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2026年1月18日 (日)

神戸の洋食-神戸市中央区「グリル末松」のチキンマカロニグラタンとサクラライス-

 神戸は幕末から明治の時期に開港して以来、外国船の往来する「みなとまち(港町)」として発展してきました。

 それは料理界において、外国人向けホテルや外国船の料理人を通じて神戸に洋食が広まり、発展することにもつながりました。

 そのため、神戸には洋食店がたくさんあります。

 今回は、神戸で人気の洋食店「グリル末松」の料理を御紹介します。


神戸の洋食店「グリル末松」

 「グリル末松」は、三ノ宮(三宮)駅と新神戸駅を結んだほぼ中間地点にあります。

 平日の11時頃に訪問したのですが、すでにお客さんが数名並んでおられました。

(「グリル末松」店舗)
Photo_20260118101801

 開店時刻は11時30分ですが、11時過ぎには待っているお客さんにメニューが回され、開店15分ぐらい前には、千﨑智平オーナーシェフがお客さんの人数を確認し、予約簿に記入されていました。

 その千﨑シェフが私に「2巡目になりますが、よろしいですか?」と尋ねられたので、お受けしました。

 その後、私の前に並んでおられたお客さんから、「ランチタイムメニュー」や「順番待ちの注意事項」が回ってきました。

(順番待ちの注意事項)
Photo_20260118102201

 この順番待ちのマナーやルールを記した注意事項は、ランチタイムにはいつもお客さんの長い行列ができることを物語っていました。

(グリル末松・メニュー看板)
Photo_20260118102301

 お店の入口にあるメニュー看板を見ると、(関西の)洋食店ならではの料理名(表現)もありました。

 例えば「ヒレ(肉)」は「ヘレ(肉)」、「ミンチカツ」は「メンチカツ」、「スパゲティナポリタン」は「スパゲッティイタリアン」、「ハヤシライス」は「ハイシライス」といった具合です。

 東京の「新宿中村屋」で「カレー」を「カリー」と呼ばれているのもそうですが、こうした料理名・表現の方が「伝統的な洋食の趣き」を感じます。

(ランチタイムメニュー)
Photo_20260118102901

 こちらは平日限定の「ランチタイムメニュー」です。

 この時点で、すでに約30人のお客さんの列ができていました。

 開店と同時に1巡目のお客さんが入店しました。

 その後、店員さんがあらかじめ注文を聞きに来られたので、私は「チキンマカロニグラタン」と「サクラライス」を注文しました。

 順番を待つ間、お店の前を歩く人々が決まり文句のように「むっちゃええ匂いすんなぁ」とおっしゃっていたのが、関西らしくていいなと思いました。

 1巡目のお客さんが食事を終えられた頃、私の名前が呼ばれ、お店に入ることが出来ました。

 カウンター席に御案内いただきました。

 カウンターには、できるだけスピーディーにランチを提供できるよう、ランチ皿が積み上げられていました。

(カウンターに用意されたランチ皿)
Photo_20260118103201

 その後、冷水、おしぼり、カトラリーが用意されました。

 箸置きは海老フライのデザインでした。

(海老フライの箸置き)
Photo_20260118103401

 この箸置きは千﨑シェフの手作りで、海老フライのほか、ビーフカツ、ポークカツ、オムライス、そして千﨑シェフ御自身をデザインされたものまであります。

 このうち、千﨑シェフ御自身を模した箸置きは、お店に2個しかなく、「ラッキー箸置き」と呼ばれています。

(ラッキー箸置きの紹介)
Photo_20260118103501

 「センザキー」の「ラッキー箸置き」に当たれば、その日はいいことあるかも(笑)


ランチスープ(トマトスープ)

 食事は、最初にスープが運ばれてきました。

(ランチスープと粉チーズ)
Photo_20260118103701

 ランチのスープは、トマトスープと玉子スープがあり、この日はトマトスープでした。

 スープに粉チーズをまぶすとコクが増し、さらに美味しくいただけました。


チキンマカロニグラタン

 スープを飲み終えた頃、チキンマカロニグラタンが提供されました。

(チキンマカロニグラタン)
Photo_20260118105001

 見てください、てんこ盛りグラタンです!

 千﨑シェフが「ソースを食べているみたいなグラタンがあまり好きじゃない」ことから、マカロニやチキンなど具だくさんのグラタンに仕上げられています。

 グラタン皿に山盛りにされている理由はもう1つあって、実は皿の発注ミスで小さめのサイズのグラタン皿が納品されたため、その皿に1人前のグラタンを盛り付けたところ、山盛りになったのだそうです(笑)

 マカロニ、チキン、玉ねぎ、角切りベーコン、マッシュルームなどの具材にホワイトソースを絡めて焼き上げた(という表現の方がぴったりな)、ボリュームも美味しさも満点のグラタンでした。


サクラライス

 ほどなくしてサクラライスも運ばれてきて、目の前のテーブルが賑やかになりました。

 サクラライスは、チキンライスの上にポークカツをのせ、特製ホワイトソースをかけたオリジナルメニューです。

(サクラライス)
Photo_20260118105002

 ホワイトソースたっぷりで、チキンライスとポークカツの存在がわかりません(笑)

 隣で体格の良い男性が召し上がっていたオムライスの大きさにも驚いたのですが、どの料理もボリュームがすごく、こうしたところも人気の理由だと思いました。

 ホワイトソースをスプーンでかき分け、チキンライスとポークカツを確認しました。

(サクラライス(チキンライスとポークカツ))
Photo_20260118105201

 お皿にチキンライスを盛り、その上にカットしたポークカツをのせ、全体にホワイトソースをたっぷり注いだ一品です。

 チキンマカロニグラタンとは逆に、「ソースを食べているような」ホワイトソースたっぷりのポークカツのせチキンライスでした(笑)

(サクラライス(ポークカツ))
Photo_20260118105301

 ポークカツも肉厚でジューシーでした。

 チキンライスとポークカツとグラタンの全部のせのような料理で、大きな贅沢感と満足感が得られました。

 このサクラライスは、かつてローソンで「グリル末松監修 サクラライス」として販売されたこともあります(2015年11月、近畿限定)。

 その当時のパッケージには、「店主の思い出メニューを商品化。ケチャップライスにド~ンとトンカツをのせ たっぷりホワイトソースをかけました」と紹介されていました。

 なぜ「サクラライス」という料理名なのか、お店のウェブサイトなどでは紹介されていませんが、千﨑シェフが20代の頃、赤穂市のイタリアンレストラン「さくらぐみ」で働いておられたことから、このお店にちなんだ思い出の料理なのでしょう。

 意識して料理を眺めると、ホワイトソースが満開の桜のようにも見えます。

 赤穂のイタリアンレストラン「さくらぐみ」を皮切りに、洋食に惚れ込み、神戸の老舗洋食店「グリル一平」を経て開業された千﨑シェフ。

 千﨑シェフの料理は、夢と幸せとボリュームに満ちていました。


<関連サイト>
 「グリル末松」(神戸市中央区加納町二丁目1-9)
 「SAKURAGUMI(さくらぐみ)」(兵庫県赤穂市御崎2-1)
 「グリル一平」(新開地本店 神戸市兵庫区新開地二丁目5-5 リオ神戸2F ほか)

<関連記事>
 「神戸の洋食・船舶料理 -神戸市中央区「グリルミヤコ」のテールシチューと焼きプリン(洋食で皿の周囲にマッシュポテトが添えられる理由)-

<参考文献>
 「あまから手帖(2025年3月号)」クリエテ関西

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コメント

ヒレをヘレ、ハヤシをハイシというのはヒアリングの問題だと思いますが、
スパゲティナポリタンをスパゲッティイタリアンと呼ぶのは、イタリアの
メローニ首相からクレームがきそうですね (^^;;
ナポリタンはイタリアにないそうですから厳密にいうと、どっちもどっち
かな?
「むっちゃええ匂いすんなぁ」という褒め言葉は、食べ物屋さんにとって、
最高のCMになりますね(^_−☆
山盛りグラタン、こういうのをてんこ盛りと言ったりしませんか?

なーまん 様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

ナポリタンは、関西や名古屋ではイタリアンと呼ぶ人も多いようです。
本格イタリアンレストラン御出身のシェフが「イタリアン」と呼ばれるのですから、よほど洋食に愛着を持たれているのでしょう。
「グリル一平」でも「スパゲティ・イタリアン」と呼ばれているので、敬意を表しておられるのかも知れません。
ただ、イタリアンもナポリタンも本場イタリアにはなく、あくまでも日本の洋食の呼び名ですね(笑)

お店の外で順番を待っている時、お店の前を歩く人々がみんな「むっちゃええ匂いすんなぁ」とおっしゃったので、おかしくてたまりませんでした(笑)
もしかしたら、この人々はお店の宣伝のための「サクラ」かも、と思えるほど、みんな同じセリフをおっしゃってました(笑)

「山盛りグラタン」より「てんこ盛りグラタン」の方が的確で優れた表現ですね!
ということで、「てんこ盛り」に修正させていただきます(^^)/

500円のランチ!と一瞬驚いてしまいました。
さすがに今どき500円のランチなんてあるわけないか(^^;)
サクラライスはザ・洋食という感じでとっても美味しそうです。
これで1400円とはなかなかリーズナブルですね。
私にとってマカロニグラタンはホワイトソースを堪能するための料理、という位置づけなのでこれじゃ寂しいです(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

そうそう、私も一瞬同じことを思いましたよ。500円のランチが一番安いと(笑)
で、よく読むとライスとスープをセットで付けた場合のお値段でした。
ただ、こちらのお店はボリューム満点で、大盛りにしたら食べきれないほど提供されると思います。

サクラライス、こちらはチキンライスとポークカツとホワイトソースがいただける、欲張りでお得なランチです。
長崎のトルコライス、石川のハントンライス、福井のボルガライスなどと発想がよく似ています。
https://kojikin.air-nifty.com/blog/2019/01/---01d5.html

こちらのお店のマカロニグラタンは、ホワイトソースではなくマカロニが主役です。
マカロニたっぷりなので、グラタンだけでもお腹いっぱいになります。
ホワイトソースを堪能するなら、グラタンよりもサクラライスを注文した方がいいですね!(笑)

ご注文されたグラタンに、お皿の発注ミスがその一品を引き立てる味にもなってるんですね。
そんな盛りもりに、その中から何か現れてきそうなこわい想像をつい…
お店の入り口前に、あの交通安全看板「飛び出し坊や」のコックさんアレンジバージョン!
それ初めて見ました、飛び出し坊やアレンジマニアにはたまらないかも。
とっても行列のできるお店のようですので、交通安全注意坊やが、
お店の行列に乱れなく飛び出し注意で整理してる? ような印象です。。。

サウスジャンプ 様

サウスさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

グラタン皿の発注ミス。
最初はショックを受けられたでしょうが、それを受けてグラタンを大盛りにして提供される発想は、まさにピンチをチャンスに変えられた事例ですよね。
そのてんこ盛りグラタンの中から、サクラライスのようにまた別の料理が現れるとさらに面白いのですが(笑)

お店の写真、よく御覧いただき、ありがとうございます!
「飛び出し坊や」のお話は、私はJAFの特集で知りました。滋賀県が発祥のようですね。
https://tobidashibouya.com/
この「飛び出し坊や」に注目されるとは、サウスさんらしくて、素敵だなと思いました。
確かに、コックさんの飛び出し坊やは珍しいでしょうね。
こどもが(大人の)コックさんという設定はちょっと無理がありますから…(笑)
きっと行列の交通整理役でしょうね。
興味深いコメント、ありがとうございました!

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