日本各地の食文化

2026年2月15日 (日)

宮城の食文化探訪2 -ずんだしるこ・ミニあんみつ・黒砂糖まんじゅう-

 2025年12月末に、宮城県を訪問しました。

 広島空港から空路で仙台空港を目指しました。

 広島空港を夕方に出発する便で、出発前に時間に余裕があったので、展望デッキから飛行機を眺めました。

(広島空港に到着したIBEX・CRJ700)
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 折り返し仙台空港へ向かうIBEX(アイベックス)エアラインズのCRJ700機が広島空港に到着しました。

(広島空港とIBEX・CRJ700)
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 ブリッジに近づくCRJ700機です。

 このあと、この飛行機に乗って仙台空港へ向かいました。

 夜、仙台空港に到着しました。

(仙台空港とIBEX・CRJ700)
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 仙台空港駅からは仙台空港アクセス線を利用しました。

 出発時刻が近づくまで仙台空港駅構内を散策していると、記念撮影スポットがありました。

(仙台空港アクセス線と鉄道むすめ「杜みなせ」)
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 仙台空港アクセス線の列車と、仙台空港アクセス鉄道で運輸指令員を務める「杜 みなせ(もり みなせ)」さんです。

(仙台空港アクセス線・仙台空港駅)
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 その後、列車に乗って、仙台駅へと向かいました。


ずんだしるこ

 翌日、仙台市の繁華街「一番町」を訪問しました。

 仙台三越の向かいに和菓子店「玉澤総本店 一番町店」があります。

(玉澤総本店・一番町店)
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 こちらのお店の喫茶コーナーで「ずんだ」の甘味(かんみ)がいただけるということで訪問しました。

 「ずんだ」は、茹でた枝豆をすりつぶし、砂糖などで甘みをつけたお菓子(あんこの一種)です。

 席を御案内いただき、メニューブックを見ると、「ずんだ」を使った甘味として「ずんだ餅」や「ずんだみつ豆」がありました。

 そしてさらにメニューを読み進めると、冬季限定で「ずんだしるこ」が提供されていることがわかりました。

 仙台をはじめとする東北で有名な「ずんだ餅」を食べることが目的だったのですが、「ずんだしるこ」という味わったことのない「おしるこ」にも興味を持ち、こちらをいただくことにしました。

 セットメニューも用意されており、プラス250円でセットドリンクを付けていただけることがわかりました。

 そのセットドリンクは、ホットコーヒー、アイスコーヒー、紅茶、アイスティー、ミニ抹茶、ミニあんみつの中から選べるようになっていました。

 「えっ、ミニあんみつも選べるんだ!」

 甘味とミニ甘味のダブルセット。

 これは甘党には嬉しいサービスだと思い、「ミニあんみつ」をセットでお願いしました。

 お店の方から「(ずんだしるこは)10分程度お時間をいただきますが、よろしいでしょうか」とお話がありました。

 私はむしろ、時間をかけて作ってくださることに好感を持ちました。

 しばらく店内で過ごしていると、「ずんだしるこ」が運ばれてきました。

(ずんだしるこ・塩昆布)
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 塩昆布が付いているところは、小豆の「おしるこ」と一緒です。

 続いてセットの「ミニあんみつ」も御用意いただきました。

(ずんだしるこ(セット・ミニあんみつ))
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 「やった!」

 おしることミニあんみつが並んだ、夢のようなセットです。

(ずんだしるこ)
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 「ずんだしるこ」は、ずんだの汁気を多くし、コトコト煮た「おしるこ」です。

 薄緑色で、見た目も美しいおしるこです。

 朱塗りのスプーンですくっていただくと、ずんだのさわやかな香りと濃厚なコクを感じ、「本場のずんだって、こんなに美味しいんだ」と目が覚める思いがしました。

 ずんだの風味を生かすべく、ほのかな甘さで仕上げられていました。

 こんがりと焼かれたミニ角餅も相性抜群でした。

 まぁ、冷静に考えると、ずんだ餅とほぼ一緒なので、当然と言えば当然なのですが(笑)


ミニあんみつ

 続いてミニあんみつをいただきました。

(ミニあんみつ)
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 寒天、赤えんどう豆、白玉団子、果物、そして小豆のあんこが盛り付けられています。

 黒蜜も美味しかったので、寒天や白玉団子にたっぷりかけていただきました。

 「ずんだしるこ」をいただきながら、小豆のあんこも恋しく思ったのですが、さすが和菓子屋さん、小豆あんも美味しく、ずんだと小豆あんを一度に楽しむことが出来ました。


黒砂糖まんじゅう

 「玉澤総本店」は「黒砂糖まんじゅう」が看板商品と伺ったので、喫茶を済ませたあと、店舗でこのまんじゅうを購入しました。

(黒砂糖まんじゅう)
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 一般的には「黒糖まんじゅう」と呼ばれていますが、こちらのお店では「黒砂糖まんじゅう」と呼んでおられるところに、自信と誇りを感じました。

(黒砂糖まんじゅう(あんこ))
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 まんじゅうの生地はもっちりとして黒砂糖の風味が楽しめ、中のあんこ(こしあん)はさらりとした食感で、上品な甘さでした。

 ずんだ(しるこ)と同様、一瞬にしてファンになり、また仙台へ伺うことがあればぜひ味わいたいと思いました。

 仙台で黒砂糖を使ったお菓子と言えば、以前当ブログで御紹介した「賣茶翁(ばいさおう)」の「みちのくせんべい」も黒糖のおせんべいです。

 いずれのお菓子も、仙台(御出身)の方はよく御存知のお菓子だと思います。

 お土産や手土産にすると喜ばれること間違いなしです。


<関連サイト>
 「杜の菓匠 玉澤総本店」(一番町店 仙台市青葉区一番町四丁目9-1 ほか)

<関連記事>
 「宮城の食文化探訪1 -宮城県仙台市 「賣茶翁」のみちのくせんべいと「立ちそば処 杜」の鶏から揚げそば-
 「萩の調 釉(はぎのしらべ ゆう) -仙台「菓匠三全」の東京限定お菓子-

2026年2月 8日 (日)

加賀・能登の和菓子図鑑 -たにぐち「おだまき」・中浦屋「水ようかん」・梅屋常五郎「豆あめ・大豆飴」・まつ井「栗ひとつ」・圓八「あんころ餅」・たなつや「じろ飴のきんつば」・森八「ひゃくまんさんもなか」・竹内「みそまんじゅう」-

 石川県(加賀・能登)には和菓子を中心としたお菓子がたくさんあります。

 これは、江戸時代に加賀藩が奨励した茶道文化が大きく影響しています。

 そんな石川県(加賀・能登)の和菓子をいくつか御紹介したいと思います。


御菓子司たにぐちの「おだまき」

 志雄(現在の石川県羽咋市)は、越中・能登・加賀を結ぶ宿場町として栄え、麻の一種「芋麻(ちょま)」が多く取り扱われました。

 その芋麻(ちょま)から作られた「おだまき(苧環、紡いだ麻糸を丸く巻いたもの)」は、志雄の人々にとって馴染み深いものとなりました。

 やがて、その「おだまき」に見立てた餅菓子が志雄の名物となり、今に伝えられています。

(御菓子司たにぐち「おだまき」(包装))
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 こちらが「御菓子司たにぐち」の「おだまき」です。

 ピンク色が「無花果(いちぢく)あん」、白色が基本の「つぶあん」です。

(御菓子司たにぐち「おだまき」)
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 確かに三角形の糸巻きに見えます。

(御菓子司たにぐち「おだまき」(中身))
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 お餅は上新粉で作られているため、団子に似たプルプルとやわらかい食感が楽しめます。

 今回は「無花果あん」と「つぶあん」をいただきましたが、ほかにも「よもぎ」、「黒米・くるみ」、「さくら」、「冷やしずんだ」、「能登栗」、「金沢柚子」、「抹茶」など、季節ごとに様々な種類の「おだまき」が用意されています。


中浦屋の「水ようかん」

 北陸地方では、冬に「水ようかん」を食べる風習があります。

 柚子(ゆず)を使ったお菓子「柚餅子(ゆべし)」で有名な「中浦屋」の水ようかんを入手しました。

(中浦屋「水ようかん」)
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 水分を多く含む水ようかんは、ようかん(羊羹)よりもあっさり・なめらかな食感で、その分たっぷりといただくことができます。


梅屋常五郎の「豆あめ」・「復刻版大豆飴(まめあめ)」

 「豆あめ」は、きな粉と求肥粉を水飴で練って固めたお菓子で、能登(石川県七尾市)の名物です。

(梅屋常五郎「豆あめ」(包装))
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 「うぐいす粉」と呼ばれる「青きな粉(青大豆の粉)」が使われているため、緑色をしています。

 和菓子の「州浜(すはま)」と同じお菓子です。

(梅屋常五郎「復刻版大豆飴 さいころ」(包装))
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 こちらは同じお店の「復刻版大豆飴(まめあめ)」というお菓子です。

 「復刻版大豆飴(まめあめ)」は、「豊太閤前田邸御成記」に前田利家が豊臣秀吉に献上したという記録をもとに、当時調達されたであろう素材に限定して再現された大豆飴です。

 地元産大豆を挽いたきな粉と麦芽糖水飴が用いられています。

 表面にふりかける砂糖も控えめにされており、その分、きな粉の香り豊かな大豆飴に仕上げられています。

(梅屋常五郎「復刻版大豆飴 さいころ」(個包装))
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 キャンディのように1つ1つ紙で個包装されています。

(梅屋常五郎「復刻版大豆飴 さいころ」)
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 写真右の緑色が「抹茶」、写真左手前が「ドライフルーツ」、写真左奥が「柚子」と、3種類の味があります。

 「抹茶」は、生地に大納言小豆を混ぜ込み、抹茶をまぶした大豆飴です。

 「ドライフルーツ」は、生地に細かく刻んだドライフルーツを混ぜ込み、シナモンパウダーをまぶした大豆飴です。

 「柚子」は、生地に柚子の果肉を混ぜ込み、砂糖をまぶした大豆飴です。


菓匠まつ井の「栗ひとつ」

 石川では、様々なお店で「栗蒸し羊羹」が販売されています。

 「菓匠まつ井」では、個包装の栗蒸し羊羹が販売されています。

(菓匠まつ井「栗ひとつ」(包装))
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 「菓匠まつ井」の「栗ひとつ」です。

 竹の皮に包んで蒸した栗蒸し羊羹です。

(菓匠まつ井「栗ひとつ」)
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 蒸し羊羹の中に、栗が丸ごと一粒入っていました。

 羊羹が1つ1つ竹皮に包まれ、竹皮のひもで結ばれており、丁寧なお仕事が垣間見れました。


圓八の「あんころ餅」

 金沢駅で人気のお土産の1つに「圓八(えんぱち)」の「あんころ餅」があります。

(圓八「あんころ餅」(包装))
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 「圓八あんころ餅」と記載されています。

 材料は、砂糖、小豆、もち米、赤竹小豆、食塩、酵素と、極めてシンプルです。

(圓八「あんころ餅」)
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 竹皮に一口サイズ(9等分)に切れ目が入ったあんころ餅が包まれており、竹串も用意されています。

 甘さ控えめで多少パサッとしたこしあんと、とてもやわらかくて粘りのあるお餅の組合せが絶妙なあんころ餅です。


粟津屋の「長まし」

 「長まし」は、石川県七尾市で毎年ゴールデンウィークに開催される能登で一番盛大なお祭り「青柏祭」に欠かせない餅菓子(あん餅)です。

(粟津屋「長まし」(パック))
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 小判形の餅の中に、あんこ(こしあん・つぶあん)が入っています。

(粟津屋「長まし」)
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 お祭りやお祝いの時に食べられる餅なので、餅の先っぽが赤や緑で色付けされています。

 広島県呉市にも、お祭りの時期に作られる、あん餅の表面に着色したもち米を付けた「いが餅」と呼ばれる餅菓子がありますが、こうした餅菓子は全国にあります。
 (石川県輪島市には「えがらまんじゅう・えがらもち」と呼ばれる餅菓子がありますが、これも「いが餅」から転じた名称だと思います。)

(粟津屋「長まし」(あんこ))
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 この「長まし」には、こしあんが入っていました。


たなつやの「じろ飴のきんつば」

 「じろ飴」は、米と麦芽(大麦の芽)を混ぜ、糖化させた穀物由来の甘味料です。

 その「じろ飴」を使った「きんつば」がありました。

(たなつや「じろ飴のきんつば」(包装))
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 能登地方で採れる大粒の小豆「能登大納言」も使われており、石川ならではの「きんつば」に仕上げられています。

(たなつや「じろ飴のきんつば」)
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 この切り口からも、能登大納言のいかに大きい粒かおわかりいただけると思います。

 「じろ飴」の優しい甘みが生かされたきんつばです。

 金沢のきんつばと言えば「中田屋のきんつば」も有名ですが、中田屋のきんつばにも大粒の能登大納言が使われています。


森八の「能登の宝のあんのお手作りもなか」

 石川県観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」と加賀の老舗和菓子店「森八」のコラボレーション商品を御紹介します。

(森八「能登の宝のあんのお手作りもなか」(箱))
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 包装紙の中心に描かれているのが「ひゃくまんさん」です。

(森八「能登の宝のあんのお手作りもなか」(箱の中))
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 中には、ひゃくまんさんが描かれた最中の皮とあんこが詰められていました。

(「能登の宝のあん」と「もなか」)
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 「能登の宝のあん」の小豆は「能登大納言」が使われています。

 私ぐらいのあんこ好きになると、あんこだけをそのままパクパクいただくことも可能です(笑)

(能登の宝のあんのお手作りもなか)
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 最中の皮にその都度あんこを詰めていただけるタイプなので、パリッとした皮の香ばしさも楽しむことができます。


竹内の「みそまんじゅう」

 最後に、イチオシの能登のお菓子を御紹介します。

 竹内の「みそまんじゅう」です。

(竹内「みそまんじゅう」(箱))
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 名称どおり、皮に味噌が使われたまんじゅうです。

(竹内「みそまんじゅう」(箱詰め))
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 最初の印象は「えっ、味噌のまんじゅう?」という感じでしたが、食べる回数が増えるにつれて、その甘じょっぱい味と白あんのハーモニーが忘れられなくなり、ハマってしまいました。

(竹内「みそまんじゅう」)
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 ほんのりと味噌の香りがする甘じょっぱい生地と、ほどよい甘さの白あんが絶妙に合う、能登の素朴なまんじゅうです。


<関連サイト>
 「御菓子司たにぐち」(石川県羽咋郡宝達志水町荻市9-1)
 「中浦屋」(石川県輪島市河井町わいち4部97番地)
 「梅屋常五郎」(本店 石川県七尾市作事町1番地)
 「菓匠まつ井」(石川県金沢市此花町9-16)
 「圓八」(本店 石川県白山市成町107番地)
 「粟津屋」(石川県七尾市寿町83)
 「たなつや」(石川県金沢市木ノ新保町1-1 金沢百番街 あんと内)
 「あめの俵屋」(石川県金沢市小橋町2-4)
 「きんつば中田屋」(元町店 石川県金沢市元町二丁目4番8号)
 「森八」(本店 石川県金沢市大手町10-15)
 「ひゃくまんさん」(ひゃくまんさん公式ホームページ)
 「みそまんじゅう本舗 竹内」(石川県七尾市田鶴浜町を部14番地)

<関連記事>
 「石川の冬・正月を代表するお菓子 -水ようかん・福梅-
 「小田巻蒸し(おだまきむし)-小田巻蒸しの由来と「道頓堀今井」の小田巻むし-
 「近代日本における西洋料理の受容と和洋折衷料理の誕生 -ハントンライス(石川県金沢市)とボルガライス(福井県越前市)-

2026年1月18日 (日)

神戸の洋食-神戸市中央区「グリル末松」のチキンマカロニグラタンとサクラライス-

 神戸は幕末から明治の時期に開港して以来、外国船の往来する「みなとまち(港町)」として発展してきました。

 それは料理界において、外国人向けホテルや外国船の料理人を通じて神戸に洋食が広まり、発展することにもつながりました。

 そのため、神戸には洋食店がたくさんあります。

 今回は、神戸で人気の洋食店「グリル末松」の料理を御紹介します。


神戸の洋食店「グリル末松」

 「グリル末松」は、三ノ宮(三宮)駅と新神戸駅を結んだほぼ中間地点にあります。

 平日の11時頃に訪問したのですが、すでにお客さんが数名並んでおられました。

(「グリル末松」店舗)
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 開店時刻は11時30分ですが、11時過ぎには待っているお客さんにメニューが回され、開店15分ぐらい前には、千﨑智平オーナーシェフがお客さんの人数を確認し、予約簿に記入されていました。

 その千﨑シェフが私に「2巡目になりますが、よろしいですか?」と尋ねられたので、お受けしました。

 その後、私の前に並んでおられたお客さんから、「ランチタイムメニュー」や「順番待ちの注意事項」が回ってきました。

(順番待ちの注意事項)
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 この順番待ちのマナーやルールを記した注意事項は、ランチタイムにはいつもお客さんの長い行列ができることを物語っていました。

(グリル末松・メニュー看板)
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 お店の入口にあるメニュー看板を見ると、(関西の)洋食店ならではの料理名(表現)もありました。

 例えば「ヒレ(肉)」は「ヘレ(肉)」、「ミンチカツ」は「メンチカツ」、「スパゲティナポリタン」は「スパゲッティイタリアン」、「ハヤシライス」は「ハイシライス」といった具合です。

 東京の「新宿中村屋」で「カレー」を「カリー」と呼ばれているのもそうですが、こうした料理名・表現の方が「伝統的な洋食の趣き」を感じます。

(ランチタイムメニュー)
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 こちらは平日限定の「ランチタイムメニュー」です。

 この時点で、すでに約30人のお客さんの列ができていました。

 開店と同時に1巡目のお客さんが入店しました。

 その後、店員さんがあらかじめ注文を聞きに来られたので、私は「チキンマカロニグラタン」と「サクラライス」を注文しました。

 順番を待つ間、お店の前を歩く人々が決まり文句のように「むっちゃええ匂いすんなぁ」とおっしゃっていたのが、関西らしくていいなと思いました。

 1巡目のお客さんが食事を終えられた頃、私の名前が呼ばれ、お店に入ることが出来ました。

 カウンター席に御案内いただきました。

 カウンターには、できるだけスピーディーにランチを提供できるよう、ランチ皿が積み上げられていました。

(カウンターに用意されたランチ皿)
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 その後、冷水、おしぼり、カトラリーが用意されました。

 箸置きは海老フライのデザインでした。

(海老フライの箸置き)
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 この箸置きは千﨑シェフの手作りで、海老フライのほか、ビーフカツ、ポークカツ、オムライス、そして千﨑シェフ御自身をデザインされたものまであります。

 このうち、千﨑シェフ御自身を模した箸置きは、お店に2個しかなく、「ラッキー箸置き」と呼ばれています。

(ラッキー箸置きの紹介)
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 「センザキー」の「ラッキー箸置き」に当たれば、その日はいいことあるかも(笑)


ランチスープ(トマトスープ)

 食事は、最初にスープが運ばれてきました。

(ランチスープと粉チーズ)
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 ランチのスープは、トマトスープと玉子スープがあり、この日はトマトスープでした。

 スープに粉チーズをまぶすとコクが増し、さらに美味しくいただけました。


チキンマカロニグラタン

 スープを飲み終えた頃、チキンマカロニグラタンが提供されました。

(チキンマカロニグラタン)
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 見てください、てんこ盛りグラタンです!

 千﨑シェフが「ソースを食べているみたいなグラタンがあまり好きじゃない」ことから、マカロニやチキンなど具だくさんのグラタンに仕上げられています。

 グラタン皿に山盛りにされている理由はもう1つあって、実は皿の発注ミスで小さめのサイズのグラタン皿が納品されたため、その皿に1人前のグラタンを盛り付けたところ、山盛りになったのだそうです(笑)

 マカロニ、チキン、玉ねぎ、角切りベーコン、マッシュルームなどの具材にホワイトソースを絡めて焼き上げた(という表現の方がぴったりな)、ボリュームも美味しさも満点のグラタンでした。


サクラライス

 ほどなくしてサクラライスも運ばれてきて、目の前のテーブルが賑やかになりました。

 サクラライスは、チキンライスの上にポークカツをのせ、特製ホワイトソースをかけたオリジナルメニューです。

(サクラライス)
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 ホワイトソースたっぷりで、チキンライスとポークカツの存在がわかりません(笑)

 隣で体格の良い男性が召し上がっていたオムライスの大きさにも驚いたのですが、どの料理もボリュームがすごく、こうしたところも人気の理由だと思いました。

 ホワイトソースをスプーンでかき分け、チキンライスとポークカツを確認しました。

(サクラライス(チキンライスとポークカツ))
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 お皿にチキンライスを盛り、その上にカットしたポークカツをのせ、全体にホワイトソースをたっぷり注いだ一品です。

 チキンマカロニグラタンとは逆に、「ソースを食べているような」ホワイトソースたっぷりのポークカツのせチキンライスでした(笑)

(サクラライス(ポークカツ))
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 ポークカツも肉厚でジューシーでした。

 チキンライスとポークカツとグラタンの全部のせのような料理で、大きな贅沢感と満足感が得られました。

 このサクラライスは、かつてローソンで「グリル末松監修 サクラライス」として販売されたこともあります(2015年11月、近畿限定)。

 その当時のパッケージには、「店主の思い出メニューを商品化。ケチャップライスにド~ンとトンカツをのせ たっぷりホワイトソースをかけました」と紹介されていました。

 なぜ「サクラライス」という料理名なのか、お店のウェブサイトなどでは紹介されていませんが、千﨑シェフが20代の頃、赤穂市のイタリアンレストラン「さくらぐみ」で働いておられたことから、このお店にちなんだ思い出の料理なのでしょう。

 意識して料理を眺めると、ホワイトソースが満開の桜のようにも見えます。

 赤穂のイタリアンレストラン「さくらぐみ」を皮切りに、洋食に惚れ込み、神戸の老舗洋食店「グリル一平」を経て開業された千﨑シェフ。

 千﨑シェフの料理は、夢と幸せとボリュームに満ちていました。


<関連サイト>
 「グリル末松」(神戸市中央区加納町二丁目1-9)
 「SAKURAGUMI(さくらぐみ)」(兵庫県赤穂市御崎2-1)
 「グリル一平」(新開地本店 神戸市兵庫区新開地二丁目5-5 リオ神戸2F ほか)

<関連記事>
 「神戸の洋食・船舶料理 -神戸市中央区「グリルミヤコ」のテールシチューと焼きプリン(洋食で皿の周囲にマッシュポテトが添えられる理由)-

<参考文献>
 「あまから手帖(2025年3月号)」クリエテ関西

2025年12月14日 (日)

神戸のモーニング・パン・レモンケーキ -元町サントスのモーニング、コム・シノワのパン・レモンケーキ、フロインドリーブのクロワッサン-

「元町サントス」のモーニング

 朝、神戸・元町商店街沿いにある喫茶店「元町サントス」でモーニングをいただきました。

(元町サントス店舗)
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 炭火焙煎珈琲神戸の「萩原珈琲(ハギハラコーヒー)」の直営店です。

 お店の入口で面白い看板を見つけました。

(珈琲・珊都異知の看板)
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 「珈琲」、「珊都異知」と書かれたレトロな看板です。

 一瞬「珊都異知」って何だろうかと思いましたが、併記された「SANDWICH」で、「サンドイッチ」と読むことが理解できました。

 お店に入った瞬間、珈琲の良い香りがしました。

 店内は常連さんが多く、皆さんそれぞれ新聞や雑誌を読みながら朝の一杯・ひとときを楽しんでおられました。

 モーニングは、「Aモーニング」(トースト・ハムエッグ・サラダ・フルーツとドリンクのセット)と、「Bモーニング」(ミニサンドウィッチとドリンクのセット)の2種類が用意されていました。

 「珊都異知」に興味を持った私は、「Bモーニング」を注文しました。

 お店の方へ、モーニングのドリンクは「ホットコーヒーで」と注文したのですが、後になって、スマートに「ホットで」と注文すればカッコよかったな…と少し後悔しました。

 関西の喫茶店では、「濃いめのコーヒーが提供される」、「ホットコーヒー(ブレンドコーヒー)は「ホット」と呼ばれる」傾向にあるからです。

(Bモーニング)
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 こちらが珊都異知と珈琲がセットになった「Bモーニング」です。

 塩とコショウも用意していただきました。

 コーヒーは、濃いめで香り高く、深みとコクを感じました。

 砂糖やミルクを加えていただくのもおすすめです。

 続いて、サンドウィッチをいただきました。

 サンドウィッチは、玉子とキュウリの「玉子サンド」と、ハム・トマト・レタスの「ハムサンド」が一緒にサンドされた豪華版でした。

 濃いめのコーヒーと実によく合いました。

 ふと周りを見渡すと、常連客の方がサンドウィッチにコショウをふりかけて召し上がっていました。

 試しに私もサンドウィッチにコショウをふりかけてみました。

(ミニサンドウィッチ(コショウがけ))
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 「こっこれは…」

 挽いたコショウのさわやかな香りが加わり、驚くほど美味しさが増しました。

 「サンドウィッチのコショウがけ」おすすめです。

 食事後、お店を出て街を散策すると、すぐ近くに中華街がありました。

(神戸・南京町(中華街))
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 元町と中華街が隣接しており、横浜とよく似ているなと思いました。


「コム・シノワ」のパン・レモンケーキ

 神戸の繁華街・三宮を少し南へ歩いたところに、「コム・シノワ」というパン・洋菓子・カフェのお店があります。

(コム・シノワ店舗)
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 朝早くから開店されており、店内で朝食をいただくこともできます。

 「コム・シノワ」は、1983年に、神戸・南京町(中華街)でフランス料理店「ビストロ コム・シノワ」としてオープンされました。

 「コム・シノワ(comme chinois)」はフランス語で「中国風の、中国のような」という意味になりますが、こちらの「コム・シノワ」という店名も、創業地である南京町(中華街)にちなんで命名されたのではないかと思います。

 お店に入ると、ブーランジェリー(パン)とパティスリー(お菓子)のコーナーがあり、その奥にカフェのコーナーがあります。

 私はカスクルートとコーヒーを注文し、カフェでいただきました。

(カスクルートとコーヒー)
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 カスクルートは、バゲット(フランスパン)にスイスチーズとロースハムを挟んだサンドイッチです。

 バゲットは、皮はパリパリで香ばしく、クラム(パンの中身)はしっとり柔らかで、かたいだけのフランスパンとは一線を画した、サンドイッチにも適したパンでした。

 パンを美味しくいただくためのサンドイッチという感じがしました。

 カフェで食べるパンはバスケットに入れて提供されるのですが、複数人でいろんなパンを購入し、それらのパンをみんなで分けながら召し上がっておられる方々を多く見かけました。

 パンをハサミで半分にカットして召し上がっておられる様子を見て、「関西ではハサミまで持参して来るお客さんがおられるのか」と驚いたのですが、店内をよく観察すると、カフェの一角にパン切りばさみが用意されていました。

(パン切りばさみ)
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 好みの惣菜パンや菓子パンをいくつか選んで、みんなでシェアしながら食べるのも「コム・シノワらしい」食事スタイルとなっています。

 テーブルにバターやオリーブオイルの案内がありました。

(バター・オリーブオイルの案内)
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 「イズニーバター」が気になったので、パンと一緒に購入しました。

(パン・コンプレとイズニーバター)
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 「パン・コンプレ」と「イズニーバター」です。

 「パン・コンプレ」は、全粒粉で作られたハード系のパンです。

 全粒粉が使われた「完全な(コンプレ、コンプリート)」パンという意味を持ちます。

 「イズニーバター」はA.O.P.(原産地呼称保護)認定を受けた発酵バターです。

 パン・コンプレにイズニーバターを塗っていただきました。

 パン・コンプレは、外はサクサク、中はしっとりとしたパンで、全粒粉の旨みを感じました。

 イズニーバターは発酵バターならではの、フレッシュで、ミルク風味が感じられる、優しい塩味のバターでした。

 パン・コンプレにフレッシュな味わいのイズニーバターがよく合いました。

 店内の焼菓子のコーナーにレモンケーキが並んでいたので、レモンケーキも購入しました。

(コム・シノワのレモンケーキ)
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 横約7cm、幅約5cm、高さ約3.5cmの標準的なサイズです。

 レモン果汁をたっぷり含ませたアイシングがなされています。

(コム・シノワのレモンケーキ(中身)
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 ケーキ生地の中には、大きめにカットされたレモンピールが入っていました。

 きめ細かなケーキ生地は、甘さ控えめで、しっとりしたチーズケーキのような味わいでした。

 チーズケーキのような味わいは、生地にサワークリームが使われていることにあるようです。

 レモンケーキがお好きな方には、ぜひ味わっていただきたい一品です。


「フロインドリーブ」のクロワッサン

 三宮を新神戸駅方面に少し北へ上がった場所に、神戸の老舗ベーカリー「フロインドリーブ」があります。

 「フロインドリーブ」は、第一次世界大戦中に日本軍の捕虜として来日したハインリッヒ・フロインドリーブが1924年に神戸で開業したベーカリーです。

 ハインリッヒ・フロインドリーブは、敷島製パン(Pasco)の初代技師長を務めるなど、日本に本格的なドイツパンを広めた人物として有名です。

(フロインドリーブ店舗)
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 フロインドリーブの店舗は、教会を改装して作られています。
(フロインドリーブの看板がなければ、見た目は教会そのものです。)

(フロインドリーブ店舗・中庭)
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 ガーデニングがなされ、ベンチが設置された中庭もあります。

(フロインドリーブ看板(登録有形文化財・BELCA賞))
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 文化庁の登録有形文化財に指定され、公益社団法人ロングライフビル推進協会が主催する建築賞「BELCA賞」(ベストリフォーム部門)を受賞した建物です。

 テレビ「名建築で昼食を」の候補として推薦したいお店です。

 建物内に、フロインドリーブ創業100年を記念して作られた歴史年表「フロインドリーブのあゆみ」が展示されていました。

(フロインドリーブのあゆみ(創業100周年))
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 建物は1階がパン・洋菓子を販売するショップ、2階がカフェとなっています。

 1階のショップでクロワッサンを購入しました。

(フロインドリーブのクロワッサン(ケーキ箱))
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 クロワッサンを2個購入しただけなのに、ケーキ箱に詰め、立派な紙袋に入れてくださいました。

(フロインドリーブのクロワッサン)
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 フロインドリーブのクロワッサンは、リボンのような独特な形をしています。

 バターをたっぷり使い、パイのように何層にも折り込んだデニッシュ生地(プルンダー生地)が使われていて、表面はパリパリ、中はサックリした食感のクロワッサンです。

 バター風味豊かで、香ばしい、フロインドリーブの看板商品の1つです。

 私は初めてフロインドリーブを訪問した時、お店の方に少しわがままを言って、1階のショップで購入したクロワッサンを、2階のカフェで提供していただきました。

 2階のテーブル席で待っていると、お店の方がクロワッサンを温め、皿に盛って提供してくださいました。

 1つの料理・芸術作品のように思えたので、手づかみではなく、ナイフとフォークでいただきました。

 クロワッサンをフォークで押さえ、ナイフでカットして食べようと試みたところ…クロワッサンが皿の上で滑り、勢い余ってテーブルの外に飛んでいってしまいました(笑)

 かろうじて、ナイフで押さえていたクロワッサンを味わうことができましたが…。

 上品に振る舞うつもりが、逆に下品な振る舞いになってしまった苦い思い出があります。(フロインドリーブの皆様、申し訳ございません。)

 フロインドリーブのクロワッサン。
 
 ぜひ、手で持ってガブリと、その美味しさを直に味わってみてください。


<関連サイト>
 「元町サントス(インスタグラム)」(神戸市中央区元町通2-3-12)
 「萩原珈琲」(神戸市灘区城内通1-6-18)
 「コム・シノワ」(本店 神戸市中央区御幸通7-1-15 三宮ビル南館地下)
 「フロインドリーブ」(神戸市中央区生田町4-6-15)
 「Pasco(敷島製パン)の沿革」(Pasco・敷島製パン)

<関連記事>
 「神戸・元町の老舗喫茶店・神戸エビアンコーヒーの「アサビアン」(モーニング・ロールパンセット)

2025年9月28日 (日)

北海道の食文化探訪7 -北海道函館市・ラッキーピエロの「チャイニーズチキンバーガー・ラキポテ・ウーロン茶」とカリフォルニアベイビーの「シスコライス」-

 2025年3月9日、北海道函館市を訪問しました。

 函館市電の谷地頭行きに乗り、函館ベイエリアに近い十字街電停で下車しました。

(函館市電(十字街電停))
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 今回は、函館ベイエリアにある函館のご当地料理を御紹介します。


ラッキーピエロの「チャイニーズチキンバーガー」

 函館市のベイエリアにある「ラッキーピエロ・ベイエリア本店」に伺いました。

(ラッキーピエロ・ベイエリア本店)
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 「ラッキーピエロ」は、地元では「ラッピ」の愛称で親しまれているハンバーガーレストランチェーンです。

 北海道函館市を中心とした道南エリアに店舗を展開されています。

 ラッキーピエロ・ベイエリア本店の隣には、「やきとり弁当」が看板商品の「ハセガワストア・ベイエリア店」がありますが、こちらのお店も道南エリアで店舗展開されているコンビニエンスストアです。

(ラッキーピエロ・オリジナルドリンク自動販売機)
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 こちらはラッキーピエロのオリジナルドリンク(ラッキーガラナ・ラッキーパワー888・ミルクコーヒー)の自動販売機です。

 ラッキーピエロのお店は函館市内のあらゆるところで見かけました。

 賑やかな外観なので、ワクワクしながらお店に入りました。

(ラッキーピエロ店内)
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 メニューを拝見すると、トップに「ダントツ人気ナンバーワンセット」というセットがあったので、こちらを注文しました。

(ダントツ人気ナンバーワンセット)
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 「ダントツ人気ナンバーワンセット」は、ハンバーガーでダントツ人気ナンバーワンの「チャイニーズチキンバーガー」、サイドオーダーでダントツ人気ナンバーワンの「ラキポテ」、ソフトドリンクでダントツ人気ナンバーワンの「自家製新鮮本物ウーロン茶」を一度に味わえるお得なセットです。

 「チャイニーズチキンバーガー」は、鶏の唐揚げ(竜田揚げ)とレタスに、たっぷりのマヨネーズをかけてバンズではさんだバーガーです。

 鶏の唐揚げは揚げたてパリパリで、甘辛く味付けされていました。

 甘辛い唐揚げとマヨネーズソースの相性も抜群で、人気ナンバーワンの理由がわかるような気がしました。

 「ウーロン茶」は、高級鉄観音が使われた、毎朝沸かしたての新鮮ウーロン茶です。

 続いて「ラキポテ(ラッキーフライドポテト)」をいただきました。

 フライドポテトにホワイトソースと粉チーズがまぶされていました。

 カップから取り出してみると…

(オリジナルラキポテ)
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 何と、中にデミグラスソースまでかけられていました。

 思わず「ラッキー!」と言いたくなるほど、お得感満載のフライドポテトでした。


カリフォルニアベイビーの「シスコライス」

 続いて、同じベイエリアで営業されている「CALIFORNIA BABY(カリフォルニアベイビー)」に伺いました。

(カリフォルニアベイビー店舗)
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 地元では「カリベビ」という愛称で呼ばれているようです。

 カリフォルニアの雰囲気が伝わってくるような建物です。

 店内もアメリカンダイナーのような内装となっています。

 こちらのお店の看板メニュー「シスコライス」を注文しました。

(シスコライス)
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 「シスコライス」は、バターピラフの上にフランクフルトのような太いグリルソーセージを2本のせ、濃厚なミートソースをたっぷりかけた料理です。

 お店のオーナーがサンフランシスコでボートレースの選手をしていた時に食べた「まかない飯」をアレンジされた料理とのことです。

 バター風味のピラフに濃厚なミートソースが加わると、美味しさが一段と増しました。

 また、グリルしたフランクフルトと挽き肉たっぷりのミートソースを一緒にいただくと、肉がたっぷりで、とても贅沢な気持ちになりました。

 食事を終え、お店を出てすぐ近くの坂を登ってみました。

 上から函館の街を眺めると、目の前に函館の観光写真でよく目にする光景が広がりました。

(函館・八幡坂)
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 海に向かって真っすぐ道が続いており、その先には青函連絡船・摩周丸が見えました。

 この写真の場所が撮影スポットとなっており、観光客が横一列になって写真撮影されていました。

(函館ハリストス正教会)
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 こちらは日本初のロシア正教会の聖堂「函館ハリストス正教会」です。

 どこで何を食べるかばかり考え、観光スポットのことはほとんど考えていませんでしたが、偶然にも函館らしい観光スポット巡りを楽しむことができました。


まとめ

 ベイエリアの海に沿って、歩いて函館駅へ向かいました。

(函館ベイエリア・レンガ造り倉庫)
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(BAYはこだて・運河)
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 金森洋物館内に、クリスマスカード専用ポストが設置されていました。

(金森赤レンガ倉庫クリスマスカード専用ポスト)
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 クリスマスカードに切手を貼って投函すると、クリスマスに郵送されるとありました。

 「これは面白い!」と思い、館内のショップでクリスマスカードを購入し、専用ポストの目の前にある郵便局で切手も購入して、自宅宛てにクリスマスカードを投函しました。

 クリスマスが楽しみです(笑)

(函館朝市エリア)
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(函館駅)
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 函館駅前から函館空港連絡バスに乗って、函館空港へ向かいました。

(函館空港連絡バス)
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 函館空港から羽田空港経由で広島空港まで戻りました。

(函館空港・JAL586便)
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 今回の旅は、広島空港から羽田空港乗り継ぎで山形の庄内空港へ行き、鶴岡駅(山形)から秋田駅までは「特急いなほ」を利用し、秋田駅から五所川原駅(青森)までは「リゾートしらかみ」を利用し、新青森駅から新函館北斗駅までは「北海道新幹線」を利用し、函館空港から羽田空港乗り継ぎで広島空港へ戻るというルートでした。

(フライト一覧(広島・羽田・庄内・函館))
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 ものすごく考えたルートのように思われるかも知れませんが、実は東北方面への割安のフライトを探した結果、このようなルートになったものです。

 2泊3日(2025年3月7日~9日)の東北・北海道旅行。

 タイトでしたが、とても充実した食のフィールドワークができました。


<関連サイト>
 「ラッキーピエロ」(ベイエリア本店 北海道函館市末広町23-18 ほか)
 「カリフォルニアベイビー」(北海道函館市末広町23-15)

<関連記事>
 「北海道の食文化探訪6 -道南で愛される豚肉の「やきとり」・ハセガワストアの「やきとり弁当」-

2025年9月14日 (日)

北海道の食文化探訪6 -道南で愛される豚肉の「やきとり」・ハセガワストアの「やきとり弁当」-

青森から北海道新幹線で函館へ

 2025年3月に青森県内各地(五所川原市、弘前市、黒石市、青森市)を訪問しました。

 青森市内のホテルに宿泊した翌朝、青森駅から新青森駅へ向かいました。

(青森駅・青い森鉄道・青森ベイブリッジ)
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 こちらの写真は、青森駅で出発を待つ「青い森鉄道」の列車です。

 列車の車体の至る所に「青い森鉄道」のイメージキャラクター「モーリー」が描かれているかわいい列車です。

 背景には青森ベイブリッジも見えます。

 私は向かいのホームに入線した奥羽本線の列車に乗って、新青森駅へ向かいました。

 新青森駅に着くと、早朝ということもあり、人の姿はまばらでした。

(新青森駅・北海道新幹線発車標)
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 北海道方面への1番列車「はやて91号」に乗って新函館北斗を目指します。

(新青森駅・はやて91号・新函館北斗行)
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 出発時刻の少し前に出発ホームに着くと、はやて91号が入線していました。

 2号車(指定席)に乗車したところ、新青森発の早朝便ということもあり、乗客は私1人でした。

(北海道新幹線・E5系・2号車・車内)
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 普通車指定席ですが、高級感のある車内です。

 高校生の時に在来線で青函トンネルを渡って以来、人生2回目となる青函トンネル通過に心躍りました。

 青函トンネル手前で、新幹線がこれから青函トンネルに入る旨のアナウンスが流れました。

 かつて営業されていた竜飛海底駅や吉岡海底駅を見ることができるかもと思っていたのですが、北海道新幹線開通により両駅が廃止され、新幹線で素早く通過する今となっては確認すらできませんでした。

 やがて列車がトンネルを抜け出て目の前が明るくなったことで、北海道に上陸したことを知りました。

(新幹線車内から眺めた風景・木古内駅付近)
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 「北海道の大地にやってきた」という感動を覚えました。

 実際は青森県側とそんなに違いはないのでしょうが…。

 約1時間で新函館北斗(しんはこだてほくと)駅に到着しました。

(北海道新幹線・新函館北斗駅ホーム)
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 青森県側、北海道側ともに、陸地を走る距離が長いこともあり、新幹線でも意外と時間がかかるものだなというのが感想です。

 函館市に向かうため、「はこだてライナー」に乗り換えました。

(はこだてライナー・新函館北斗駅ホーム)
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 「はこだてライナー」は、新函館北斗駅と函館市内を結ぶアクセス列車です。

 車体に紫色のラインが入っていますが、これは北海道のライラック、ルピナス、ラベンダーを想起させる「彩香パープル」と呼ばれる色で、JR北海道が使用する新幹線「H5系」に合わせて採用されています。

 「はこだてライナー」に乗り、五稜郭駅へ向かいました。


ハセガワストアの「やきとり弁当」

 五稜郭駅で下車し、歩いて五稜郭へ向かいました。

 五稜郭駅という名称ですが、実際には五稜郭までかなりの距離があります。

 五稜郭手前にある「ハセガワストア五稜郭店」に伺いました。

(ハセガワストア五稜郭店)
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 「ハセガワストア」は、北海道函館市で創業し、「ハセスト」の愛称で親しまれているコンビニエンスストアです。

 北海道函館市・北斗市・七飯町(ななえちょう)に店舗展開されています。

 手作り総菜が充実したコンビニエンスストアで、看板商品は「やきとり」・「やきとり弁当」です。

 北海道の道南では「やきとり」の肉として「鶏肉」ではなく「豚肉」が使われることが多いのですが、ハセガワストアの「やきとり」も豚肉がメインとなっています。

 「ハセスト」の「やきとり弁当」を味わうべく、お店に入りました。

 店内には、やきとり実演販売コーナーが併設されており、お店の方がやきとりを焼いておられました。

(やきとり実演販売コーナー)
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 「やきとり屋さんを備えたコンビニエンスストア」という印象です。

 やきとりコーナーへ行き、口頭で「やきとり弁当」を注文しようとすると、「注文内容を書いた注文書で注文してください」とお願いされました。

(やきとり弁当・やきとり ご注文書)
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 やきとり弁当のサイズ(小・中・大)、味(たれ・塩・塩だれ・うま辛・みそだれ)、数量を記入し、お店の方にお渡しする注文方法です。

 やきとり単品もこの注文書で注文します。

 私はやきとり弁当の「小(やきとり3本)」・「たれ(甘い醤油だれ)」で注文しました。

(やきとりを焼く様子)
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 「やきとり」や「つくね」が焼かれています。

 「つくね」は合鴨のつくねで、さすがに豚肉ではありませんでした(笑)

 実は豚肉だけでなく、「とり肉」、「とり皮」、「とり軟骨」など鶏肉のメニューも充実しています。

 そして、やきとりの「かくし味」として、やきとりに霧吹きで「はこだてわいん(赤ワイン)」が吹きかけられていました。

 出来上がりを待つ間、店内を見て歩きましたが、美味しそうな総菜やパンがたくさん並べられ、お手頃な値段で販売されていました。

 しばらくして、注文した「やきとり弁当」が出来上がりました。

 お店の窓側にあるイートインでいただくことにしました。

(やきとり弁当(テイクアウト))
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 フタには、やきとりを焼く「ぶたちゃん」が描かれています。

 フタを開けてみました。

(やきとり弁当(串))
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 海苔を敷いたごはんの上に、串刺しのやきとりが3本のせられていました。

 この「やきとり弁当」には、ハセガワストアおすすめの食べ方(やきとり弁当「通」の食べ方)があります。

 それは、①容器の端の溝(ミゾ)に串をのせ、②再度フタをかぶせ、③フタを手で押さえつつ、もう一方の手で串をクルクル回しながら引き抜き、④フタを開けて食べるというものです。

(やきとり弁当(串を容器から出した様子))
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 串を赤い矢印のように回しながら引くと、簡単に肉やネギを串から外すことができるのです。

(やきとり弁当(串抜き・紅しょうが追加))
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 紅しょうがを添えて、いただきました。

 出来たて、アツアツなのが何より嬉しいところです。

 豚肉は、表面はこんがりと、中は柔らかくジューシーに焼かれていました。

 醤油だれは、かくし味の赤ワインが加えられたことにより、とろみが増し、より深い甘さとコクを感じました。

 コンビニエンスストアというより、やきとり屋さんのお弁当と言ってもいいような気がします。

 食事を終え、お店を出る時も、やきとりコーナーではお店の方が絶え間なく「やきとり」を焼いておられました。

 あらかじめテイクアウト用に注文されるお客さんも多いようです。

 お店の入口には、「ハセストグッズ」のコーナーもあり、「やきとり弁当」にちなんだ筆記具、マグネット、Tシャツなど様々なグッズが販売されていました。

 地元の人々に愛されるコンビニエンスストアだなと思いつつ、お店を後にしました。

 その後、五稜郭タワーに寄り、お土産コーナーやアトリウムを見て回りました。

(土方歳三ブロンズ像)
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 五稜郭タワーのアトリウムに展示されている土方歳三(ひじかたとしぞう)のブロンズ像です。

 新選組副長から旧幕府軍陸軍奉行並に転じ、新政府軍と戦った人物です。

 お土産コーナーにも、土方歳三にまつわるグッズがたくさん販売されていました。

 函館観光の際に、近くのハセガワストアで「やきとり弁当」を味わうのもおすすめです。


<関連サイト>
 「ハセガワストア」(五稜郭店 北海道函館市五稜郭町4-1 ほか)

2025年8月31日 (日)

青森のソウルフード探訪記3 -生姜味噌おでん・いがめんち・嶽きみの天ぷら・黒石つゆ焼きそば・七戸産長芋の紫蘇漬け-

弘南鉄道・弘南線列車に乗って黒石へ

 青森県黒石市に「つゆ焼きそば」と呼ばれる、ちょっと珍しい御当地料理があるという情報を入手しました。

 そこで、2025年3月、この「つゆ焼きそば」を味わうべく、弘前駅から弘南鉄道・弘南線列車に乗って黒石駅へ向かいました。

(弘南鉄道・弘南線列車(弘前駅))
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 弘前駅の券売機で紙のきっぷを購入し、改札口で入鋏(にゅうきょう・ハサミの切れ込みを入れること)してもらって、入場しました。

(弘南鉄道のきっぷ)
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 地方ローカル線のほのぼのとした雰囲気に癒されました。

 17時発の列車に乗り、黒石駅へ向かいました。

 途中、車窓から「津軽富士」とも呼ばれる岩木山が見えました。

 「ああ、津軽富士が見える」

(弘南線の列車から眺めた岩木山(津軽富士))
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 「ただ津軽富士だけを、レンズ一ぱいにキャッチして、津軽富士、さようなら、お世話になりました。パチリ。」

 太宰治の気持ちでシャッターをパチリと切ったのでした。

 ただ実際には、岩木山が大きく、岩木山を囲む感じで列車が走るため、岩木山に「さようなら」するどころか、岩木山がいつまでもついてくる感じでした。

 17時36分、終点の黒石駅に到着しました。

(やきそばのまち黒石)
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 改札を出ると、「よぐ来たねし~やきそばのまち黒石」という看板が目に留まりました。

 焼きそばは黒石市民に馴染み深い食べもので、黒石市内には焼きそばの店舗数が約70軒もあります。

 黒石焼きそばの特徴は、甘辛いソースと太くて平たい麺(太平麺)にあります。

(黒石駅)
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 3月上旬でしたが、駅前には、まだ雪がたくさん積もっていました。

 歩いてお店へ向かいました。

(「蔵よし」店舗)
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 「蔵よし」というお店の名前のとおり、江戸時代の土蔵造りを基調とした建物となっています。

 お店に入り、テーブル席を案内していただきました。

 メニュー表を見て、黒石の郷土料理・名物料理を中心に料理を注文しました。

 今回いただいた料理を御紹介します。


いがめんち

 「いがめんち」は、イカ(津軽弁では「いが」)と野菜(玉ねぎ、人参など)を細かく刻み、小麦粉や片栗粉をつなぎにして、多めに油を敷いた鉄板で焼いた津軽の郷土料理です。

 料理で余ったイカや野菜をミンチにし、ハンバーグやミートボールのように仕上げた、無駄のない、津軽の先人の知恵と工夫が詰まった料理です。

(いがめんち)
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 こちらが「いがめんち」です。

 熱々のいがめんちにレモンを絞っていただきました。

(いがめんち(中身))
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 細かく刻んだイカと人参を丸め、揚げ焼きされていました。

 油で揚げたミートボールのような食感で、イカの旨みと人参の甘みが合わさり、いくらでもいただける美味しさでした。


生姜味噌おでん(青森おでん)

 青森市を中心とした地域では、おでんに生姜味噌をつけて食べる風習があります。

 厳しい寒さの中、青函連絡船を利用するお客さんの体を少しでも温めようと、屋台のおかみさんが味噌に生姜をすりおろして入れたものをお客さんに提供したのが始まりとされています。

(生姜味噌おでん)
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 竹輪、大根、こんにゃく、さつま揚げ(平天・ボール)、たまご、昆布など、様々な具が入っていました。

(すりおろし生姜入り味噌だれ)
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 こちらが「すりおろし生姜入り味噌だれ」です。

 甘めの味噌に、粗めにすりおろした生姜をたっぷり入れた味噌だれです。

(こんにゃくと味噌だれ)
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 こんにゃくに生姜入り味噌だれをかけていただきました。

 昆布や魚粉の旨みを生かした、上品であっさりした味のおでんだしに、生姜入り味噌だれの味がよく合いました。

(さつま揚げと味噌だれ)
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 さつま揚げにも味噌だれをつけてみました。

 からしのようにも見えますが、生姜がたっぷり入った甘めの味噌なので、たっぷりかけていただくことができます。

 確かに、身も心も温まりました。

 この「青森おでん」とよく似た食べ方として、おでんに生姜醤油をつけて食べる「姫路おでん」(兵庫県姫路市)があります。


嶽きみの天ぷら

 「嶽きみ(だけきみ)」は、とうもろこしのブランド名です。

 岩木山麓の嶽(だけ)高原で栽培・収穫されたものだけが「嶽きみ」と呼ばれます。

 「嶽きみ」の特徴はとても甘いことで、採れたてのものだと糖度が18度以上にもなり、メロンかそれ以上の甘さがあります。

 その「嶽きみ」の天ぷらをいただきました。

(嶽きみの天ぷら)
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 とうもろこしの実の部分を包丁でそぎ切り、衣をつけて揚げたものです。

(嶽きみの天ぷら(中身))
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 いただくと、スイーツのように甘いとうもろこしの天ぷらでした。

 天ぷらにし(高温で加熱し)、衣にほのかな塩味をつけることで、より一層とうもろこしの甘みが引き出されているように感じました。

 「富士には月見草、津軽富士には嶽きみがよく似合う」


黒石つゆ焼きそば

 最後に黒石名物「つゆ焼そば」を注文しました。

 「つゆ焼そば」が提供される前に、「つゆ焼そば」と「黒石つゆ焼そば」の説明資料を見せていただきました。

(「黒石焼そば」・「黒石つゆ焼そば」の始まり)
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 その説明資料には、
・「黒石焼そば」は戦後まもなく、市内の製麺所で中華麺の素材で作られた
・当時、麺裁断用の刃がうどん用のものしかなかったので、特有の「太平麺(ふとひらめん)」が生まれた
・昭和30~40年代には、市内のあちこちに何十軒もの焼きそば店が点在していた
・当時は10円単位で買うことができ、三角に丸めた経木や紙に包んで提供された
・「黒石焼そば」は半世紀以上前から市民に愛された黒石伝統の食文化
・「黒石つゆ焼そば」は、昭和30年代後半、中郷中学校の傍にあった「美満寿(みます)」という食堂で、学校帰りの子供たちが注文した焼きそばに、中華そばのつゆをかけて提供したのが始まりと言われている
・当時「もつけ(お調子者)」の子供たちは、テーブルに置いてあったウスターソースをこれでもかと大量に入れ、むせるほど酸っぱくして食べたというエピソードが知られている
と紹介されていました。

 「焼きそばを経木や紙に包んで提供された」というお話は、群馬県桐生市で「ポテト焼きそば」や「子供洋食」を食べた時にお店の御主人から伺ったお話とまったく一緒で、昭和30~40年代の光景が目に浮かぶようでした。

(「つゆ焼そば」のお召し上がり方)
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 「つゆ焼そば」の食べ方についても紹介されていました。
・当店では、焼きそばの麺をソースで炒め、出汁は和食屋ならではの本鰹節を使っている
・まずは、かき混ぜる前にお出汁を味わっていただきたい
・麺を食べ進むと、徐々にソースが浸み出してきて、鰹出汁とソースの不思議な美味しさに変化してくる
・サクサクの舞茸天とプリプリの海老天も当店の特徴

 知れば知るほど「つゆ焼そば」への期待が高まりました。

 その期待感が頂点に達した時、タイミングを見計らったかのように「つゆ焼そば」が運ばれてきました。

(つゆ焼そば)
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 うどんのような麺に、透き通った汁、そして舞茸と海老の天ぷら。

 「えっ、これのどこが焼きそば?」と思いました。

(つゆ焼そば(麺・海老天・舞茸天))
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 まずはそのままの状態でおつゆをいただいてみると、確かにうどんやそばに使われる鰹節ベースの上品な和風だしでした。

 ところが、太さはうどん、見た目は蕎麦のような麺をいただくと、味はソース焼きそばなのです。

 ひととおり味わったところで、麺と汁を混ぜてみました。

 すると、汁の色が濃くなり、味も甘い焼きそばソースの味にどんどん近づいていきました。

 こうなると、もう元の味には戻れません(笑)

 食べ進めるうちに、焼きそばの証拠となる具が登場しました。

(つゆ焼そば(豚肉・玉ねぎ))
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 麺と一緒に炒められた豚肉と玉ねぎです。

 この写真から、汁の色がソースで濃くなり、焼きそばを炒めた際の油もにじみ出ていることがわかります。

 和風だしのそば・うどんが、かき混ぜながら食べ進めるうちにソース焼きそばに近づいていく、味の変化も楽しめる料理です。

 「つゆ焼そば」について、お店の方に直接お話を伺ったところ、焼きそばは前の日にあらかじめ作っておき、時間をかけて麺にソースを馴染ませているとのことでした。

 作りたての焼きそばに汁を注ぐと、焼きそばのソースがそのまま汁に溶け込んでしまうのだそうです。

 意外と手間暇かけられた料理であることがわかりました。


七戸産長芋の紫蘇漬け

 つゆ焼そばに、漬物が添えられていました。

(七戸産長芋の紫蘇漬け)
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 青森県七戸(しちのへ)産長芋の紫蘇漬けです。

 七戸町は青森県内有数の長芋の産地で、昼夜の寒暖差により、糖度の高い長芋が採れます。

 この長芋を赤紫蘇の梅酢に漬けた紫蘇漬けは、ほんのりピンク色をして、ほどよい紫蘇の風味があり、シャキシャキした食感も楽しめました。

 黒石のつゆ焼きそばを中心に、津軽の郷土料理を堪能しました。

 お店の方にお世話になったお礼を申し上げ、お店を後にしました。


まとめ

 再び黒石駅に戻り、同駅から弘南鉄道・弘南列車を利用して弘前駅へと向かいました。

(弘南鉄道・弘南線列車(黒石駅))
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 列車があと数メートル後進したら、雪に埋もれてしまいます(笑)

 私が乗車したのが土曜日の夜だったこともありますが、列車の乗客が私1人になる区間もありました。

(弘南線列車・車内)
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 ただ、車内広告には、各種イベントや地元の高校とのコラボレーション企画など、弘南鉄道を盛り上げる様々な取組みがなされており、地元で愛されている鉄道であることがよく伝わってきました。

 私からは、弘前駅から弘南鉄道・弘南線を利用して黒石市を訪問し、全国的にも珍しい「黒石つゆ焼きそば」や津軽の郷土料理を味わうグルメ旅をおすすめします。


<関連サイト>
 「弘南鉄道
 「蔵よし」(青森県黒石市横町13)

<関連記事>
 「青森のソウルフード探訪記1 -万茶ンの太宰ブレンド・りんごジュース自動販売機・イギリストースト-
 「青森のソウルフード探訪記2 -味噌カレー牛乳ラーメン・味噌カレー牛乳煎餅・味噌バターカレー牛乳どらやき-
 「青森県弘前市のアップルパイ -弘前アップルパイめぐり-
 「群馬の食文化の特徴を探る(6)-ポテト入り焼きそばと子供洋食・スタイルブレッド・築地銀だこ・焼きまんじゅう・赤城山麓 徳川埋蔵金-

2025年8月24日 (日)

青森県弘前市のアップルパイ -弘前アップルパイめぐり-

「アップルパイの街」・「タルトタタンの街」弘前

 2025年3月、五所川原駅から五能線と奥羽本線を乗り継ぎ、弘前駅に到着しました。

(奥羽本線・普通列車(弘前駅ホーム))
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 発車メロディーが津軽三味線で演奏される「津軽じょんがら節」で、旅の情緒を感じました。

 駅構内で、JR東日本秋田支社のキャラクター「つがにゃん」のねぷた()を見つけました。
 ※弘前市では「ねぷた」と呼ばれます。

(つがにゃんねぷた)
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 「津軽のにゃんこ」です。

 「また現れたな、つがにゃん!」

 秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」で「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」をいただいた際、板海苔にプリントされた「つがにゃん」に出会い、きれいに食べ切ったはずなのに…(笑)

(セイリング「オムレツ雪人参ビーフシチュー弁当」)
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 今回は弘前のアップルパイが目当てなので、まずは情報を入手すべく、弘前駅1階の「弘前市観光案内所」へ伺いました。

(弘前駅)
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 観光案内所で、弘前市内のアップルパイ販売店・提供店が掲載された「弘前アップルパイガイドマップ」をいただきました。

(弘前アップルパイガイドマップ(表紙))
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 「弘前アップルパイガイドマップ」は、弘前市立観光館・弘前市観光案内所の観光コンシェルジュが「りんごの街・弘前」のアップルパイ取扱店を調査し、実際に試食された感想をもとにアップルパイデータやPRコメントを掲載したガイドマップです。

 アップルパイデータは、甘味・酸味・シナモンの3要素の強弱・有無により、5段階で示されており、お好みのアップルパイを見つけることができます。

(弘前アップルパイガイドマップ)
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 (弘前観光コンベンション協会「弘前アップルパイガイドマップ(第19版 2024.4月)」の一部を加工・引用)

 掲載店舗は40店舗にものぼり、街を挙げてアップルパイの振興に取り組んでおられる様子が伝わってきました。

 さらに、弘前観光コンベンション協会では、りんごスイーツとして「タルトタタン」のガイドマップ「弘前タルトタタンガイドマップ」も作成されています。

(弘前タルトタタンガイドマップ(表紙))
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 弘前市内のアップルパイとタルトタタン、制覇するためには何度も通う必要がありそうです(笑)


洋菓子工房ノエルの「りんごたっぷりパイ」と「りんごジュース」

 弘前のアップルパイを味わうべく、弘前駅周辺のアップルパイ巡りをしました。

 最初に伺ったのが、弘前市品川町にある「洋菓子工房ノエル」です。

(「洋菓子工房ノエル」店舗)
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 店内にはイートイン(カフェ)スペースもあるので、こちらを利用しました。

 りんごの街の洋菓子屋さんだけに、アップルパイ以外にも、アップルパフェ、「りんごの想い(りんご入りチョコレートケーキ)」、アップルシューロール、リンゴのクッキーシューなど、りんごを使った様々なお菓子が用意されていました。

 色々と食べたいところですが、このお店で最も有名な「りんごたっぷりパイ」をケーキセットでいただきました。

(洋菓子工房ノエルのケーキセット)
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 「りんごたっぷりパイ」にドリンク「りんごジュース」を付けた、りんごづくしのケーキセットです。

(洋菓子工房ノエルの「りんごたっぷりパイ」)
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 「りんごたっぷりパイ」は、その名のとおり、パイの中に大きな角切りりんごがたっぷり詰められたアップルパイです。

(洋菓子工房ノエルの「りんごたっぷりパイ」(角切りりんご))
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 甘く煮詰められたりんごは、やわらかくサックリとした食感で、ほどよいシナモンの香りも楽しめました。

 パイは薄く、しっとりとした食感で、リンゴ煮の味を引き立てていました。

 りんごが主役のアップルパイでした。

 「りんごジュース」は、青森県産りんごを使った「希望の雫」を提供していただきました。

 「希望の雫」は、降霜・降ひょう被害により市場に出荷できないりんごの生果が大量に発生した際、りんご農家の支援策の一環として被害果のみを使用して商品化されたりんごジュースです。

 その商品名には、希望を失わず、前向きに生産に励むりんご農家の意欲と、雫のようにみずみずしい新鮮なジュースという意味が込められています。

(りんごがデザインされたコースター)
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 コップを置くコースターにも、りんごの刺繡が施されていました。

 まさにりんごづくしのひとときを楽しみました。


茶房CoCoの「アップルパイ」

 続いて向かったのが弘前駅前の「茶房CoCo」です。

 3月でも積雪があり、雪に慣れていない私は、弘前市内の徒歩での移動が大変でした。

(弘前駅前の積雪と歩道)
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 除雪されているところ、雪が少ないところを選びながら歩きました。

 短い距離でも長く感じ、ようやくお店に到着しました。

(「茶房CoCo」店舗)
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 メニューを見ると、アップルパイとタルトタタン、どちらも用意されていました。

 ドリンク付きのデザートセットにできることがわかったので、アップルパイ・アイスクリーム添えとアップルジュースのセットを注文しました。

 茶房CoCoのデザートセットです。

(茶房CoCoのデザートセット)
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 アップルパイは熱々の状態で提供していただきました。

(茶房CoCoの「アップルパイ・アイスクリーム添え」)
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 アップルパイにバニラアイスが添えられ、お得感と贅沢感がありました。

 アップルパイに近づいてみましょう。

(茶房CoCoの「アップルパイ」)
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 パイはカリカリで香ばしく、焼きたてのクロワッサンのような感じでした。

 パイの中には、よく煮詰められたりんご(りんご煮)がたっぷり詰められていました。

 りんご煮のシナモンは控えめで、ねっとり甘い焼きいものような感じに仕上げられていました。

 ナイフとフォークでいただく、高級感あふれるアップルパイでした。

 地元・青森県産のアップルジュースと一緒に、青森のりんごをたっぷり味わいました。


<関連サイト>
 「きてみて、ひろさき。ここみて、弘前」(弘前観光コンベンション協会)
 「洋菓子工房ノエル」(青森県弘前市品川町2-2)
 「JAアオレン(希望の雫)」(青森県農村工業農業協同組合連合会)
 「茶房CoCo」(青森県弘前市駅前町6-1)

<参考文献>
 「弘前アップルパイガイドマップ」弘前観光コンベンション協会

2025年8月17日 (日)

津軽鉄道食景色4 -ぼんじゅそば・太宰治と若生おにぎり・ストーブ列車とスルメ・吉幾三の「津軽平野」・鉄道ジャーナルと津軽鉄道-

JR五所川原駅と津軽鉄道・津軽五所川原駅

 2025年3月、秋田駅からリゾート列車「リゾートしらかみ」に乗車し、五所川原駅で下車しました。

 隣接する津軽鉄道のグルメとイベント列車「ストーブ列車」を楽しむためです。

(五所川原駅(JR)と津軽五所川原駅(津軽鉄道))
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 写真手前(左側)がJR五所川原駅のホーム、写真奥(青い屋根のホーム)が津軽鉄道・津軽五所川原駅のホームです。

(津軽五所川原駅(出口))
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 JRの五所川原駅と津軽鉄道の津軽五所川原駅の通路は一部併用されているので、それぞれの鉄道会社の改札口(出入口)があります。

 私はJR線を利用して到着したため、JR五所川原駅の改札から出場しました。

 出てすぐの待合室の椅子がユニークでした。

(五所川原駅の待合室)
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 列車の座席そのままです(笑)

 奥には運転席までありました。


津軽鉄道本社と「コミュニティカフェ でる・そーれ」

 津軽鉄道・津軽五所川原駅のすぐ近くに津軽鉄道本社があります。

(津軽鉄道本社と「コミュニティカフェ でる・そーれ」)
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 津軽鉄道本社1階には「サン・じゃらっと」と呼ばれる地域交流施設があり、その中に飲食コーナー「コミュニティカフェ でる・そーれ」があります。

 こちらのカフェで、昼食をいただくことにしました。


ぼんじゅそば

 「コミュニティカフェ でる・そーれ」に入店し、テーブル席に御案内いただきました。

 メニューを見ると津軽の「ぼんじゅそば」がありました。

 津軽ならではの郷土料理をいただきたいと思い、この「ぼんじゅそば」に「若生(わかおい)おにぎり」がセットになった「ぼんじゅそば若生セット」を注文しました。

 「ぼんじゅそば(梵珠そば)」は、津軽地方を中心に食べられている「津軽蕎麦」の1つで、「生地で寝かせる」、「製麺して寝かせる」、「茹でて寝かせる」と、それぞれの工程の終わりにゆっくり時間をかけて「寝かせる」ことに特徴があります。

 お店の方が「ぼんじゅそば」の説明書きを持ってきてくださいました。

(「ぼんじゅそば」とは?)
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 名前の由来は、そば作りに青森市浪岡大釈迦地区にある標高468mの「梵珠(ぼんじゅ)山」の地下水が使用されており、その良質の水をもたらす梵珠山に感謝の気持ちを込めて命名されたそうです。

 それぞれの工程の終わりに「寝かせる」ことから、つくり始めから出来上がって出荷されるまで3日も要する、大変手間のかかる茹でそば(熟成そば)です。

 料理が運ばれてくるまでの間、店内を見回していると、「旨い駅そば大百科」という本が配架されていました。

(「旨い駅そば大百科」「旅と鉄道」編集部)
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 もしかすると、こちらのお店も掲載されているのではないかと思い、パラパラとページをめくってみると、予想どおり紹介されていました。

(「旨い駅そば大百科」で紹介されている「ぼんじゅそば」と「津鉄汁」)
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 津軽五所川原駅の看板メニューとして「ぼんじゅそば」と「津鉄汁(長芋入りの丸いすいとん、青森シャモロック、人参、舞茸、ごぼう、白髪ねぎなど具だくさんの醤油仕立てのすまし汁)が紹介されていました。

 しばらく経って、料理が運ばれてきました。

(ぼんじゅそば若生セット)
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 ぼんじゅそばと若生おにぎり、そして小鉢(ひじき煮)のセットです。

 太宰治の出身地にちなみ、「はしいれメロス」と書かれた「箸入れ」に割り箸が入っていました。

(ぼんじゅそば)
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 ぼんじゅそばは、刻みねぎと天かすがのせられた、汁そばでした。

 麺が時間をかけて寝かせた熟成麺だけあって、とてもやわらかく、煮干しベースのつゆとよくからんで美味しくいただきました。


若生おにぎり

 続いて、若生おにぎりを御紹介します。

 この若生おにぎりも提供時に説明書きを添えてくださいました。

(What’s? 若生おにぎり)
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 「若生(わかおい)」は1年ものの昆布のことで、津軽半島沿岸で春一番に収穫して干したものです。

 この昆布でごはんを包み、握ったものが若生おにぎりです。

 注意しなければならないのは、その食べ方です。

 昆布で巻かれているので、昆布の繊維に逆らうと噛み切れないのです。

 おにぎりを縦に持って食べると、繊維に沿ってうまく食べられるように作られています。

(若生おにぎり)
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 若生おにぎりを縦に持っていただきました。

 昆布の旨みと塩気が効いた、津軽ならではのおにぎりでした。

 「太宰治と若生のおにぎり」という説明書きも見せていただきました。

(太宰治と若生のおにぎり)
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 津島美智子さん(太宰治の妻)の回想録で、
 「炊きたての飯をワカオイという薄い昆布の間にはさんで両掌でヒタヒタおさえて、プツッとワカオイをかみきって食べるその歯ごたえ、自然の塩味、これが彼にとって最高の津軽風おむすびであった」
と紹介されています。

 回想録を読みながら若生おにぎりをいただくと、太宰治から「うまいだらう?」と話しかけられてゐるやうな気持ちになり、恥の多い生涯を送ってきた私の心にしみました。


ストーブ列車とスルメ

 昼食をいただいた後、津軽五所川原駅から、冬の津軽鉄道のイベント列車「ストーブ列車」に乗ることとしました。

(津軽五所川原駅)
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 出発時刻の関係から、津軽五所川原駅から津軽中里駅までの全線を往復するストーブ列車に乗車することはできませんでしたが、時刻表を読み込んだ結果、「津軽五所川原駅から中間点の金木駅まで普通列車で行き、同駅で行き違う津軽五所川原駅行き(戻り)のストーブ列車に乗る方法がある」とひらめきました。

 うまくいくかどうかはわかりませんでしたが、とにかくやってみようと、駅で金木駅までの往復乗車券を買い、津軽中里行きの列車を待ちました。

 駅構内にストーブ列車で焼いて食べる「スルメ」についての「お願い」が掲示されていました。

(スルメ事前購入のお願い)
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 「ストーブ列車で車内販売されているスルメや日本酒は、車内販売スタッフが席までお伺いするのに時間がかかる場合がございますので、車内販売と同じ商品を販売している駅の売店で事前購入をお願いします」という内容でした。

 途中駅から乗り込もうとしている私にとっては、とりわけ大事なお知らせであり、売店でスルメを事前購入しました。

(スルメ(袋詰め・売店商品))
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 袋詰めのスルメと、五所川原から金木までの往復乗車券です。

 きっぷが昔ながらの硬券(厚みのある紙のきっぷ)で、ハサミでパンチ(切り込み)されているのは、今となってはとても珍しいです。

 列車が出発するまでの間、津軽鉄道の列車を見学しました。

(津軽鉄道・旧列車)
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 かなり老朽化した、かつて活躍したであろう列車が置かれていました。

(津軽鉄道・走れメロス号)
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 こちらが今回乗車した津軽中里行きの普通列車で、愛称は「走れメロス」号です。

 太宰治の生家「斜陽館」がある金木駅へ行くのにぴったりの列車です。

(津鉄文庫)
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 列車内には、誰でも自由に読むことができる本棚「津鉄文庫」がありました。

(スルメとともに津軽五所川原駅出発)
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 出発時刻の13時30分となり、スルメと一緒に津軽五所川原駅を出発しました。

(十川駅(鉄道芸人 太田トラベル駅))
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 十川駅では、ネーミングライツによる副駅名「鉄道芸人 太田トラベル」と記載された駅名標を見かけました。

 13時51分、金木駅に到着しました。

(走れメロス号とストーブ列車(金木駅))
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 向かいのホームには13時56分発、津軽五所川原行きのストーブ列車が待っていました。

(ストーブ列車と金木駅)
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 乗り継ぎに5分もあればと、金木駅の駅舎に寄り、「エキタグ」のデジタル駅スタンプをゲットした上で、ストーブ列車が待つホームへと走りました。

 ホームは、あふれんばかりのお客さんで埋め尽くされており、「これは乗るだけで精一杯だ」と思いつつ、列の最後尾に並びました。

 すると前側の車両におられた車掌さんが私に大声で、「個人の方ですかー?それならこちらの車両からお乗りくださーい」と誘導してくださいました。

 大勢の人々は、中国から来られた団体客で、後側の団体専用車両から乗車されたようでした。

 前側の個人客向けの車両入口で車掌さんからストーブ券(1,000円)を購入し、無事ストーブ列車に乗ることができました。

 ストーブ列車が金木駅を出発後、車掌さんが客車のダルマストーブに石炭を継ぎ足しに来られました。

(車掌がダルマストーブに石炭を継ぎ足す様子)
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 ストーブ列車の車掌さんは、ダルマストーブの火加減を頻繫に点検し、石炭をくべる必要があるのです。

 火力が強まったところで、アテンダントさんが来られ、乗客が購入したスルメを炙り始められました。

(ダルマストーブでスルメが炙られる様子)
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 スルメがきれいに伸ばされた状態で、ストーブの上で炙られています。

 私が用意したスルメも、アテンダントさんにお渡しし、ストーブで炙っていただきました。

 アテンダントさんが軍手をはめた手で、網の上にスルメを押し付けて(伸ばして)おられる姿が印象的でした。

(アテンダントがスルメを炙る様子)
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 軍手越しとはいえ、「手を網の上にのせて熱くないのかな」と見ている方が心配になりました。

 素人には決してマネはできない荒技です(笑)

 最初に炙ってやわらかくなったスルメの胴体が私のところに運ばれてきました。

 アテンダントさんから「(スルメが入っていた)ビニール袋を広げて持っておいてください」と言われ、私がビニール袋を広げて持っていると、アテンダントさんがスルメの胴体を約1cm間隔の食べやすい大きさに手で裂いて、次々と入れてくださいました。

 続いてスルメのゲソ(足)を持ってこられ、足1本ごとに裂いて、私のビニール袋に入れてくださいました。

 スルメを裂く際に、カスがいっぱい床の上に落ちましたが、それもストーブ列車ならではの微笑ましい光景です。

 「ほかにも大勢のお客さんがおられるのに、こんなに丁寧にしてくださるとは」と感動しました。

 車内販売(スルメなどの販売)はこの後で来られたので、時間が限られていた私にとっては、スルメを事前に購入しておいて正解でした。

(津軽鉄道乗車券・ストーブ列車券・スルメ)
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 炙られてやわらかく、表面がカリッとなったスルメを袋から取り出し、いただきました。

(ストーブ列車でいただくスルメ(津軽飯詰駅付近))
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 香ばしく、噛みしめるほどに味が出るスルメでした。

 岩木山が見え、ストーブ列車の旅も終盤に差し掛かった頃、アテンダントさんが車内放送で歌を披露してくださいました。

 地元・青森県五所川原市出身の吉幾三さんの名曲「津軽平野」です。

 「♪つがるぅー へいやぁにぃー ゆきふぅーるぅー ころはヨー」

 津軽弁訛りの歌声は、車窓から眺める景色と相まって、深く心にしみました。

 名残惜しさを感じつつ、ストーブ列車は津軽五所川原駅に到着しました。

(ストーブ列車(DD352)の回送(津軽五所川原駅))
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 「♪降るな降るなよ 津軽の雪よ 春が今年も 遅くなるよ」
 「♪ストーブ列車よー あいたや親父(おどう)」

 またいつかストーブ列車に乗りに「よし、行くぞう!」


鉄道ジャーナル社からのプレゼント

 私が今回、津軽鉄道のストーブ列車に乗りたいと強く思ったきっかけは、鉄道雑誌「鉄道ジャーナル(2025年3月号)」の「冬に本領 風雪の津軽鉄道」という記事を読んだからでした。

 この記事では、津軽鉄道のストーブ列車に関する様々な情報や魅力が紹介されており、私の心は動かされました。

 そこで同誌の懸賞クイズ「RJクイズ」を解き、はがきにクイズの答えと一緒に記事の感想も書いて、鉄道ジャーナル社へ郵送(応募)しました。

 賞品は「図書カード5000円券=1名様」、「鉄道ジャーナル特製図書カード1000円券=15名様」となっていました。

 ただ、私の場合、賞品目当てというよりは、休刊となる鉄道ジャーナル社へのお礼と感想をお伝えしたい気持ちからお送りしたものでした。

 すると、後日、鉄道ジャーナル社から当選商品が郵送されてきたのです!

(鉄道ジャーナル社からの当選通知と図書カード)
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 しかも開封してみると、当選のお知らせとともに、5000円券が同封されていたので、さらにびっくりしました。

 そこで、次号の「鉄道ジャーナル」を読み終えた際、懸賞クイズの応募と記事の感想という名目で、お礼のはがきをお送りしました。

 月刊「鉄道ジャーナル」は2025年6月号をもって休刊となりましたが、綿密な現地取材に基づく詳細で情報満載の記事は、実際に列車の乗ってみたいと思わせてくれるものばかりでした。

 鉄道ジャーナル社様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。


<関連サイト>
 「津軽鉄道」(青森県五所川原市字大町39)
 「コミュニティカフェ でる・そーれ」(青森県五所川原市大町39)
 「ヤマホ竹鼻製麵所(ぼんじゅそば)」(青森県五所川原市金山字亀ヶ岡46-8)

<関連記事>
 「津軽鉄道食景色1 -津鉄汁セット,ストーブ列車石炭クッキー-
 「津軽鉄道食景色2 -若生おにぎり,中まで赤~いりんごジャム,干し餅,五農産米-
 「津軽鉄道食景色3 -東北・北海道新幹線車内で津軽鉄道「ストーブ弁当」を味わう-

<参考文献>
 「鉄道ジャーナル 2025年3月号 -冬に本領 風雪の津軽鉄道-」鉄道ジャーナル社
 「旨い駅そば大百科」「旅と鉄道」編集部
 永松 潔・高橋遠州「テツぼん 13」小学館ビッグコミックススペシャル
 作/川上健一・画/ひきの真二「ちゃぺ!津軽鉄道四季ものがたり」小学館ビッグコミックス
 作/やまさき十三・画/北見けんいち「釣りバカ日誌 82 津軽鉄道冬景色!?の巻」小学館ビッグコミックス

2025年7月20日 (日)

秋田の食文化探訪3 -秋田の塩鮭「ボダッコ」(汐鮭定食・ぼだっこおむすび)、秋田で「ボダッコ」と呼ばれる理由-

秋田の「ボダッコ」

 2025年3月7日に秋田県秋田市を訪問しました。

 秋田市の繁華街「川反(かわばた)通り」沿いにある郷土料理店「お多福」で、店主さんや板前さん、そして常連のお客さんと秋田の食文化(郷土料理)の話を中心に、いろんなお話をさせていただきました。

(「お多福」店舗)
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 旅の話題になった際、旅好きの店主さんが「旅を終え、秋田へ戻って来た際、真っ先に食べたいと思うものは、秋田の米(ごはん)とボダッコだなぁ」とおっしゃいました。

 秋田の「ボダッコ」。

 プロの料理人が地元で一番食べたいと思う料理。

 気になった私は、店主さんに「ボダッコって何ですか」と伺うと、塩鮭のことだと教えてくださいました。

 「ボダッコ」は、周りの常連さんも御存知で、知らないのは私だけでした。

 そして店主さんの「ボダッコ」談義が始まりました。

 塩辛い塩鮭のことを、秋田ではなぜ「ボダッコ」と呼ぶのか。

 その由来については、①塩鮭が「牡丹(ぼたん)の花のように鮮やかな色をしているから、②囲炉裏やかまどにくべる「ほだ木」に似ているから、③塩鮭を「ほだ木」でくるんで保存した(隠した)から、といったいくつかの説があるそうです。

 そして「私が確信している説は…」と店主さんのお話が続きました。

 その説とは、
 「常陸(茨城)から出羽(秋田藩)へやって来られた佐竹のお殿様が、常陸にはイノシシがいたが、雪深い秋田にはイノシシがいないことから、イノシシの肉(ぼたん)のように見える塩鮭を(故郷のぼたん肉をイメージされて)「ぼたん」(のちに「ボダッコ」)と呼ぶようになった」

 「秋田では、身近なものや愛着のあるものを表現する際、語尾に「○○っこ」とつける風習(方言)があり(※)、「ぼたん」と呼ばれた塩鮭もやがて「ボダッコ」と呼ばれるようになった」
というものでした。
 ※「どじょっこ」、「ふなっこ」、「わらしっこ」、「あねっこ(漬け)」など

 「それならこのお店でもボダッコをメニューに加えてくださいよ!」と思わず言いそうになりましたが、何とか抑えました(笑)

 秋田では海産物として「タラの子、すじこ、ボダッコ」がよく食べられているそうです。

 (童謡「どじょっこ ふなっこ」をイメージして)
 「♪タラっこだーの ボダッコだーの たーべてみたいと おもうべな」

 続いて常連さんから「秋田へ来るたびに「ぼだっこおむすび」を買って食べる」というお話があったので、私が「そのおむすびはどこで売られているのですか?」と尋ねると、「コンビニで普通に売ってますよ」とのことでした。

 伝統的なボダッコは、とても塩辛く、サイコロ切りの鮭でたくさんのごはんが食べられたそうです。

 秋田県大仙市のファーマーズマーケット「しゅしゅえっと まるしぇ」の農産物直売所では、「げきからぼだっこ飯」と呼ばれる、200グラムのごはん(あきたこまち)の上に、たった5グラムの「ぼだっこ」がのせられた、さみしすぎるシャケ弁当も販売されているそうです。

 秋田ではおむすびや弁当で売られるほど親しまれている「ボダッコ」。

 とても興味深い情報を入手できました。


秋田市民市場

 翌朝(2025年3月8日)、川反通り近くの宿泊先から「秋田市民市場」を目指しました。

(旭川・川反通り(四丁目橋付近))
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 川反通りから旭川の四丁目橋を渡り、東へ(JR秋田駅方向へ)まっすぐ進んだところに「秋田市民市場」があります。

(秋田市民市場)
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 「秋田市民市場」は、地元の鮮魚や野菜、秋田の名産品などが揃う市場施設です。

 秋田駅から近く、早朝5時から営業されているお店もあります。

 入口に場内マップがありました。

(秋田市民市場 場内マップ)
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 食品、雑貨、青果、乾物、塩干物、水産物、飲食店、さらには業務スーパー、ダイソー、コンビニ、歯医者さんまでいろんなお店が揃っています。

(秋田市民市場 乾物・青果通り)
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 こちらは乾物・青果通りの様子です。

(秋田市民市場 水産通り)
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 こちらは水産通りの様子です。

 塩鮭(汐鮭)もたくさん売られていました。

 ただ、それと同じくらいキングサーモンも売られており、いったいどれが「ボダッコ」なのか(どちらもボダッコと呼ばれるのか)迷いました。

 あと、鮭の切り方も、「東京切り(一般的な斜め切り)」と「秋田切り(通称「ボダッコ切り」、(ほだ木の木切れのように)部位ごとに分厚く切る)」の2種類があることもわかりました。

 いずれにせよ、秋田の人々は鮭やサーモンが大好きなことがよくわかりました。

 施設の至る所で「なんもだー!」と言葉を目にしたのですが、これは「ありがとう」と言われた時に返す秋田の方言で、「どういたしまして」とか「気にしないで」といった意味があるそうです。

 北海道の「なんも なんも」という方言の使い方とよく似ているなと思いました。

 おもてなしや感謝の気持ちが込められた愛情いっぱいの言葉です。


朝定食(汐鮭)

 「ボダッコ(塩鮭・汐鮭)」を求めて、秋田市民市場内の飲食店「まんま」へ伺いました。

(まんま)
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 朝7時の開店と同時にお店に入りました。

 メニューを見ると、まぐろ丼、銀たら煮付定食、赤魚の煮付定食、サバのみそ煮定食、開きサバ定食、開きホッケ定食、キングサーモンの塩焼き定食、塩鮭定食、ピリ辛さんま焼き定食、焼肉定食、とんかつ定食、カキフライ定食と、魚料理を中心に構成されていました。

 このほか、朝限定メニューとして、モーニングセット(ハムエッグ)・朝定食・納豆定食の3種が、昼限定メニューとして日替りランチが用意されていました。

 朝定食のメインのおかずは、ホワイトボードに記載されていました。

(「まんま」の朝定食メニュー)
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 汐鮭、ピリ辛サンマ、ほっけの3種類から1つ選べるようです。

 こちらのお店でも「塩鮭(汐鮭)」と「キングサーモン」が提供されていました。

 キングサーモンは脂がのっているので魅力的ですが、「ボダッコ」は塩鮭(汐鮭)のことだろうと思った私は、「朝定食」の「汐鮭」を注文しました。

 しばらく待っていると、テーブルに朝定食が運ばれてきました。

(「まんま」の朝定食(汐鮭))
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 これぞ日本の朝食。

 汐鮭をメインに、ごはん、味噌汁、切り干し大根、マカロニサラダ、野菜サラダ、たくあん、そして熱いお茶という構成です。

(汐鮭)
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 これはいわゆる「東京切り」の汐鮭です。

 塩辛いのを覚悟していただきましたが、想像していたほど塩辛くなく、食べやすい汐鮭でした。

 近年の健康(減塩)志向や、塩辛い鮭だと食べきれないといった理由があるのかもしれません。

 汐鮭を一口サイズ(角切り)にし、ごはんの上にのせてみました。

(ごはんと汐鮭)
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 ボダッコはこんな感じでごはんと一緒に食べられるのでしょう。

 ごはんと味噌汁と塩鮭(汐鮭)は最高の組合せで、旅行(とりわけ海外)から帰って真っ先に食べたいのが「ボダッコ」だとおっしゃった「お多福」の店主さんのお気持ちがよく理解できました。


ぼだっこおむすび

 食事を終え、お店の隣にコンビニ(ファミリーマート)があったので立ち寄りました。

 おにぎりのコーナーを見てみると、「ぼだっこ(塩辛い鮭)」と表示されたおむすびが販売されていたので、購入しました。

 その後、歩いて秋田駅へ行きました。

(秋田駅)
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 秋田駅構内に秋田米「サキホコレ」にちなんだ合格祈願鳥居が設置されていました。

(「サキホコレ」受験生合格祈願鳥居)
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 「頑張れ受験生!秋田米「サキホコレ」を食べて咲き誇れ」という願いが込められています。

 秋田駅構内のコンビニ(NewDays)に立ち寄ってみました。

(コンビニで販売されている「ぼだっこおむすび」)
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 こちらのお店にも「ぼだっこおむすび」がありました。

 観光客向けに、
 「ぼだっこ 秋田の塩辛い鮭です Akita Salty Salmon」
 「ぼだっこ…秋田弁で「塩辛い鮭」のこと」
 「その名の由来は、猪の肉の色(ぼたん)に似てるから」
 「牡丹(ボタン)の花の色に似てるから、など諸説あります」
と説明書きまでありました。

 「ぼだっこ」とは別に「紅鮭」のおむすびも販売されていたのも興味深かったです。

(ぼだっこおむすび)
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 こちらが今回購入した「ぼだっこおむすび」です。

 ほかにも秋田県内のコンビニ各店で販売されていることと思います。

 一般的な鮭おにぎりとの違いは、
・鮭が若干塩辛く仕上げられていること
・「大きめの鮭フレーク」か「鮭のかたまり」が入っていること
でした。


まとめ(秋田で「ボダッコ」と呼ばれる理由)

 秋田の郷土料理店での会話から、秋田の「ボダッコ」を知り、味わうことができました。

 今回の記事を作成しながら、改めて「ボダッコ」の意味や由来について考えてみたのですが、その際ふと思い浮かんだのが民俗学者・宮本常一さんの「塩魚(塩鮭)」のお話でした。

 宮本常一さんのお話の中で、「昔の鮭は、表面に塩が白く吹くほど塩辛くされていたが、その理由は鮭を食べるためではなく(鮭に付いた)塩を入手したかったから」と紹介されています。

 海から遠く離れた山の中で暮らす人々にとって、塩はとても貴重なものでした。

 山で木を切って、その木(薪・たきぎ)を川へ流し、河口(海)へと運びます。

 その河口にたどり着いた薪を使って、浜で海水を焼いて塩を作り、山へ持ち帰ったのです。

 江戸時代以降、船で瀬戸内海の塩が運ばれてくるようになってからも、山に住む人々は薪を町家の燃料として売りさばき、そこで得たお金で塩を買って帰るという生活を送られていたそうです。

 これらの話をまとめると、
・塩を得るためにとても辛い塩鮭が作られた
・薪は(山に住む人々にとっても、海に住む人々にとっても)塩を焼くために欠かせない燃料だった
・塩の流通が盛んになってからも、薪を売って得たお金で塩を入手した
という塩と人々とのかかわりが明らかになります。

 さらに、「ほだ木」が薪として囲炉裏やかまどにくべる燃料にされたことまで考慮すれば、どういう経緯で塩辛い塩鮭が作られるようになり、それがなぜ秋田で「ボダッコ」と呼ばれるようになったのかについても明らかになるのです。

 つまり、秋田で「ボダッコ」と呼ばれる理由は、
・塩を得るため、塩辛い鮭が作られるようになった(鮭の保存性を高める効果もあった)
・「薪」や「ほだ木」は、塩(海水)を焼く燃料や、塩を購入するための商品となった
・塩と鮭、塩と薪(ほだ木)はお互い深い関わりを持ち、人々の生活に溶け込んだ
・塩、鮭、薪(ほだ木)が結びつき、鮭の色(ぼたん)や「ほだ木」の名称から、秋田では次第に(愛着を込めて)「ボダッコ」と呼ばれるようになった
というのが、私が導き出した答えです。

 「♪ボダッコだの 呼ばれるのは これがこたえと おもうべなー」

 今回の秋田訪問で、「ボダッコ(ぼだっこ)」が秋田の食文化に深く関係する、秋田県民自慢の食べ物であることがよくわかりました。

 秋田へ行かれる機会があれば、ぜひ「ボダッコ」を御賞味ください。


<関連サイト>
 「秋田市民市場」(秋田市中通4-7-35)
 「しゅしゅえっと まるしぇ」(秋田県大仙市花館字常保寺106-1)

<関連記事>
 「秋田の食文化探訪1 -がっこ・なた漬け・きりたんぽ鍋・くじらかやき-
 「秋田の食文化探訪2 -比内地鶏・ハタハタ・がっこ・あねっこ漬け・ばっけ・きりたんぽ鍋・秋田産枝豆のコロッケ・秋田産りんごジュース-

<参考文献>
 宮本常一「塩の道」講談社学術文庫

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