マレーシア料理の特徴と主な料理1 -マレーシアの概要とマレーシア料理の特徴、マレーシアへの旅-
東南アジアの料理と言われて日本人が思い浮かべるのは、タイ料理やベトナム料理、それに次いでフィリピン料理やインドネシア料理、シンガポール料理…といったところでしょうか。
いずれにせよ、私を含めて、東南アジアの料理としてマレーシア料理を思い浮かべる人は少ないですし、代表的な料理と言われてもあまりピンとこない人が多いと思います。
マレーシア料理の特徴について理解するため、まずは東南アジア(インドシナ半島)全体の食文化の特徴を把握することからアプローチしたいと思います。
東南アジア(インドシナ半島)の食文化の特徴
東南アジア(インドシナ半島)の国々に共通してみられる食文化は、
①稲作が盛んで、米食文化であること
②肉よりも川や湖で豊富に採れる魚が主なたんぱく源であること
③魚醤やナレズシ(塩とごはんで発酵させたすし)など長期保存できる発酵食が多く作られること
④ココナッツミルクや果物が料理に多用されること
⑤インドの影響を受け、スパイス(香辛料)やハーブが使われること
⑥中国の影響を受け、中華鍋が普及し、麺料理も多いこと
⑦世界のほかの地域に比べ、昆虫食が多くみられること
などが挙げられます。
マレーシアの概要とマレーシア料理の特徴
東南アジア(インドシナ半島)の食文化の大きな特徴を把握した上で、マレーシアの概要とマレーシア料理の特徴についてまとめてみたいと思います。
マレーシアは赤道近く、熱帯雨林気候に属する国で、マレー半島とボルネオ島北部から成り立っています。
(マレーシア)
(帝国書院ウェブサイト「世界白地図 東南アジア」の一部を引用・加工)
首都はクアラルンプールで、日本との時差はマイナス1時間です。
「えっ、たった1時間?」と思いますが、マレーシアは東西に長い国なので、ボルネオ島北部と日本との距離で考えると納得できます。
(ちなみに、タイやインドネシアと日本の時差はマイナス2時間となります。)
マレーシア人は、マレー人、マレー人以外の先住諸民族、華人(中国系の海外移住者)、インド系の海外移住者など、多民族で構成されています。
マレー半島の南側に位置するマラッカ海峡は、古代から中国とインド、ペルシャを結ぶ交易路・海のシルクロードとして栄えました。
その拠点となったのがマレーシアの「マラッカ」でした。
マレーシアの歴史を簡単に御紹介します。
・イスラム教徒の鄭和(ていわ・チェンホー)がマラッカに寄港し、イスラム教が広まる(1405年)
・ポルトガルがマラッカ王国を占領(1511年)
・オランダがマラッカを占領(1641年)
・ペナン島をイギリスへ割譲(1786年)
・英蘭協約によりペナン、マラッカ、シンガポールが海峡植民地となる(1824年)
・海峡植民地から内陸へとイギリスの支配が内陸へと広がる(1896年)
・日本軍がマラヤと北ボルネオを占領(1941年)
・第二次世界大戦が終結し、マレーシアは再びイギリス領になる(1945年)
・イギリスからマラヤ連邦が独立(1957年)
・マラヤ連邦にシンガポール、サバ、サラワク州を加え、マレーシアとなる(1963年)
・シンガポールがマレーシアから離脱・独立し、現在のマレーシアとなる(1965年)
こうしてみると、マレーシアは地理的・歴史的に、中国、ポルトガル、オランダ、イギリス、日本など様々な国から影響を受け、多様な民族や文化が共存して発展してきた国だということがわかります。
そのため、言語もマレー語が公用語ですが、英語や中国語(マンダリン)も使われますし、宗教においてもイスラム教が国教とされつつ、仏教、キリスト教、ヒンズー教、道教などの信者も一定の割合でおられます。
食文化も多種多様です。
マレー人の多くはスマトラ島(インドネシア)のミナンカバウを祖先の地とするため、マレー料理の中核はスマトラ料理を引き継いだものとなっています。
そしてこのマレー料理以外にも、地理的・文化的・歴史的背景から、中国料理、インド料理、ニョニャ料理(※)、さらにはイギリス料理(アフタヌーンティー)やポルトガル料理(クリスタン料理)に至るまで、マレーシアには様々な国の料理が混在しています。
※ニョニャ料理…マレーシアへ移住した中国人と現地(マレー)の人々の交流から生まれたマレーシア料理と中国料理の融合料理。
また、イスラム教、ヒンズー教、仏教など宗教によってタブーとされる食が異なるため、食習慣も様々です。
マレーシアは外食文化が浸透しており、日常の食事を外食で済ませる人が多いため、こうした様々な国・文化の料理店があります。
街の屋台・夜市(パサーマラム)もマレー料理だけでなく、中華系やインド系の料理も提供されています。
マレーシア料理は、シンガポール料理やインドネシア料理と一緒、もしくはとても近い関係にあるため、日本ではシンガポール料理・インドネシア料理として知られる(紹介される)料理がたくさんあります。
サテ(串焼き)、ルンダン(牛肉のココナッツミルク煮込み)、バクテー(肉骨茶、骨付き豚肉の煮込み・薬膳スープ)など、インドネシア料理やシンガポール料理としてよく知られる料理は、実は代表的なマレーシア料理でもあるのですが、マレーシア料理として紹介されることはあまり多くありません。
こうしたことも、日本でマレーシア料理があまり知られていない理由の1つとなっています。
答えはマレーシアにある(マレーシアへの旅)
この度、私はマレーシアで現地の食文化を学んでくることにしました。
2026年2月19日から23日にかけて5日間の旅です。
福岡空港からタイのスワンナプーム国際空港経由(乗継ぎ)でマレーシアのクアラルンプール国際空港へ向かいます。
クアラルンプールで3泊し、往路と同じ方法で広島へ戻る予定です。
(マレーシアへの行程)
※画像をクリックすると拡大します。
(帝国書院ウェブサイト「世界白地図 東南アジア」の一部を引用・加工)
今回はツアーガイドなし、オプショナルツアーなしの1人旅です。
国内旅行は慣れてきたものの、海外旅行となると、言葉や文化の壁など、条件がかなり違ってくるので、期待と不安が入り混じっているのが本音です。
海外旅行へ行こうと思ったきっかけは、昨年夏に職場で旅行券を貰ったことにあります。
まとまった金額だったので、これは「海外旅行へ行けということだろう」と勝手に解釈し、当ブログでまだ御紹介したことのないマレーシア料理を求めて、マレーシアを訪問することにしました。
旅行代理店で航空券と宿泊施設の手配をお願いしました。
ひととおり手続きを終えた後、旅行代理店の方から「なぜマレーシアへ行こうと思われたのですか?」と尋ねられたので、私は「マレーシアは様々な食文化が混在し、いろんな料理に出会えるからです」とお答えしました。
食を知ることがメインなので、観光名所へはほとんど行かないと思います(笑)
慣れない海外旅行での一人旅ですので、皆様に御紹介できるほどの食の取材ができないかも知れませんが、私としては、とりあえず行って無事帰ってくることを目標にしたいと思います。
しばらく留守にさせていただきますが、よろしくお願い申し上げます。
※今回は日曜日の更新をお休みさせていただきます。
<関連記事>
「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「マレーシア料理」を御参照ください。
<参考文献>
石毛直道「世界の食べもの 食の文化地理」講談社学術文庫
沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会
柳澤順子「魅惑の食文化 クアラルンプール・マラッカ・イポー」東京ニュース通信社

























































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