食文化事例研究

2026年4月12日 (日)

あずきの研究21 -日本あんこ協会監修「おこたであったか餡くらべ」・「品プリあんバサダー」認定-

品川プリンスホテルの「おこたであったか餡くらべ」

 2025年12月1日から2026年3月31日までの期間、東京・品川プリンスホテルで、和のアフタヌーンティーイベント「おこたであったか 餡くらべ」が開催されました。

(和のアフタヌーンティー「おこたであったか餡くらべ」)
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(和のアフタヌーンティー「おこたであったか餡くらべ」リーフレットから一部引用)

 日本あんこ協会監修のイベントです。

 日本あんこ協会では「あんこ」を「食材を煮詰めて練ったペースト状のもの」と定義されていますが、この多種多様な「あんこ」を「比べ」、「あんこ」と「交ぶ(くらぶ:心を通わせ、親しくつきあう)」ことをコンセプトに企画されたイベントです。

 日本あんこ協会監修の愛と願いが詰まったメニューが提供され、参加すると、あんこを普及振興する大使「品プリあんバサダー」に認定されます。

 「あずき好き」・「あんこ好き」の私としては見逃すことができず、品川プリンスホテルに予約しました。

 予約日の2026年3月15日、品川プリンスホテルを訪問しました。

(品川プリンスホテル)
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 ホテルは大勢の人で賑わっていました。

 玄関にイベントの看板がありました。

(和のアフタヌーンティー「おこたであったか餡くらべ」看板)
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 予約時刻の11時に、メインタワー38階の和食店「味街道五十三次」を訪問しました。

(「味街道五十三次」案内板)
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 「味街道五十三次」は、東海道にちなんだ7つの和食専門店と個室で構成される和食レストランです。

 お店で名前をお伝えし、待合スペースへと進みました。

 高層階の窓から景色を眺めると、東京の街並みが一望できました。

(品川プリンスホテル・メインタワーからの眺め(北方面))
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 品川駅周辺は再開発が進められていました。

(品川プリンスホテル・メインタワーからの眺め(南方面))
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 品川駅の南に、京急の「北品川駅」があります。

 「北品川駅」は、旧東海道の品川宿の北端に位置していることから名付けられた駅で、現在の品川区の北端に位置しています。

 一方、品川駅や品川プリンスホテルがあるエリアは、品川区ではなく、港区高輪・港南となります。

 写真では、JRの線路に、手前の京急の線路や道路がクロスしている箇所が港区と品川区の境になります。

 しばらく東京の街並みを眺めていると、私の名前が呼ばれ、着物姿の店員さんに席を御案内いただきました。


和のアフタヌーンティー「おこたであったか餡くらべ」

 和の格式高い雰囲気に背筋が伸びる思いで待っていると、食事の準備が始まりました。

(「おこたであったか餡くらべ」食事準備)
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 テーブルに箸、匙、黒文字(菓子切り)、ナプキン、リーフレット、七輪などが用意されました。

 アフタヌーンティーということで、飲みものはフリーフロー(飲み放題)となっていました。

 紅茶やコーヒーも選べましたが、和のアフタヌーンティーなので、まずは「日本茶」を注文しました。

(日本茶(ひなた八十八夜 深蒸し煎茶))
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 「ひなた八十八夜 深蒸し煎茶」というプリンスホテルオリジナル一番茶です。

 お茶の良い香りに、ほっと心が和み、「昔、東海道五十三次を旅した人々も、こんな感じでお茶屋で一休みしたのかな」と思いを馳せました。


【お食事】

 最初にお食事(軽食)が用意されました。

(お食事)
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 茶碗蒸し、いなり寿司、煮あわび、和牛炙り焼き、ほうれん草のお浸しが陶器の皿に美しく盛り付けられています。

(小さな小豆茶碗蒸し)
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 「小さな小豆茶碗蒸し」は、ミニサイズの茶碗蒸しに小豆がのせられていました。

(黒米の小さなおいなりさん)
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 「黒米の小さなおいなりさん」は、黒米が使われ、赤飯のようなおめでたい「おいなりさん」でした。

(稚あわびの小豆煮)
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 あわびもおめでたい席の食べ物ですが、煮あわびの上に小豆煮がのせられ、とてもおめでたい料理になっていました。

(和牛炙り焼き 西京味噌ソース(粒あん))
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 こちらは和牛の炙り焼きです。

 噛みしめると口の中に脂がじゅわっと広がる和牛で、西京味噌のソースともよく合い、「さすが一流ホテルの肉料理だなぁ」と感心しました。

 これで十分満足だったのですが、次に西京味噌ソースと一緒に添えられていた「粒あん」を肉にまぶしていただくと…「なんだこの炙り焼きは」と一変しました(笑)

 甘い粒あんと和牛炙り焼きは、やっぱりちょっと無理があるように感じました…。

 しかしながら、和牛炙り焼きにも「あんこ」を使う徹底ぶりには大いに感心しました。

(法蓮草と赤えんどう豆のお浸し)
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 ほうれん草のお浸しにも赤えんどう豆をアクセントとして添えられていました。


【甘味(あんこの食べ比べ)】

 軽食の「お食事」を済ませたあと、いよいよメインの「甘味」が提供されました。

(和のアフタヌーンティー(甘味))
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 さすが「和のアフタヌーンティー」。アフタヌーンティースタンドが木製で、和菓子中心となっていました。

 飲みものは「玄米茶」をいただきました。

(玄米茶)
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 最初にいただいた「日本茶」が、すっきりと洗練された飲み口だったのに対し、今回の「玄米茶」は、濃厚でどっしりとした食感で、風味も香ばしく、甘い和菓子によく合いました。

 食べ比べの餡は、8種類(粒あん、こしあん、白あん、いちごみるく、かぼちゃ、笠間栗、紫芋、ピスタチオ)のうち、「こしあん」、「白あん」、「笠間栗あん」の3種をチョイスしました。

(3種の餡)
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 お口直しの塩昆布が付いてくるところが和の甘味っぽくていいです。

(笠間栗あんこ)
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 「笠間栗あんこ」は、茨城県笠間市産のブランド栗が使用された餡で、高級な栗きんとんやマロンペーストをいただいている感じがしました。

(白あんこ)
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 「白あんこ」は、手亡豆(てぼうまめ)の風味が生かされた、上品でやさしい味わいの餡でした。

(こしあんこ)
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 「こしあんこ」は、上品でくちどけ滑らかな舌触りの小豆餡でした。

 だんごやもなかと一緒に食べるのが一般的ですが、小豆あん好きの私はそのままでもエンドレスに食べることが出来ます(笑)


【甘味(アフタヌーンティースタンド(一の段)・七輪焼き)】

 続いて、アフタヌーンティースタンドのお菓子を御紹介します。

(アフタヌーンティースタンド(一の段・二の段))
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 まさに夢の盛り合わせで、目をキラキラ輝かせながら眺め、夢中で写真を撮りました。

 お店の方には、さぞ怪しい男に見えたことでしょう(笑)

(一の段)
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 「一の段」には、いちご、マシュマロ、もなか、わらびもち(きなこ)、だんごが盛り付けられていました。

(もなか・いちご)
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 もなか(皮)はぷっくりとした鯛焼きをイメージさせる形で、あんバター用に一口サイズのバターも入っていました。

 串だんごとマシュマロを七輪の網にのせて炙りました。

(だんご・マシュマロ(七輪))
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 マシュマロは熱を加えると溶けて生クリームのような食感になります。

 だんごは軽く炙ったあと、白あんや粒あんを塗っていただきました。

 「せっかくなので、わらびもちも焼いてみよう!」

(わらびもち きなこ(七輪))
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 意味のないことをしてしまいました…(笑)

 3種のあんこを入れた「もなか」も少し炙ってみました。

(あんこ入りもなか(七輪))
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 皮がカリッと香ばしくなり、美味しくいただけました。


【甘味(アフタヌーンティースタンド(二の段)】

(二の段)
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 「二の段」には、いちご大福、栗のお汁粉、栗あんのモンブランタルト、ショコラ羊羹、おはぎの天婦羅、塩バターどら焼きが盛り付けられていました。

(栗のお汁粉)
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 栗と小豆は最強のコンビです。

(おはぎの天婦羅)
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 一口サイズの粒あんおはぎに衣をつけて揚げた、おはぎの天ぷらです。

 揚げたあん餅のような、美味しいお菓子に仕上がっていました。

(ショコラ羊羹)
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 「ショコラ羊羹」は、クルミがのせられたチョコレートケーキかと思いましたが、食べてみると、こしあんもトッピングされていることに気付きました。

 写真のチョコレートケーキとクルミの間をよく見ると、こしあんの層があり、右側にアクセントとして金箔が飾られていることがお分かりいただけるかと思います。

(栗あんのモンブランタルト)
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 「栗あんのモンブランタルト」は、タルト生地に抹茶ケーキとこしあんをのせ、栗あんでモンブランに仕上げた一品でした。

(塩バターどら焼き)
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 「塩バターどら焼き」は、生地の中にこしあんと塩バターをはさんだプチどら焼きでした。

 バターもたっぷりで、小豆あんとの相性が抜群でした。

(ほうじ茶)
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 飲みものは「ほうじ茶」をいただきました。

 和のアフタヌーンティーということで、3種類のお茶をいただきました。


「品プリあんバサダー」認定

 アフタヌーンティーを堪能し、ホットコーヒーをいただきながら、改めてリーフレットを眺めると、「QankoA(あんこQ&A)」という記事がありました。

(QankoA(あんこQ&A))
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 近代製餡業発祥の地が、静岡市清水区興津(おきつ)であることは初めて知りました。
(興津出身の北川勇作さん・内藤幾太郎さんが製餡機を使った製餡技術を広めたため)

 しばらくして、お店の方から「品プリあんバサダー」認定証をいただきました。

(品プリあんバサダー認定証)
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 日本あんこ協会と品川プリンスホテルから、あんこへの愛と情熱をもった人物であることを正式に認められました。

(品プリあんバサダー認定証(裏面))
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 「品プリあんバサダー」には、国際交流拠点・品川からあんこへの愛と情熱を世界へ広めていくことが期待されています。

 私も「品プリあんバサダー」の一人として、この記事を丁寧に練り上げ、完成させました。


まとめ

 今回のイベント参加で、日本あんこ協会からいただいた称号は、「源氏巻すと(Genjimakist)」(島根県津和野町)と「品プリあんバサダー」の2つになりました。

(和のアフタヌーンティー「おこたであったか餡くらべ」イメージ画像)
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(日本あんこ協会プレスリリース資料を一部加工・引用)

 「津和野あんこ旅ウォーク(源氏巻食べ歩きツアー)」に続き、今回も「あんこ好き」にはたまらない、あんこ尽くしのイベントでした。

(アンコワネット「あんこを食べればいいじゃない」(日本あんこ協会))
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 「あんこを食べればいいじゃない」

 これはアンコワネットさまの名言ですが、私はそのさらに上をいきます。

 「あずきのあんこだけ食べればいいじゃない」

 私はひたすら「あずき」と「あんこ」を愛し、その素晴らしさを世界へ広めたいと思います。


<関連サイト>
 「日本あんこ協会」(東京都豊島区南池袋1丁目16-15 ダイヤゲート池袋5F)
 「品川プリンスホテル」(東京都港区高輪4-10-30)

<関連記事>
 「あずきの研究20 -津和野あんこ旅ウォーク(津和野町観光協会・日本あんこ協会「源氏巻食べ歩きツアー」)-
 「あずき」関連の記事につきましては、「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「あずきの研究」を御参照ください。

2026年2月 1日 (日)

広島のレモン菓子・レモンケーキ24 -シティーベーカリー「レモンダモンクッキー」・ステキコレクション「レモンカスタードケーキ」・パティスリーピース「レモンケーキ」・クレイトンベイホテル「潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ」-

 今回は広島と山口のレモン菓子・レモンケーキなどを御紹介します。


THE CITY BAKERYの「レモンダモンクッキー」

 広島駅の商業施設「minamoa(ミナモア)」に、「THE CITY BAKERY minamoa広島店」があります。

(THE CITY BAKERY minamoa広島店)
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 こちらのお店に、広島限定のクッキーが販売されていました。

(レモンダモンクッキー商品紹介)
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 瀬戸内レモンとカルダモンを使ったクッキーで、その名もズバリ「レモンダモンクッキー」です。

(レモンダモンクッキー(包装))
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 カルダモン入りのクッキーに、瀬戸内レモンを使ったアイシングがかけられた広島限定クッキーです。

(レモンダモンクッキー)
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 しっとりとした生地のクッキーに、瀬戸内レモンのアイシングがたっぷりかけられていました。

 スパイシーなカルダモンの風味と瀬戸内レモンのさわやかな酸味が楽しめる、ボリューム満点のクッキーです。


SUTEKI COLLECTION「レモン・カスタードケーキ」

 JR西日本コミュニケーションズのおでかけガイド「西Navi(2026年1月号)」に、「SUTEKI COLLECTION(ステキコレクション)」の商品が紹介されていました。

 「SUTEKI COLLECTION」は、JR西日本・ジェイアールサービスネット広島が、地域事業者とともにステキな商品を開発するプライベートブランドです。

 そのブランドの商品の1つに、瀬戸内産レモンを使用したお菓子が紹介されていたので、興味を持ち、JR広島駅に直結する商業施設「ekie(エキエ)」で購入しました。

(ステキコレクション「レモン・カスタードケーキ」(包装))
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 空色のパッケージに「瀬戸内クラシックスイーツ」と記載されています。

 ばら売りと箱売り(4個入り)があります。

 てっきり広島のレモンケーキだと思ったのですが、よく見ると「FROM YAMAGUCHI」とあり、山口のレモンケーキでした(笑)

(ステキコレクション「レモン・カスタードケーキ」)
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 丸い形をしたカステラ生地の蒸しケーキです。

(ステキコレクション「レモン・カスタードケーキ」(中身))
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 中には、カスタードクリームとレモンジャムが入っていました。

 ふわふわのスポンジケーキのような生地に、ほのかなチーズ風味のカスタードクリームと、レモンゼスト(レモンの皮のすりおろし)入りのレモンジャムを包んだレモンケーキです。

 「果子乃季」の山口銘菓「月でひろった卵」や、「菓匠三全」の仙台銘菓「萩の月」のカスタードクリームにレモンジャムを加えたイメージです。

 なるほど、このレモン・カスタードケーキは「月でひろった卵」を製造されている「あさひ製菓」(山口県柳井市)が作られたお菓子なので「FROM YAMAGUCHI」なのですね。

 このステキコレクションの商品つながりで、「廣島アップルエード」も購入しました。

(ステキコレクション「廣島アップルエード」)
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 広島県庄原市高野町産のりんごを新鮮なうちに絞り、粉末のアップルエードにした商品です。

 生姜の粉末も加えられており、お湯や水を注ぐと、ほのかな生姜風味のりんごジュースになりました。

 広島県は東西南北に広いので、北部ではりんごが、島しょ部ではみかんが採れます。


パティスリーピース「レモンケーキ」

 広島県三原市のパティスリーピースを訪問しました。

(パティスリーピース店舗)
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 焼菓子のコーナーで手土産を選んでいると、一角にレモンケーキが販売されていました。

(パティスリーピース「レモンケーキ」(包装))
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 瀬戸内海と島々そしてレモンが描かれたパッケージに「瀬戸内レモンケーキ」、「From Hiroshima」、「たっぷりレモン増し」とあったので、興味を持って購入しました。

(パティスリーピース「レモンケーキ」)
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 長さ約6.5cm、幅約4.5cm、高さ約3cmの標準的なサイズのレモンケーキです。

 表面には、酸味が強く、ねっとりとしたレモンチョコレートがコーティングされています。

(パティスリーピース「レモンケーキ」(中身))
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 しっとりとしたケーキ生地に粗めに切ったレモンピールがたくさん入っていました。


クレイトンベイホテル「潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ」

 広島県呉市のクレイトンベイホテルで、新年のお茶会(初炉)が開催されました。

 このホテルの日本料理店「呉濤(ごとう)」の「コワモテ料理長」がSNSで話題沸騰中なので、お茶席だけでなく、料理も期待して伺いました。

(宴席の料理)
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 お茶席に続いて宴席が設けられ、お造り、煮物、寿司などを美味しくいただきました。

 毎年恒例のくじ引き大会も開かれ、私は3番を引きました。

 次々と番号が呼ばれる中、私の番号はなかなか選ばれず、少し焦ったのですが、終盤で「3番」が呼ばれました。

(抽選くじ番号(3番))
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 景品が手渡され、席に戻って3番の紙袋を開けてみると、潜水艦の箱が出てきました。

(潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ(潜水艦))
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 海上自衛隊の街・呉ならではのお土産です。

 同じテーブルの皆さんにこの「潜水艦ケーキ」を披露すると、呉市長さんから「呉のレモンケーキですよ!」と教えていただきました。

(潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ(食品表示))
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 食品表示を見てみると確かに「レモンケーキ」と記載されています。

 箱の側面には「くれいとん製」とも記載されていました。

 この潜水艦の排水トン数は「くれいトン」でしょうね(笑)

 これは私にとって大当たりでした。

 最初からレモンケーキを探し求める私のところへ届く運命だったとしか思えません。

 貴重なレモンケーキなので、この「潜水艦ケーキ」の入った紙袋をこっそりとテーブルクロスの奥深くに潜らせ、帰り際に急浮上させて、自宅まで極秘で持って帰りました。

(潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ(潜水艦内部))
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 潜水艦の箱を開けると、艦長と乗組員が敬礼姿で登場しました。

(潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ(艦長と乗組員))
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 「全員、整列!」

 艦内には8名(艦長1名、乗組員7名)の自衛官(レモンケーキ)がおられました。

(潜れ!ぼくらの潜水艦ケーキ(レモンケーキ))
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 袋を開けてみると、スティック状のレモンケーキが入っていました。

 サイズは長さ約6cm、幅約4.5cm、高さ約3cmです。

 しっとりとして、適度なレモンの酸味が感じられるレモンケーキで、粗めにカットされたレモンピールもザクザク入っていました。

 自衛官の形に近くするためスティック状にされていますが、レモンの形にすれば、まさにレモンケーキそのものです。

 冷蔵庫で冷やして食べると、しっとり感が増し、さらに美味しくいただけました。


<関連サイト>
 「THE CITY BAKERY」(minamoa広島店 広島市南区松原町2-37 ほか)
 「SUTEKI COLLECTION」(JR西日本・ジェイアールサービスネット広島)
 「あさひ製菓」(果子乃季総本店 山口県柳井市柳井5275番地 ほか)
 「織田製菓」(広島県尾道市栗原町5051-5)
 「パティスリーピース」(広島県三原市円一町三丁目9-1)
 「クレイトンベイホテル」(広島県呉市築地町3-3)

2025年11月16日 (日)

ドライブインの魅力7 -広島県庄原市「ドライブインミッキー」の「ホルモンちゃんぽん・チャーシュー丼・ミニとんかつ」-

広島県庄原市のドライブイン「ドライブインミッキー」

 今回は、広島県内のみならず、メディアを通じて県外の皆さんにも有名なドライブインを御紹介します。

 広島県庄原市の幹線道路沿いにあるドライブイン「ドライブインミッキー」です。

 私の周りにも、このお店に行ったことがある人が多く、いつか訪問してみたいお店の1つでした。

 ただ、私の自宅(広島市南区)からは遠い(100km以上ある)ことなどの理由で、なかなか行く機会が見い出せませんでした。

 日が経つにつれ、このお店の情報を当ブログ「ドライブインの魅力」シリーズでぜひ御紹介したいという思いが強くなり、今回、意を決してお店を訪問することとしました。


ドライブ客や地元客で賑わう「ドライブインミッキー」

 広島県庄原市を訪問しました。

(備後庄原駅・フォトパネル)
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 備後庄原駅には、鉄道好きの演歌歌手・徳永ゆうきさん(芸備線庄原市応援大使)の顔はめパネルが設置されていました。

(上野公園・上野池)
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 こちらは、庄原市東本町にある上野公園と上野池です。

 東京の上野恩賜公園と同じく、春には桜の名所(「桜の名所100選」)として有名な観光スポットです。

 庄原市新庄町の「ドライブインミッキー」に到着すると、まだ開店して間もないのに、すでに大勢のお客さんがお店の外で順番を待っておられました。

(ドライブインミッキー(正面))
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 ドライブインミッキーとミッキーファンのお客さん達の様子です。

 ファミリーレストランと同様、入口に順番待ち名簿が置かれていて、名前と人数を書いて順番を待つ方式でした。

 私も早速記入し、呼ばれるのを待つことにしました。

 待ち人数が多く、当分順番は回ってこないと思った私は、お店の周辺を散策することとしました。

(ドライブインミッキー(交差点))
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 しばらくして「どこまで順番が前に進んだかな」と名簿を確認してみると、私の名前だけ不明なチェックが入っていました。

 その後、しばらく待っていると、お店の方から私の名前が呼ばれました。

 私がお店を離れている間に、私が1人だったことから優先的に呼んでいただき、不在だったので再度呼んでいただいたようでした。

 お店の方にお詫びした上で、席へ案内していただきました。

 広い店内は、お客さんで満席でした。

(メニューブック・数量限定デザート)
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 メニューブックと数量限定デザートの案内です。

 数量限定デザートとして、「牛乳屋さんの食べる牛乳」が用意されていました。

 実はこのドライブイン、牛乳販売店からスタートされたお店なのです。

(ドライブインミッキーの歴史)
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 メニューブックの中にドライブインミッキーの歴史が紹介されたページがありました。

 「昭和33年に「山口牛乳販売店」としてスタートし、昭和42年11月に「ミッキー食堂」としてスタート、お客様の健康を支えたい思いで、小瓶の牛乳サービスをはじめ、今でも続けています」

 そうなんです。このお店では定食にサービスで牛乳を付けていただけるのです。

 ふとテーブルの横を見ると、テーブルに直角に付けたティッシュボックスが設置されていました。

(テーブル席備え付けティッシュボックス)
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 何と機能的なのでしょう!

 そして私が座ったテーブル席の正面には、ドライブインミッキーの「だるま」が飾られていました。

(だるま(ドライブインミッキー))
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 ミッキーマウスではなく、ミッキーだるま!

 そのだるまには「家内安全」、「一斗五合」と記載されていました。

 「一斗五合」には、一斗(いっと)=五升(ごしょう)の倍=「ごしょうばい」、五合(ごごう)=一升の半分=半升=「はんしょう」で、「御商売繁盛(ごしょうばいはんじょう)」という意味が込められているようです。

 これは「春夏冬中」と書いて、「あき(秋)ない(無い)中」=「商い中」と読むのと発想が似ています。

 なかなかしゃれたお店です。


ホルモンちゃんぽん・Cセット

 このお店のメニューは、ラーメン、ちゃんぽん、うどん、焼きそば、カレーライス、焼肉、ステーキ、ハンバーグ、カツ丼、牛丼、うな重など100種類以上あるため、決めるのも大変です。

 迷った挙句、お店の人気メニューの1つ、「ホルモンちゃんぽん」に決めました。

 麺類は、「ごはんもの」や「揚げもの」とセットにすることも可能となっています。

 「ごはんもの(Aセット)」には、チャーシュー丼、やきめし、キムチやきめし、ライス、むすび(2個)が用意され、「揚げもの(Bセット)」には、からあげ(3個)、揚げ餃子(4個)、ミニとんかつ、手羽先(2本)が用意されています。

 さらにAセットとBセットを組み合わせた「Cセット(ごはん&揚げもの)」もお得な価格で用意されています。

 そこで私は、ごはんものとして「チャーシュー丼」を、揚げものとして「ミニとんかつ」を組み合わせたCセットを注文しました。

 するとお店の方から「サービスで牛乳が付きますが」とお話がありました。

 ほとんどの方は喜んで付けていただくでしょうし、私自身も牛乳がサービスで付く様子を写真で御紹介したいところなのですが、申し訳ないと思いつつ、お断りしました。

 私は幼い頃から牛乳だけは全く飲めないのです。

 チーズやヨーグルトなど、ほかの乳製品は普通にいただけるのですが…。

 写真撮影だけしてそのまま残すというのは失礼なので、申し訳ないと思いつつ、お断りしました。

 牛乳販売店も兼ねるお店の本物の牛乳をいただけるチャンスだったのですが…。

 そんなやりとりがありながらも無事注文を済ませました。

 お店の方が厨房の方に「ホルちゃん、しょうゆ、セットでー」とオーダーされていました。

 待つ間、周りを見渡すと、休日の夕方ということもあり、家族連れやグループの方が多くいらっしゃいました。

 メニューが豊富で、ボリュームもあるので、みんなで分け合いながら召し上がっておられる光景も目にしました。

 そして、体が大きく、いかにもたくさん食べそうなお客さんも多く見かけました(笑)

 そんな様子を見ながら過ごしていると、ほどなくして注文した料理が運ばれてきました。

 それは、「いかにもたくさん食べそうなお客さん」からも注目されるほどのボリュームでした。

(ホルモンちゃんぽん・Cセット)
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 ちゃんぽんのどんぶり鉢は特盛サイズ、チャーシュー丼はミニではなく一食分の量、ミニとんかつもとんかつ1枚分でした。

 それぞれ単品で注文するのとほぼ同じ量でした。

 さらにサービスで牛乳を付けていただけるはずでした。


【ホルモンちゃんぽん】

(ホルモンちゃんぽん)
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 「ホルモンちゃんぽん」は、醤油ベースの汁麺にホルモン野菜炒め(ホルモン、玉ねぎ、キャベツ、もやし、ニラ、人参、青ねぎ)とチャーシュー、メンマが盛られたちゃんぽんです。

 野菜だけでも350グラム(成人が一日に必要といわれている野菜の量と同量!)もあります。

 ホルモン野菜炒めがたっぷりで、なかなか麺まで到達しませんでした。

(ホルモンちゃんぽん(麺))
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 やっと麺に到達し、箸で麺を持ち上げようとすると、麺が重くて箸が折れそうになりました(笑)

 野菜もホルモンも、そして麺もたっぷり美味しくいただけました。


【チャーシュー丼】

 「チャーシュー丼」は、ごはんの上に刻んだチャーシューがたっぷりのせられ、マヨネーズをかけて軽く炙られた丼です。

(チャーシュー丼)
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 チャーシューだけでもたくさんあるのに、刻み青ねぎまで二層構造になっており、青ねぎだけでも1束分ぐらいの量があるように思いました。

(チャーシュー丼(チャーシュー))
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 甘辛い醤油だれや卵の黄身をまぶしながらいただきました。

 これは普通盛りですが、無料で大盛りにしていただくことも可能です。

 私には無理です…(笑)


【ミニとんかつ】

 「ミニとんかつ」は、とんかつ1枚分にデミグラスソースがかけられ、サラダ、くし切りのレモン(レモン絞り器まで!)が添えられたサイドメニューです。

(ミニとんかつ)
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 「ミニ」とは名ばかりの、ごはんにのせればカツ丼ができそうなサイズ・肉厚のとんかつでした。

 こちらのミッキーでは、ミニーは登場しません(笑)


 もっと食べたい人は、この組み合わせで麺やチャーシュー丼を大盛にすることもできます。

 私は逆に、残さず食べきれるかどうか、そればかり考えながらいただきました(笑)

 無事完食しましたが、ゆっくり味わって食べる余裕があれば良かったと思いました。

(ドライブインミッキー(近景))
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 物価が高騰している現在、好きなもの、美味しいものをお手頃価格でお腹いっぱい食べたいという願望を満たしてくれる、魅力いっぱいのドライブインです。


<関連サイト>
 「ドライブインミッキー」(庄原本店 広島県庄原市新庄町491-1)

2025年11月 2日 (日)

ドライブインの魅力6 -広島県大竹市「お食事処みずなか」のジャンボエビフライ定食・「二代目辻村寿三郎 講演&ライブ」-

「ビッグ錠誕生日祭2025」で知った広島のイベント

 2025年10月12日、神奈川県藤沢市湘南台で開催された「漫画飯オフ会」・「ビッグ錠誕生日祭2025」に参加しました。

(「ビッグ錠誕生日祭2025」チラシ)
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 イベント終了後、ビッグ錠先生、シャンソン歌手の浜野ケイ子さん、そしてアコーディオン奏者のえびさわなおき。さんと私の4人でお話する機会がありました。

(浜野ケイ子さんライブ・ビッグ錠先生タップダンス)
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 私の地元・広島の話になった際、浜野ケイ子さんから「あら、広島なら来週イベントがあるじゃない!」という話に発展しました。

 翌週、えびさわなおき。さんが広島県に来られ、三次市と大竹市で、人形師の二代目辻村寿三郎さんと一緒に公演されることを教えていただきました。

 えびさわなおき。さんから公演案内を見せていただいたので、写真撮影して保存しました。

 えびさわなおき。さんへ「都合がつけば広島の会場へ伺いますね」とお伝えし、その日は終わりました。


ドライブイン「お食事処みずなか」の「ジャンボエビフライ定食」

 2025年10月18日、JR山陽本線の電車を利用して、広島県西部の大竹市玖波を訪問しました。

(玖波駅ホームと227系(レッドウイング)列車)
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 宮島の玄関口、JR宮島口駅よりさらに西にある駅です。

 イベント会場の大竹市立玖波公民館は、駅からほど近い場所にあるのですが、まずは昼食をとってから伺うこととしました。

 と言うのも、この玖波にずっと前から気になっていたドライブインがあるからです。

 「お食事処みずなか」です。

(お食事処みずなか)
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 国道2号沿いにあり、車で通るたびに気になり、でも立ち寄るまでの勇気もなく…といった感じのお店でした。

 それだけに、今回の玖波訪問は千載一遇のチャンスだと思い、お店を訪問しました。

 お店に入り、真っ先に見えたのがクレーンゲーム機やアーケードゲーム機が並ぶゲームコーナーです。

(ゲームコーナー)
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 ドライバーや同乗者の憩いの場であるゲームコーナーは、ドライブインになくてはならない存在です。

 そのゲームコーナーの先に食券販売機がありました。

 最初に食券を購入し、厨房でお店の方にお渡しして注文する方式です。

 麺類、丼もの、定食など和洋中様々なメニューが用意されている中で、私が一番魅力的に思ったのは「ジャンボエビフライ定食」です。

 このお店の定食の価格は700~800円台が中心で、エビフライ定食も700円となっている中、ジャンボエビフライ定食は最高価格の1500円となっていました。

 「ボリュームやコストパフォーマンスを重視するお客さんが揃うドライブインで、この価格設定はきっと何か理由があるはず」と推測しました。

 また、これからえびさわなおき。さんとお会いすることも踏まえ、幸先よく「えび」料理の豪華定食に決めました。

 厨房では、4~5人の方が忙しく調理しておられました。

 食券をお渡しして注文を済ませたあと、席を探しました。

 お昼どきだったこともあり、お店はお客さんで賑わい、席はほぼ満席でした。

 何とか席を見つけ、座って料理が出来上がるのを待ちました。

 料理が出来上がると、厨房から大きな声で「「○○(料理名)」のかたー」とお知らせがあるのですが、番号で呼び出されるわけではないので、同じ料理を複数のお客さんが注文された時はどうなるのだろうかと思いながら、出来上がりを待ちました。(※)
 ※出来上がりのタイミングやグループの組合せでうまくいっているのだと思います。

 ドライブインの料理は迅速に提供されることが多く、こちらのお店もそうなのですが、私が注文したジャンボエビフライ定食は時間を要し、あとで注文されたお客さんの料理の方が先に提供されました。

 期待と不安を抱えながら、出来上がりを待ちました。

 「ジャンボエビフライ定食のかたー」

 ハイハイと、喜び勇んで厨房へ受け取りに行きました。

(ジャンボエビフライ定食)
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 「おーっ、これは確かにスゴイ」

 大きな尾頭付きのエビフライが3本、デーンと盛り付けられていました。

 ごはん、味噌汁、たくあん、サラダ、そしてエビフライにつけるタルタルソースがセットになった定食です。

(ジャンボエビフライ)
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 フライにする際に海老が曲がらないよう、パン粉でしっかりとかためられています。

 衣の中身を確かめてみると…

(ジャンボエビフライ(中身))
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 大きな海老の身が登場しました。

 パン粉でカサ増しされているわけではないのです(笑)

 タルタルソースやウスターソースをつけながら、ジャンボエビフライをお腹いっぱいいただきました。

 ボリューム満点の魅力的な料理でした。

 食事を終え、幸せな気分で公演会会場へ歩いて向かいました。


二代目辻村寿三郎 講演&ライブ

 長いこと引っ張りましたが、ここからがメインです(笑)

 「二代目辻村寿三郎 講演&ライブ」会場の大竹市玖波公民館へやってきました。

(大竹市立玖波公民館)
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 歴史を感じる大きな公民館でした。

 今回のイベントのポスターも掲示されていました。

(「二代目辻村寿三郎 講演&ライブ」ポスター)
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 二代目辻村寿三郎さんは大竹市の御出身で、その御縁もあって玖波公民館での開催となりました。

 いつも湘南台でお会いしているえびさわなおき。さんも演奏されるとあって、期待が高まります。

 当日は大勢の観客が来場されました。

(「二代目辻村寿三郎 講演&ライブ」会場の様子)
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 開始時刻までに、えびさわなおき。さんとお会いできないかと思い、控室へ行ってみました。

(出演者控室)
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 すると、ちょうどえびさわなおき。さんが出て来られ、御挨拶することが出来ました。

 これまで湘南台でしかお会いすることがなかったのに、湘南台から800km以上離れた広島県大竹市でお会いできたことが不思議でなりませんでした。

 しかも湘南台でお会いして1週間も経たないうちに。

 広島の手土産をお渡しし、しばらくお話をしていると、二代目辻村寿三郎さんもお越しになりました。

 えびさわなおき。さんが二代目辻村寿三郎さんに「いつも東京でお会いする方です」と私を紹介してくださいました。

 東京じゃないけど、あの辺一帯は東京なのでしょう(笑)

 お二人に御挨拶した後、花道近くの席に座り、開始を待ちました。

 開始時刻となり、司会の方から開始の御案内がなされたあと、えびさわなおき。さんがアコーディオンを演奏しながら登場されました。

 曲はサティの「Je te veux(ジュトゥヴ)」でした。

 私の大好きな曲です。

 御紹介する動画はピアノ演奏ですが、有名な曲なので御存知の方もおられるかと思います。

(Satie - Je te veux)

  (YouTube「Satie - Je te veux」potassiumchlorate)

 その後、二代目辻村寿三郎さんも人形と一緒に舞台に登場されました。

(二代目辻村寿三郎・えびさわなおき。共演)
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 人形は「おきょう」さんです。

 日本の人形芝居とアコーディオンの演奏がうまく調和されるのか、興味津々で鑑賞しましたが、二代目辻村寿三郎さんが操られる人形の表情豊かで滑らかな動きは、アコーディオンの曲と見事に一致していました。

 文楽よりももっと身近な、エンターテインメント性の高い人形芝居で、会場は盛り上がりました。

(二代目辻村寿三郎・えびさわなおき。共演(花道))
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 イベントのラストを迎えた際、会場から「アンコール」の声と拍手が響き渡りました。

 そこで選ばれた曲は「ろくでなし(Mauvais Garçon、不良少年)」です。

 二代目辻村寿三郎さんはシャンソンも歌われるようで、えびさわなおき。さんのアコーディオン演奏に合わせて人形を舞い、「ろくーでぇーなしぃー ウィッ」と楽しそうに歌っておられました。

 冒頭で御紹介した湘南台の「浜野ケイ子さんライブ・ビッグ錠先生タップダンス」で歌われた曲もこの「ろくでなし」だっただけに、湘南台の思い出と見事にオーバーラップしました。

 湘南台のイベントでこの曲が歌われた時は、私もビッグ錠先生に向かって「ろくでなしー」と何度も言いました。

 今考えると、なんてひどい言い方だったのだろうと反省しています…ウィッ!

 イベントがお開きとなり、えびさわなおき。さんに御挨拶して、会場をあとにしました。


まとめ

 湘南台で開催された「ビッグ錠誕生日祭2025」に参加し、皆さんとお話ししたことがきっかけで、浅草のおかみさんや二代目辻村寿三郎さんとお会いでき、えびさわなおき。さんとも広島で再会することが出来ました。

 つながりや御縁って、本当に不思議で面白いものですね。


<関連サイト>
 「辻村寿三郎人形館」(広島県三次市三次町1236)
 「お食事処みずなか」(広島県大竹市玖波1-2-34)

<関連記事>
 「ビッグ錠先生の世界19 -「ビッグ錠誕生日祭2025」(親子巻き・味平ライス・ブラックホール酢豚・三丼フライ・ハンバーガー焼きそば・雲白肉・ウツボ粥)-
 「ビッグ錠先生の世界20 -浅草すしや通り「十和田」・「美味しんぼ」海原雄山も絶賛した「暮坪そば」・浅草のおかみさんと浅草吉原の文化-

2025年8月 3日 (日)

広島市植物公園「世界のカカオ農園紀行」「カカオのお花見ミニツアー」とチョコレート代替(ひまわりの種)・アップサイクル(カカオハスク)商品

広島市植物公園

 2025年6月29日に、広島市植物公園でチョコレートの専門家・佐藤清隆先生(広島大学名誉教授)の講演会「世界のカカオ農園紀行」が開催されました。

 以前、佐藤先生から「2025年4月下旬に、南米・エクアドルへ野生のカカオを探しに行く」と伺っていたのですが、そのエクアドル訪問の帰国報告会を兼ねた講演会でした。

 この講演会が11時から12時まで開催され、お昼をはさんで、13時からは「カカオのお花見ミニツアー」も開催されました。

 当日、かなり早く梅雨明けし、熱中症アラートが出されるほど暑くて日差しも強い中、広島市植物公園を訪問しました。

(広島市植物公園(大温室))
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 園内を歩くと、たくさんの花が出迎えてくれました。

 奥に見える建物が「大温室」で、こちらでカカオが栽培されています。

 園内をしばらく散策したあと、講演会会場の展示資料室へ向かいました。

(展示資料室(講演会会場))
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「世界のカカオ農園紀行」講演会

 受付で講演会テキストと3種のカカオ豆を受け取り、大会議室に入りました。

 すでに佐藤先生がおられたので、御挨拶し、一番前の席に座りました。

(世界のカカオ農園紀行講演会テキストとカカオ豆)
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 佐藤先生に「4月下旬にエクアドルへ行かれたんですよね?」とお話しすると、笑みを浮かべながら、スライドでエクアドル訪問時の数々のお写真を見せてくださいました。

 熱心なチョコレート研究家の方も来ておられ、一緒にエクアドル紀行のお話を伺いました。

 「まだ講演会が開始されてないのに、こんなに話して大丈夫?」と心配するほどでした(笑)

 それだけ思い出いっぱいの、有意義な研究旅行だったのでしょう。

 開始時刻を迎え、佐藤先生はそのまま講演会を開始されました。

 まずは、佐藤先生がカカオの故郷・アマゾン川源流域(エクアドル)を訪問されたことの御報告がありました。

 野生のカカオを求め、ジャングルの道なき道を延々と切り開きながら歩かれたのだそうです。

 ぬかるみを歩くため、靴は長靴ではなく「足袋(たび)」を履き、転倒防止に杖を使われたそうです。

 気を抜くと、ぬかるみに沈んだり、転んだ先で毒蛇に噛まれたりする危険があったからです。

 約4km、高低差約400mの坂を登るのに、20分に一度休憩しつつ、約4時間もかかったようで、現地ガイドさんの誘導があったとは言え、いかに大変な道のりだったかがわかりました。


 このような苦労を経て、ようやく到達したカカオの原生林は、高い木で高さ約50mもあり(※)、その高い木に覆われる形で、さらに野生のカカオがなっていたそうです。
 ※栽培されているカカオの木は、通常高さ3~4m以上になったら、実の採取が難しくなるため伐採される。

 その原生林では、①カカオの実を割って原種を調べ(カットテスト)、②カカオ豆を試食し、③アマゾン川源流で泳いだそうです。

 アマゾン川源流で泳ぎたいという、こどもみたいな発想が佐藤先生らしくて笑えました。


野生のカカオ豆(カカオニブ)とチョコレートの試食

 続いて、野生のカカオとそのカカオで作られたチョコレートの試食体験が行われました。

(味見する野生カカオの生息地)
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 (広島市植物公園講演会「世界のカカオ農園紀行」テキストから一部引用)

 今回のカカオ豆は、エクアドルの「ナシオナル(アリバ種)」と「クラレイ(クリオロ種)」、そしてボリビアの原生林で採れた「ベニ」です。

 ちなみに、エクアドルという国名はスペイン語の「エカトール(赤道)」に由来します。

(3種類のカカオ豆)
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 赤色の受け皿に入ったカカオ豆が「ナシオナル」、緑色の受け皿に入ったカカオ豆が「クラレイ」、青色の受け皿に入ったカカオ豆が「ベニ」です。

 ナシオナルとクラレイが比較的大粒なのに対し、ベニは小粒です。

 カカオ豆の皮(カカオハスク)を手でむいて取り除きました。

(3種類のカカオ豆(皮を取り除いた様子))
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 カカオ豆の表面の皮を取り除き、「カカオニブ(カカオの胚乳)」を取り出した様子です。

 それぞれのカカオニブを試食し、味と香りの特徴を確認しました。

 「ナシオナル」は酸味が少なく、ワインのような香りと深みを感じました。

 「クラレイ」は酸味と苦味がやや強く、ナッツのような風味を感じました。

 「ベニ」は深い苦味があり、ナッツに似た独特の香ばしさを感じました。

 これらを試食した上で、チョコレートが提供され、どのカカオ豆から作られたのかを当てるクイズが出されました。

 チョコレートが後ろの席の方から私に手渡される際、「先生、どうぞ」と言われ、とっさのことだったので、私もつい「はい、ありがとうございます」と言って受け取りました。

 先生じゃないのに(笑)

(試食用チョコレート)
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 ベニではないことはわかりましたが、ナシオナルかクラレイか判断に迷うところでした。

 佐藤先生が私に、どのカカオ豆だと思うかと問われ、「クラレイ」と答えましたが、正解はナシオナルでした…

 「そもそもクラレイやベニのような希少品種をチョコレートにするわけがない」と言われ、そこで初めて「あっ、だからナシオナルか」と納得しました(笑)

 そのあと、佐藤先生が「ナシオナルとクラレイは同じ場所で発酵させたので、わかりにくかったかも」とフォローしてくださいましたが、いずれにせよ、これで私が先生じゃないことが証明されました。


広島市植物公園「森のカフェ」でランチ

 講演会が終わり、お昼を迎えました。

 広島県外からお越しになった方も含め、熱心なチョコレート研究家の皆さんが佐藤先生のもとに集まり、カカオ・チョコレートのお話で盛り上がっていました。

 そのうち、カフェでランチを食べながらお話をする流れとなったようです。

 (御迷惑にならないよう)少し距離を置いていた私も、佐藤先生からのお誘いを受け、御一緒させていただくことになりました。

 広島市植物公園内のカフェ「森のカフェ」で、佐藤先生と私を含めた5人でランチをいただきました。

 以前、佐藤先生と2人で食事した時、佐藤先生は鶏の唐揚げ定食を注文されたのですが、今回もまた同じ定食を注文されたので、そんなに美味しいのかと、私も鶏の唐揚げ定食を注文してみました。

 少し待ったあと、鶏の唐揚げ定食が用意されました。

(鶏唐揚げ定食)
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 なるほど、カツカレーのトンカツと同様に、鶏の唐揚げも注文を受けてから油で揚げられるので、多少時間はかかるけど美味しいのだとわかりました。

 熱心なチョコレート研究家の皆さんと佐藤先生との会話を聴くだけでも勉強になりましたが、私からも1つ質問をさせていただきました。

 「カカオの品種はクリオロ種・トリニタリオ種・フォラステロ種の3種があると理解していますが、今回のアリバ種(ナシオナル)はこれらとは別の品種なのでしょうか」

 そこで得た答えは、「チョコレートの原料として世界で認識されている主なカカオの品種がクリオロ種・トリニタリオ種・フォラステロ種の3種で、このほかにもアリバ種やベニなど、あまり知られていない品種も存在する」というものでした。

 そして、今度はアリバ種のチョコレートの話題で盛り上がりました。

 日本でエクアドル・アリバ種のチョコレートを取り扱っておられるお店はごくわずかなのですが、かなり前からエクアドル(アリバ種)のカカオ豆を取り扱っておられるお店が、横浜市に本店を置く「バニラビーンズ(VANILLABEANS)」なのだそうです。

 私もお土産を買うため、何度かこのお店を訪問したことがあるのですが、アリバ種のチョコレートを取り扱っておられることまでは意識していませんでした。

 バニラビーンズは「みんなで育てるカカオの森プロジェクト」を立ち上げ、現地のカカオ農家の支援にも力を注いでおられます。

 また、東京にはアリバカカオを専門に扱う「ママノチョコレート(mamano chocolate)」というお店があることも教えてもらいました。

 ちなみに「ママノチョコレート」代表の江沢孝太朗さんは、今回、佐藤先生と一緒にエクアドルを訪問されています。


カカオのお花見ミニツアー

 12時55分にランチ会を終え、メンバーは急ぎ足で「カカオのお花見ミニツアー」の会場である大温室へ向かいました。

(カカオのお花見ミニツアー案内)
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 大温室内で栽培されているカカオの木に実がなり、花も咲いていました。

(カカオの木・カカオの実)
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 カカオの実に近づいてみましょう。

(カカオの実)
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 黄色いカカオの実がなっていました。

 花が咲いたカカオの木も展示されていました。

(カカオの花(木に咲いている様子))
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 カカオの花がたくさん咲いています。

(カカオの花(木に咲いている様子・拡大))
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 カカオの花の特徴(変わっているところ)は、木から直接咲くことと、地面に向けて下向きに咲くことです。

(カカオの枝(カカオの木の先端部))
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 この写真のように、カカオの木の先端部、緑色の枝の部分には花が咲いていません。

 佐藤先生が広島市植物公園の職員さんから許可を得て、参加者が1本ずつカカオの花を採取して観察できることになりました。

(カカオの花(手持ち・接写))
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 遠くから見ると白い花に見えたのですが、近くで見ると黄色や赤色の部分もあり、鮮やかな色をしていました。

 このお花見ミニツアーで佐藤先生から学んだことをまとめました。

・カカオの木にはたくさんの花が咲くが、受粉して結実するのは30%未満
・カカオの花は、虫が媒介して受粉する「虫媒花(ちゅうばいか)」
・カカオの花は下(地面)を向いて咲き、フェロモンも下(地面)へ落ちる
・カカオのフェロモンは油っぽいにおいがする
・別の花から受粉(他花受粉)したいため、「仮おしべ」という自家受粉を妨ぐ器官がある
・カカオの実は、人間以外にも、サル、リス、キツツキなどが食べている
・1つのカカオの実から、板チョコレートが1枚できる(たった1枚!)

 カカオの花には「仮おしべ」という自家受粉(自分のおしべの花粉を自分のめしべが受粉する)を妨ぐ器官があるのですが、この「仮おしべ」のすき間はとても狭く、「仮おしべ」を通り抜けて「めしべ(柱頭)」まで到達できる虫は「ヌカカ」と呼ばれる1ミリメートル程度の蚊しかいないそうです。

 「ヌカカ」は、日本にも生息する、網戸でも通り抜けられる「ぬかのように小さな蚊」です。

 カカオの花を入手したので、カカオの花にヌカカが受粉するイメージ画像を作ってみました。

(カカオの花とヌカカ)
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 下を向いて咲くカカオの花に、花粉をつけたヌカカが「仮おしべ」をくぐりぬけて「めしべ(柱頭)」を目指すイメージ画像です。

 ヌカカは、気づかないうちに人間の衣服に入り込んでくることから「スケベ虫」とか「エッチ虫」とも呼ばれていますが、私たちがチョコレートを食べられるのは、この「スケベ虫」のおかげなのです!


チョコレート代替商品(ひまわりの種)・カカオハスクのアップサイクル商品

【イオン・チョコレート風味ビスケット「チョコか?」】

 佐藤先生を囲んでのランチ会の際、チョコレート代替品の話題でも盛り上がりました。

 当ブログでも、チョコレート代替品として、キャロブ(いなご豆)を使った「キャロブチップス」や、ごぼうを使った「GOVOCE(ゴボーチェ)」を御紹介したことがあります。

 今回、佐藤先生から、「ひまわりの種」を使ったチョコレート代替品がイオンで販売開始されたことを教えていただきました。

 「チョコか?」という商品名のチョコレート風味ビスケットで、2025年6月10日からイオングループ各店で数量限定で販売されています。

 「チョコか?」がないか、広島市内のイオングループのお店を中心に探したところ、意外にもフジグラン広島で販売されているのを見つけました。
 (今後、イオンやマックスバリュでも販売されるものと思います。)

(イオン・チョコレート風味ビスケット「チョコか?」(パッケージ))
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 代替チョコレートのパイオニアであるドイツの「Planet A Foods社」が開発したチョコレート代替品「ChoViva(チョビバ)」を使用したチョコレート風味のビスケットです。

(イオン・チョコレート風味ビスケット「チョコか?」)
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 オーツ麦と全粒粉を使用したザクザク食感のビスケットに「ChoViva(チョビバ)」をコーティングしたお菓子です。

 チョコレートをコーティングしたダイジェスティブビスケットで、わかりやすく例えると「マクビティ(チョコレート)」とよく似ています。

 代替品だと知らない人が食べたら、間違いなくチョコレートビスケットだと思われるでしょう。

 逆に「チョコじゃないの?」と疑うほど、チョコレートそっくりのお菓子に仕上げられています。


【ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」】

 イオンモール広島府中(イオンスタイル)で、カカオハスクのアップサイクル商品(※)「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」が販売されていました。
 ※廃棄されてきたものに新たなアイデアや機能を付加し、新たな価値をもたせた商品

(ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」(パッケージ))
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 パプアニューギニア産のカカオ豆から作られたチョコレートと、そのカカオ豆の皮(カカオハスク)が使用された「コアラのマーチ」です。

(ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」(個包装))
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 パプアニューギニアのカカオ農園をイメージするイラストになっていますが、なぜそこにオーストラリアのコアラがいるのかと疑問に思ってはいけなーい!な。

(カカオハスクって?)
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 包装の裏面にカカオハスクの説明文がありました。

 広島市植物公園でのカカオ豆試食の際、佐藤先生指導のもと、カカオハスクは捨てたのですが、もったいなーい!な。

(カカオ研究農園(パプアニューギニア・ニューブリテン島)の紹介)
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 ロッテは、パプアニューギニアのニューブリテン島にカカオ研究農園を作り、現在18品種のカカオを栽培されています。

 開封してコアラのマーチを取り出しました。

(ロッテ「もったいなーい!なコアラのマーチ・まるごとカカオ豆」)
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 ビスケットにカカオハスクが混ぜられているため、全体的に少し黒ずんでいます。

 「コアラのマーチ」に比べて甘さ控えめで、カカオのほろ苦さと香ばしさが増しており、美味しくいただけました。


RCCラジオ「78歳 チョコレート博士 アマゾンをゆく~野生のカカオを求めて」

 2025年7月5日の13時から14時にかけて、広島のRCCラジオで、佐藤先生をはじめ日本各地の名だたるショコラティエやチョコレートマニアのメンバー13人が野生のカカオとの出会いを求めてエクアドル・アマゾン川源流へ行かれた帰国報告特別番組が放送されました。

(ラジオ番組案内)
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 佐藤先生は、東京の「ママノチョコレート」代表の江沢孝太朗さんから、エクアドルの野生のカカオについてちらっと聞いてエクアドルへ行く気になられたそうです。

 原生林で見つけた野生のカカオは、白い最高級豆(クリオロブランコ)の原種だったそうです。

 佐藤先生は番組に締めくくりに「今回のエクアドル訪問で、1万5千年前に人類がカカオと出会った時の追体験ができ、とても感動した」とおっしゃっていました。


 今回もカカオやチョコレートに関する様々な知識・情報を得ることができました。


<関連サイト>
 「バニラビーンズ」(みなとみらい本店 横浜市中区海岸通5-25-2シャレール海岸通1F ほか)
 「ママノチョコレート」(赤坂見附店 東京都港区赤坂3-8-8 赤坂フローラルプラザビル1F)
 「チョコレート風味ビスケット「チョコか?」」(イオントップバリュ)
 「Planet A Foods」(英語/ドイツ語)
 「カカオ・アップサイクルの取り組み」(ロッテ)

<関連記事>
 「キャロブ(いなご豆)チップス -チョコレートと何が同じで何が違うのか-
 「チョコレートの新しい潮流6 -ごぼうを使ったチョコレート風味のお菓子「GOVOCE(ゴボーチェ)」-
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。

2025年4月20日 (日)

中国新聞文化センター講座「カカオのテロワールとチョコレートのおいしさのヒミツ」

中国新聞文化センター クレドビル教室

 2025年4月5日に、中国新聞文化センターでチョコレートの専門家・佐藤清隆先生(広島大学名誉教授)の1日講座が開催されることを知りました。

 チョコレートの味の決め手となるカカオ豆を産地別に食べ比べ、それぞれのカカオ豆の特徴や違いを学ぶ講座で、チョコレート作り体験やココアの試飲もあると紹介されていました。

 受講料は3,520円(一般)で、材料代500円と合わせると4,020円でしたが、即断即決で会員登録、受講申込みをしました。

 講座当日、広島市中区基町の「パセーラ(基町クレド)」を訪問しました。

(パセーラ(基町クレド))
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 基町クレドの10階に中国新聞文化センター クレドビル教室があります。

(中国新聞文化センター・クレドビル教室)
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 初めて訪問しましたが、フロアがとても広く、いくつも教室があるので驚きました。

 講座開始30分前に教室に着くと、佐藤先生と中国新聞文化センター職員の方々が会場準備をしておられました。

 佐藤先生は私を見つけるなり、「おおっ、この講座を受けに来たの?」と、とても嬉しそうに声をかけてくださいました。

 そして中国新聞文化センター職員のお2人に、「彼はいつも私の講演会に来てくれてね。皆勤賞だなぁー」と、色々と紹介していただいたのですが、話が長引いて準備の邪魔になりそうだったので、笑顔で「また開始時刻が近づいたら来ますねー」と言って一旦教室を離れました(笑)

 開始10分前に再訪し、最前列の席に座りました。


板チョコレート作り体験

 受講生が集まり、講座が開始されました。

 受講生のテーブルには、講座テキスト、各産地のカカオ豆、スティックシュガー、紙コップ、小皿、試食用のスプーンなどが用意されていました。

(受講生用準備品とカカオ)
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 写真右下の黄色いものはカカオで、本物のエクアドル産カカオを色だけ塗り直したものです。

(カカオ豆(ホンジュラス・ボリビア・フィリピン))
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 今回御用意いただいたカカオ豆は、ホンジュラス産(北米)、ボリビア産(南米)、フィリピン産(アジア)のもので、ホンジュラス産は「クリオロ種」、ボリビア産は「野生種」(ベニ川で収穫された「Beni(ベニ)」という品種)、フィリピン産はフィリピンの農園から佐藤先生が直接入手された「トリニタリオ種」です。

 ボウルには、すでにテンパリング(温度調整・結晶化)済みの「カカオマス」(液状のカカオニブ、チョコレートリカー)が用意されていました。

(カカオマスと温度計)
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 カカオマスの温度は、34.5℃を示しています。

 このカカオマスを木のスプーンに入れてもらい、カカオマスを試食しました。

(カカオマスの試食)
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 ほろ苦い液状のチョコレートでした。

 佐藤先生はカカオマスを金属トレーに移し替えると、すぐにトレーを机にバンバン打ち付け、中の空気を抜く作業(タッピング)を開始されました。

 その際、「バシャン、バシャン」と会場に大きく鳴り響くレベルでトレーを机に叩きつけられました。

 「佐藤先生はどこへ行かれても、大きな音をさせ、机や床をチョコレートまみれにされている…」と心の中でクスクス笑いながら、受講しました。

 受講生も各自、テーブルでタッピングを体験しました。

(カカオマスを小皿に流し込んだ様子)
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 テーブルに用意された小皿にカカオマスを注ぎ、その小皿をテーブルにバンバン叩きつけてカカオマスの中の空気を抜きました。

 このタッピングは、垂直に音を立てて叩きつける必要があります。

 叩きつけた衝撃でこぼれないかと心配でしたが、カカオマスはこぼれることなく、小皿に均一にならされていきました。

 カカオマスをこぼしたのは、「(金属トレーを)ひっくり返してもこぼれない」とおっしゃいながらタッピングを実演された佐藤先生だけでした(笑)

(タッピングを終えたカカオマス)
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 表面が鏡のように美しく均一になりました。

 タッピングを終えたカカオマス(金属トレー・小皿)は、すぐに冷蔵庫に入れて冷やし固められました。


生チョコレート作り体験

 続いて、生チョコレート作りが行われました。

 生チョコレートを作る様子を見るのは初めてです。

 今回の生チョコレートは、乳製品に生クリームではなく、牛乳が使用されました。

 ちなみに、生クリームを使う際にも、動物性のものを使う必要があるとのお話でした。

 いざ作ろうという時、佐藤先生は牛乳がないことに気付き、会場の皆さんに「どこか牛乳がありませんか~?」と尋ねておられました。

 私は「机や椅子の周りから(要冷蔵の)牛乳が出てくるわけないでしょうが!」とツッコミました。

 中国新聞文化センターの方が牛乳を用意され、佐藤先生に差し出されました。

 佐藤先生が「これはおいしい牛乳ですよ~」と自信たっぷりにおっしゃっていたので、よく見ると、紙パックに「おいしい牛乳」と商品名が書かれていました(笑)

 その牛乳を約50℃に温め、34℃のカカオマスに注ぎました。

(カカオマスに牛乳を注ぐ様子)
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 佐藤先生はこれまで「ミルクチョコレートを作る時に牛乳を混ぜてはいけない」と散々おっしゃっていたので、大丈夫なのかと半信半疑で作業を見守りました。

 牛乳で生チョコレートを作る時に大事なことは、カカオマスと牛乳の割合で、カカオ70%の場合は「9対5」にする必要があるそうです。

(カカオマスと牛乳を混ぜる様子)
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 カカオマスと牛乳を混ぜ合わせる(乳化させる)ため、ゴムベラを使って素早く混ぜます。

 乳化させてマヨネーズを作るのと同じ要領です。

 ゴムベラで切るような感じで素早く混ぜるのがコツで、泡立て器だと失敗するそうです。

(カカオマスと牛乳が混ざった様子)
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 牛乳を注いで白っぽくなっていたカカオマスが、混ぜ合わさってチョコレート色に戻っています。

(液状の生チョコレートの試食)
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 なるほど、ダークチョコレートに比べてかなり滑らかで食べやすくなっていました。


トリュフチョコレート作り体験

 出来上がった液状の生チョコレートを、氷水とドライヤーの冷風で冷やし固めました。

(氷水とドライヤーの冷風で生チョコレートを冷やし固める様子)
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 実際にはなかなか固まらず、「あれっ、固まるはずなんだけど、おかしいな、おかしいな」という感じで作業されました。

(生チョコレートの温度を細かく測る様子)
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 「温度が原因か?」と生チョコレートの温度を何度も計測されていました。

 根気強く混ぜ合わせているうちに、生チョコレートに粘りが出てきて、次第に固まりました。

(生チョコレートが冷やし固まった様子)
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 この生チョコレートをトリュフの形に丸め、ココアパウダーをまぶしました。

(生チョコレートにココアパウダーをまぶす様子)
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 受講生がココアパウダーをまぶしておられる様子を見た佐藤先生が、「フンコロガシが糞を転がしているような感じだなぁ」と食欲をそぐようなことをつぶやいておられました…。

 こうしてトリュフチョコレートも完成しました。

(トリュフチョコレート)
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 口どけが滑らかで、ほのかな苦味とコクのあるトリュフチョコレートでした。


カカオ豆の産地当てクイズ

 今回の講座は実習が中心でした。

 佐藤先生から受講生の皆さんへ、
 「各産地のカカオ豆の殻を割って中の実(胚乳・カカオニブ)を取り出してみてください」
 「その際、カカオニブの中に小さく細長い棒(胚芽)があるので取り出してください」
とお話がありました。

(殻付きカカオ豆(ホンジュラス・ボリビア・フィリピン))
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 私も紙コップからカカオ豆を取り出し、爪を使ってカカオ豆の硬い殻を取り除いてみました。

 豆が大きいフィリピン産は比較的容易に皮がむけましたが、豆が小さく野生種のボリビア産は皮をむくのにとても苦労しました。

(カカオ豆の皮むき体験(フィリピン))
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 写真左が殻を割った「カカオニブ(カカオの胚乳)」、右がそれを細かく砕いたもの、カカオニブの上側にある小さい茶柱のような形をしたものは胚芽(ジャーム、チュニブ)です。

 胚芽はやがてカカオの木へと成長するものですが、これを食べてもジャリジャリして苦いだけなので、チョコレートを作る際には取り除く必要があります。

 胚芽を取り除いたカカオニブをそのままいただき、各産地の味や風味の違いを確かめました。

 続いて、手のひらの上にカカオニブをのせ、その上から砂糖(グラニュー糖)をたっぷりかけていただきました。

 こうすると、甘くて食べやすいチョコレートの味に様変わりします。

 その後、佐藤先生が別に用意されたカカオニブが受講生に配付され、このカカオニブがどこの産地のものか当てるクイズが出されました。

 私は写真撮影やメモに集中するあまり、どのカカオニブをどの場所に戻せばよいのかわからなくなり、クイズも外してしまいました。

 ちなみに正解はボリビア産で、まずまずの正答率でした。


ピュアココア

 テキストを使った講義では、チョコレートの作り方、カカオの生育条件、カカオの品種(フォラステロ種・トリニタリオ種・クリオロ種など)、カカオ豆とテロワール(生育した土地の土壌や気候による違い・特徴)、現在のカカオ・チョコレートの状況などが紹介されました。

 終了後、カカオマス(ダークチョコレート)に牛乳を加えて作ったピュアココア(ミルクココア)が用意されました。

(ココア(ピュアココア))
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 粉末の調整ココアとの違いは、ピュアココアには「乳酸」が残っていることです。

 カカオマスや牛乳に含まれる油脂もそのまま摂取できます。

 ココアではなく「ミルク入りチョコレートドリンク」と呼びたい、やさしい味のドリンクでした。


板チョコレートの試食・お土産

 講義終了後、冷蔵庫で冷やされた板チョコレートを持ってきていただきました。

 滑らかで光沢のある板チョコレートに仕上がりました。

(完成した板チョコレート(会場試食用))
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 フィリピン産カカオ豆70%のチョコレートです。

 受講生各自でタッピングして作った小皿の板チョコレートは、お土産としていただきました。

 小皿に受講生の氏名が書かれた付箋が貼られていたので、配付もスムーズでした。

(完成した板チョコレート(お土産用))
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 2日ぐらい寝かせたチョコレートの方が美味しいとのことだったので、後日いただきましたが、苦味の効いた美味しいビターチョコレートに仕上がっていました。


絵本「ひと粒のチョコレートに」の購入とサイン

 中国新聞文化センターの方から、佐藤先生が書かれたチョコレートの絵本の紹介がありました。

 良い機会なので、私も1冊購入しました。

(絵本「ひと粒のチョコレートに」)
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 この絵本の面白いところは、ブックカバーが板チョコの銀紙のようなデザインになっていて、しかも、板チョコの銀紙そっくりにギザギザになっていることです。

(本をブックカバーから引き出した様子)
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 ブックカバーの中の本は、板チョコのデザインになっており、上に引っ張り出すと、板チョコが飛び出たように見えます。

 こんなブックカバーは初めて見ました。

 買ったばかりの本に、佐藤先生からサインをいただきました。

(佐藤先生のサイン)
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佐藤先生への質問

 今回は少人数の講座だったので、佐藤先生との距離も近く、質問もしやすい状況にありました。

 そこで私からも佐藤先生へ1つ質問をさせていただきました。

【質問】
 「温暖化の影響でカカオベルト(カカオの生育範囲・北緯20度~南緯20度のエリア)が北上(南半球は南下)する可能性があるのではないでしょうか」

【回答】
 「今後、カカオベルトが北上(南下)する可能性はありますが、広がった分だけカカオが栽培できるわけではありません」
 「むしろ拡大する見込みのエリアは、カカオ栽培に適した(腐葉土に恵まれた)土壌や雨量でないのが現状です」
 「また、カカオは最低気温だけでなく、最高気温が高すぎても生育できないことも理解しておく必要があります」
 「カカオについては、温暖化よりも生産性が低いことの方が問題となっています」
 「カカオが単位面積あたり4トンから5トン生産可能な場所で、わずか400キログラムしか生産できていないのです」
 「この生産量を1トンまで上げるのが目標です」

 なるほど、このままだと高温になり過ぎてカカオが栽培できなくなり、カカオベルトの範囲が狭まる可能性もあるようです。

 カカオの安定供給のためには、単位面積あたりの生産量を増やすことを考える必要があります。

 また、カカオが投機の対象とされ、生産量は約10%の減少にとどまっている一方で、国際取引価格が約3倍も上昇していることへの対策も必要だと思います。


まとめ

 今回は、有料・少人数・大人向けの講座だったので、受講生の皆さんのカカオ・チョコレートに対する関心度・本気度が高く、熱心に聴講し、質問もされていたのが印象的でした。

 帰りがけに、佐藤先生から「これお土産」とカカオニブをいただきました。

(ブラインドテスト・ボ)
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 ブラインドテストで使われたカカオニブ(の余り)です。

 「ブライドテスト」と書いた後で「ン」を加えて「ブラインドテスト」に修正されています(笑)

 「ボ」は「(正解は)ボリビア産カカオ豆」という意味で書かれたのでしょう。

 最後に、佐藤先生とお世話になった文化センター職員の方にお礼を申し上げ、教室を後にしました。


<関連サイト>
 「中国新聞文化センター」(クレドビル教室 広島市中区基町6-78 ほか)

<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。

<参考文献>
 佐藤清隆/Junaida「ひと粒のチョコレートに」福音館書店
 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房

2025年4月13日 (日)

ドライブインの魅力5 兵庫県尼崎市「U・Kワイルドキャッツカフェ」の「ネギすじソースやきそばライスプレート」と「エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス」

阪急・武庫之荘駅から「U・Kワイルドキャッツカフェ」へ

 阪急神戸線で、武庫之荘(むこのそう)駅(兵庫県尼崎市)にやってきました。

(阪急電車・武庫之荘駅)
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 「阪急マルーン」と呼ばれる茶色の電車を見ると、京阪神に来たことを実感します。

 今回目指すお店は、アメリカンダイナー「U・Kワイルドキャッツカフェ」です。

 武庫川近く、国道171号沿いのお店なので、最寄り駅から歩いて行くには若干距離があるのですが、尼崎市の散策も兼ねて、武庫之荘駅から北西方向へ徒歩で伺いました。

 水路沿いの道を歩いていると、水車のある公園がありました。

(源太郎橋水車公園)
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 駅からお店まで3km弱あったので、この公園で少し休憩し、再びお店を目指しました。

 ドライブインを訪問するために、車ではなく、ひたすら歩くところが私らしい(笑)

 歩き続けてお腹も空いたところで、「U・Kワイルドキャッツカフェ 西宮武庫川店」に到着しました。


U・Kワイルドキャッツカフェ

(U・Kワイルドキャッツカフェ外観)
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 ロードサイドの電光看板やアメリカの国旗、アメ車…とアメリカンダイナーならではの光景を目の当たりにし、期待が高まりました。

(U・Kワイルドキャッツカフェとアメ車)
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 アメ車には、英語でケンタッキーとかレキシントンとか記載されていますが、よく見ると店舗のローカルな所在地(高井田・武庫川・堺)も記載されていました。

(U・Kワイルドキャッツカフェ玄関)
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 ちなみに「U・K」は、かつてオーナーさんが留学しておられた「University of Kentucky(ケンタッキー大学)」の略なのだそうです。

 そのケンタッキー大学のスポーツ競技チーム名が「Kentucky Wildcats(ケンタッキー・ワイルドキャッツ)」であることも店名に関係しているのでしょう。

 店内には、背の高い椅子、木目のテーブル、電光装飾、メイドインアメリカの看板(シボレー・コルベット・ルート66・ペプシなど)、アメリカンバイク、ミニカーなどがあり、すべてがアメリカナイズされていました。

(ミニカー展示)
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 メニューが運ばれてきたので、手に取って眺めたところ、1つ1つの料理の説明書きがマニアックで、どこからどこまでが本当なのか迷うほど詳しく記述されていました。

 このお店のメニューは、読み物としても十分楽しむことができます。

 マキヒロチさんの漫画「いつかティファニーで朝食を」の第9巻でも、このお店で「リトルスージー(すじ肉の煮込みとライス)」を注文する様子が描かれていて、

 「料理の説明が物語みたいで」
 「ベンジーの書く歌詞みたい」
 「リトルスージーってスジ肉のことか~」
 「おもしろいな~このメニュー」
 「アラバマにあるモンゴメリーCAFEの娘スージーが 愛するタフガイのボーイフレンド、デュークのために心を込めて作ったPower Food」
 「かわいい~読んでるだけで気持ちがあったかくなる」

と紹介されています。


ネギすじソースやきそばライスプレート

 私はランチタイムに訪問し、お得なランチセットがあったので、「スージー」入りのランチセットを注文しました。

 今回注文したのは「ネギすじソースやきそばライスプレート」という料理です。

 続けて読むとどういう料理なのかピンときませんが、「ネギすじ」、「ソースやきそば」、「ライス」のワンプレートランチなのだろうと思い、注文しました。

 しばらくして、注文した料理が運ばれてきました。

(ネギすじソースやきそばライスプレート(ライス))
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 ライスとソース焼きそば、そしてサラダが山のように盛られています。

 「すごいボリューム、アメリカンサイズ!」

 少し困惑した表情で、軽く両手を上げ、

 「見ろよスージー、この店狂ってるぜ!」

 と思わず独り言を言いたくなるようなランチプレートでした(笑)

(ネギすじソースやきそばライスプレート(やきそば))
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 ソース焼きそばだけでも1人前ありそうな量で、すでに皿からこぼれ落ちそうになっています。

(ネギすじソースやきそばライスプレート(ネギすじ))
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 ソース焼きそばの上に、甘辛い醤油ベースのタレでじっくり煮込まれたスジ肉とシシトウが盛られ、その上に刻みネギがのせられています。

 他のメニューを見ても、こちらのお店は「スージー(すじ肉の煮込み)」が看板料理の1つなのだと思います。

 神戸市長田区には「ぼっかけ」と呼ばれる牛すじとこんにゃくを甘辛く煮込んだ料理があることから、すじ肉料理はこの地域で親しまれているのだろうなと思いました。

 「スージー」は醤油ベースの和風の味付けで、とてもやわらかく煮こまれており、ライスだけでなく焼きそばともよく合いました。

 お腹いっぱい、心も体も大満足のランチでした。


エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス

 ここまで食べておきながら…そして大満足だと書いておきながら…すっかりクレイジーでハイテンションになった私は、デザートも注文しました。

 メニューにある説明書きも、とても興味深いものでした。

【エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス】
 ボストンにあるオイスターハウスは、1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディ氏が足しげく通った店である。
 今もこの店に集まる紳士・淑女がお腹一杯になっても「別腹」と言って注文するのがこれである。
 パンケーキにエスプレッソジェラートそれにキャラメルソースがかかった大人の味。
 観た目の悪さにちょっとビックリ↓
 でも食べてもっとビックリ↑
 メチャメチャ美味しいです。ぜひ、ぜひTry me!

 ボストンの紳士・淑女が好む「観た目が悪いけど美味しい」デザートを注文しました。

(エスプレッソジェラートケーキ ハイアニス)
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 アツアツのパンケーキに、エスプレッソジェラートがドン、ドン、ドンとワイルドに盛られ、チョコレートソースがたっぷりかけられています。

(エスプレッソジェラート)
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 ほろ苦いエスプレッソジェラートには、チョコチップがたっぷり入っていました。

 パンケーキが熱いので、写真撮影なんかに没頭せず、早くエスプレッソジェラートをやっつけてしまわないと、観た目がさらに悪くなっちまうぜ(笑)

(アメリカンコーヒー)
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 ドリンクもアメリカンコーヒーで決まりだぜ!

(U・Kワイルドキャッツカフェ伝票)
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 美味しくてボリューム満点のフード・デザート・ドリンクをいただき、ストロングなパワーをいただきました。

(U・Kワイルドキャッツカフェと飛行機)
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 山陽新幹線の沿線で、大阪(伊丹)空港からも近い「U・Kワイルドキャッツカフェ」。

 帰りはアメ車…ではなく歩きで、ケンタッキー大学…ではなく関西学院大学に寄って、阪急・甲東園駅から帰りました。

(関西学院大学・西宮上ヶ原キャンパス)
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 久しぶりに関西学院大学を訪問しました。

 ケンタッキー大学じゃないのかって?

 キャンパス内には「ケンタッキー・フライドチキン関西学院大学店」(H号館ラーニングコモンズ1階ラウンジ)があり、ケンタッキーの気分を味わえるってわけさ(笑)


<関連サイト>
 「U・K WILDCATS CAFE(ユーケーワイルドキャッツカフェ)」(「西宮武庫川店」兵庫県尼崎市常松1-15-27 ほか)

<参考文献>
 マキヒロチ「いつかティファニーで朝食を(9巻)」新潮社

2025年3月 9日 (日)

ドライブインの魅力4 -岡山県倉敷市「ドライブイン古城」の「きつねそば」-

ドライブイン古城

 岡山県倉敷市の南部に、24時間営業のドライブインがあります。

 「ドライブイン古城(こじょう)」です。

 水島から倉敷市街地へ向かう道路沿いで、山の峠付近にあるので、注意して見ておかないと、通り過ごしてしまう可能性があります。
 (倉敷市街地から車で向かった私は、場所がわからず一度通り過ごしてしまいました…)

(ドライブイン古城)
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 ドリンクやたばこの自動販売機がずらーっと並んでいるところに、ドライブインらしさを感じます。

 ただ、外観からは中の様子が全くわかりません。


店内の様子

 駐車場に車を止め、店内に入ってみました。

(ゲームコーナー(スロット・UFOキャッチャー))
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 ドアを開けると、たくさんのゲーム機が目に飛び込んできました。

 ゲームセンター中心のドライブインのようです。

 奥へ行くほど照明が暗くなるところに、昔ながらのゲームセンターの雰囲気が漂っています。

(ゲームコーナー(パチンコ・スロット))
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 こちらはパチンコ台・スロットマシンがずらりと揃っています。

 タバコを吸いながらパチンコやスロットを楽しんでおられる方が何人かおられました。

 ドライブインはドライバーやライダーの休憩施設なので、トイレもあるだろうと見渡しましたが、すぐには見つかりませんでした。

 「もしかしてトイレは無いのか」と歩き回っていると、お店の奥のドアに小さな字で「御手洗 TOILET」と書かれた札がありました。

(ゲームコーナー(アーケードゲーム))
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 写真中央の青い窓のドアの上に小さく「御手洗」と書かれた札があったので、そのドアを開けると…建物の外に出ました。

 そして、建物の向かい側に独立した小さなトイレがありました。

 面白い配置ですが、のちに、トイレがお店を出た別の場所にあるのはドライブインではよくあることだと知りました。


うどん・そば自動販売機

 ゲーム機ばかりだと単なる「ゲームセンター」ですが、「ドライブイン古城」にはパンやお菓子・麺類などの自動販売機が設置され、飲食スペースも設けられています。

 飲食スペースに「うどん・そば自動販売機」がありました。

(うどん・そば自動販売機)
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 レトロ自動販売機ですが、レトロなデザインに魅力を感じる(懐かしさを覚える)方も多いと思います。

 「お客様へのお願い」として、「食べた後の空容器は持ち帰らず、備え付けの回収バケツに入れてください」と書かれています。

 「うどん・そば自動販売機」どころか、それに使われる容器すら、もはや製造されていないということでしょう。

 この「うどん・そば自動販売機」、正式名称は「富士めん類自動調理販売機」と言います。

 昭和40年~50年頃に開発されたこの自動販売機は、売上低迷により1995年に生産が中止され、現存するのは全国で70台程度と言われています。

(うどん・そば自動販売機(料金投入口・メニューボタン))
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 「きつねそば280円」と「天ぷらそば280円」のメニューボタンがあります。

 「きつねそば」のボタンを押すと、ボタンの上に待ち時間が表示されます。

 「できあがりまで 25秒、24秒、23秒…」とニキシー管の赤い数字が1秒ずつ減っていくのです。

 この間、自動販売機の中では、麺が茹で切りされたり、だしがかけられたりと様々な調理がなされています。

 約25秒後、取出口に出来上がったきつねそばが現れました。

(うどん・そば自動販売機(麺の取出口))
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ドライブイン古城のきつねそば

 きつねそばを取り出し、さあ食べようと思った時になって、ふと気付いたことがあります。

 「自動販売機に割り箸がない…」

 「これは困った…割り箸の有無を確認してから買えばよかった…」と思いつつ、テーブル席に着くと、テーブルの上に割り箸と七味が置いてありました(笑)

(きつねそば)
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 かけそばに、甘く炊いた油揚げ(きつね)がのせられています。

 うどん・そば自動販売機のうどんやそばは、汁がしょっぱ過ぎることがよくあるのですが、このお店の汁はちょうどよい濃さでした。

(きつねそばとゲームコーナー)
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 ゲームコーナーを眺めながら、きつねそばをいただきました。

 飲食スペースは禁煙ですが、ゲームコーナーでタバコを吸われている方がおられたので、タバコの臭いが少し気になりましたが、それも一興なのかも知れません。

 ドライブの途中に立ち寄ってゲームを楽しみ、うどん・そばを食べて、心も体もほっと安らぐ場となっています。


<関連サイト>
 「ドライブイン古城」(岡山県倉敷市福田町福田2111-1)
 「味わいの昭和レトロ自販機コーナー「懐かし自販機」

<関連記事>
 「懐かしのうどん・そば・ラーメン自動販売機1 -広島県三次市「福原酒店」の天ぷらそば・自動販売機のうどん・そばの魅力-
 「懐かしのうどん・そば・ラーメン自動販売機2 -島根県浜田市「ドライブイン日本海」の天ぷらうどん・日清食品カップヌードルの自動販売機-

2025年2月16日 (日)

広島市植物公園「バレンタインフェスティバル2025」 -絵本の朗読とチョコレート作り体験・テンパリングとココアバターの結晶化について-

広島市植物公園のバレンタインフェスティバル

 今年も広島市植物公園でバレンタインイベントが開催されました。

(「バレンタインフェスティバル2025」チラシ)
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 私は2025年2月9日に広島市植物公園を訪問しました。

(広島市植物公園・ハート形の花の鉢植え)
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 広島市植物公園です。

 バレンタインフェスティバルにちなみ、花の鉢植えがハート形に並べられていました。

 奥の建物は大温室です。

 この大温室では,全国でも珍しいカカオが栽培されています。


カカオの木・カカオの実とチョコレートの香りがするランの花

 大温室の「くだものと暮らしのコーナー」エリアにカカオの木があります。

 このカカオの木を見に行くと…

(カカオの木・バレンタインフェスティバル装飾)
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 カカオの木に、バレンタインデーにちなんだハート形や星形の装飾が施されていました。

 カカオの実がどこになっているかわからない状態になっています(笑)

 カカオの木に近づいて、カカオの実を探しました。

(カカオの木・カカオの実)
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 褐色のカカオの実がなっていました。

 次に「チョコレートの香りがするラン」を探しました。

(オンシジウム シャリー ベイビー)
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 チョコレートの香りがするランは、「オンシジウム シャリー ベイビー」という名で知られています。

 色はワインレッド・薄ピンク・白で構成され、見た目にもチョコレートの香りがしそうな花です。

 花に近づいて香りを確かめると、本当にチョコレート(ローストカカオ)の香りがしました。

 チョコレート好きにはたまらない花です。


ベゴニア温室と「カカオとチョコの秘密」展示

 続いて、ベゴニア温室へ行ってみました。

(ベゴニア温室入口・バレンタイン装飾)
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 ハート形のカラフルなアーチが設置されていました。

 室内には色とりどりのベゴニアが並び、「カカオとチョコの秘密」についての説明書きもありました。

(ベゴニアと「カカオとチョコの秘密」展示)
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 また、同じ室内で「99本のバラと記念撮影」イベントも開催されており、家族連れやカップルなどで賑わっていました。


森のカフェでランチ

 次に、ベゴニア温室の向かいにある「森のカフェ(ログハウス)」へ行きました。

 こちらのお店で昼食をいただきました。

 私の目当ては、カツカレーです。

(「森のカフェ」のカツカレー)
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 このお店のカツカレーは、これで3回目の注文となります。

 お腹も満足したところで、ふと窓から外を眺めると、展示資料館の建物が見えました。

(「森のカフェ」から眺めた展示資料館)
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 この展示資料館2階の講堂で、チョコレートの専門家・佐藤清隆先生(広島大学名誉教授)によるバレンタインフェスティバル関連イベント「絵本の朗読とチョコレート作りの体験」が開催されます。

 イベント開始時刻が近づいたため、お店を後にし、展示資料館へ向かいました。


世界のチョコレート販売

 展示資料館1階のロビーで、世界のチョコレートが販売されていました。

 イタリア、ドイツ、トルコなどのチョコレートが用意されていました。

 私がひときわ興味を持ったのは、スプーンの形をしたチョコレートです。

(エリート チョコレートスプーン)
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 ミルクチョコレートのスプーンが3本、ダークチョコレートのスプーンが3本、計6本のセットです。

 スプーンとして使ったあとでバリバリ食べるのが楽しそうです。


絵本「ひと粒のチョコレートに」の朗読とチョコレート作り体験イベント

 買い物を済ませ、展示資料館の2階へ行こうとしたところ、講演開始の30分以上前にもかかわらず、あっという間に参加希望者の列ができ、私は1階の階段付近で待つこととなりました。

 列にならんで待っていると、佐藤清隆先生が登場しました。

 佐藤先生は私を見つけ、「おっ、毎年1回会うね!」と声をかけてくださいました。

 私は「今年は初めてだけど、去年は3回お会いしてますよ!」と心の中でつぶやきながら受付開始を待ちました。

 受付を済ませ、私は前の席に座りました。

 私の入場整理券は31番で、この日、100名の定員は埋まったようでした。

 講演会開始までの間、佐藤先生と少しお話しすることもできました。

 受付で、植物公園の職員さんから紙皿にのせたローストカカオ豆や砂糖などをいただきました。

(ローストカカオ豆・砂糖・水・フラワーバレンタインチラシ・入場整理券)
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 御用意いただいたカカオ豆はフィリピン産で、佐藤先生がフィリピンの農園から直接入手されたそうです。

 やがて講演会開始時刻を迎えました。

 講演会は、佐藤先生が書かれた絵本「ひと粒のチョコレートに」(福音館書店)をもとに、「ぐるんぱ」の皆さんがその絵本を朗読し、佐藤先生がその朗読に合わせて絵本やチョコレート研究のスライドを紹介する方法で進められました。

 その朗読の合間にチョコレートに関するクイズが出されたり、チョコレート製造工程の一部を体験できたりと、盛りだくさんの内容でした。

 絵本の朗読の途中、佐藤先生から会場の皆さんへ、
「カカオ豆の殻を割って中の実(胚乳・カカオニブ)を取り出してみてください」
「その際、カカオニブの中に小さく細長い棒(胚芽)があるので取り出してください」
とお話がありました。

(スライド・カカオ豆の皮むき体験)
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 私も爪を使ってカカオ豆の硬い殻を取り除いてみました。

(カカオ豆・カカオニブ・カカオ豆の皮)
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 写真左上が殻を割った「カカオニブ(カカオの胚乳)」、右上がそれを細かく砕いたもの、それらの間(時計の12時の方向)にある小さい茶柱のような形をしたものが胚芽(ジャーム、チュニブ)、写真下側の茶色いものがカカオの殻(外皮の「カカオシェル」と薄皮の「カカオハスク」)です。

 カカオの胚芽は5mm前後と小さく、探し出すのが難しいのですが、豆の状態のカカオニブをよく観察すると、豆の先端部に丸い穴が開いている箇所があります。

(カカオニブの胚芽の位置)
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 この穴(写真の赤い矢印の箇所)の中にカカオの胚芽があります。

 この胚芽はやがてカカオの木へと成長するものですが、これを食べてもジャリジャリして苦いだけなので、チョコレートを作る際には取り除く必要があります。

 胚芽を取り除いたカカオニブを、まずはそのままいただきました。

 ローストしたアーモンドのような食感で、味はカカオ100%の苦いチョコレートでした。

 次に手のひらの上にカカオニブをのせ、その上から砂糖(グラニュー糖)をたっぷりかけたものをいただきました。

(砂糖を加えたカカオニブ)
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 このように砂糖と一緒にカカオニブを食べると、甘くて食べやすいチョコレートに一変します。

 写真の手のひらにすり傷が見えますが、これは当日、急いで広島市植物公園へ向かおうと走っていた際、つまずいて転んでできた傷です。

 右手の手のひらや左足のひざは、傷が深く、皮膚がめくれてしまいました。

(ケガをした右手)
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 カカオニブの試食をするのも大変でした(笑)

 絵本の朗読が進む中、チョコレート作り体験も行われました。

 ボウルには、すでにテンパリング(温度調整・結晶化)済みの液状のカカオニブ(チョコレートリカー)が用意されていました。

(液状のカカオニブと温度計)
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 液状のカカオニブを金属トレーに移し替えると、すぐにトレーを机にバンバン打ち付け、中の空気を抜く作業(タッピング)がなされました。

 最初に佐藤先生が実演されたのですが、「バシャン、バシャン」と会場に大きく鳴り響くレベルでトレーを机に叩きつけられました。

 続いて会場の子供たちもタッピング作業を体験しました。

 トレーを叩き過ぎてカカオニブをこぼす子供もいて(笑)、会場は大変な盛り上がりでした。

 タッピングを終えたカカオニブは、すぐに冷蔵庫に入れて冷やし固められました。

 絵本の朗読が終わる頃、植物公園の職員の方が完成した板チョコレートを持って来られました。

(冷やし固めたチョコレート)
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 滑らかで光沢のあるチョコレートに仕上がりました。

 最後にこの板チョコレートを一口サイズに割る作業の体験がありました。

 これも子供たちが担当しました。

(冷やし固めたチョコレートを割る様子)
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 みんな楽しそうに板チョコレートを割っていました。

 このあと、完成したチョコレートを参加者全員で試食しました。

(チョコレート(試食用))
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 フィリピン産カカオ豆70%のチョコレートです。

 カカオニブをかじっているような、純粋な美味しさを味わえるビターチョコレートでした。


テンパリングとココアバターの結晶化

 ここからは、少し専門的なチョコレートのお話をしようと思います。

 このイベントが開催されているちょうどその時に、NHK総合テレビで「あしたが変わるトリセツショー「チョコレート」のトリセツ」という番組が再放送されました。

 この番組に佐藤清隆先生が「チョコレート博士」として登場されました。

 テーマは簡単に作れる手作りチョコレートの「トリセツ(取扱説明書)」です。

 そこで、今回の講演会とこの番組にちなんだ「テンパリングとココアバターの結晶化」について御紹介します。


 手作りチョコレートを作る時、細心の注意を払う必要があるのが「テンパリング」です。

 テンパリングは、温めて溶かしたチョコレートをモールド(型)に入れて冷やし固める際に、「冷却→昇温→再冷却」と温度調整するなどの方法で、ベタベタ・ザラツキがなく、口どけのよいチョコレートに仕上げることを言います。

 単純に「溶かしたチョコレートをモールドに入れて冷やし固めればよいのでは」と思うのですが、こうするとその多くは失敗してしまう(チョコレートがベタベタ、ザラザラ、口どけが悪くなってしまう)のです。

 この現象は、ココアバターの結晶を最適な状態にして固められなかったことが原因です。

 そこで「ココアバターの結晶を最適化させる」ためにテンパリングがなされます。

 ココアバターの結晶はⅠ型(1型)からⅥ型(6型)まで6種類あります。

 このうち、Ⅳ型(4型)から下だと指で触るだけでチョコレートが溶けてしまい,逆にⅥ型だと固すぎて口の中でチョコレートが溶けないため,一般的なチョコレートにはⅤ型(5型)が適しています。

 まとめると、「テンパリング」は「ココアバターの結晶を最適化させる」ことであり、言い換えれば「ココアバターの結晶をⅤ型にさせる」ことだと言えます。

(市販のチョコレートに存在する「口溶け結晶(Ⅴ型)」)
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 NHK「あしたが変わるトリセツショー「チョコレート」のトリセツ」の映像の一部を引用

 市販のチョコレートには「Ⅴ型」の美しい結晶が並んでいます。

 Ⅴ型とそれ以外の型では、炭素の「ダイヤモンド(宝石)」と「黒鉛(鉛筆の芯)」、炭酸カルシウムの「アラゴナイト(真珠)」と「カルサイト(貝殻)」ぐらい大きな違いがあります。

(Ⅴ型結晶)
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 NHK「あしたが変わるトリセツショー「チョコレート」のトリセツ」のウェブサイトの一部を引用

 チョコレートをⅤ型にするためには、一旦冷却させてⅣ型を作った後、昇温させてⅤ型を作り、再冷却してⅤ型で固めるというプロセスが求められます。

(テンパリングのメカニズム)
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 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房・p227 図11.5を引用

 単に冷却してⅤ型を作ろうとすると、18時間以上かけて冷ます(固める)必要があり、そうやって固めたⅤ型も粗大な結晶の塊となり、微細なⅤ型の結晶にはならないのです。

(ココアバターの結晶化プロセス)
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 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房・p229 図11.6を引用・一部加工

 図の左上から右下に向かった一点鎖線が温度のグラフ、左下から右上に向かった点線(破線)がⅤ型結晶量のグラフで、黄色く塗りつぶしたところが、テンパリングの過程です。

 ココアバターの温度を一旦下げてⅣ型結晶を作り、再び上げてⅤ型結晶が作られる様子がわかります。

 「あしたが変わるトリセツショー」では、こうした面倒なテンパリングをしなくても、簡単に口どけのよいチョコレートを作る(Ⅴ型の結晶を作る)方法が紹介されました。

 それは、佐藤先生いわく、溶かしたチョコレートに「魔法の種」を入れる方法です。

(魔法の種)
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 NHK「あしたが変わるトリセツショー「チョコレート」のトリセツ」の映像の一部を引用

 これ、何だと思いますか?

 実は市販のチョコレートを包丁で細かく刻んだものです(笑)

 市販のチョコレートにはⅤ型の結晶が存在するため、それを溶かしたチョコレートに混ぜ合わせ、種をまいて発芽・成長させるように、チョコレートのⅤ型結晶を増やすという作戦です。

(溶かしたチョコレートに「魔法の種」を混ぜ合わせる様子)
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 NHK「あしたが変わるトリセツショー「チョコレート」のトリセツ」の映像の一部を引用

 番組の中で、佐藤先生は、
「魔法の種を入れると、入れた種が全体に散らばってⅤ型になる」
「まるで「オレについて来い!」というもの」
とおっしゃっていました。

 そしてもう1つ、Ⅴ型結晶を作るのに大切なのが「攪拌(かくはん)」です。

 広島大学生物生産学部の上野 聡 教授によると、よくかき混ぜることでチョコレート全体にⅤ型結晶を行き渡らせるのが、口どけのよいチョコレートを作るコツなのだそうです。

 こうして作られた手作りチョコレートは、その出来栄えの良さにスタジオの出演者も驚いておられました。

 広島市植物公園の講演会会場でも、佐藤先生はチョコレートの温度管理に細心の注意を払っておられました。

(液状のカカオニブ・温度計・ドライヤー)
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 作業時に一定の温度(27℃~32℃)を保つことがとても重要らしく、溶かしたチョコレートを金属トレーへ移し替える時でさえ、佐藤先生はそのトレーをドライヤーの熱風で温めておられました。

 佐藤先生が冷やし固めるための液状のカカオニブを用意された際にも、実は白い「魔法の粉」が使用されました。

(液状のカカオニブと「魔法の粉」)
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 液状のカカオニブに、白い粉を混ぜ合わせています。

 この粉は、会場では説明されなかったのですが、佐藤先生から「BOB」だと伺いました。

 「BOB」は、ベヘン酸とオレイン酸で作られたパウダー状の油脂で、ココアバターをⅤ型の結晶にするために用いられます。

 この「魔法の粉」のおかげで、子供たちの手を汚すことなく、口どけのよいチョコレートが短時間で完成しました。

 ちなみに、こうした「魔法の種」・「魔法の粉」でテンパリングする方法は、「シードテンパリング法」(シード(seed)は「種」、転じて「種結晶」という意味)と呼ばれています。


まとめ

 講演会終了後,佐藤先生に御挨拶をし、会場を後にしました。

 少し休憩しようと、帰りがけに喫茶店に寄りました。

 私の定番はホットコーヒーなのですが、この日は久しぶりにココアが飲みたくなり、注文しました。

(ココア)
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 この日は寒波が訪れ、雪が降っていたこともあり、温かいココアが体や傷口に浸みわたり、良い香りに包まれて幸せな気持ちになりました。

 カカオポリフェノールには、実際に傷を治してくれる効果もあるようです。

(チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの健康効果)
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 NHK「あしたが変わるトリセツショー」の「チョコレート取扱説明書」の一部を引用

 モテる男なら、傷も早く治るのでしょうが…(笑)


<関連サイト>
 「広島市植物公園」(広島市佐伯区倉重三丁目495番地)

<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。

<参考文献>
 NHKテレビ・NHKウェブサイト「あしたが変わるトリセツショー「チョコレート」のトリセツ」
 佐藤清隆「チョコレートを極める12章」幸書房

2025年2月 2日 (日)

あずきの研究20 -津和野あんこ旅ウォーク(津和野町観光協会・日本あんこ協会「源氏巻食べ歩きツアー」)-

日本あんこ協会と津和野町観光協会の「津和野あんこ旅ウォーク」

 当ブログの読者様から、「日本あんこ協会」という協会があることを教えていただきました。

 小豆好き、あんこ好きの私は、早速御紹介いただいた「日本あんこ協会」のウェブサイトを拝見しました。

 すると、そのサイトの新着情報に「島根県津和野町で開催されるあんこ系スタンプラリーイベント「津和野あんこ旅2024」に監修協力致します。」という記事がありました。

(津和野あんこ旅)
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 その記事をクリックし、さらに詳しく見てみると、2024年11月23日・24日の両日、「津和野あんこ旅2024」の関連イベントとして、各店の「源氏巻(げんじまき)」を食べながら津和野の街を歩く「あんこ旅ウォーク」が開催されることがわかりました。

(津和野あんこ旅ウォークチラシ)
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 日本あんこ協会の「にしい会長」と一緒に、あんこの解説などを交えながら、各店舗の源氏巻を食べ歩きができるイベントです。

 「あんこ好きの私としては、ぜひ参加し、日本あんこ協会会長にもお会いしたい」と思い、即断即決で津和野町観光協会のサイトから参加申込みをしました。


「津和野あんこ旅ウォーク」オリエンテーション

 2024年11月23日、広島市内から車で島根県津和野町へ向かいました。

 集合場所の津和野町観光協会(津和野駅構内)に着くと、「津和野あんこ旅ウォーク」のコーナーがありました。

(津和野町観光協会・津和野あんこ旅ウォーク案内)
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 受付を済ませ、スタート地点となる駅前広場へ向かいました。

 駅前広場には、実物の蒸気機関車が展示されていました。

(蒸気機関車D51 194(津和野のデゴイチ))
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 蒸気機関車「D51(デゴイチ)」の194号機で、「津和野のデゴイチ」と呼ばれています。

 この蒸気機関車で私が注目したのはこちらです。

(蒸気機関車のヘッドマーク(津和野あんこ旅))
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 何とヘッドマークまで「津和野あんこ旅」のデザインになっています。

 津和野町観光協会の公式キャラクター「源氏まき子」ちゃんが描かれたヘッドマークです。

 これを見て、ますますテンションが上がりました。

 ほどなく集合時刻を迎え、イベント参加者をはじめ、にしい会長、津和野観光協会・津和野町商工会の皆さんが勢ぞろいしました。

 また、プロレスラーで無類のあんこ好きの日高郁人さんも特別参加されました。

 にしい会長は、蒸気機関車のヘッドマークと同じ「源氏巻の被り物」をし、日本あんこ協会のたすきをかけての登場です。

 この姿を見て、私と波長が合うことが一発でわかりました(笑)

 「源氏巻食べ歩きツアー」のオリエンテーションとして、メンバー紹介と源氏巻の説明がなされました。

 続いて参加メンバーへ、試食した源氏巻の味を記録・分析するためのシート「源氏巻分析シート」とボールペン・バインダーが配られました。

(源氏巻分析シート(日本あんこ協会))
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 店名(記入済み)、全体的な甘さ(控えめ~甘め 5段階)、生地の質感(しっとり~軽やか 5段階)、あんこの糖度(度数)、生地の厚み(mm・記入済み)、重さ(長さ3cmでの重さ・記入済み)、メモ(感想・気付き)の各項目を記録し、後で比較・分析できるようにまとめられたシートです。

 そして、「まめ茶」のペットボトルをいただきました。

(津和野まめ茶)
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 「まめ茶」は「カワラケツメイ」というマメ科の植物から作られるお茶で、津和野・山口近郊で栽培されています。

 ノンカフェインで、独特な香ばしさと味が楽しめるお茶です。

 これから甘い源氏巻をたくさん食べるので、その際の口直し・水分補給用に用意されたものです。

 このお茶、源氏巻(和菓子)との相性が抜群ですので、津和野へお越しの際は源氏巻と一緒にぜひお飲みください。


津和野町の花「つわぶき」・源氏巻の名称と形の由来

 オリエンテーションを終え、いざ「源氏巻食べ歩きツアー」の開始です。

 メンバー揃って津和野の街中を歩きました。

 にしい会長のコスチューム効果もあり、行き交う人々からの注目度はナンバーワンです。

 途中、津和野町観光協会の職員さんから「つわぶき」の花を御紹介いただきました。

(津和野町の花「つわぶき」)
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 「つわぶき」は秋に黄色い花を咲かせるキク科の植物です。

 津和野の語源は「つわぶきの生い茂る野」に由来しているいう説もあるそうです。

 あわせて、「源氏巻」の名前の由来も教えていただきました。

 源氏巻の名称は、
 「幕末、藩の御用菓子司が藩主にあんこを詰めたお菓子を献上し、このお菓子の命名をお願いしたところ、藩主のお姫様が紫色のあんこに感動し、源氏物語の「若紫」の歌を詠んだことにちなんだ」
という説が広く知られているそうです。

 ちなみに、源氏巻の形については、
 「江戸・元禄時代の津和野藩主が、高家の吉良上野介義央(きらこうずけのすけ よしひさ)に勅使の接待方法について教えを請うが、教えてもらえなかったため、小判をカステラのような生地に包んで吉良に献上したところ、教えてもらうことができた」
 そして、
 「こうした津和野藩主の対応が功を奏して藩が救われたことから、のちに小判の代わりにあんこを包み、めでたいお菓子として津和野で受け継がれてきた」
という説が広く知られているようです。

 この話が本当なら、「忠臣蔵」に登場する吉良上野介は、赤穂藩主だけでなく、津和野藩主にまで意地悪をしていたことになりますね…

 曇り空で、時折小雨が降る中、一行は源氏巻のお店を目指しました。


源氏巻食べ歩きツアー

【「山本風味堂」の源氏巻】

 最初のお店「山本風味堂(やまもとふうみどう)」に到着しました。

(山本風味堂)
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 街の雰囲気に馴染んだ、味のあるお店です。

 お店に入ると、お店の方が出来たての源氏巻を用意してくださいました。

(山本風味堂の源氏巻)
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 生地の厚みは4mm、幅3cmあたりの重さは22gです。

 早速いただいてみると…皮がパリッとしてとても軽く、中のこしあんはやわらかくてアツアツでした。

 私は頭の中で、
「こっ、これは!!」
「今まで食べた源氏巻とは全然違う」
「姫路の「あずきミュージアム」で焼きたての御座候を食べた時の感動と同じだ」
と有頂天になりました。

 焼きたての源氏巻は、陳列されている源氏巻と全く違うと言っても過言ではありません。

 にしい会長から「この源氏巻のあんこの糖度は59度です。この甘さを覚えていただき、後のお店の糖度を記入してください」とアドバイスがありました。

 私は、甘さは「5・強い甘さ」、生地の質感は「5・軽やか」、メモには「皮は薄くあっさり、こしあんはかなり甘い」と記入しました。


【「藤村山陰堂」の源氏巻】

 2軒目に「藤村山陰堂(ふじむらやまかげどう)」を訪問しました。

(藤村山陰堂)
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 源氏巻のほか、「やまかげ(山陰)」と呼ばれる白あんのどら焼きに似たお菓子も有名です。

 「やまかげ」は予約販売が中心で、午前中には売り切れてしまうほどの人気だそうです。

(藤村山陰堂の源氏巻)
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 生地の厚みは2mm、幅3cmあたりの重さは29.5gです。

 甘さは「3・中間の甘さ」、生地の質感は「1・しっとり」、糖度55度(正解は51度)、メモには「皮が薄く、しっとりとしている。こしあんがきめ細かく上品」と記入しました。


【「峰月堂」の源氏巻】

 3軒目に「峰月堂(ほうげつどう)」を訪問しました。

(峰月堂)
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 お店に入ると、銘菓「紺珠(かんじゅ)」や、レモンケーキなども販売されていました。

(峰月堂の源氏巻)
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 生地の厚みは3.5mm、幅3cmあたりの重さは21gです。

 源氏巻のあんこは「こしあん」が多いのですが、この源氏巻は「つぶあん」です。

 甘さは「4・やや強い甘さ」、生地の質感は「2・ややしっとり」、糖度50度(正解は59度)、メモには「こしあんに近いつぶあん。小豆の香りがする。皮がもっちりしっかりしている」と記入しました。


※峰月堂のレモンケーキ、紺珠、豆大福も購入しましたので、御紹介します。

(峰月堂のレモンケーキ・紺珠・豆大福(包装))
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 写真上がレモンケーキ、右下が紺珠、左下が豆大福です。

(峰月堂のレモンケーキ・紺珠・豆大福)
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 包装を開けると、こんな感じです。

(峰月堂のレモンケーキ・紺珠・豆大福(中身))
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 「レモンケーキ」は横約7cm、幅約5cm、高さ約4cm。レモンチョコがパリッとして、ケーキの底までたっぷりとコーティングされています。ケーキ生地はきめ細やかでサクッとした食感です。口に含んだ瞬間、さわやかで強いレモン風味が感じられました。

 「紺珠」は直径約4cm、高さ約3.5cm。山芋入りの生地で作られた上用饅頭です。こしあんの中には、刻んだ甘栗が入っています。

 「豆大福」は豆入りのやわらかいお餅に、あっさりしたあんこがたっぷり入った一品です。

 紺珠の人気は言うまでもありませんが、特筆すべきはレモンケーキと豆大福で、これだけを買いに津和野へ行ってもいいくらい、魅力的な美味しさでした。


【「山田竹風軒」の源氏巻】

 4軒目に「山田竹風軒(やまだちくふうけん)」を訪問しました。

(山田竹風軒本町店)
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 こちらのお店の源氏巻は、デパートの全国銘菓コーナーや東京のアンテナショップなどにも展開されています。

 店舗では「源氏巻アイス」も販売されています。

(山田竹風軒の源氏巻(菓子皿))
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 1本の源氏巻を試食用に5等分し、菓子皿で提供していただきました。

(山田竹風軒の源氏巻)
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 皮に厚みがあり、きめ細かなこしあんが包まれています。

 生地の厚みは4.5mm、幅3cmあたりの重さは21.5gです。

 甘さは「3・中間の甘さ」、生地の質感は「1・しっとり」、糖度52度(正解は57度)、メモには「厚い生地で弾力感がある。甘く上品なこしあん。どら焼きのイメージ」と記入しました。


【華泉酒造】

 次に「華泉酒造(かせんしゅぞう)」に伺い、限定特別企画「津和野の地酒と源氏巻のペアリング体験」をしました。

(華泉酒造)
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 江戸中期(1730年)創業で、日本酒の仕込み水には、秀峰青野山の伏流水(井戸水)が使われています。

 今回御用意いただいたお酒は「純米大吟醸 黒狐(くろぎつね)」で、フルーティですっきりした味わいのお酒です。

 藤村山陰堂の源氏巻とのペアリングを体験しました。

 私は、津和野へ車で伺ったので、源氏巻のみいただきました。


【「倉益開正堂」の源氏巻】

 5軒目に「倉益開正堂(くらますかいせいどう)」を訪問しました。

(倉益開正堂)
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 源氏巻はこしあんのほか、つぶあんや抹茶あんも販売されています。

(倉益開正堂の源氏巻(こしあん・つぶあん))
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 写真上がこしあん、下がつぶあんです。

(倉益開正堂の源氏巻(抹茶あん))
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 こちらは抹茶あんです。

 3種類すべてを試食させていただきました。

 生地の厚みは2.5mm、幅3cmあたりの重さは24gです。

 甘さは「4・やや強い甘さ」、生地の質感は「2・ややしっとり」、糖度60度(正解も60度)、メモには「あんこの甘みをしっかり感じる。つぶあんは小豆の粒々感あり。抹茶あんはしっかりと抹茶の香りを感じる」と記入しました。


【「沙羅の木」の源氏巻】

 6軒目に「沙羅の木(さらのき)」を訪問しました。

 お店の前では、地元のお祭りが行われていました。

(祭りのお神輿)
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 「わっしょい、わっしょい」

 見ている方もテンションが上がります。

(沙羅の木(津和野観光会館・ことぶきや))
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 「沙羅の木」は、お土産店のほか、食事や喫茶のお店もあり、津和野の観光拠点の1つとなっています。

 お店に入ると、メンバーに1つずつ源氏巻が手渡されました。

(沙羅の木の源氏巻(抹茶あん))
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 こちらは抹茶あんです。

(沙羅の木の源氏巻(こしあん))
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 こちらはこしあんです。

 抹茶あんに続いてこしあんの源氏巻、ボールペンと記録シートとバインダー、そして傘と、手に持つものがいっぱいで、やむなくこしあんの源氏巻は記録シートにのせて撮影しました。

 生地の厚みは2.5mm、幅3cmあたりの重さは27.5gです。

 甘さは「3・中間の甘さ」、生地の質感は「3・バランスのとれた生地」、糖度55度(正解は60度)、メモには「皮は標準でやわらかく食べやすい。あんこはすっきりした甘さ」と記入しました。

(源氏巻製造機)
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 源氏巻の製造工程も見学しました。

 こちらのお店には珍しい「白あん」の源氏巻もあります。


【日本あんこ協会 にしい会長による紙芝居・あんこの話】

 津和野の街を歩いていると、鯉をよく見かけます。

(津和野の鯉)
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 津和野藩の藩校「養老館」に着き、ここで少し休憩となりました。

 日本あんこ協会・にしい会長が用意された紙芝居で、津和野とあんこの歴史を学びました。

(日本あんこ協会にしい会長による紙芝居)
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 紙芝居で、津和野出身の森鷗外(もりおうがい 小説家・軍医)があんこ入りの饅頭を割り、ごはんの上にのせて、お茶をかけて「饅頭茶漬け」にして食べていたというお話を御紹介いただきました。

 詳しくは日本あんこ協会のサイト「森鷗外と饅頭茶漬け~偉人とあんこ-Vol.4~」を御覧ください。


【「三松堂本店」の源氏巻】

 7軒目に「三松堂本店(さんしょうどうほんてん)」を訪問しました。

(三松堂本店)
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 源氏巻のほか、「こいの里」という小豆菓子でも有名なお店です。

(三松堂本店の源氏巻(菓子皿))
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 源氏巻を2切れずつ、気合いの入った朱塗りの菓子皿で用意していただきました。

(三松堂本店の源氏巻)
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 見るからにさらりとした上品なこしあんが包まれています。

 そして注目したいのは、生地の巻き方です。源氏巻を裏返してみると…

(三松堂本店の源氏巻(裏))
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 このように生地が重ねられていないのです。

 生地の巻き方1つとっても、各お店で違い・こだわりがあることがわかりました。

 生地の厚みは3.5mm、幅3cmあたりの重さは22gです。

 甘さは「2・やや控えめの甘さ」、生地の質感は「1・しっとり」、糖度54度(正解は55度)、メモには「生地に厚みがあり、しっとりしている。餅生地のようなモチモチ感もある。あんこの甘さは控えめ」と記入しました。

 店長の阿部さんが応対してくださり、甘さ控えめで、パサつきを防ぐ意味からも賞味期限を短く設定されていることや、源氏巻の味と伝統を未来に紡ぐため、クラウドファンディングで「出張源氏巻手焼き体験」などの活動をされているお話などを伺いました。

 私はメモに「店長が面白い」と追加しました(笑)


【「宗家」の源氏巻】

 8軒目に「宗家(そうけ)」を訪問しました。

(宗家)
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 手焼きの源氏巻が味わえるお店です。

(源氏巻を切る様子(宗家))
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 源氏巻は1本16cm前後の長さで売られていますが、これは三等分した長さで、出来上がり直後は50cm近くあることを知りました。

 注文すればロング巻きも販売していただけるようです。

 サブウェイのサンドイッチみたいですね(笑)

(宗家の源氏巻)
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 生地が薄く、あんこに照りがあります。

 生地の厚みは2mm、幅3cmあたりの重さは24gです。

 甘さは「5・強い甘さ」、生地の質感は「5・軽やか」、糖度62度(正解は71度)、メモには「生地は薄くパリッとして固め。瓦せんべいのような甘い生地。あんこがしっとりとして、とても甘い」と記入しました。

 あんこの中にキャラメル状に煮詰めた砂糖を追加することで、あんこの照りと甘味を強めておられるそうです。


【「村田一貫堂」の源氏巻】

 9軒目に「村田一貫堂(むらたいっかんどう)」を訪問しました。

(村田一貫堂)
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 伝統を受け継ぎ、手焼きの源氏巻を提供されているお店です。

(村田一貫堂の源氏巻)
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 生地の厚みは2.5mm、幅3cmあたりの重さは22gです。

 甘さは「2・やや控えめな甘さ」、生地の質感は「1・しっとり」、糖度50度(正解は65度)、メモには「ほどよい厚みがあり、しっかりした食感の生地。あんこの甘さは控えめで適度な塩気もある」と記入しました。

 この分析で、私があんこの糖度を大きく間違えてしまったことを申し添えておきます。

 このお店のあんこ糖度65度で、他の源氏巻に比べて甘さが強いのですが、私は甘さ控えめと判断を誤りました。

 これは直前に食べた、甘みの強い「宗家」の源氏巻と(無意識に)比較してしまったからだと思います。

 甘みが強く、しっかりした生地の源氏巻です。

 お店の前で、津和野駅を出発するSLやまぐち号の汽笛が聞こえました。

 しばらく待っていると、すぐ目の前でSLやまぐち号を見ることができました。

(「村田一貫堂」から眺めたSLやまぐち号)
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 2024年最後のSLやまぐち号が新山口へ向けて走っていきました。


「源氏巻すと養成コース修了証」授与式

 源氏巻のお店を9軒巡り、1つ1つの源氏巻を分析してきました。

 全行程が終了し、再び津和野藩の藩校「養老館」に集まりました。

 寒さが増した11月下旬、時折小雨の降る中、約2時間半延々と歩いて、無事9軒の源氏巻を味わうことができました。

 日本あんこ協会・にしい会長から、参加メンバー1人1人に「源氏巻すと養成コース修了証」が授与されました。

(源氏巻すと養成コース修了証(表))
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 源氏巻の被り物のイラストと日付入りの修了証です。

(源氏巻すと養成コース修了証(裏))
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 「貴殿は、津和野あんこ旅ウォーク2024において、津和野町が誇るローカルあんこ銘菓「源氏巻」を全店で完食し、各々のお店で違う味やこだわりへの理解を深められました。」
 「貴殿が源氏巻すと養成コースの全課程を修了され、晴れて源氏巻のスペシャリスト「源氏巻すと(英語表記:Genjimakist)」となられたことを、ここに証します。津和野町観光協会・日本あんこ協会」

 喜びと達成感もひとしおです。

 あわせて、記念に日本あんこ協会が発行する「アンコワネット」のシールもいただきました。

(アンコワネット「あんこを食べればいいじゃない」(日本あんこ協会))
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 あんこ好きが愛してやまない、アンコワネット様のお言葉です(笑)

 これからは、私のプロフィールに「源氏巻すと」、尊敬する人物は「アンコワネット」と書くことにしましょう。

 最後に、にしい会長とあんこのお話で盛り上がり、一緒に記念撮影もしました。


まとめ

 今回の「津和野あんこ旅ウォーク」を通じて学んだことがあります。

 それは、「どの商品が美味しいか(好みか)は、すべてのお店の商品を食べてみないとわからない」ということです。

 一定のエリアに同じ商品が売られているお店が並んでいると、人気があるお店、雰囲気が良さそうなお店、入りやすそうなお店などを選んでしまいがちですが、自分が本当に美味しいと思えるお店、好みのお店は全く別に存在している可能性もあるのです。

 そうしたミスマッチをできるだけなくすためには、こうした食べ歩きツアーが役に立ちますし、観光協会や商業組合などが一度に試食できる機会を設けるのも一法だと思いました。

 試食したら買わないといけないと思いがちな私は、今回の食べ歩きツアーがとても役に立ちました。


 約半日、津和野の街と源氏巻、そしてあんこの世界を楽しむことができました。

 この場をお借りして、お世話になった日本あんこ協会・にしい会長、津和野町観光協会や商工会の皆様、参加メンバーの皆様に深くお礼申し上げます。


<関連サイト>
 「日本あんこ協会」(東京都豊島区南池袋1丁目16-15 ダイヤゲート池袋5F)
 「津和野町観光協会・ゆ~にしんさい」(島根県鹿足郡津和野町後田イ66-1)

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 「島根県津和野町の「黒いいなり寿司」-割子そば・いなりずし・おみやげいなり-

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