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2025年8月

2025年8月31日 (日)

青森のソウルフード探訪記3 -生姜味噌おでん・いがめんち・嶽きみの天ぷら・黒石つゆ焼きそば・七戸産長芋の紫蘇漬け-

弘南鉄道・弘南線列車に乗って黒石へ

 青森県黒石市に「つゆ焼きそば」と呼ばれる、ちょっと珍しい御当地料理があるという情報を入手しました。

 そこで、2025年3月、この「つゆ焼きそば」を味わうべく、弘前駅から弘南鉄道・弘南線列車に乗って黒石駅へ向かいました。

(弘南鉄道・弘南線列車(弘前駅))
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 弘前駅の券売機で紙のきっぷを購入し、改札口で入鋏(にゅうきょう・ハサミの切れ込みを入れること)してもらって、入場しました。

(弘南鉄道のきっぷ)
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 地方ローカル線のほのぼのとした雰囲気に癒されました。

 17時発の列車に乗り、黒石駅へ向かいました。

 途中、車窓から「津軽富士」とも呼ばれる岩木山が見えました。

 「ああ、津軽富士が見える」

(弘南線の列車から眺めた岩木山(津軽富士))
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 「ただ津軽富士だけを、レンズ一ぱいにキャッチして、津軽富士、さようなら、お世話になりました。パチリ。」

 太宰治の気持ちでシャッターをパチリと切ったのでした。

 ただ実際には、岩木山が大きく、岩木山を囲む感じで列車が走るため、岩木山に「さようなら」するどころか、岩木山がいつまでもついてくる感じでした。

 17時36分、終点の黒石駅に到着しました。

(やきそばのまち黒石)
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 改札を出ると、「よぐ来たねし~やきそばのまち黒石」という看板が目に留まりました。

 焼きそばは黒石市民に馴染み深い食べもので、黒石市内には焼きそばの店舗数が約70軒もあります。

 黒石焼きそばの特徴は、甘辛いソースと太くて平たい麺(太平麺)にあります。

(黒石駅)
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 3月上旬でしたが、駅前には、まだ雪がたくさん積もっていました。

 歩いてお店へ向かいました。

(「蔵よし」店舗)
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 「蔵よし」というお店の名前のとおり、江戸時代の土蔵造りを基調とした建物となっています。

 お店に入り、テーブル席を案内していただきました。

 メニュー表を見て、黒石の郷土料理・名物料理を中心に料理を注文しました。

 今回いただいた料理を御紹介します。


いがめんち

 「いがめんち」は、イカ(津軽弁では「いが」)と野菜(玉ねぎ、人参など)を細かく刻み、小麦粉や片栗粉をつなぎにして、多めに油を敷いた鉄板で焼いた津軽の郷土料理です。

 料理で余ったイカや野菜をミンチにし、ハンバーグやミートボールのように仕上げた、無駄のない、津軽の先人の知恵と工夫が詰まった料理です。

(いがめんち)
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 こちらが「いがめんち」です。

 熱々のいがめんちにレモンを絞っていただきました。

(いがめんち(中身))
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 細かく刻んだイカと人参を丸め、揚げ焼きされていました。

 油で揚げたミートボールのような食感で、イカの旨みと人参の甘みが合わさり、いくらでもいただける美味しさでした。


生姜味噌おでん(青森おでん)

 青森市を中心とした地域では、おでんに生姜味噌をつけて食べる風習があります。

 厳しい寒さの中、青函連絡船を利用するお客さんの体を少しでも温めようと、屋台のおかみさんが味噌に生姜をすりおろして入れたものをお客さんに提供したのが始まりとされています。

(生姜味噌おでん)
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 竹輪、大根、こんにゃく、さつま揚げ(平天・ボール)、たまご、昆布など、様々な具が入っていました。

(すりおろし生姜入り味噌だれ)
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 こちらが「すりおろし生姜入り味噌だれ」です。

 甘めの味噌に、粗めにすりおろした生姜をたっぷり入れた味噌だれです。

(こんにゃくと味噌だれ)
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 こんにゃくに生姜入り味噌だれをかけていただきました。

 昆布や魚粉の旨みを生かした、上品であっさりした味のおでんだしに、生姜入り味噌だれの味がよく合いました。

(さつま揚げと味噌だれ)
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 さつま揚げにも味噌だれをつけてみました。

 からしのようにも見えますが、生姜がたっぷり入った甘めの味噌なので、たっぷりかけていただくことができます。

 確かに、身も心も温まりました。

 この「青森おでん」とよく似た食べ方として、おでんに生姜醤油をつけて食べる「姫路おでん」(兵庫県姫路市)があります。


嶽きみの天ぷら

 「嶽きみ(だけきみ)」は、とうもろこしのブランド名です。

 岩木山麓の嶽(だけ)高原で栽培・収穫されたものだけが「嶽きみ」と呼ばれます。

 「嶽きみ」の特徴はとても甘いことで、採れたてのものだと糖度が18度以上にもなり、メロンかそれ以上の甘さがあります。

 その「嶽きみ」の天ぷらをいただきました。

(嶽きみの天ぷら)
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 とうもろこしの実の部分を包丁でそぎ切り、衣をつけて揚げたものです。

(嶽きみの天ぷら(中身))
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 いただくと、スイーツのように甘いとうもろこしの天ぷらでした。

 天ぷらにし(高温で加熱し)、衣にほのかな塩味をつけることで、より一層とうもろこしの甘みが引き出されているように感じました。

 「富士には月見草、津軽富士には嶽きみがよく似合う」


黒石つゆ焼きそば

 最後に黒石名物「つゆ焼そば」を注文しました。

 「つゆ焼そば」が提供される前に、「つゆ焼そば」と「黒石つゆ焼そば」の説明資料を見せていただきました。

(「黒石焼そば」・「黒石つゆ焼そば」の始まり)
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 その説明資料には、
・「黒石焼そば」は戦後まもなく、市内の製麺所で中華麺の素材で作られた
・当時、麺裁断用の刃がうどん用のものしかなかったので、特有の「太平麺(ふとひらめん)」が生まれた
・昭和30~40年代には、市内のあちこちに何十軒もの焼きそば店が点在していた
・当時は10円単位で買うことができ、三角に丸めた経木や紙に包んで提供された
・「黒石焼そば」は半世紀以上前から市民に愛された黒石伝統の食文化
・「黒石つゆ焼そば」は、昭和30年代後半、中郷中学校の傍にあった「美満寿(みます)」という食堂で、学校帰りの子供たちが注文した焼きそばに、中華そばのつゆをかけて提供したのが始まりと言われている
・当時「もつけ(お調子者)」の子供たちは、テーブルに置いてあったウスターソースをこれでもかと大量に入れ、むせるほど酸っぱくして食べたというエピソードが知られている
と紹介されていました。

 「焼きそばを経木や紙に包んで提供された」というお話は、群馬県桐生市で「ポテト焼きそば」や「子供洋食」を食べた時にお店の御主人から伺ったお話とまったく一緒で、昭和30~40年代の光景が目に浮かぶようでした。

(「つゆ焼そば」のお召し上がり方)
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 「つゆ焼そば」の食べ方についても紹介されていました。
・当店では、焼きそばの麺をソースで炒め、出汁は和食屋ならではの本鰹節を使っている
・まずは、かき混ぜる前にお出汁を味わっていただきたい
・麺を食べ進むと、徐々にソースが浸み出してきて、鰹出汁とソースの不思議な美味しさに変化してくる
・サクサクの舞茸天とプリプリの海老天も当店の特徴

 知れば知るほど「つゆ焼そば」への期待が高まりました。

 その期待感が頂点に達した時、タイミングを見計らったかのように「つゆ焼そば」が運ばれてきました。

(つゆ焼そば)
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 うどんのような麺に、透き通った汁、そして舞茸と海老の天ぷら。

 「えっ、これのどこが焼きそば?」と思いました。

(つゆ焼そば(麺・海老天・舞茸天))
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 まずはそのままの状態でおつゆをいただいてみると、確かにうどんやそばに使われる鰹節ベースの上品な和風だしでした。

 ところが、太さはうどん、見た目は蕎麦のような麺をいただくと、味はソース焼きそばなのです。

 ひととおり味わったところで、麺と汁を混ぜてみました。

 すると、汁の色が濃くなり、味も甘い焼きそばソースの味にどんどん近づいていきました。

 こうなると、もう元の味には戻れません(笑)

 食べ進めるうちに、焼きそばの証拠となる具が登場しました。

(つゆ焼そば(豚肉・玉ねぎ))
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 麺と一緒に炒められた豚肉と玉ねぎです。

 この写真から、汁の色がソースで濃くなり、焼きそばを炒めた際の油もにじみ出ていることがわかります。

 和風だしのそば・うどんが、かき混ぜながら食べ進めるうちにソース焼きそばに近づいていく、味の変化も楽しめる料理です。

 「つゆ焼そば」について、お店の方に直接お話を伺ったところ、焼きそばは前の日にあらかじめ作っておき、時間をかけて麺にソースを馴染ませているとのことでした。

 作りたての焼きそばに汁を注ぐと、焼きそばのソースがそのまま汁に溶け込んでしまうのだそうです。

 意外と手間暇かけられた料理であることがわかりました。


七戸産長芋の紫蘇漬け

 つゆ焼そばに、漬物が添えられていました。

(七戸産長芋の紫蘇漬け)
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 青森県七戸(しちのへ)産長芋の紫蘇漬けです。

 七戸町は青森県内有数の長芋の産地で、昼夜の寒暖差により、糖度の高い長芋が採れます。

 この長芋を赤紫蘇の梅酢に漬けた紫蘇漬けは、ほんのりピンク色をして、ほどよい紫蘇の風味があり、シャキシャキした食感も楽しめました。

 黒石のつゆ焼きそばを中心に、津軽の郷土料理を堪能しました。

 お店の方にお世話になったお礼を申し上げ、お店を後にしました。


まとめ

 再び黒石駅に戻り、同駅から弘南鉄道・弘南列車を利用して弘前駅へと向かいました。

(弘南鉄道・弘南線列車(黒石駅))
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 列車があと数メートル後進したら、雪に埋もれてしまいます(笑)

 私が乗車したのが土曜日の夜だったこともありますが、列車の乗客が私1人になる区間もありました。

(弘南線列車・車内)
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 ただ、車内広告には、各種イベントや地元の高校とのコラボレーション企画など、弘南鉄道を盛り上げる様々な取組みがなされており、地元で愛されている鉄道であることがよく伝わってきました。

 私からは、弘前駅から弘南鉄道・弘南線を利用して黒石市を訪問し、全国的にも珍しい「黒石つゆ焼きそば」や津軽の郷土料理を味わうグルメ旅をおすすめします。


<関連サイト>
 「弘南鉄道
 「蔵よし」(青森県黒石市横町13)

<関連記事>
 「青森のソウルフード探訪記1 -万茶ンの太宰ブレンド・りんごジュース自動販売機・イギリストースト-
 「青森のソウルフード探訪記2 -味噌カレー牛乳ラーメン・味噌カレー牛乳煎餅・味噌バターカレー牛乳どらやき-
 「青森県弘前市のアップルパイ -弘前アップルパイめぐり-
 「群馬の食文化の特徴を探る(6)-ポテト入り焼きそばと子供洋食・スタイルブレッド・築地銀だこ・焼きまんじゅう・赤城山麓 徳川埋蔵金-

2025年8月24日 (日)

青森県弘前市のアップルパイ -弘前アップルパイめぐり-

「アップルパイの街」・「タルトタタンの街」弘前

 2025年3月、五所川原駅から五能線と奥羽本線を乗り継ぎ、弘前駅に到着しました。

(奥羽本線・普通列車(弘前駅ホーム))
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 発車メロディーが津軽三味線で演奏される「津軽じょんがら節」で、旅の情緒を感じました。

 駅構内で、JR東日本秋田支社のキャラクター「つがにゃん」のねぷた()を見つけました。
 ※弘前市では「ねぷた」と呼ばれます。

(つがにゃんねぷた)
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 「津軽のにゃんこ」です。

 「また現れたな、つがにゃん!」

 秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」で「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」をいただいた際、板海苔にプリントされた「つがにゃん」に出会い、きれいに食べ切ったはずなのに…(笑)

(セイリング「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」)
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 今回は弘前のアップルパイが目当てなので、まずは情報を入手すべく、弘前駅1階の「弘前市観光案内所」へ伺いました。

(弘前駅)
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 観光案内所で、弘前市内のアップルパイ販売店・提供店が掲載された「弘前アップルパイガイドマップ」をいただきました。

(弘前アップルパイガイドマップ(表紙))
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 「弘前アップルパイガイドマップ」は、弘前市立観光館・弘前市観光案内所の観光コンシェルジュが「りんごの街・弘前」のアップルパイ取扱店を調査し、実際に試食された感想をもとにアップルパイデータやPRコメントを掲載したガイドマップです。

 アップルパイデータは、甘味・酸味・シナモンの3要素の強弱・有無により、5段階で示されており、お好みのアップルパイを見つけることができます。

(弘前アップルパイガイドマップ)
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 (弘前観光コンベンション協会「弘前アップルパイガイドマップ(第19版 2024.4月)」の一部を加工・引用)

 掲載店舗は40店舗にものぼり、街を挙げてアップルパイの振興に取り組んでおられる様子が伝わってきました。

 さらに、弘前観光コンベンション協会では、りんごスイーツとして「タルトタタン」のガイドマップ「弘前タルトタタンガイドマップ」も作成されています。

(弘前タルトタタンガイドマップ(表紙))
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 弘前市内のアップルパイとタルトタタン、制覇するためには何度も通う必要がありそうです(笑)


洋菓子工房ノエルの「りんごたっぷりパイ」と「りんごジュース」

 弘前のアップルパイを味わうべく、弘前駅周辺のアップルパイ巡りをしました。

 最初に伺ったのが、弘前市品川町にある「洋菓子工房ノエル」です。

(「洋菓子工房ノエル」店舗)
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 店内にはイートイン(カフェ)スペースもあるので、こちらを利用しました。

 りんごの街の洋菓子屋さんだけに、アップルパイ以外にも、アップルパフェ、「りんごの想い(りんご入りチョコレートケーキ)」、アップルシューロール、リンゴのクッキーシューなど、りんごを使った様々なお菓子が用意されていました。

 色々と食べたいところですが、このお店で最も有名な「りんごたっぷりパイ」をケーキセットでいただきました。

(洋菓子工房ノエルのケーキセット)
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 「りんごたっぷりパイ」にドリンク「りんごジュース」を付けた、りんごづくしのケーキセットです。

(洋菓子工房ノエルの「りんごたっぷりパイ」)
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 「りんごたっぷりパイ」は、その名のとおり、パイの中に大きな角切りりんごがたっぷり詰められたアップルパイです。

(洋菓子工房ノエルの「りんごたっぷりパイ」(角切りりんご))
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 甘く煮詰められたりんごは、やわらかくサックリとした食感で、ほどよいシナモンの香りも楽しめました。

 パイは薄く、しっとりとした食感で、リンゴ煮の味を引き立てていました。

 りんごが主役のアップルパイでした。

 「りんごジュース」は、青森県産りんごを使った「希望の雫」を提供していただきました。

 「希望の雫」は、降霜・降ひょう被害により市場に出荷できないりんごの生果が大量に発生した際、りんご農家の支援策の一環として被害果のみを使用して商品化されたりんごジュースです。

 その商品名には、希望を失わず、前向きに生産に励むりんご農家の意欲と、雫のようにみずみずしい新鮮なジュースという意味が込められています。

(りんごがデザインされたコースター)
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 コップを置くコースターにも、りんごの刺繡が施されていました。

 まさにりんごづくしのひとときを楽しみました。


茶房CoCoの「アップルパイ」

 続いて向かったのが弘前駅前の「茶房CoCo」です。

 3月でも積雪があり、雪に慣れていない私は、弘前市内の徒歩での移動が大変でした。

(弘前駅前の積雪と歩道)
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 除雪されているところ、雪が少ないところを選びながら歩きました。

 短い距離でも長く感じ、ようやくお店に到着しました。

(「茶房CoCo」店舗)
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 メニューを見ると、アップルパイとタルトタタン、どちらも用意されていました。

 ドリンク付きのデザートセットにできることがわかったので、アップルパイ・アイスクリーム添えとアップルジュースのセットを注文しました。

 茶房CoCoのデザートセットです。

(茶房CoCoのデザートセット)
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 アップルパイは熱々の状態で提供していただきました。

(茶房CoCoの「アップルパイ・アイスクリーム添え」)
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 アップルパイにバニラアイスが添えられ、お得感と贅沢感がありました。

 アップルパイに近づいてみましょう。

(茶房CoCoの「アップルパイ」)
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 パイはカリカリで香ばしく、焼きたてのクロワッサンのような感じでした。

 パイの中には、よく煮詰められたりんご(りんご煮)がたっぷり詰められていました。

 りんご煮のシナモンは控えめで、ねっとり甘い焼きいものような感じに仕上げられていました。

 ナイフとフォークでいただく、高級感あふれるアップルパイでした。

 地元・青森県産のアップルジュースと一緒に、青森のりんごをたっぷり味わいました。


<関連サイト>
 「きてみて、ひろさき。ここみて、弘前」(弘前観光コンベンション協会)
 「洋菓子工房ノエル」(青森県弘前市品川町2-2)
 「JAアオレン(希望の雫)」(青森県農村工業農業協同組合連合会)
 「茶房CoCo」(青森県弘前市駅前町6-1)

<参考文献>
 「弘前アップルパイガイドマップ」弘前観光コンベンション協会

2025年8月17日 (日)

津軽鉄道食景色4 -ぼんじゅそば・太宰治と若生おにぎり・ストーブ列車とスルメ・吉幾三の「津軽平野」・鉄道ジャーナルと津軽鉄道-

JR五所川原駅と津軽鉄道・津軽五所川原駅

 2025年3月、秋田駅からリゾート列車「リゾートしらかみ」に乗車し、五所川原駅で下車しました。

 隣接する津軽鉄道のグルメとイベント列車「ストーブ列車」を楽しむためです。

(五所川原駅(JR)と津軽五所川原駅(津軽鉄道))
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 写真手前(左側)がJR五所川原駅のホーム、写真奥(青い屋根のホーム)が津軽鉄道・津軽五所川原駅のホームです。

(津軽五所川原駅(出口))
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 JRの五所川原駅と津軽鉄道の津軽五所川原駅の通路は一部併用されているので、それぞれの鉄道会社の改札口(出入口)があります。

 私はJR線を利用して到着したため、JR五所川原駅の改札から出場しました。

 出てすぐの待合室の椅子がユニークでした。

(五所川原駅の待合室)
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 列車の座席そのままです(笑)

 奥には運転席までありました。


津軽鉄道本社と「コミュニティカフェ でる・そーれ」

 津軽鉄道・津軽五所川原駅のすぐ近くに津軽鉄道本社があります。

(津軽鉄道本社と「コミュニティカフェ でる・そーれ」)
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 津軽鉄道本社1階には「サン・じゃらっと」と呼ばれる地域交流施設があり、その中に飲食コーナー「コミュニティカフェ でる・そーれ」があります。

 こちらのカフェで、昼食をいただくことにしました。


ぼんじゅそば

 「コミュニティカフェ でる・そーれ」に入店し、テーブル席に御案内いただきました。

 メニューを見ると津軽の「ぼんじゅそば」がありました。

 津軽ならではの郷土料理をいただきたいと思い、この「ぼんじゅそば」に「若生(わかおい)おにぎり」がセットになった「ぼんじゅそば若生セット」を注文しました。

 「ぼんじゅそば(梵珠そば)」は、津軽地方を中心に食べられている「津軽蕎麦」の1つで、「生地で寝かせる」、「製麺して寝かせる」、「茹でて寝かせる」と、それぞれの工程の終わりにゆっくり時間をかけて「寝かせる」ことに特徴があります。

 お店の方が「ぼんじゅそば」の説明書きを持ってきてくださいました。

(「ぼんじゅそば」とは?)
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 名前の由来は、そば作りに青森市浪岡大釈迦地区にある標高468mの「梵珠(ぼんじゅ)山」の地下水が使用されており、その良質の水をもたらす梵珠山に感謝の気持ちを込めて命名されたそうです。

 それぞれの工程の終わりに「寝かせる」ことから、つくり始めから出来上がって出荷されるまで3日も要する、大変手間のかかる茹でそば(熟成そば)です。

 料理が運ばれてくるまでの間、店内を見回していると、「旨い駅そば大百科」という本が配架されていました。

(「旨い駅そば大百科」「旅と鉄道」編集部)
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 もしかすると、こちらのお店も掲載されているのではないかと思い、パラパラとページをめくってみると、予想どおり紹介されていました。

(「旨い駅そば大百科」で紹介されている「ぼんじゅそば」と「津鉄汁」)
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 津軽五所川原駅の看板メニューとして「ぼんじゅそば」と「津鉄汁(長芋入りの丸いすいとん、青森シャモロック、人参、舞茸、ごぼう、白髪ねぎなど具だくさんの醤油仕立てのすまし汁)が紹介されていました。

 しばらく経って、料理が運ばれてきました。

(ぼんじゅそば若生セット)
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 ぼんじゅそばと若生おにぎり、そして小鉢(ひじき煮)のセットです。

 太宰治の出身地にちなみ、「はしいれメロス」と書かれた「箸入れ」に割り箸が入っていました。

(ぼんじゅそば)
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 ぼんじゅそばは、刻みねぎと天かすがのせられた、汁そばでした。

 麺が時間をかけて寝かせた熟成麺だけあって、とてもやわらかく、煮干しベースのつゆとよくからんで美味しくいただきました。


若生おにぎり

 続いて、若生おにぎりを御紹介します。

 この若生おにぎりも提供時に説明書きを添えてくださいました。

(What’s? 若生おにぎり)
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 「若生(わかおい)」は1年ものの昆布のことで、津軽半島沿岸で春一番に収穫して干したものです。

 この昆布でごはんを包み、握ったものが若生おにぎりです。

 注意しなければならないのは、その食べ方です。

 昆布で巻かれているので、昆布の繊維に逆らうと噛み切れないのです。

 おにぎりを縦に持って食べると、繊維に沿ってうまく食べられるように作られています。

(若生おにぎり)
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 若生おにぎりを縦に持っていただきました。

 昆布の旨みと塩気が効いた、津軽ならではのおにぎりでした。

 「太宰治と若生のおにぎり」という説明書きも見せていただきました。

(太宰治と若生のおにぎり)
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 津島美智子さん(太宰治の妻)の回想録で、
 「炊きたての飯をワカオイという薄い昆布の間にはさんで両掌でヒタヒタおさえて、プツッとワカオイをかみきって食べるその歯ごたえ、自然の塩味、これが彼にとって最高の津軽風おむすびであった」
と紹介されています。

 回想録を読みながら若生おにぎりをいただくと、太宰治から「うまいだらう?」と話しかけられてゐるやうな気持ちになり、恥の多い生涯を送ってきた私の心にしみました。


ストーブ列車とスルメ

 昼食をいただいた後、津軽五所川原駅から、冬の津軽鉄道のイベント列車「ストーブ列車」に乗ることとしました。

(津軽五所川原駅)
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 出発時刻の関係から、津軽五所川原駅から津軽中里駅までの全線を往復するストーブ列車に乗車することはできませんでしたが、時刻表を読み込んだ結果、「津軽五所川原駅から中間点の金木駅まで普通列車で行き、同駅で行き違う津軽五所川原駅行き(戻り)のストーブ列車に乗る方法がある」とひらめきました。

 うまくいくかどうかはわかりませんでしたが、とにかくやってみようと、駅で金木駅までの往復乗車券を買い、津軽中里行きの列車を待ちました。

 駅構内にストーブ列車で焼いて食べる「スルメ」についての「お願い」が掲示されていました。

(スルメ事前購入のお願い)
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 「ストーブ列車で車内販売されているスルメや日本酒は、車内販売スタッフが席までお伺いするのに時間がかかる場合がございますので、車内販売と同じ商品を販売している駅の売店で事前購入をお願いします」という内容でした。

 途中駅から乗り込もうとしている私にとっては、とりわけ大事なお知らせであり、売店でスルメを事前購入しました。

(スルメ(袋詰め・売店商品))
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 袋詰めのスルメと、五所川原から金木までの往復乗車券です。

 きっぷが昔ながらの硬券(厚みのある紙のきっぷ)で、ハサミでパンチ(切り込み)されているのは、今となってはとても珍しいです。

 列車が出発するまでの間、津軽鉄道の列車を見学しました。

(津軽鉄道・旧列車)
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 かなり老朽化した、かつて活躍したであろう列車が置かれていました。

(津軽鉄道・走れメロス号)
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 こちらが今回乗車した津軽中里行きの普通列車で、愛称は「走れメロス」号です。

 太宰治の生家「斜陽館」がある金木駅へ行くのにぴったりの列車です。

(津鉄文庫)
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 列車内には、誰でも自由に読むことができる本棚「津鉄文庫」がありました。

(スルメとともに津軽五所川原駅出発)
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 出発時刻の13時30分となり、スルメと一緒に津軽五所川原駅を出発しました。

(十川駅(鉄道芸人 太田トラベル駅))
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 十川駅では、ネーミングライツによる副駅名「鉄道芸人 太田トラベル」と記載された駅名標を見かけました。

 13時51分、金木駅に到着しました。

(走れメロス号とストーブ列車(金木駅))
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 向かいのホームには13時56分発、津軽五所川原行きのストーブ列車が待っていました。

(ストーブ列車と金木駅)
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 乗り継ぎに5分もあればと、金木駅の駅舎に寄り、「エキタグ」のデジタル駅スタンプをゲットした上で、ストーブ列車が待つホームへと走りました。

 ホームは、あふれんばかりのお客さんで埋め尽くされており、「これは乗るだけで精一杯だ」と思いつつ、列の最後尾に並びました。

 すると前側の車両におられた車掌さんが私に大声で、「個人の方ですかー?それならこちらの車両からお乗りくださーい」と誘導してくださいました。

 大勢の人々は、中国から来られた団体客で、後側の団体専用車両から乗車されたようでした。

 前側の個人客向けの車両入口で車掌さんからストーブ券(1,000円)を購入し、無事ストーブ列車に乗ることができました。

 ストーブ列車が金木駅を出発後、車掌さんが客車のダルマストーブに石炭を継ぎ足しに来られました。

(車掌がダルマストーブに石炭を継ぎ足す様子)
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 ストーブ列車の車掌さんは、ダルマストーブの火加減を頻繫に点検し、石炭をくべる必要があるのです。

 火力が強まったところで、アテンダントさんが来られ、乗客が購入したスルメを炙り始められました。

(ダルマストーブでスルメが炙られる様子)
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 スルメがきれいに伸ばされた状態で、ストーブの上で炙られています。

 私が用意したスルメも、アテンダントさんにお渡しし、ストーブで炙っていただきました。

 アテンダントさんが軍手をはめた手で、網の上にスルメを押し付けて(伸ばして)おられる姿が印象的でした。

(アテンダントがスルメを炙る様子)
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 軍手越しとはいえ、「手を網の上にのせて熱くないのかな」と見ている方が心配になりました。

 素人には決してマネはできない荒技です(笑)

 最初に炙ってやわらかくなったスルメの胴体が私のところに運ばれてきました。

 アテンダントさんから「(スルメが入っていた)ビニール袋を広げて持っておいてください」と言われ、私がビニール袋を広げて持っていると、アテンダントさんがスルメの胴体を約1cm間隔の食べやすい大きさに手で裂いて、次々と入れてくださいました。

 続いてスルメのゲソ(足)を持ってこられ、足1本ごとに裂いて、私のビニール袋に入れてくださいました。

 スルメを裂く際に、カスがいっぱい床の上に落ちましたが、それもストーブ列車ならではの微笑ましい光景です。

 「ほかにも大勢のお客さんがおられるのに、こんなに丁寧にしてくださるとは」と感動しました。

 車内販売(スルメなどの販売)はこの後で来られたので、時間が限られていた私にとっては、スルメを事前に購入しておいて正解でした。

(津軽鉄道乗車券・ストーブ列車券・スルメ)
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 炙られてやわらかく、表面がカリッとなったスルメを袋から取り出し、いただきました。

(ストーブ列車でいただくスルメ(津軽飯詰駅付近))
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 香ばしく、噛みしめるほどに味が出るスルメでした。

 岩木山が見え、ストーブ列車の旅も終盤に差し掛かった頃、アテンダントさんが車内放送で歌を披露してくださいました。

 地元・青森県五所川原市出身の吉幾三さんの名曲「津軽平野」です。

 「♪つがるぅー へいやぁにぃー ゆきふぅーるぅー ころはヨー」

 津軽弁訛りの歌声は、車窓から眺める景色と相まって、深く心にしみました。

 名残惜しさを感じつつ、ストーブ列車は津軽五所川原駅に到着しました。

(ストーブ列車(DD352)の回送(津軽五所川原駅))
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 「♪降るな降るなよ 津軽の雪よ 春が今年も 遅くなるよ」
 「♪ストーブ列車よー あいたや親父(おどう)」

 またいつかストーブ列車に乗りに「よし、行くぞう!」


鉄道ジャーナル社からのプレゼント

 私が今回、津軽鉄道のストーブ列車に乗りたいと強く思ったきっかけは、鉄道雑誌「鉄道ジャーナル(2025年3月号)」の「冬に本領 風雪の津軽鉄道」という記事を読んだからでした。

 この記事では、津軽鉄道のストーブ列車に関する様々な情報や魅力が紹介されており、私の心は動かされました。

 そこで同誌の懸賞クイズ「RJクイズ」を解き、はがきにクイズの答えと一緒に記事の感想も書いて、鉄道ジャーナル社へ郵送(応募)しました。

 賞品は「図書カード5000円券=1名様」、「鉄道ジャーナル特製図書カード1000円券=15名様」となっていました。

 ただ、私の場合、賞品目当てというよりは、休刊となる鉄道ジャーナル社へのお礼と感想をお伝えしたい気持ちからお送りしたものでした。

 すると、後日、鉄道ジャーナル社から当選商品が郵送されてきたのです!

(鉄道ジャーナル社からの当選通知と図書カード)
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 しかも開封してみると、当選のお知らせとともに、5000円券が同封されていたので、さらにびっくりしました。

 そこで、次号の「鉄道ジャーナル」を読み終えた際、懸賞クイズの応募と記事の感想という名目で、お礼のはがきをお送りしました。

 月刊「鉄道ジャーナル」は2025年6月号をもって休刊となりましたが、綿密な現地取材に基づく詳細で情報満載の記事は、実際に列車の乗ってみたいと思わせてくれるものばかりでした。

 鉄道ジャーナル社様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。


<関連サイト>
 「津軽鉄道」(青森県五所川原市字大町39)
 「コミュニティカフェ でる・そーれ」(青森県五所川原市大町39)
 「ヤマホ竹鼻製麵所(ぼんじゅそば)」(青森県五所川原市金山字亀ヶ岡46-8)

<関連記事>
 「津軽鉄道食景色1 -津鉄汁セット,ストーブ列車石炭クッキー-
 「津軽鉄道食景色2 -若生おにぎり,中まで赤~いりんごジャム,干し餅,五農産米-
 「津軽鉄道食景色3 -東北・北海道新幹線車内で津軽鉄道「ストーブ弁当」を味わう-

<参考文献>
 「鉄道ジャーナル 2025年3月号 -冬に本領 風雪の津軽鉄道-」鉄道ジャーナル社
 「旨い駅そば大百科」「旅と鉄道」編集部
 永松 潔・高橋遠州「テツぼん 13」小学館ビッグコミックススペシャル
 作/川上健一・画/ひきの真二「ちゃぺ!津軽鉄道四季ものがたり」小学館ビッグコミックス
 作/やまさき十三・画/北見けんいち「釣りバカ日誌 82 津軽鉄道冬景色!?の巻」小学館ビッグコミックス

2025年8月10日 (日)

秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」の魅力 -オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当・立佞武多どら焼き-

秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」

 2025年3月、秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」に乗車しました。

 2018年3月にも乗車したことがあり、今回が2回目です。

 「リゾートしらかみ」は、奥羽本線(秋田駅-東能代駅、弘前駅-青森駅)と五能線(東能代駅-川部駅)を走るリゾート列車です。

(五能線沿線マップ)
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 (「絶景に逢いに行く 五能線の旅」JR東日本秋田支社・五能線沿線連絡協議会を一部加工・引用)

 雄大な白神山地や日本海の絶景を楽しみながら、秋田県と青森県の観光地へ移動することができます。

 全車指定席(禁煙)ですが、快速列車扱いなので、乗車券と指定席券のみで乗車することができます。

 私は秋田・弘前・青森エリアが2日間乗り降り自由となるフリーきっぷ「五能線フリーパス」を利用して、お得に旅を楽しみました。

 それでは、秋田・青森エリアをゆっくり旅するような気持ちでお付き合いください。


秋田駅と「リゾートしらかみ1号」

 秋田市内で一泊し、朝8時19分発の「リゾートしらかみ1号」に乗車すべく、秋田駅へ向かいました。

(秋田駅)
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 秋田駅連絡通路で、「ようこそ秋田へ!」と秋田犬が歓迎する広告フラッグを見つけました。

(秋田駅連絡通路・「ようこそ秋田へ!」秋田犬広告フラッグ)
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 駅構内には、「なまはげ」飾りと秋田新幹線「こまち」模型が展示されていました。

(秋田駅・「なまはげ」飾りと秋田新幹線「こまち」模型)
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 「悪い子はいねがー」

 私に向かってそう言われているようで、思わず目をそらしてしまいました(笑)

 出発時刻の少し前にホームへ行くと、すでに「リゾートしらかみ1号」が待機していました。

(リゾートしらかみ1号(くまげら編成)・秋田駅)
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 今回の列車は「くまげら編成」です。

 「クマゲラ」と呼ばれる鳥(キツツキの仲間)にちなんだ名称で、赤色と黄色を基調としたカラフルな列車です。

(「リゾートしらかみ1号」ドア付近)
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 ひととおり列車を眺めたあと、乗車しました。

(リゾートしらかみ(くまげら編成)座席)
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 ワインレッドの高級感ある座席です。

 やがて出発時刻を迎え、リゾートしらかみ1号は静かに出発しました。


東能代駅・あきた白神駅(ハタハタ館)・ウェスパ椿山駅

 列車は奥羽本線を走り、五能線の起点・東能代駅に到着しました。

(東能代駅)
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 しばらく停車時間があったので、列車を降りて東能代駅を散策しました。

 秋田県能代市は、能代科学技術高校(能代工業高校)をはじめとする強豪バスケットボールチームを有する「バスケの街」です。

(「ようこそ バスケの街 能代へ」バスケットゴール)
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 駅のホームにはバスケットゴールが用意されており、シュートを体験することが可能です。

 駅舎には、能代七夕(のしろたなばた)で登場する、高さ日本一の城郭型灯籠の「愛季(ちかすえ)」の模型が展示されていました。

(能代七夕「愛季」(模型))
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 色彩豊かで立派な大灯籠です。

 再び列車に乗り、青森を目指しました。

 途中、東八森駅付近から目の前に海が広がりました。

 あきた白神駅では、車窓ごしに「八森いさりび温泉ハタハタ館」が見えました。

(あきた白神駅・八森いさりび温泉ハタハタ館)
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 「八森いさりび温泉ハタハタ館」は、温泉・レストラン・休憩施設・売店などを有する施設で、看板の「ぶりこ」(ハタハタの卵)にも興味を持ちました。

 列車は海岸線に沿って走り、最初の絶景ポイントに近づきました。

(絶景ポイント・大間越街道(岩館駅-大間越駅))
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 秋田県と青森県の県境付近にある「大間越街道(おおまごしかいどう)」です。

 すぐ目の前に広がる絶景を楽しみました。

 ゆっくりと鑑賞できるよう、列車はしばらく速度を落として走行されました。

 絶景ポイントを過ぎると、列車は再び加速して海岸沿いを走行しました。

 ウェスパ椿山駅に到着しました。

(ウェスパ椿山駅と物産館コロボックル)
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 物産館コロボックルの建物が見えました。


深浦駅の「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」

 列車は順調に北上し、深浦駅に到着しました。

 深浦駅は、秋田駅と青森駅を結ぶ「リゾートしらかみ号」のほぼ中間地点にあたり、この駅で青森駅から秋田駅を目指す「リゾートしらかみ2号」と行き違いとなります。

 五能線は単線なので、行き違いのための停車時間が設けられています。

 私もこの停車時間を利用して下車しました。

 事前にモバイルオーダーでお弁当を注文し、この深浦駅で受け取ることになっていたからです。

 用意されたお弁当を無事受け取ることができるのか、期待と不安を胸にホームに降り立ちました。

(深浦駅ホーム・モバイルオーダー「ごのたび」商品販売)
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 ホームで買い物かごを持ったお店の方が待っておられました。

(深浦駅ホーム・モバイルオーダー「ごのたび」商品受け取り)
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 お店の方に電子チケットをお見せして、無事お弁当を受け取れました。

 ホッと安心していると、向かいのホームに「リゾートしらかみ2号」がやってきました。

 すると、お店の方もクルッと180度向きを変え、今度は「リゾートしらかみ2号」のお客さんにお弁当を手渡しておられました。

(深浦駅ホーム・リゾートしらかみ2号とモバイルオーダー「ごのたび」商品販売)
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 なるほど、実に効率が良い(笑)

 列車の席に戻り、ビニール袋からお弁当を取り出しました。

(セイリング「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」(包装))
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 青森県深浦町の特産「ふかうら雪人参」を使った「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」です。

 「なんだ、この海苔は?」

(JR東日本秋田支社キャラクター「つがにゃん」海苔)
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 JR東日本秋田支社の「meet the heart」キャラクター「つがにゃん」がプリントされた海苔が付いていました。

 「津軽のにゃんこ」です。

 お弁当を開けました。

(セイリング「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」)
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 ごはんの上に、半熟のオムレツとビーフシチューがかけられたお弁当です。

 千切りのキャベツと人参、そしてマカロニサラダが添えられていました。

 ビーフシチューには、大きめにカットされた「ふかうら雪人参」と牛肉がたっぷり入っていました。

 雪の中でじっくり糖分を蓄えた人参は、とても甘くフルーティーで、主役級の美味しさでした。

 デザートとして、青森のりんごも入っていました。

(青森りんご(うさぎりんご))
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 つがにゃん、りんごを隠しちゃダメだよ(笑)

 「さすが青森のりんご」と思うほど、甘くて美味しかったです。


絶景ポイント(海岸線・千畳敷)

 深浦駅を過ぎると、再び絶景ポイントを迎えました。

(絶景ポイント・海岸線(深浦駅-広戸駅))
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 絶景を眺めながらの食事は最高でした。

 続いて、列車が千畳敷駅に着くと、間近に千畳敷海岸を眺めることができました。

(絶景ポイント・千畳敷(千畳敷駅付近))
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 鉛色の空に雪が舞い、荒々しい岩に白波が立つ景色は、私がいつも眺めている瀬戸内海の景色とは異なるものでした。


五所川原の「立佞武多どら焼き」・北金ヶ沢駅

 深浦駅からお店の方が乗車され、地元の工芸品や特産品を車内販売されました。

 私は青森県五所川原市の「立佞武多どら焼き」を購入しました。

(五所川原「立佞武多どら焼き」(3個セット))
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 写真左の赤いパッケージが、果皮だけでなく果肉まで赤い品種「御所川原(赤~いりんご)」のあんが入ったどら焼き、写真右の2個が「ふじ」のあんが入ったどら焼きです。

 いずれも甘酸っぱいりんごあんがたっぷり入った美味しいどら焼きでした。

(北金ヶ沢駅ホーム・電車接近電光表示器)
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 「リゾートしらかみ1号」は順調に津軽平野を走りました。


津軽三味線生演奏

 やがて1号車の一番前(運転席の真後ろ)から、津軽三味線の音が聞こえてくるようになりました。

 これから津軽三味線の生演奏が始まる合図です。

 次第に乗客も1号車に集まってきました。

 私は1号車の後ろの席から生演奏を鑑賞しました。

(津軽三味線生演奏)
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 津軽三味線は、京都・祇園のお座敷で流れるようなゆっくり、おしとやかな三味線とは逆に、ハイテンポで、荒々しく、力強いのが特徴です。

 この津軽三味線の音色が、津軽の雪や荒々しい海、そして岩木山(津軽富士)の景色と見事に一致し、感動を与えてくれました。


五所川原駅到着

 津軽三味線の生演奏が終わり、しばらくすると、「リゾートしらかみ1号」は五所川原駅に到着しました。

(リゾートしらかみ1号(くまげら編成)・五所川原駅)
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 私はこの駅で下車し、「リゾートしらかみ1号」とお別れしました。

(五所川原駅(JR)と津軽五所川原駅(津軽鉄道))
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 写真手前がJR五所川原駅のホーム、写真奥の青い屋根が津軽鉄道・津軽五所川原駅のホームです。

 朝、秋田駅を出発して、五所川原駅まで約4時間。

 リゾート列車の旅を満喫することが出来ました。


<関連サイト>
 「五能線リゾートしらかみの旅」(JR東日本秋田支社)
 「リゾートしらかみ(のってたのしい列車)」(JR東日本)
 「食べ物屋 セイリング」(青森県西津軽郡深浦町大字深浦字苗代沢78-34)
 「ふかうら雪人参」(農事組合法人舮作興農組合)
 「立佞武多どら焼き」(「JIN CARE」青森県五所川原市本町6)

<関連記事>
 「秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」の魅力 -ジョイフルキャンディー・マグカツドック-

2025年8月 3日 (日)

広島市植物公園「世界のカカオ農園紀行」「カカオのお花見ミニツアー」とチョコレート代替(ひまわりの種)・アップサイクル(カカオハスク)商品

広島市植物公園

 2025年6月29日に、広島市植物公園でチョコレートの専門家・佐藤清隆先生(広島大学名誉教授)の講演会「世界のカカオ農園紀行」が開催されました。

 以前、佐藤先生から「2025年4月下旬に、南米・エクアドルへ野生のカカオを探しに行く」と伺っていたのですが、そのエクアドル訪問の帰国報告会を兼ねた講演会でした。

 この講演会が11時から12時まで開催され、お昼をはさんで、13時からは「カカオのお花見ミニツアー」も開催されました。

 当日、かなり早く梅雨明けし、熱中症アラートが出されるほど暑くて日差しも強い中、広島市植物公園を訪問しました。

(広島市植物公園(大温室))
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 園内を歩くと、たくさんの花が出迎えてくれました。

 奥に見える建物が「大温室」で、こちらでカカオが栽培されています。

 園内をしばらく散策したあと、講演会会場の展示資料室へ向かいました。

(展示資料室(講演会会場))
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「世界のカカオ農園紀行」講演会

 受付で講演会テキストと3種のカカオ豆を受け取り、大会議室に入りました。

 すでに佐藤先生がおられたので、御挨拶し、一番前の席に座りました。

(世界のカカオ農園紀行講演会テキストとカカオ豆)
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 佐藤先生に「4月下旬にエクアドルへ行かれたんですよね?」とお話しすると、笑みを浮かべながら、スライドでエクアドル訪問時の数々のお写真を見せてくださいました。

 熱心なチョコレート研究家の方も来ておられ、一緒にエクアドル紀行のお話を伺いました。

 「まだ講演会が開始されてないのに、こんなに話して大丈夫?」と心配するほどでした(笑)

 それだけ思い出いっぱいの、有意義な研究旅行だったのでしょう。

 開始時刻を迎え、佐藤先生はそのまま講演会を開始されました。

 まずは、佐藤先生がカカオの故郷・アマゾン川源流域(エクアドル)を訪問されたことの御報告がありました。

 野生のカカオを求め、ジャングルの道なき道を延々と切り開きながら歩かれたのだそうです。

 ぬかるみを歩くため、靴は長靴ではなく「足袋(たび)」を履き、転倒防止に杖を使われたそうです。

 気を抜くと、ぬかるみに沈んだり、転んだ先で毒蛇に噛まれたりする危険があったからです。

 約4km、高低差約400mの坂を登るのに、20分に一度休憩しつつ、約4時間もかかったようで、現地ガイドさんの誘導があったとは言え、いかに大変な道のりだったかがわかりました。


 このような苦労を経て、ようやく到達したカカオの原生林は、高い木で高さ約50mもあり(※)、その高い木に覆われる形で、さらに野生のカカオがなっていたそうです。
 ※栽培されているカカオの木は、通常高さ3~4m以上になったら、実の採取が難しくなるため伐採される。

 その原生林では、①カカオの実を割って原種を調べ(カットテスト)、②カカオ豆を試食し、③アマゾン川源流で泳いだそうです。

 アマゾン川源流で泳ぎたいという、こどもみたいな発想が佐藤先生らしくて笑えました。


野生のカカオ豆(カカオニブ)とチョコレートの試食

 続いて、野生のカカオとそのカカオで作られたチョコレートの試食体験が行われました。

(味見する野生カカオの生息地)
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 (広島市植物公園講演会「世界のカカオ農園紀行」テキストから一部引用)

 今回のカカオ豆は、エクアドルの「ナシオナル(アリバ種)」と「クラレイ(クリオロ種)」、そしてボリビアの原生林で採れた「ベニ」です。

 ちなみに、エクアドルという国名はスペイン語の「エカトール(赤道)」に由来します。

(3種類のカカオ豆)
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 赤色の受け皿に入ったカカオ豆が「ナシオナル」、緑色の受け皿に入ったカカオ豆が「クラレイ」、青色の受け皿に入ったカカオ豆が「ベニ」です。

 ナシオナルとクラレイが比較的大粒なのに対し、ベニは小粒です。

 カカオ豆の皮(カカオハスク)を手でむいて取り除きました。

(3種類のカカオ豆(皮を取り除いた様子))
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 カカオ豆の表面の皮を取り除き、「カカオニブ(カカオの胚乳)」を取り出した様子です。

 それぞれのカカオニブを試食し、味と香りの特徴を確認しました。

 「ナシオナル」は酸味が少なく、ワインのような香りと深みを感じました。

 「クラレイ」は酸味と苦味がやや強く、ナッツのような風味を感じました。

 「ベニ」は深い苦味があり、ナッツに似た独特の香ばしさを感じました。

 これらを試食した上で、チョコレートが提供され、どのカカオ豆から作られたのかを当てるクイズが出されました。

 チョコレートが後ろの席の方から私に手渡される際、「先生、どうぞ」と言われ、とっさのことだったので、私もつい「はい、ありがとうございます」と言って受け取りました。

 先生じゃないのに(笑)

(試食用チョコレート)
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 ベニではないことはわかりましたが、ナシオナルかクラレイか判断に迷うところでした。

 佐藤先生が私に、どのカカオ豆だと思うかと問われ、「クラレイ」と答えましたが、正解はナシオナルでした…

 「そもそもクラレイやベニのような希少品種をチョコレートにするわけがない」と言われ、そこで初めて「あっ、だからナシオナルか」と納得しました(笑)

 そのあと、佐藤先生が「ナシオナルとクラレイは同じ場所で発酵させたので、わかりにくかったかも」とフォローしてくださいましたが、いずれにせよ、これで私が先生じゃないことが証明されました。


広島市植物公園「森のカフェ」でランチ

 講演会が終わり、お昼を迎えました。

 広島県外からお越しになった方も含め、熱心なチョコレート研究家の皆さんが佐藤先生のもとに集まり、カカオ・チョコレートのお話で盛り上がっていました。

 そのうち、カフェでランチを食べながらお話をする流れとなったようです。

 (御迷惑にならないよう)少し距離を置いていた私も、佐藤先生からのお誘いを受け、御一緒させていただくことになりました。

 広島市植物公園内のカフェ「森のカフェ」で、佐藤先生と私を含めた5人でランチをいただきました。

 以前、佐藤先生と2人で食事した時、佐藤先生は鶏の唐揚げ定食を注文されたのですが、今回もまた同じ定食を注文されたので、そんなに美味しいのかと、私も鶏の唐揚げ定食を注文してみました。

 少し待ったあと、鶏の唐揚げ定食が用意されました。

(鶏唐揚げ定食)
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 なるほど、カツカレーのトンカツと同様に、鶏の唐揚げも注文を受けてから油で揚げられるので、多少時間はかかるけど美味しいのだとわかりました。

 熱心なチョコレート研究家の皆さんと佐藤先生との会話を聴くだけでも勉強になりましたが、私からも1つ質問をさせていただきました。

 「カカオの品種はクリオロ種・トリニタリオ種・フォラステロ種の3種があると理解していますが、今回のアリバ種(ナシオナル)はこれらとは別の品種なのでしょうか」

 そこで得た答えは、「チョコレートの原料として世界で認識されている主なカカオの品種がクリオロ種・トリニタリオ種・フォラステロ種の3種で、このほかにもアリバ種やベニなど、あまり知られていない品種も存在する」というものでした。

 そして、今度はアリバ種のチョコレートの話題で盛り上がりました。

 日本でエクアドル・アリバ種のチョコレートを取り扱っておられるお店はごくわずかなのですが、かなり前からエクアドル(アリバ種)のカカオ豆を取り扱っておられるお店が、横浜市に本店を置く「バニラビーンズ(VANILLABEANS)」なのだそうです。

 私もお土産を買うため、何度かこのお店を訪問したことがあるのですが、アリバ種のチョコレートを取り扱っておられることまでは意識していませんでした。

 バニラビーンズは「みんなで育てるカカオの森プロジェクト」を立ち上げ、現地のカカオ農家の支援にも力を注いでおられます。

 また、東京にはアリバカカオを専門に扱う「ママノチョコレート(mamano chocolate)」というお店があることも教えてもらいました。

 ちなみに「ママノチョコレート」代表の江沢孝太朗さんは、今回、佐藤先生と一緒にエクアドルを訪問されています。


カカオのお花見ミニツアー

 12時55分にランチ会を終え、メンバーは急ぎ足で「カカオのお花見ミニツアー」の会場である大温室へ向かいました。

(カカオのお花見ミニツアー案内)
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 大温室内で栽培されているカカオの木に実がなり、花も咲いていました。

(カカオの木・カカオの実)
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 カカオの実に近づいてみましょう。

(カカオの実)
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 黄色いカカオの実がなっていました。

 花が咲いたカカオの木も展示されていました。

(カカオの花(木に咲いている様子))
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 カカオの花がたくさん咲いています。

(カカオの花(木に咲いている様子・拡大))
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 カカオの花の特徴(変わっているところ)は、木から直接咲くことと、地面に向けて下向きに咲くことです。

(カカオの枝(カカオの木の先端部))
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 この写真のように、カカオの木の先端部、緑色の枝の部分には花が咲いていません。

 佐藤先生が広島市植物公園の職員さんから許可を得て、参加者が1本ずつカカオの花を採取して観察できることになりました。

(カカオの花(手持ち・接写))
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 遠くから見ると白い花に見えたのですが、近くで見ると黄色や赤色の部分もあり、鮮やかな色をしていました。

 このお花見ミニツアーで佐藤先生から学んだことをまとめました。

・カカオの木にはたくさんの花が咲くが、受粉して結実するのは30%未満
・カカオの花は、虫が媒介して受粉する「虫媒花(ちゅうばいか)」
・カカオの花は下(地面)を向いて咲き、フェロモンも下(地面)へ落ちる
・カカオのフェロモンは油っぽいにおいがする
・別の花から受粉(他花受粉)したいため、「仮おしべ」という自家受粉を妨ぐ器官がある
・カカオの実は、人間以外にも、サル、リス、キツツキなどが食べている
・1つのカカオの実から、板チョコレートが1枚できる(たった1枚!)

 カカオの花には「仮おしべ」という自家受粉(自分のおしべの花粉を自分のめしべが受粉する)を妨ぐ器官があるのですが、この「仮おしべ」のすき間はとても狭く、「仮おしべ」を通り抜けて「めしべ(柱頭)」まで到達できる虫は「ヌカカ」と呼ばれる1ミリメートル程度の蚊しかいないそうです。

 「ヌカカ」は、日本にも生息する、網戸でも通り抜けられる「ぬかのように小さな蚊」です。

 カカオの花を入手したので、カカオの花にヌカカが受粉するイメージ画像を作ってみました。

(カカオの花とヌカカ)
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 下を向いて咲くカカオの花に、花粉をつけたヌカカが「仮おしべ」をくぐりぬけて「めしべ(柱頭)」を目指すイメージ画像です。

 ヌカカは、気づかないうちに人間の衣服に入り込んでくることから「スケベ虫」とか「エッチ虫」とも呼ばれていますが、私たちがチョコレートを食べられるのは、この「スケベ虫」のおかげなのです!


チョコレート代替商品(ひまわりの種)・カカオハスクのアップサイクル商品

【イオン・チョコレート風味ビスケット「チョコか?」】

 佐藤先生を囲んでのランチ会の際、チョコレート代替品の話題でも盛り上がりました。

 当ブログでも、チョコレート代替品として、キャロブ(いなご豆)を使った「キャロブチップス」や、ごぼうを使った「GOVOCE(ゴボーチェ)」を御紹介したことがあります。

 今回、佐藤先生から、「ひまわりの種」を使ったチョコレート代替品がイオンで販売開始されたことを教えていただきました。

 「チョコか?」という商品名のチョコレート風味ビスケットで、2025年6月10日からイオングループ各店で数量限定で販売されています。

 「チョコか?」がないか、広島市内のイオングループのお店を中心に探したところ、意外にもフジグラン広島で販売されているのを見つけました。
 (今後、イオンやマックスバリュでも販売されるものと思います。)

(イオン・チョコレート風味ビスケット「チョコか?」(パッケージ))
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 代替チョコレートのパイオニアであるドイツの「Planet A Foods社」が開発したチョコレート代替品「ChoViva(チョビバ)」を使用したチョコレート風味のビスケットです。

(イオン・チョコレート風味ビスケット「チョコか?」)
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 オーツ麦と全粒粉を使用したザクザク食感のビスケットに「ChoViva(チョビバ)」をコーティングしたお菓子です。

 チョコレートをコーティングしたダイジェスティブビスケットで、わかりやすく例えると「マクビティ(チョコレート)」とよく似ています。

 代替品だと知らない人が食べたら、間違いなくチョコレートビスケットだと思われるでしょう。

 逆に「チョコじゃないの?」と疑うほど、チョコレートそっくりのお菓子に仕上げられています。


【ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」】

 イオンモール広島府中(イオンスタイル)で、カカオハスクのアップサイクル商品(※)「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」が販売されていました。
 ※廃棄されてきたものに新たなアイデアや機能を付加し、新たな価値をもたせた商品

(ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」(パッケージ))
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 パプアニューギニア産のカカオ豆から作られたチョコレートと、そのカカオ豆の皮(カカオハスク)が使用された「コアラのマーチ」です。

(ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」(個包装))
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 パプアニューギニアのカカオ農園をイメージするイラストになっていますが、なぜそこにオーストラリアのコアラがいるのかと疑問に思ってはいけなーい!な。

(カカオハスクって?)
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 包装の裏面にカカオハスクの説明文がありました。

 広島市植物公園でのカカオ豆試食の際、佐藤先生指導のもと、カカオハスクは捨てたのですが、もったいなーい!な。

(カカオ研究農園(パプアニューギニア・ニューブリテン島)の紹介)
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 ロッテは、パプアニューギニアのニューブリテン島にカカオ研究農園を作り、現在18品種のカカオを栽培されています。

 開封してコアラのマーチを取り出しました。

(ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」)
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 ビスケットにカカオハスクが混ぜられているため、全体的に少し黒ずんでいます。

 「コアラのマーチ」に比べて甘さ控えめで、カカオのほろ苦さと香ばしさが増しており、美味しくいただけました。


RCCラジオ「78歳 チョコレート博士 アマゾンをゆく~野生のカカオを求めて」

 2025年7月5日の13時から14時にかけて、広島のRCCラジオで、佐藤先生をはじめ日本各地の名だたるショコラティエやチョコレートマニアのメンバー13人が野生のカカオとの出会いを求めてエクアドル・アマゾン川源流へ行かれた帰国報告特別番組が放送されました。

(ラジオ番組案内)
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 佐藤先生は、東京の「ママノチョコレート」代表の江沢孝太朗さんから、エクアドルの野生のカカオについてちらっと聞いてエクアドルへ行く気になられたそうです。

 原生林で見つけた野生のカカオは、白い最高級豆(クリオロブランコ)の原種だったそうです。

 佐藤先生は番組に締めくくりに「今回のエクアドル訪問で、1万5千年前に人類がカカオと出会った時の追体験ができ、とても感動した」とおっしゃっていました。


 今回もカカオやチョコレートに関する様々な知識・情報を得ることができました。


<関連サイト>
 「バニラビーンズ」(みなとみらい本店 横浜市中区海岸通5-25-2シャレール海岸通1F ほか)
 「ママノチョコレート」(赤坂見附店 東京都港区赤坂3-8-8 赤坂フローラルプラザビル1F)
 「チョコレート風味ビスケット「チョコか?」」(イオントップバリュ)
 「Planet A Foods」(英語/ドイツ語)
 「カカオ・アップサイクルの取り組み」(ロッテ)

<関連記事>
 「キャロブ(いなご豆)チップス -チョコレートと何が同じで何が違うのか-
 「チョコレートの新しい潮流6 -ごぼうを使ったチョコレート風味のお菓子「GOVOCE(ゴボーチェ)」-
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。

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