した様子)
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 ブックカバーの中の本は、板チョコのデザインになっており、上に引っ張り出すと、板チョコが飛び出たように見えます。

 こんなブックカバーは初めて見ました。

 買ったばかりの本に、佐藤先生からサインをいただきました。

(佐藤先生のサイン)
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佐藤先生への質問

 今回は少人数の講座だったので、佐藤先生との距離も近く、質問もしやすい状況にありました。

 そこで私からも佐藤先生へ1つ質問をさせていただきました。

【質問】
 「温暖化の影響でカカオベルト(カカオの生育範囲・北緯20度~南緯20度のエリア)が北上(南半球は南下)する可能性があるのではないでしょうか」

【回答】
 「今後、カカオベルトが北上(南下)する可能性はありますが、広がった分だけカカオが栽培できるわけではありません」
 「むしろ拡大する見込みのエリアは、カカオ栽培に適した(腐葉土に恵まれた)土壌や雨量でないのが現状です」
 「また、カカオは最低気温だけでなく、最高気温が高すぎても生育できないことも理解しておく必要があります」
 「カカオについては、温暖化よりも生産性が低いことの方が問題となっています」
 「カカオが単位面積あたり4トンから5トン生産可能な場所で、わずか400キログラムしか生産できていないのです」
 「この生産量を1トンまで上げるのが目標です」

 なるほど、このままだと高温になり過ぎてカカオが栽培できなくなり、カカオベルトの範囲が狭まる可能性もあるようです。

 カカオの安定供給のためには、単位面積あたりの生産量を増やすことを考える必要があります。

 また、カカオが投機の対象とされ、生産量は約10%の減少にとどまっている一方で、国際取引価格が約3倍も上昇していることへの対策も必要だと思います。


まとめ

 今回は、有料・少人数・大人向けの講座だったので、受講生の皆さんのカカオ・チョコレートに対する関心度・本気度が高く、熱心に聴講し、質問もされていたのが印象的でした。

 帰りがけに、佐藤先生から「これお土産」とカカオニブをいただきました。

(ブラインドテスト・ボ)
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 ブラインドテストで使われたカカオニブ(の余り)です。

 「ブライドテスト」と書いた後で「ン」を加えて「ブラインドテスト」に修正されています(笑)

 「ボ」は「(正解は)ボリビア産カカオ豆」という意味で書かれたのでしょう。

 最後に、佐藤先生とお世話になった文化センター職員の方にお礼を申し上げ、教室を後にしました。


<関連サイト>
 「中国新聞文化センター」(クレドビル教室 広島市中区基町6-78 ほか)

<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。

<参考文献>
 佐藤清隆/Junaida「ひと粒のチョコレートに」福音館書店
 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房

2025年4月13日 (日)

ドライブインの魅力5 兵庫県尼崎市「U・Kワイルドキャッツカフェ」の「ネギすじソースやきそばライスプレート」と「エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス」

阪急・武庫之荘駅から「U・Kワイルドキャッツカフェ」へ

 阪急神戸線で、武庫之荘(むこのそう)駅(兵庫県尼崎市)にやってきました。

(阪急電車・武庫之荘駅)
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 「阪急マルーン」と呼ばれる茶色の電車を見ると、京阪神に来たことを実感します。

 今回目指すお店は、アメリカンダイナー「U・Kワイルドキャッツカフェ」です。

 武庫川近く、国道171号沿いのお店なので、最寄り駅から歩いて行くには若干距離があるのですが、尼崎市の散策も兼ねて、武庫之荘駅から北西方向へ徒歩で伺いました。

 水路沿いの道を歩いていると、水車のある公園がありました。

(源太郎橋水車公園)
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 駅からお店まで3km弱あったので、この公園で少し休憩し、再びお店を目指しました。

 ドライブインを訪問するために、車ではなく、ひたすら歩くところが私らしい(笑)

 歩き続けてお腹も空いたところで、「U・Kワイルドキャッツカフェ 西宮武庫川店」に到着しました。


U・Kワイルドキャッツカフェ

(U・Kワイルドキャッツカフェ外観)
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 ロードサイドの電光看板やアメリカの国旗、アメ車…とアメリカンダイナーならではの光景を目の当たりにし、期待が高まりました。

(U・Kワイルドキャッツカフェとアメ車)
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 アメ車には、英語でケンタッキーとかレキシントンとか記載されていますが、よく見ると店舗のローカルな所在地(高井田・武庫川・堺)も記載されていました。

(U・Kワイルドキャッツカフェ玄関)
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 ちなみに「U・K」は、かつてオーナーさんが留学しておられた「University of Kentucky(ケンタッキー大学)」の略なのだそうです。

 そのケンタッキー大学のスポーツ競技チーム名が「Kentucky Wildcats(ケンタッキー・ワイルドキャッツ)」であることも店名に関係しているのでしょう。

 店内には、背の高い椅子、木目のテーブル、電光装飾、メイドインアメリカの看板(シボレー・コルベット・ルート66・ペプシなど)、アメリカンバイク、ミニカーなどがあり、すべてがアメリカナイズされていました。

(ミニカー展示)
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 メニューが運ばれてきたので、手に取って眺めたところ、1つ1つの料理の説明書きがマニアックで、どこからどこまでが本当なのか迷うほど詳しく記述されていました。

 このお店のメニューは、読み物としても十分楽しむことができます。

 マキヒロチさんの漫画「いつかティファニーで朝食を」の第9巻でも、このお店で「リトルスージー(すじ肉の煮込みとライス)」を注文する様子が描かれていて、

 「料理の説明が物語みたいで」
 「ベンジーの書く歌詞みたい」
 「リトルスージーってスジ肉のことか~」
 「おもしろいな~このメニュー」
 「アラバマにあるモンゴメリーCAFEの娘スージーが 愛するタフガイのボーイフレンド、デュークのために心を込めて作ったPower Food」
 「かわいい~読んでるだけで気持ちがあったかくなる」

と紹介されています。


ネギすじソースやきそばライスプレート

 私はランチタイムに訪問し、お得なランチセットがあったので、「スージー」入りのランチセットを注文しました。

 今回注文したのは「ネギすじソースやきそばライスプレート」という料理です。

 続けて読むとどういう料理なのかピンときませんが、「ネギすじ」、「ソースやきそば」、「ライス」のワンプレートランチなのだろうと思い、注文しました。

 しばらくして、注文した料理が運ばれてきました。

(ネギすじソースやきそばライスプレート(ライス))
Photo_20250413104501

 ライスとソース焼きそば、そしてサラダが山のように盛られています。

 「すごいボリューム、アメリカンサイズ!」

 少し困惑した表情で、軽く両手を上げ、

 「見ろよスージー、この店狂ってるぜ!」

 と思わず独り言を言いたくなるようなランチプレートでした(笑)

(ネギすじソースやきそばライスプレート(やきそば))
Photo_20250413104601

 ソース焼きそばだけでも1人前ありそうな量で、すでに皿からこぼれ落ちそうになっています。

(ネギすじソースやきそばライスプレート(ネギすじ))
Photo_20250413104602

 ソース焼きそばの上に、甘辛い醤油ベースのタレでじっくり煮込まれたスジ肉とシシトウが盛られ、その上に刻みネギがのせられています。

 他のメニューを見ても、こちらのお店は「スージー(すじ肉の煮込み)」が看板料理の1つなのだと思います。

 神戸市長田区には「ぼっかけ」と呼ばれる牛すじとこんにゃくを甘辛く煮込んだ料理があることから、すじ肉料理はこの地域で親しまれているのだろうなと思いました。

 「スージー」は醤油ベースの和風の味付けで、とてもやわらかく煮こまれており、ライスだけでなく焼きそばともよく合いました。

 お腹いっぱい、心も体も大満足のランチでした。


エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス

 ここまで食べておきながら…そして大満足だと書いておきながら…すっかりクレイジーでハイテンションになった私は、デザートも注文しました。

 メニューにある説明書きも、とても興味深いものでした。

【エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス】
 ボストンにあるオイスターハウスは、1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディ氏が足しげく通った店である。
 今もこの店に集まる紳士・淑女がお腹一杯になっても「別腹」と言って注文するのがこれである。
 パンケーキにエスプレッソジェラートそれにキャラメルソースがかかった大人の味。
 観た目の悪さにちょっとビックリ↓
 でも食べてもっとビックリ↑
 メチャメチャ美味しいです。ぜひ、ぜひTry me!

 ボストンの紳士・淑女が好む「観た目が悪いけど美味しい」デザートを注文しました。

(エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス)
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 アツアツのパンケーキに、エスプレッソジェラートがドン、ドン、ドンとワイルドに盛られ、チョコレートソースがたっぷりかけられています。

(エスプレッソジェラート)
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 ほろ苦いエスプレッソジェラートには、チョコチップがたっぷり入っていました。

 パンケーキが熱いので、写真撮影なんかに没頭せず、早くエスプレッソジェラートをやっつけてしまわないと、観た目がさらに悪くなっちまうぜ(笑)

(アメリカンコーヒー)
Photo_20250413105501

 ドリンクもアメリカンコーヒーで決まりだぜ!

(U・Kワイルドキャッツカフェ伝票)
Photo_20250413105502

 美味しくてボリューム満点のフード・デザート・ドリンクをいただき、ストロングなパワーをいただきました。

(U・Kワイルドキャッツカフェと飛行機)
Photo_20250413105601

 山陽新幹線の沿線で、大阪(伊丹)空港からも近い「U・Kワイルドキャッツカフェ」。

 帰りはアメ車…ではなく歩きで、ケンタッキー大学…ではなく関西学院大学に寄って、阪急・甲東園駅から帰りました。

(関西学院大学・西宮上ヶ原キャンパス)
Photo_20250413105701

 久しぶりに関西学院大学を訪問しました。

 ケンタッキー大学じゃないのかって?

 キャンパス内には「ケンタッキー・フライドチキン関西学院大学店」(H号館ラーニングコモンズ1階ラウンジ)があり、ケンタッキーの気分を味わえるってわけさ(笑)


<関連サイト>
 「U・K WILDCATS CAFE(ユーケーワイルドキャッツカフェ)」(「西宮武庫川店」兵庫県尼崎市常松1-15-27 ほか)

<参考文献>
 マキヒロチ「いつかティファニーで朝食を(9巻)」新潮社

2025年4月 6日 (日)

第11回 エキキタ スイーツラリー -広島駅周辺のパン・スイーツ、オリジナルスイーツ(ホテルグランヴィア広島・ホテル広島ガーデンパレス・シェラトングランドホテル広島)-

 2025年2月1日から同年3月15日の期間、「エキキタ(広島駅北エリア)」の魅力の発信と地域の活性化を目的とした「第11回 エキキタ スイーツラリー」が開催されました。

(第11回 エキキタ スイーツラリー)
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 対象店舗は、エキキタにあるスイーツ・パンのお店、12店舗(施設)です。

 対象各店舗で300円(税込)以上のスイーツ・パンなどを購入・飲食すると、スタンプカードの各店舗枠にスタンプがもらえ、そのスタンプをためると、抽選でカープ・サンフレッチェの観戦チケットやホテルのお食事券、スイーツ詰合せなどの賞品が当たるというイベントです。

(スイーツラリー・スタンプカード)
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 スタンプ4個(4店舗(施設)分)で1口の応募となります。

(第11回 エキキタ スイーツラリー(各店舗スイーツ))
Photo_20250406152902

 馴染み深いお店あり、初めて知ったお店ありでバラエティーに富んでおり、面白そうだったので、私も今回初めて参加しました。

 このスイーツラリーで出会ったエキキタのスイーツ・パン、そして「第11回スイーツラリー」のオリジナルスイーツを御紹介したいと思います。

 一緒にスイーツラリーを楽しみましょう!


亀屋「川通り餅」・「安芸路」

 東区光町の「亀屋」本店を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(亀屋))
Photo_20250406153101

(「亀屋」店舗)
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 広島の代表銘菓「川通り餅」などを販売する和菓子店です。

 お店で「川通り餅」と「安芸路」を購入しました。

(川通り餅・安芸路)
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 「川通り餅」は、醤油風味の甘い求肥(ぎゅうひ・お餅)に香ばしいクルミを加え、きな粉をまぶしたお菓子です。

 「安芸路」は、こしあんを求肥で包み、それを薄皮せんべいではさんだお菓子です。

 広島のお土産としておすすめのお菓子です。


行森商店「おはぎ」

 東区二葉の里の「行森商店」を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(行森商店))
Photo_20250406153301

(行森商店(外観))
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 今回のスイーツラリーで初めて知り、訪問したお店ですが、絶え間なくお客さんが来店されていました。

(行森商店(入口))
Photo_20250406153501

 店内は製造所のみで、おはぎは陳列されておらず、レジもありません。

 お客さんはお店の入口(手前)でおはぎを注文し、注文に応じて作られた出来たてのおはぎを受け取り、その場でお店の方に支払いをする仕組みとなっています。

(行森商店「おはぎ」(包装))
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 私は、あんこ、黄な粉、そして期間限定のココアのおはぎを購入しました。

(手づくりおはぎ(黄な粉・おはぎ・ココア))
Photo_20250406153701

 スイーツラリーの紹介写真や、お店のウェブサイトの写真を見て、一口サイズのおはぎかと思っていましたが、実際はずっしりと重い、ビッグサイズのおはぎでした。

 横約7cm、幅約5.5cm、高さ約4.5cmです。

 餅はやわらかく、あんこ(粒あん)は甘さ控えめで小豆の風味が生かされているので、大きくてもすんなりと食べることができます。

 宮城県仙台市の「さいちのおはぎ」とよく似ていると思いました。

 黄な粉は、中にあんこ(粒あん)が入っており、お得感がありました。

 そして謎のココアおはぎです。

(ココアおはぎ(中身))
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 餅(ごはん)にココアパウダーがまぶされ、頂点には板チョコがのせられていました。

 洋風のおはぎ…と思ったのですが、中にはぎっしりと粒あんが入っていました(笑)

 意外と合う…どころか、かなり美味しいチョコレート風味のおはぎでした。


ベーカリーキッチンFIRO「桜あんパン」・「桜もち抹茶あんバタ」

 東区光町、広島駅新幹線口近くの「ベーカリーキッチンFIRO(フィロ)」を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(ベーカリーキッチンFIRO))
Photo_20250406154102

 朝7時から開店されているので、出勤する際に朝一番で訪問しました。

(ベーカリーキッチンFIRO)
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 春を感じさせてくれる「桜あん」・「桜もち」のパンを購入しました。

(桜あんパン)
Photo_20250406154501

 見た目も桜そのものの「桜あんパン」です。

(桜あんパン(中身))
Photo_20250406154502

 中には桜の葉が練り込まれた白あんとお餅が入っていました。

 一方で、お店の紹介記事に「インスタで人気のあんバタ」とあったので、「あんバタ」シリーズも1つ購入しました。

 「桜もち抹茶あんバタ」です。

(桜もち抹茶あんバタ)
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 あんバタの中でも、これが一番インパクトがありました。

 切ったフランスパンに、抹茶バター、粒あん、ミニ桜餅がはさんである「あんバタ」でした。

 想像してください。

 いい歳した男が、職場で昼休みにニヤニヤしながらこのパンを食べる姿を(笑)


ベーカリーカフェSOAR「もちっ桜あんぱん」・「あんバター」

 東区若草町、広島駅新幹線口近くの「ベーカリーカフェSOAR(ソアー)」を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(ベーカリーカフェSOAR))
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 社会福祉法人「交響」が、株式会社オイシスの焼きたてベーカリーを展開するフランチャイズ店舗「ロンドン」と業務提携して運営されているベーカリーカフェです。

(ベーカリーカフェSOAR)
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 カフェが併設されたパン屋さんです。

 午後に伺うと、すでにほとんどのパンが売り切れ状態で、残りわずかとなった「もちっ桜あんぱん」と「あんバター」を購入しました。

(もちっ桜あんぱん・あんバター)
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 「もちっ桜あんぱん」(写真左)は、桜葉が混ぜ込まれた桜風味の白あん入りのあんぱんでした。

 「あんバター」(写真右)は、フランスパンのようなハード生地のロールパンに粒あんと厚切りバターがのせられていました。

 朝早くから開店されているので、次回はカフェ(イートイン)で利用したいなと思いました。


 このほか広島駅に併設する商業施設「ekie(エキエ)」にある「御座候」であんこを購入し、この時点でスタンプが5個たまりました。


エキキタスイーツラリー・オリジナルスイーツ

 「第11回エキキタスイーツラリー」では、このイベントにちなんだ期間限定のオリジナルスイーツも販売されました。

(オリジナルスイーツ紹介)
Photo_20250406155301
(広島市東区ウェブサイトから一部引用)

 広島市東区にある小学校・高等学校・短期大学・大学の生徒・学生を中心に226件のスイーツアイデアが寄せられ、そのうち3つのアイデアが採用されました。

 採用されたアイデアは、エキキタにあるホテル3社(シェラトングランドホテル広島、ホテルグランヴィア広島、ホテル広島ガーデンパレス)が商品化し、販売されました。

 続いては、この3つの「オリジナルスイーツ」を巡るスイーツラリーの様子を御紹介します。


ホテルグランヴィア広島「恋する人参のホワイトチョコタルト」

 広島駅に隣接する「ホテルグランヴィア広島」を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(ホテルグランヴィア広島))
Photo_20250406155601

(ホテルグランヴィア広島)
Photo_20250406155602

 実は、今回の「エキキタスイーツラリー」の情報は、ホテルグランヴィア広島で食事をしようと同ホテルのウェブサイトを拝見した時にたまたま見つけたものです。

(「恋する人参のホワイトチョコタルト」チラシ)
Photo_20250406155701

 ホテルグランヴィア広島でオリジナルスイーツとして「恋する人参のホワイトチョコタルト」が販売されていることを知り、「人参のタルトって珍しいな、食べてみたいな」と思ったのが、「エキキタスイーツラリー」に参加したきっかけです。

(スイーツラリーポスター(ディッシュパレード))
Photo_20250406155901

 ホテル内の「ディッシュパレード」に伺うと、スイーツラリーのポスターが掲示されていました。

(恋する人参のホワイトチョコタルト)
Photo_20250406160001

 こちらがオリジナルスイーツ「恋する人参のホワイトチョコタルト」です。

 700円(税込)で販売されました。

 広島県福山市の「しもみん農場」で収穫された甘い「恋人参」を使用したタルトです。

 底から順番に、タルトシート、細かく刻まれた人参入りスポンジケーキ、カスタードクリーム、粒人参入りスポンジケーキ、クリームチーズケーキの層があり、表面にはピンク色のホワイトチョコレートがコーティングされています。

 トッピングは、生クリーム、人参(オレンジで風味付けし、ハート形にしたもの)、ルビー色のチョコレートです。

 人参が甘くて心地よいシャリシャリ感があり、カスタードクリームや酸味のあるクリームチーズともよく合っていました。

 参考アイデア(原案)は、広島女学院大学2年生(女性)が考案されました。

(参考アイデア(ハートキャロットケーキ))
Photo_20250406160201

 「あざやかなオレンジ色をしたキャロットケーキ」
 「にんじんの甘みがでている」
 「ハート形のにんじんが中に入っていて見た目もたのしめる」

 考案された方はもちろん、たったこれだけの絵と文章をヒントに、お客さんに買っていただける商品(タルト)に仕上げられたパティシエもスゴイなと感心しました。

 広島駅近くの「エキシティ・ヒロシマ」にあるスーパーマーケット「ニチエー」で、しもみん農場の「恋人参」を購入しました。

(しもみん農場「恋人参」(包装))
Photo_20250406160401

 野菜ソムリエサミットで銀賞を獲得されています。

(恋人参)
Photo_20250406160402

 皮をむいた瞬間、人参の香りがパーッと広がりました。

 柔らかく、ほのかに甘いので、生でいただいても美味しい人参です。


ホテル広島ガーデンパレス「エッグタルト~高野町リンゴのコンポートをのせて」

 東区光町の「ホテル広島ガーデンパレス」を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(ホテル広島ガーデンパレス))
Photo_20250406160501

(ホテル広島ガーデンパレス)
Photo_20250406160601

 ホテルの入口に、スイーツラリーの案内が掲示されていました。

(スイーツラリー案内(ホテル広島ガーデンパレス))
Photo_20250406161001

 ケーキ単品500円(税込)、イートインも可能でドリンクバー(1時間)付で700円(税込)とありました。

 このホテルではドリンクバー(1時間)が600円(税込)なので、ケーキとドリンクバーのセットで700円とは、破格の値段です。

 あらかじめタルト2個を予約注文していたので、1個はテイクアウト、残り1個はドリンクバーセット(イートイン)でお願いしました。

 「大名古屋モーニング」以来、久しぶりにホテル内レストラン「メープル」を訪問しました。

 またこのレストランで食事できることをとても嬉しく思いました。
 (「大名古屋モーニング」については、関連記事の「あずきの研究17 -小倉トーストの美味しい食べ方を考える(「小倉バタバタトースト」の提案)-」を御参照ください)

(リンゴのタルトとドリンク)
Photo_20250406161201

 しばらくしてリンゴのタルトがテーブルに運ばれてきました。

 ドリンクバーは、ホットコーヒーとジャスミンティーをチョイスしました。

(エッグタルト~高野町リンゴのコンポートをのせて)
Photo_20250406161301

 赤いリンゴの形をしたかわいいタルトです。

 リンゴのツルがチョコレートで再現されており、葉っぱにはセルフィーユが使われ、周囲は生クリームが真珠のネックレスのようにきれいに装飾されています。

(エッグタルト~高野町リンゴのコンポートをのせて(中身))
Photo_20250406161401

 リンゴの赤色は、柔らかいリンゴゼリーです。

 底から順番に、エッグタルト、カスタードクリーム、高野リンゴのコンポートの層があり、その上から赤いリンゴゼリーが注がれ、冷やし固められています。

 リンゴのコンポートは皮付きでした。

 甘く煮たリンゴとエッグタルト、カスタードクリームがよく合いました。

 参考アイデア(原案)は、広島市立広島商業高等学校3年生(男子)が考案されました。

(参考アイデア(エッグタルト~リンゴのコンポートを乗せて~))
Photo_20250406161501

 材料・分量が具体的なので、実際に作られたのでしょう。

 こちらもプロのパティシエにより、より魅力的な商品に仕上げられています。

 ちなみに私は、ホテル広島ガーデンパレスのレストランを利用できることが嬉しかったので、二度訪問してエッグタルトを味わいました。


シェラトングランドホテル広島「いちごのスペシャルフラワーショートケーキ」

 広島駅に隣接する「シェラトングランドホテル広島」を訪問しました。

(エキキタスイーツラリーマップ(シェラトングランドホテル広島))
Photo_20250406161801

(シェラトングランドホテル広島)
Photo_20250406161802

 訪問する数日前にホテルへ電話し、オリジナルスイーツを予約しました。

(いちごのスペシャルフラワーショートケーキの紹介)
Photo_20250406162001
 (「エキキタまちづくり協議会」ウェブサイトから一部引用)

 ウェブサイトの写真でケーキが2個並べられているのを確認し、「ショートケーキ」というネーミングでもあることから、「1人用の小さな丸いケーキ」だと思い、1個では申し訳ないなと2個注文しました。

 ただ、その際の私とホテルの担当者さんとの会話が、少しちぐはぐな感じになりました。

 例えば、ホテル担当者さんから「ケーキにお祝いプレートを御用意することも可能ですが」と尋ねられたのですが、その際、私は心の中で「1人用の小さなケーキにまでプレートをサービスしていただけるのかな?」と思いました。

 何はともあれ、予約当日を迎え、受取予定時刻にシェラトングランドホテル広島に到着しました。

(スイーツラリーポスター(シェラトングランドホテル広島))
Photo_20250406162301

 スイーツラリーポスターも掲示されていました。

 シェラトングランドホテル広島のロビーラウンジ「&More by Sheraton」で、お店の方に予約したオリジナルスイーツを受け取りに伺った旨をお伝えすると、しばらくして、大きなホールケーキが2個運ばれてきました。

 「ええっ、ホールケーキだったの?」と内心かなり驚いたのですが、ここは高級ホテル。

 声には出さず、できるだけ冷静を装って対応しました(笑)

 ホテル担当者さん:「お会計は6,400円です」
 私:「かっ、カードでお願いしますぅ」

 決済を済ませ、結婚式の引き出物に使われる大きな紙袋に入れられたケーキが手渡されました。

(ホールケーキ2箱とシェラトングランドホテル広島の紙袋)
Photo_20250406162501

 広島駅から自宅まで、大きくて重たいホールケーキを2箱持ち帰るのは大変でした。

 混雑する電車内では細心の注意をし、自転車はほぼ片手運転で持ち帰りましたが、大きくて重いので、実際は何度かぶつけました(笑)

 苦労の末、持ち帰ったケーキがこちらです。

(いちごのスペシャルフラワーショートケーキ(ホール))
Photo_20250406162701

 いちごと生クリームが贅沢に使われたケーキで、ホワイトチョコレートの花がアクセントになっています。

 直径約12cm、高さ約7cm(4号サイズ)のホールケーキです。

 私にとって、いろんな意味で「スペシャル」なケーキとなりました。

 誕生日とクリスマスを一緒に迎えた心境です(笑)

(5号サイズの表示)
Photo_20250406162702

 4号サイズより一回り大きな5号サイズの箱に詰められていました。

 生クリームたっぷりのケーキなので、きれいにカットするのがとても難しかったです。

(いちごのスペシャルフラワーショートケーキ(カット))
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 スポンジケーキ、生クリーム、スライスされたいちごの層で構成されていました。

(いちごのスペシャルフラワーショートケーキ)
Photo_20250406162901

 高さがあるので、ケーキを切っては倒すの連続でしたが、いくらでも替えはあったので安心でした(笑)

 ケーキ台には厚みのあるクッキーが使用されていました。

(ケーキ台のクッキー)
Photo_20250406163001

 確かに厚みのあるクッキーじゃないと、高さのあるケーキを支えきれません。

 生クリームが軽くて甘さ控えめで、とても美味しくいただけました。

 1週間程度、ひたすら毎日ケーキを食べ続けました。

 あとで冷静にシェラトングランドホテル広島のウェブサイトを見てみると、きちんと価格表示がされていました。

(いちごのスペシャルフラワーショートケーキ(シェラトングランドホテル広島))
Photo_20250406163101
 (「シェラトングランドホテル広島」ウェブサイトから一部引用)

 私の勝手な思い込み・勘違いによる飛んだサプライズでしたが、スイーツラリーの楽しい思い出となりました。

 参考アイデア(原案)は、広島市立尾長小学校2年生(女子)が考案されました。

(参考アイデア(いちごのショートケーキ))
Photo_20250406163201

 「いちごが大好きなので、いちごをたくさんつかったケーキをつくりました」
 「いちごのショートケーキといちごが大好きなので自分なりのいちごをめいいっぱいつかった いちごのショートケーキです」
 「生クリームやスポンジでふわっとタルトきじは、ザクッとふわふわザクザクしていて、二つの食かんが楽しめます」

 きっと、いちごと生クリームのケーキが大好きな子供さんなのでしょうね。

 夢がかなって良かったね!


まとめ

 結果として、私はスタンプを8個集めることができ、2口分を応募しました。

 今回のスイーツラリーに参加して、地元に住んでいながら知らなかったお店やスイーツ・パンにたくさん出会えました。

 スタンプを集めることを目的に複数のお店で買い物をし、また買いたい(行きたい)と思うスイーツやお店もあったので、これが大勢になれば、地域活性化につながることを実感しました。

 また次回のスイーツラリーも参加できればと思います。


<関連サイト>
 「エキキタまちづくり会議」(広島市東区光町二丁目10-11)
 「亀屋」(広島市東区光町1-1-13)
 「行森商店」(広島市東区二葉の里一丁目7-13)
 「ベーカリーキッチンFIRO」(広島市東区光町1-11-24)
 「ベーカリーカフェSOAR(インスタグラム)」(広島市東区若草町15-20)
 「ホテルグランヴィア広島」(広島市南区松原町1-5)
 「しもみん農場」(広島県福山市赤坂町赤坂2299-1)
 「ホテル広島ガーデンパレス」(広島市東区光町1-15-21)
 「シェラトングランドホテル広島」(広島市東区若草町12-1)

<関連記事>
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