食材と味の探究

2025年5月11日 (日)

平松洋子さんの名作「パセリカレー」を作る -パセリカレーライス・パセリカレー麺-

パセリカレーの材料

 広島市内のデパートの野菜売場で、花束ぐらいの大きさ・量のパセリ(徳島県産)が1袋100円(税込み108円)で販売されていました。

 購入した大量のパセリを目の前に、パッとひらめいたのが平松洋子さんが考案された「パセリカレー」です。

 美味しいと評判のパセリカレーですが、「パセリで本当に美味しいカレーが作れるのか?」と半信半疑だった私は、「今こそチャンス!」と思い、パセリカレーを作ってみることにしました。

(パセリ・合挽き肉・にんにく・生姜)
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 パセリカレーの材料となるパセリ(大・7~8本)、牛肉と豚肉の合挽き肉(約300グラム)、にんにく(1片)、生姜(にんにくと同量)です。

 このほか、トマトピューレ(濃縮トマト)、カレー粉、塩、こしょう、唐辛子(パウダー)を用意しました。

 シンプルで用意しやすい材料ばかりです。

 カレーに欠かせない玉ねぎがないのも驚きです。

 材料の揃えやすさも、パセリカレーが多くの人から支持される理由の1つと言えそうです。


パセリカレーを作る

 カレーを作る際、面倒なのが玉ねぎ・にんにく・生姜などのみじん切りです。

 今回のパセリカレーは、パセリさえ細かく刻めば、挽き肉はそのまま使えるし、にんにくと生姜はすりおろせば済むので、比較的楽にカレーが作れるだろうと思っていました。

 しかし、いざパセリを刻んでみると、茎の部分と葉の部分を分けて刻んだり、大量の葉をできるだけ細かく刻んだりと、意外と時間がかかりました。

(みじん切りにしたパセリ)
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 手前が細かく刻んだ茎、奥(上側)が細かく刻んだ葉です。

 もう二度とやりたくないと思ったほど(笑)、大量のパセリを刻みました。

 にんにくと生姜もすりおろしておきます。

(すりおろしにんにく・生姜)
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 どうせ鍋の中で混ざってしまうのだからと、両方同じすりおろし器ですりおろしました。

 ちなみに、にんにくの後で生姜をすりおろせば(刻めば)、にんにくの臭いが手に残るのを軽減させることができます。

 これで料理の下ごしらえが済みました。

 鍋を加熱し、合挽き肉とカレー粉を入れて炒めます。

 油は合挽き肉から大量の油脂が出るので不要です。

 生の挽き肉にカレー粉を加え、カレー粉を挽き肉に馴染ませるよう炒めるのがコツです。

 挽き肉を炒めてからカレー粉を加えると、挽き肉が脂でコーティングされた状態でカレー粉を加えることになり、カレー風味がよく浸み込まないのだそうです。

(挽き肉とカレー粉)
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 カレー粉を別に炒めたり、ルウを作る必要がないので楽です。

 このように挽き肉にカレー粉を馴染ませながら炒めると…

(挽き肉を炒めた様子)
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 挽き肉、特に豚肉の挽き肉を炒めると、大量の油脂が出てきます。

 挽き肉に焼き色が付き、カレー粉と馴染んだところで、細かく刻んだパセリを同じ鍋にドサッと加えます。

(炒めた挽き肉にパセリを加えた様子)
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 挽き肉とパセリが馴染むよう、数回に分けて入れるのがコツです。

 こうすることにより、パセリの水分も飛びやすくなります。

 挽き肉とパセリが馴染んだところで、トマトピューレ、ニンニクとショウガのすりおろしを加えます。

(トマトピューレとにんにく・生姜のすりおろしを加えた様子)
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 水を加えるとスープのようなカレーになってしまうので、私はあえて水は加えませんでした。

 平松洋子さんのレシピでは少量の水を加えるようになっていますが、水よりもトマトピューレの割合が多く、その後によく煮込む(水分を飛ばす)よう説明されています。

 カレーにトマト(ピューレ)を加えることにより、とろみがつき、甘みとコクが出て、さらにカレーの黄色(ターメリックの色)の発色が良くなる効果があります。

 約15分、時々混ぜ返しながら煮込み、最後に塩で調味してパセリカレーの完成です。

(パセリカレーの完成)
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 大量に入れたパセリが、加熱されたことにより凝縮し、挽き肉と一体化してキーマカレーかドライカレーのような感じに仕上がりました。

 平松洋子さんのレシピには、挽き肉の分量が6人分で500グラムとなっています。

 私は当初、「この分量では挽き肉の量が多いのでは」と思ったのですが、出来上がったパセリカレーを見て、挽き肉をたくさん使う理由が理解できました。

 パセリが熱で凝縮し、具が挽き肉主体のカレーになるからです。

(パセリカレーライス)
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 皿にごはんとパセリカレーを盛り付け、パセリカレーライスにしました。

 どんな味に仕上がっているか、ドキドキしながらいただきました。

 「パセリの香りが強いのでは」と想像していたのですが、パセリをじっくり炒めたことにより、パセリが「さわやかな香りのスパイス」に変化していました。

 玉ねぎやセロリなどの「香味野菜」としての役割をパセリが担っているのです。

 カレーを作る際、よく炒めた玉ねぎを使うことが多いですが、その玉ねぎの役割をパセリが担い、玉ねぎよりも香り高い香味野菜としての効果を発揮していました。

 美味しくてあっという間になくなるので、パセリと挽き肉はたくさん使うことをおすすめします。


パセリカレー麺

 ラーメン用の生麺を使って「パセリカレー麺」も作ってみました。

 パセリカレーがスパゲッティのミートソースに似ていることからの発想です。

(パセリカレー麺)
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 生麺を茹で、ザルでお湯を切って皿にのせ、その上にパセリカレーを盛り付けました。

 一口食べてみて、少し一体感がないように感じたので、汁なし担々麵のようにかき混ぜ、「まぜ麺」にしてみました。

(パセリカレー麺(まぜ麺))
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 汁なし担々麵に似た、パセリと挽き肉たっぷりのカレー麺になりました。

 パセリカレーは、今回のようなラーメンのほか、うどんやパスタにも合いそうです。

 半熟の温泉卵を添え、黄身を崩しながら食べても美味しいでしょう。


まとめ

 パセリカレーを実際に作ってみて思ったこと、学んだことをメモしておきます。

 ・挽き肉は、炒めた際に出る油脂の量を考慮すると、牛と豚の合挽きミンチが最適(鍋に油をひく必要がない)

 ・玉ねぎをみじん切りにする手間がない分、大量のパセリをみじん切りにする手間がかかる

 ・パセリは炒めるとカサが減り、トマトの汁気も飛ばすので、挽き肉の量が仕上がるカレーの量に直結する

 ・汁気のあるカレーを作る感覚で塩を加えると、塩辛くなってしまう

 ・パセリを炒めると、パセリ特有の香りは抑えられ、香味野菜とスパイス両方の効果を発揮する


 大量のパセリを刻むのに少し手間がかかりますが、シンプルな調理法で美味しく仕上がるカレーなので、御興味を持たれた方はぜひお試しください。


<関連サイト>
 「平松洋子さんの名作「パセリカレー」のレシピを公開!」(「dancyu」)

<関連記事>
 「産直市・産直野菜コーナーの魅力3 -広島の伝統野菜「祇園パセリ」の特徴とパセリ料理-

<参考文献>
 「平松洋子さんのパセリBOOK(dancyu 2022年12月号)」(プレジデント社)

2024年12月15日 (日)

広島市植物公園・人の暮らしを支える「植物と油」展-「植物油の栄養と機能」講演会-

広島市植物公園・人の暮らしを支える「植物と油」展

 広島市植物公園の特別企画展として「人の暮らしを支える「植物と油」展」が開催されています。
(2024年9月14日~12月22日)

(「人の暮らしを支える「植物と油」展」チラシ)
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 この特別企画展で2つの講演会が開催されました。

 1つは、当ブログでも御紹介した、チョコレートの専門家・佐藤清隆先生(広島大学名誉教授)による「植物からとれる油で作るお菓子の王様 チョコレートの魅力」という講演会です。

 そしてもう1つが、今回御紹介する、元・日清オイリオグループ株式会社研究所長の青山敏明先生による「植物油の栄養と機能 体に良い油を見分けるには?」という講演会です。

 料理やお菓子に欠かせない油についての理解を深めるため、2024年11月17日に広島市植物公園を訪問しました。


広島市植物公園と植物(オリーブ・ホルトノキ)

 広島市植物公園に到着しました。

(広島市植物公園)
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 葉が赤や黄色に染まり、クリスマスツリーや電飾も飾られていました。

 今回は油について学ぶことをテーマにしているため、油を作る代表的な植物の1つ「オリーブ」の木を観察しておこうと思いました。

 そこで近くにおられたガイドボランティアさんにオリーブの木がある場所を尋ねました。

 しばらくして、オリーブの木が原爆ドーム模型の近くに植えられていることがわかり、その場所をガイドボランティアさんに御案内いただきました。

(「HIROSHIMA」と原爆ドーム模型)
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 ここは「チョコレートの魅力」講演会開催日にも訪れたことがある場所です。

(オリーブの木)
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 確かにオリーブの木がありました。

 オリーブの表面の葉は細長くてはっきりとした緑色で、裏面の葉は白っぽい(銀白色)となっています。

 よく観察すると、黒いオリーブの実もなっていました。

(オリーブの実)
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 この果実からオリーブオイルが作られます。

(オリーブの木(シプレッシーノ))
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 こちらは「シプレッシーノ」と呼ばれる品種のオリーブです。

 オリーブをじっくりと観察した後、同行いただいたガイドボランティアの方から、「日本でオリーブと間違えられた木も御案内しましょう」と、植物公園中心部・ベゴニア温室近くの広場へ連れていっていただきました。

 「これです」と指差された先に、オリーブによく似た植物がありました。

(ホルトノキ(ネームプレート))
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 「ホルトノキ」と呼ばれる植物です。

 「ホルトノキ」という名称は、江戸時代、平賀源内がこの木を見つけた際、「この木はポルトガル(ホルト)から伝わった、オリーブオイルが採れる「ホルトノキ」だ」と間違って命名したことに由来します。

 実際には、この木から「ホルト油(オリーブオイル)」は採れないのですが…。

(ホルトノキ)
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 葉の形や葉の色(表面が緑色・裏面が銀白色)はオリーブとよく似ているのですが、一部の葉が紅葉しているところがオリーブと異なっています。

 さらに近づいてみると…

(ホルトノキの実)
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 なるほど。葉だけでなく、実も緑色のオリーブの実そっくりです。

 私もホントノキのような気がしてきました。

 オリーブ1つとっても、いろんな物語があるものですね。


「森のカフェ」でランチ

 お昼時になったので、公園内のレストラン・カフェ「森のカフェ」で昼食をいただきました。

(広島市植物公園「森のカフェ」)
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 ログハウスのお店です。

 入口の券売機で、前回と同様にカツカレーを選び、厨房で注文しました。

(「森のカフェ」のカツカレー)
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 カレーライスに、揚げ立てのトンカツをのせてくれるカツカレーがおすすめです。

 「カレーライスに揚げ物だと相当な脂質と炭水化物になるのでは…」

 はい、わかってます。今回は特に「油」がテーマですから、しっかり油の恩恵に授かりたいという思いも込めて注文しました。

 香味野菜がたっぷり使われ、野菜の旨みとコクが引き出されたカレーと、肉厚でジューシーなトンカツを組み合わせたカツカレー。

 「アブラカタブラ 油過多ブラ…」

 「やっぱり油はうまい!」という境地に達しました。


薔薇饅頭(ばらまんじゅう)と薔薇羊羹(ばらようかん)

 園内で、薔薇饅頭(ばらまんじゅう)と薔薇羊羹(ばらようかん)の広告が目に留まりました。

(薔薇饅頭・薔薇羊羹広告)
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 バラの花をイメージした皮に、バラのエキスが入ったあんこが詰められた饅頭のようです。

(薔薇饅頭販売の様子)
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 売店に入ると、薔薇饅頭と薔薇羊羹が販売されていました。

 興味を持ち、薔薇饅頭を1箱購入しました。

(薔薇饅頭)
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 いただいてみると、確かにバラの良い香りがする饅頭でした。


展示資料館・人の暮らしを支える「植物と油」展

 「植物と油」展の展示会場・講演会場である展示資料館へ行きました。

(展示資料館と催物案内看板「人の暮らしを支える「植物と油」展」)
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 展示資料館1階は、人の暮らしを支える「植物と油」展の展示会場となっています。

(人の暮らしを支える「植物と油」展・展示会場入口)
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 植物と油の関係について、クイズも交えながら楽しく学ぶことが出来ました。

(植物があぶらをつくる理由)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 「植物があぶらをつくるのは、いきのこるためなんだよ~」

 確かに、人間が体内に脂肪をため込むのと同じ理屈です。

 油(脂)を美味しいと感じるのも、他の栄養素に比べてカロリーが高く、生き残るために優位な食べ物だからです。

(植物と油)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 植物は油を作り出すことで、発芽のエネルギー源とし、油を好む動物に種子を運んでもらい、香気成分を発して動物を忌避・誘引しています。

 無機物(水・二酸化炭素など)から光合成を経て有機物(炭水化物・脂質など)を作り出す植物は、まさに奇跡のような存在です。

(食用油脂について(脂と油))
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 (「植物と油」展 展示資料)

 食用油脂は「動物性油脂」と「植物性油脂」に分かれ、「植物性油脂」はさらに空気に触れて固まりやすいものを「乾性油」、固まりにくいものを「不乾性油」、その中間を「半乾性油」と呼ばれています。
(カカオバターのような常温で固体のものは「植物脂」に分類)

(植物油の原料)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 植物油の原料として、アブラナ(菜の花)、ダイズ、ゴマ、ベニバナ、ヒマワリ、オリーブあたりはイメージできますが、イネ(コメ)やトウモロコシとなると、どこにそんな油があるのか、すぐにはイメージできません。

(アマ・アマニ油)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 また、アマニ油(亜麻仁油)が「アマ」という植物の種子から採った油だというのも初めて知りました。

(オリーブとオリーブオイル)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 こちらは馴染み深いオリーブとオリーブオイルです。

(醤油は油?)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 醤油の「油」は、醤(ひしお)からとれた「油のような液体」という意味なのだそうです。

 また醤油のエピソードとして、オランダの宣教師が日本から大量の大豆を自国に持ち帰った際、大豆のことを間違えて「shoyu(醤油)」、「soya」と記載したため、のちにヨーロッパで大豆のことを「Soybeans」と呼ばれるようになったという説もあるようです。

(キャノーラ油の由来)
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 (「植物と油」展 展示資料)

 キャノーラ油はアブラナ(ナタネ)を原料とする油で、「キャノーラ」という名称は「Canadian Oil Low Acid(酸の少ないカナダの油)」に由来します。

 ここでいう「酸が少ない」は心疾患などを引き起こす要因とされた「エルカ酸」が少ないという意味で使われています。


講演会「植物油の栄養と機能 体に良い油を見分けるには?」

 この展示資料館の2階講堂で、青山敏明先生による講演会「植物油の栄養と機能 体に良い油を見分けるには?」が開催されました。

(講演会の様子(スクリーン))
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 青山先生は、日清オイリオ「日清MCTリセッタ」の開発者でもあります。

 冒頭、青山先生から受講者へ「油を使った料理・お菓子は美味しいですよね。その油ってどんな味がするでしょうか」という問いかけがありました。

 言われてみれば、油がどんな味かを表現することはとても難しく、私も即答できませんでした。

 ティッシュペーパーに衣を付けて油で揚げただけでも美味しいと感じる方が多いくらいなので、やはり油には不思議なパワーが秘められているようです。

 「油の味の直接表現はない(油味という表現はない)」というのが油の1つの特徴です。

 また「油は水より軽い」、「油は熱しやすく冷めやすい」、「油は膨らむ」という性質もあります。

 「油は水より軽い」・「油は膨らむ」ので、油は液体にもかかわらず重さ「g・kg(グラム・キログラム)」で販売されており、ペットボトルに詰められた油は上部に空間が設けられています。

 なお、輸入品のオリーブオイルだけは「ml・l(ミリリットル・リットル)」で販売されています。
(この話を知っている人はほとんどいないとのお話でした。)

 そして、「油」と「脂」の違いについても教えていただきました。

 「油」は常温で液体のあぶらで、一般的に植物由来のものが多く、「脂」は常温で固体のあぶらで、一般的に動物由来のものが多いとのことでした。

 魚の場合は常温で液体なので「魚油」という表現が使われます。

 そのため「脂がのったサンマ」という表現は適切ではないことになります。

 また、カカオの場合は、世界中どこでも固体であることが求められるため「カカオ脂」と表現する方が適切とのことでした。


今回の講演会で新たに学んだこと

 今回の講演会で私が新たに学んだことをまとめます。

・三大栄養素は「炭水化物、たんぱく質、脂質(脂肪ではない)」

・脂質=脂肪ではなく、脂質には脂肪のほかコレステロールやリン脂質なども含まれる。

・脂肪酸は、二重結合を持たない「飽和脂肪酸」と二重結合を持つ「不飽和脂肪酸」に分けられる。

(飽和/不飽和による分類)
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(「植物と油」展 講演会「植物油の栄養と機能 ”体に良い油”を見分けるには?」資料を一部加工して引用)

・二重結合を持つ=脂肪酸が曲がって不揃いになる=結晶になりにくい=常温で液体。

・脂肪酸の末端から数えて何番目に二重結合があるのかを示したのがω(オメガ)表示。
(末端から9番目の場合はω-9(オメガ9)、3番目の場合はω-3(オメガ3)となる)
 ※「ω(オメガ)はギリシャ文字の最後の文字」

(脂肪酸の種類と表記)
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 (「植物と油」展 講演会「植物油の栄養と機能 ”体に良い油”を見分けるには?」資料を一部加工して引用)

・魚に多く含まれるEPAやDHAは二重結合がたくさんあるため、油がサラサラ。これは冷たい水の中でも魚が身動きできるようにするため。

・二重結合を持っていると、酸化(=劣化)しやすく安定性が低い。

 ・二重結合があるのに曲がってない(二重結合を境目にして水素原子が反対側にある)ものをトランス型(トランス脂肪酸)という。

(脂肪酸(シス型とトランス型))
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 (農林水産省ウェブサイト「油脂やトランス脂肪酸の基本的な情報」を一部加工して引用)

・トランス脂肪酸の生成には、①反すう動物の体内でバクテリアにより生成、②食用油を加工する際の水素添加の過程で生成、③食用油の精製過程の1つ「脱臭」の過程で生成、④油を高温で加熱する調理過程で生成、が挙げられる。

・大豆油は大量に採れるのに、一般消費者向けにはほとんど販売されず、主に業務用(外食用・給食用等)として使われている。その理由は、大豆油が光に弱く(ビンやペットボトルでは保存できず)、主に一斗缶で流通・販売されているため。

(日清スーパー長持ち油(大豆))
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 (日清オイリオ ウェブサイトから一部引用)

・ナタネ油はオレイン酸が多く、軽くて淡白な味わい。大豆油と同様、単独ではあまり売られていない。

・オリーブ油は、ヨーロッパで唯一採れる油。そのためEU(欧州連合)が積極的に売り出しており、ほとんどの健康効果があるように紹介されている。

・オリーブ油の「BOSCO(ボスコ)」は、日清グループが立ちあげたメーカー。

・ゴマ油は、香油からクッキングオイルとして利用されるようになった。高級天ぷら店などで使われる。

・アマニ油は、健康に良いと評判になっている油。酸化が早く、冷蔵庫に入れてもすぐ酸化する。

・綿実油は、かつて(太白ゴマ油の前)は「油の王様」と呼ばれ、天ぷら店でもよく使われた。

・ベニバナ(サフラワー)油に使われるベニバナ(サフラワー)は、品種改良しやすいのが特徴。

・今の日本製のマーガリンやショートニングは、パーム油に大豆油を加えて作られているので、トランス脂肪酸はほとんど含有していない。

・油の劣化は、①水と熱(加水分解)、②酸素(酸化分解)によって起こる。

・市販の油は酸化を防ぐため、空気の部分に窒素を充填している。

・脂肪酸は、その長さにより「短鎖脂肪酸」、「中鎖脂肪酸」、「長鎖脂肪酸」に分類できる。

・中鎖脂肪酸(MCT:Medium Chain Triglyceride)は、従来の長鎖脂肪酸の油に比べて(脂肪酸の長さ(チェーン)が短いため)、消化吸収が早く、すぐにエネルギーになりやすい。

(中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸)
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 (日清オイリオ ウェブサイト「What is MCT」から一部引用)

・中鎖脂肪酸は、ココナッツオイル(ヤシ油)やパームフルーツ、母乳などに含まれている。

(純正ごま油・BOSCOエキストラバージンオリーブオイル・MCTリセッタ)
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・コレステロールを下げる効果がある油には、「植物ステロール」が含まれている。

・コレステロールも植物ステロールも腸管で「胆汁酸ミセル」に溶けて体内へ吸収されるが、植物ステロールがあると、その分、胆汁酸ミセルに溶けるコレステロールが減り、残ったコレステロールが腸管から対外へ排出される(コレステロールが体内に吸収されない)効果がある。

(植物ステロールの役割)
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 (「植物と油」展 展示資料)

・油脂の美味しさは「においセンサー」や「食感センサー」で解析することはできても、「味センサー」での解析は難しい(現段階では数値化は不可)。


まとめ

 講演会終了後、質問コーナーが設けられたので、私から青山先生に1つ質問させていただきました。

私:「私たちの生活に一番身近なサラダ油はどんな油なのでしょうか。またなぜ「サラダ」という名称なのでしょうか」

青山先生:「サラダ油は、主に大豆油とナタネ油の混合油です。安価に提供できるよう、その時々で大豆油とナタネ油の割合を変えています。冷たいサラダにかけても固まらない油という意味でサラダ油と呼ばれています」

 なるほど、ここでやっと消費者向けの大豆油が登場するわけですね。

 油脂は美味しいですが、それ単独では無味で科学的分析にも限界があるようです。

 私は人間が油脂を美味しいと思う理由は、油脂を摂ると「本能が喜ぶ」からだと思います。

 これは、三大栄養素の1グラムあたりのエネルギー量が、炭水化物とたんぱく質がそれぞれ4キロカロリーなのに対して、脂質はその倍以上の9キロカロリーもあることからも説明できます。

 また脂質が食物の栄養(脂溶性ビタミン(A、D、E、K)など)の吸収を促進させることからも説明できます。
(これがサラダに油を用いる理由にもつながっています。)


 油脂は他の食材と一緒に食べることで美味しいと感じ、使えば使うほど美味しさが増す不思議な食材です。

 油脂の使い過ぎには注意を払う必要がありますが、様々な油脂をバランスよく、適度な量で摂取することが、油脂との理想的な付き合い方だと言えるでしょう。

 講演会終了後,青山先生に御挨拶したのですが、その際に「油脂の世界は化学の知識が求められ、難しいですね…」と率直な感想をお伝えしたところ、微笑みながら「そうですね」とおっしゃっていただけました。

 青山先生はお忙しいそうだったので、お礼申し上げ、その後は油を売らずに会場を後にしました。

 そうそう、青山先生のお好きな油と私の好きな油が一緒だったので、その油を御紹介します。

 それは「太白ごま油」です。

 このゴマ油は、ゴマを煎らずに生のまま絞っているので、無色透明でゴマの香りもありません。

 「そんなのゴマ油か!」と言われそうですが、私は小豆島の旅館の朝食で、この「太白ごま油」を生姜入りのごはんにかけた「ごま油ごはん」をいただいた時、その美味しさに感動しました。

 御興味を持たれた方は、一度お試しください。


<関連サイト>
 「広島市植物公園」(広島市佐伯区倉重三丁目495番地)
 「日清オイリオ」(東京都中央区新川一丁目23-1)
 「What is MCT」(日清オイリオ)

<関連記事>
 「チョコレートの新しい潮流5 -広島市植物公園・人の暮らしを支える「植物と油」展と「チョコレートの魅力」講演会-

2024年10月13日 (日)

グラスフェッドバターの特徴と魅力 -グラスフェッドバターとバターの違い-

グラスフェッドとは

 「グラスフェッド(grass fed)」とは、英語で「草・牧草(grass:グラス)」を「(飼料として)与えられた(fed:フェッド、feedの過去分詞)」という意味です。

 牛は本来、牧草を食べて育つ草食動物なのですが、限られた敷地の中で、成長を促進し、乳量を増やすため、畜産業界・畜産農家では穀物や濃厚飼料を与えて育てることが一般的となっています。

 牧草のみで育てようとすると、広大な牧草地を用意する必要があり、飼育効率も下がるなど、コストが高くつくからです。

 しかしながら、近年「食の安全・安心」や「健康意識の高まり」、「環境への配慮」そして「アニマルウェルフェア(家畜福祉)」といった観点から、牧草で育てられた牛の肉(グラスフェッドビーフ)、乳(グラスフェッドミルク)、チーズ(グラスフェッドチーズ)、バター(グラスフェッドバター)などが注目され始めています。

 私も食の情報誌などで「グラスフェッド」が話題になっていることは知っていたのですが、
「健康や環境、アニマルウェルフェアなどへの意識・関心が高い人が買い求めるのだろう」
「グラスフェッドとそうでないものは、価格は大きく異なっても、味の差は大したことないのだろう」
との思い込みから、特に興味は持っていませんでした。


グラスフェッドバターとの出会い

 ところがある日、その考えが一変します。

 広島県福山市のフランス料理店でコース料理をいただいた際、シェフから「パン用のバター、グラスフェッドバターも御用意していますが、いかがでしょう」と尋ねられ、私は「ものは試しに」とグラスフェッドバターを注文したのです。

 すると、普通のバターとグラスフェッドバターが並べて提供されました。

 そのグラスフェッドバターは濃い黄色をしており、パンに塗っていただくと、濃厚なコクとうま味を感じました。

 私が抱いていたグラスフェッドバターに対するイメージは、
「牧草で育った牛の乳から作られたバターはあっさりしている」
「穀物や濃厚飼料を食べた牛の乳で作ったバターの方がコクとうま味が強い」
というものですが、このイメージがあっさりと覆されました。

 私はこの瞬間からグラスフェッドバターのとりこになりました。


グラスフェッドバターの特徴

 グラスフェッドバターは、「牧草を飼料として与えられて育った牛の乳から作られたバター」です。

 後日、フランス料理店のシェフから教えていただいたグラスフェッドバターが広島市内で販売されていたので、購入しました。

(三良坂フロマージュ・グラスフェッドバター(包装))
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 広島県三次市三良坂町にある、チーズをはじめとした乳製品の販売店「三良坂フロマージュ」のグラスフェッドバターです。

 「山地酪農」は、牛や山羊をなだらかな山地に放牧して育てる循環型酪農を言います。

 日本では希少な「ブラウンスイス種」の牛を、牧草のみで育て、その牛のミルクから得られた少量のクリームから作られた貴重なバターです。

 それでは開封してみましょう。

(グラスフェッドバター(三良坂フロマージュ))
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 菊の御紋か仏壇に供える砂糖菓子(落雁)のような形をした、高級感あふれるバターが登場しました。

 普通のバターと並べて色の違いを見てみましょう。

(グラスフェッドバターとバター)
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 写真左の三角形がグラスフェッドバター、写真右の四角形が普通のバターです。

 グラスフェッドバターの方が濃い黄色であることがわかります。

 これは、牛が食べた牧草に「ベータカロテン(βカロテン)」が多く含まれているからです。

 ベータカロテンは濃いオレンジ色(赤色)の色素であり、これがバターの色に関係しているのです。

 ベータカロテンはニンジン、カボチャ、ホウレンソウなどの緑黄色野菜や、ミカン、スイカなどの果物にも多く含まれており、抗酸化作用や免疫力を高める効果があるとされています。

 また、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため(プロビタミンA)、ビタミンAの効果も期待できます。

 グラスフェッドバターと普通のバターを焼いた食パン(トースト)にのせてみました。

(グラスフェッドバターとバター(トースト))
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 トーストの左側がグラスフェッドバター、右側が普通のバターです。

 トーストの熱で、普通のバターよりもグラスフェッドバターの方が早く溶けました。

 普通のバターに比べ、グラスフェッドバターの方が溶けやすい(融点が低い)のです。

 これは、グラスフェッドバターに不飽和脂肪酸が多く含まれるために起こる現象です。

 まとめると、グラスフェッドバターは、
①普通のバターと比べて不飽和脂肪酸が多い
②マーガリンと比べてトランス脂肪酸が少ない
という「いいとこ取り」をした食用油脂だと言えます。

 ただし、不飽和脂肪酸が多い分、酸化しやすく、風味の劣化も早いので、早く食べ切る必要があります。


グラスフェッドバターの魅力

 グラスフェッドバターの一番の魅力は、そのおいしさにあります。

 牧草で飼育するには時間がかかりますが、牛にかかるストレスが少ないため、風味のよい生乳となり、コクのあるバターができるのです。

(バタートースト(グラスフェッドバター))
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 グラスフェッドバターは熱で溶けやすいので、トーストにスイスイ塗れます。

 また、グラスフェッドバターをパンに塗るのではなく、切ってのせて食べると、贅沢感が増して、より美味しくいただけます。

 グラスフェッドバターは、普通のバターと比べて値段が高いのですが、バターがお好きな方は一度お試しいただく価値ありです。

<関連サイト>
 「三良坂フロマージュ」(広島県三次市三良坂町仁賀1617-1)

2024年1月21日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力4 -紅妃(こうひ)・紅菜苔(こうさいたい)-

紅妃(こうひ)

 広島市内のスーパーマーケットの産直野菜コーナーに珍しいキウイフルーツが販売されていました。

(紅妃(包装))
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 「紅妃(こうひ)」というレッドキウイフルーツです。

(紅妃)
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 販売されていた紅妃は、一般的なキウイフルーツに比べて小さいサイズでした。

 包丁で切って中身を確認してみました。

(紅妃(中身))
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 中心が赤いのが特徴です。

 この赤はポリフェノールの1つ「アントシアニン」によるもので、抗酸化作用があります。

 買った直後は表面がまだ硬く、予想どおり食べても酸っぱいだけでした。

 ビニール袋にリンゴと一緒に入れて追熟させると良いようですが、私は包装された状態で1~2週間、冷蔵庫の野菜室に入れっぱなしにしておきました。

 すると次第に表面がやわらかくなり、食べ頃となりました。

 熟した紅妃は、酸味が少なく、とても甘いキウイフルーツでした。


紅菜苔(こうさいたい)

 同じスーパーマーケットの産直市コーナーで、菜の花のような野菜が販売されていました。

(紅菜苔(包装))
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 「紅菜苔(こうさいたい)」です。

 長さが約60cmもある大きな野菜で、ところどころ菜の花に似た黄色い花が咲いていました。

 私は見た瞬間、広島の紅葉(もみじ)にちなんだ「紅葉苔(もみじごけ)」という名の地元野菜かと勘違いしました。

 陳列棚に横に寝かせる感じでたくさん積まれていました。

 大量に収穫できたのか、まだ知名度が低いからか、1束98円(税抜)で販売されていました。

 私はこの紅菜苔に興味を持ち、花束を抱えるような感じで買い物かごへ入れ、購入しました。

 自宅で紅菜苔をビニール袋から取り出してみました。

(紅菜苔)
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 これ、見た目は葉っぱと茎がある花ですよね。

 私を含め、初めて見た人は、どこまで食べられるのか、そしてどうやって食べるのか戸惑うと思います。

 産直野菜のコーナーに商品として陳列されていたから食用だと安心して買えましたが、例えば野山で初めて紅菜苔を見かけたら、食べられるかどうか判断に迷うでしょう。

 先入観を持ちたくなかったので、インターネットや本などで下調べはせず、まずは直感で調理してみることとしました。

 茎は赤紫色をしています。

 茎の皮は、フキやイタドリのように少しかたく、繊維質もあったため、縦方向に皮をむいてみました。

(紅菜苔の茎と皮)
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 赤紫色の皮をむくと、フキのような鮮やかな緑色の茎になりました。

 茎はくぼみがあり、太さも均一ではないため、その皮をむくのも意外と手間がかかりました。

 葉や花は「菜の花」に似ており、茎はフキに似ているため、まずは煮て「おひたし」を作ってみました。

(紅菜苔のおひたし)
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 食感は、見た目と同様、菜の花やフキと似ていました。

 味は、クセのない葉物野菜の味で、菜の花、大根の葉、小松菜に似ていると思いました。

 続いて、紅菜苔を味噌汁の具にしてみました。

(紅菜苔の味噌汁)
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 黄色い花がリアルに浮かんでいます。

 葉・花・茎の全てが使え、茎の皮も加熱すればやわらかくなり(アントシアニンが溶けて緑色になり)、独特のクセやにおい・えぐみもないため、他の葉物野菜と同様、様々な料理に気軽に使うことができます。

 次に、紅菜苔をゴマ油で炒めてみました。

(紅菜苔の油炒め)
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 シンプルに塩だけの味付けにしたのですが、特に葉の旨味が凝縮されて美味しくいただけました。

 茎はアスパラガスを炒めたような味・食感でした。

 わざわざ皮をむく必要がないこともわかりました。

 最後に、おでんの鍋に紅菜苔をパラパラと入れ、さっと煮込んでみました。

(おでん(紅菜苔))
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 シャクシャクとした食感で、おでんの汁を含んだ美味しい一品となりました。


 中国から日本に渡ってきて、和名は「紅菜花(べになばな)」と呼ばれるアブラナ科の野菜「紅菜苔」。

 洗って適当な大きさに切れば、そのまま煮物や炒め物に使え、独特のクセやにおい・えぐみもないので、実はとても扱いやすい野菜だとわかりました。

 翌日、同じ産直野菜コーナーへ行ってみると、まだ少しだけあったので、「こんなにお買い得な野菜はない」と追加で買いました。

 「紅葉苔(もみじごけ)」と勘違いした昨日とは一転し、「あっ、紅菜苔がある」と余裕の表情で(笑)

2023年3月12日 (日)

CBD(カンナビジオール)の世界 -CBDチョコレート・CBDオイル入りコーヒー-

CBDとは

 CBDとは,大麻草の茎や種子から抽出される成分で,「カンナビジオール(Cannabidiol)」の略称です。

 CBDは大麻由来の抽出物(化合物)ですが,高揚感を得る精神活性作用を引き起こす大麻の主成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」は含まれておらず,依存性・中毒性はありません。

 日本では厚生労働省麻薬取締部や税関のチェックを受けた合法的なCBDのみが流通しています。

 CBDを摂取することにより,リラックス効果,ストレスや痛みの緩和,不眠や鬱の予防効果があるとされています。

 このような効果が注目され,CBDは欧米を中心に大きな話題となっています。

 日本でも,CBD成分を配合したお菓子,ドリンク,サプリメント,コスメ,リキッドなどを取り扱うお店が徐々に増えています。


CBDチョコレートとCBDオイル入りコーヒー

 CBD製品を幅広く取り扱い,フードの製造を行うファクトリー(厨房)も備えておられるお店「HealthyTOKYO(ヘルシートーキョー)」江戸川店を訪問しました。

(「HealthyTOKYO」案内看板とメニュー)
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 CBDやヴィーガンに対応したスイーツ,ドリンク,軽食などが用意されています。

 ちなみに,写真に写っている黄緑色の自転車は,今回私がお借りしたレンタサイクルです。

 江戸川区役所の近く,閑静な住宅地の路地を入ったところにお店があり,スマートフォンでマップの位置情報を頼りに何とかたどり着けました。

(「HealthyTOKYO」江戸川店)
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 都会的でおしゃれな雰囲気のカフェです。

 イートインスペースも充実しており,ゆっくりくつろぐことができます。

 初めてのCBDで少し緊張しましたが,CBDチョコレートとコーヒーがセットになった「CBDチョコレートセット」を注文しました。

 この際,コーヒーにはCBDオイルを追加していただきました。

(CBDチョコレートセット)
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 こちらが「CBDチョコレートセット」です。

 一口サイズのチョコレートには,10mgのCBDが配合されています。

 チョコレートはダークチョコレートで,少しひんやりとして,ほのかにハーブの香りも感じました。

 続いてCBDオイル入りのコーヒーをいただきました。

(CBDオイル入りコーヒー)
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 フェアトレードコーヒーです。

 コーヒーの表面にCBDオイルが浮かび,店内の照明で光っています。

 一般的なコーヒーの感覚でいただいたのですが,コーヒーとは全く異なる風味(フレーバー)でした。

 CBDではなくオイルの香りかも知れませんが,ジンか松ヤニかローズマリーかフェンネルのような,清涼感のあるハーブの風味を感じました。

 チョコレートもコーヒーも,ゆっくりと味わいながらいただきました。

 しばらく経つと,体の芯からポカポカ温まり,ゆったりとした気持ちになったように感じました。

 翌日,羽田空港第2ターミナルで「HealthyTOKYO」羽田空港店を見つけました。

(「HealthyTOKYO」羽田空港店)
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 テーブル席では,多くの方がカフェや軽食を楽しんでおられました。

 広島に戻り,自然派のカフェで常連の方とお話ししていると,CBDをよく御存知の方がおられ,びっくりしました。

 CBDは今や,東京だけでなく全国各地で注目を集めていることを実感しました。


<関連サイト>
 「HealthyTOKYO(ヘルシートーキョー)」(江戸川店・東京都江戸川区中央1-18-8 ほか)

<参考文献>
 「ELLE gourmet(エル・グルメ)2021年11月号」(ハースト婦人画報社)

2022年12月25日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力3 -広島の伝統野菜「祇園パセリ」の特徴とパセリ料理-

広島の伝統野菜・祇園パセリ

 先日,広島市内のスーパーマーケットの産直野菜コーナーで,私がずっと探し求めていた野菜が販売されていました。

 「祇園(ぎおん)パセリ」です。

 祇園パセリは,広島市安佐南区の祇園地区で栽培されているパセリです。

 祇園地区の各農家で自家採種した種が使われ,その種が一般に出回ることはないため,とても希少価値が高い野菜となっています。

 そのため,広島のお宝野菜として「広島市伝統野菜」や「広島県産応援登録商品」にも認定されています。

 今回は,この祇園パセリと祇園パセリを使った料理を御紹介したいと思います。


祇園パセリの特徴

 祇園パセリは,かつては一般的なパセリと同様に出荷・販売されていました。

 このままだと消費者にとっては単なるパセリの1つであり,希少価値の高いパセリだと認識してもらえないため,生産者が平成28年に「祇園パセリ」と命名し,名入り包装袋に詰めて出荷・販売することで,ブランド化が図られるようになりました。

(祇園パセリ(包装))
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 地元広島でも知る人ぞ知る野菜なのですが,産直野菜コーナーで広範囲に販売されるようになり,食材に祇園パセリを取り入れる飲食店も出てきて,徐々に知名度が上がってきています。

(祇園パセリ)
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 祇園パセリの特徴は,鮮やかな緑色と細かい刻みの葉,そして香り高さにあります。

 祇園パセリを包装袋から取り出した瞬間,パセリの良い香りがほわっと広がりました。

 セロリにも似たその芳香は,「パセリってこんなに香り高い野菜なんだ」と目の覚めるような感動を覚えました。

 青々としてシャキシャキで,新鮮な産直野菜ならではの恩恵を受けることが出来ました。

 実はこれまでパセリはあまり得意でなかったのですが,今回祇園パセリに出会ったことで好感度が飛躍的にアップしました。


パセリ入り鶏団子スープ

 この祇園パセリを使って,いくつか料理を作ってみました。

 まずは鶏団子(つくね)とパセリが合うのではないかと思い,パセリ入り鶏団子スープを作りました。

 材料は鶏のひき肉(モモ肉),祇園パセリ,白ネギ,酒,みりん,醤油,塩,片栗粉です。

 鶏のひき肉に包丁で細かく刻んだパセリを加え,さらに醤油,塩,片栗粉を適量加えて混ぜ合わせ,鶏団子を作ります。

 鍋に水をはり,酒・みりん・醤油を加えて煮立たせ,それにパセリ入り鶏団子を入れてアクを取り除きます。

 その後,一口大の白ねぎを加え,(好みで塩で味を調えて)しばらく煮込めば完成です。

(パセリ入り鶏団子スープ)
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 パセリ,鶏団子,白ねぎから良いだしが出ました。

 ただ祇園パセリは香りが強いため,鶏モモ肉の繊細な風味にパセリの風味が覆いかぶさるような感じに仕上がりました。

 あと,パセリは西洋野菜なので,醤油ベースのあっさりした和のスープよりは,中華の鶏がらスープや洋食のコンソメスープとの相性の方がよいようにも思いました。


平松洋子さんのパセリ餃子(水餃子)

 作家・エッセイストで,食にお詳しい平松洋子さんは「パセリ愛香家(愛好家)」,「パセリの達人」と呼ばれるほどパセリがお好きな方です。

 パセリは地元の八百屋で業務用サイズで購入されるのだとか。

 その平松洋子さんが「パセリには火を通したおいしさがある」,「パセリをたっぷり使ってこそ出会える味わいがある」ことを踏まえて考案された料理が「パセリ餃子」です。

 「パセリを信じるといいことがある」とおっしゃる平松洋子さんを信じ,祇園パセリでパセリ餃子を作ってみることにしました。

 餃子の餡(あん)にする具材は,豚のひき肉とパセリです。

 その餡の調味料は,シンプルに醤油,酒,塩,コショウだけです。

 ボウルに豚のひき肉を入れ,調味料を加えて混ぜ合わせたあと,パセリの葉を手で細かくちぎって加えます。

 ここでパセリをすべて包丁で細かく刻む必要はなく,葉は手でちぎり,茎だけ細かく刻めばよいことを知りました。

 祇園パセリは葉が細かいので,なおさらです。

(パセリ餃子の餡)
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 「こんなに入れて大丈夫かな?」と思うほどパセリを加えましたが,ひき肉と混ぜるとうまくまとまりました。

 そして出来上がった餡を餃子の皮で包みました。

 この際,皮にひだを作らず,パタンと二つ折りにするだけ(シンプルな半円形)にするのがコツです。

 こうすると肉に早く火が入り,パセリのフレッシュ感を残したまま茹で上げることができるのだそうです。

 これは楽でいいな(笑)

(パセリ餃子(生))
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 この生のパセリ餃子をたっぷりの熱湯で茹で,皿に盛れば完成です。

(パセリ餃子(水餃子))
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 餡に味がついているため,スープで煮る必要もタレを用意する必要もありません。

(パセリ餃子(水餃子)の中身)
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 中にはパセリがたっぷり入っています。

 茹でたてのパセリ餃子をそのままガブリといただきました。

 なるほど,フレッシュな香りのパセリ,それをしっかりと受け止めて旨味をふくらませた豚のひき肉,そしてワンタンのようにツルンとした皮,これらが一体となり,シンプルな材料・作り方でありながら,しっかり美味しい水餃子が味わえました。


平松洋子さんのパセリ餃子(焼き餃子)

 後日,再びパセリ餃子を作り,今度は焼き餃子にしてみました。

 焼き餃子なので,今回は餃子の皮にひだを作りながら餡を包みました。

 油をひいて熱したフライパンに生のパセリ餃子をのせ,熱湯をかけて一気に焼き上げました。

(パセリ餃子(焼き餃子))
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 少し羽根つき餃子風に仕上げてみました。

(パセリ餃子(焼き餃子)の中身)
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 醤油に山口の「ゆずきち」を絞ったポン酢でいただきました。

 水餃子に比べてどっしりとした重量感があり,その後に爽やかなパセリの風味を感じました。

 ポン酢に新潟の神楽南蛮を使った「みどりのラー油」を少し加え,パセリ餃子につけていただくと,パーフェクトな味になりました。


おでん(パセリ肉団子)

 パセリ餃子の餡が少し余ったので,肉団子にし,おでんに入れて煮込みました。

(おでん(パセリ肉団子))
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 写真中央がパセリ肉団子です。

 「あっ,これはおでんによく合う!」と思わず声に出るほど,おでんの汁を吸ったパセリ肉団子は美味しかったです。


まとめ

 トンテキ(豚ロース肉のステーキ)に祇園パセリを添えてみました。

(トンテキと祇園パセリ)
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 普段作っている肉・魚料理には野菜を添えることすらしませんが,パセリを少し添えるだけで見た目がぐんと良くなるように思いました。

 加えて,パセリはただメイン料理を飾るだけでなく,食事の合間に食べることで口の中に清涼感を与え,その香りがメイン料理の味をさらに引き立たせる力があることもわかりました。

 今まで,料理に添えられたパセリは「もったいないから」という理由で半ば義務感で食べていましたが,この祇園パセリは見た目の美しさが,シャキシャキ感が,そして何と言っても香りがとても良く,パセリに抱いていたイメージがガラリと変わりました。

 そういう意味では,今回御紹介した祇園パセリは,まずは生でそのまま味わってみるのがベストだと言えます。

 パセリの魅力を知ると,食や料理の世界がもっと広がると思います。


<関連サイト>
 「広島のお宝野菜 祇園パセリ」(祇園農事研究会パセリ部会)
 「祇園パセリ」(広島県産応援登録制度事務局)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-
 「山口の食文化探訪4 -ディアボロ・クレームカラメル・くりまさる・長門ゆずきち-

<参考文献>
 「平松洋子さんのパセリBOOK(dancyu 2022年12月号)」(プレジデント社)

2022年10月23日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力2 -ブルーベリー・赤オクラ・シカクマメ(四角豆)・マコモダケ・むかご・宇宙芋-

 産直市やデパート・スーパーマーケットの産直野菜コーナーへ行くと,地元で採れた面白い野菜や珍しい野菜を販売されていることがあります。

 たまたまその日だけ販売されているような野菜もあり,そうした「偶然の出会い」があるのも産直市・産直野菜コーナーの楽しみの1つです。

 また,思いがけず珍しい野菜が手に入ることもあります。

 第1回に続き,そんなちょっと面白い野菜・珍しい野菜をいくつか御紹介したいと思います。


ブルーベリー

 広島県安芸郡海田町にあるスーパーマーケット「マックスバリュ海田店」に,JA安芸(安芸農業協同組合)の産直野菜コーナーがあります。

 そのコーナーの一角で生のブルーベリー(広島県呉市産)が販売されていました。

(ブルーベリー)
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 ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目に良いとされ,ドラッグストアなどでもブルーベリー系のサプリメントはよく販売されていますが,生のブルーベリーはなかなか入手できません。

 水で洗い,そのままガブリといただくと,ぶどうに似た甘酸っぱい味が口の中いっぱいに広がりました。

 その直後に歯磨きをすると…歯磨き粉と歯ブラシが真っ青になってビックリ!

 しばらく経ってブルーベリーの色素によるものだと気付くまでは,体を壊したのではないかとかなりあわてました(笑)


赤オクラ

 同じJA安芸(安芸農業協同組合)の産直野菜コーナーで,海田町産の赤いオクラが販売されていました。

(赤オクラ)
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 緑色のオクラはよく見かけますが,赤色のオクラはちょっと珍しいですよね。

(赤オクラ(中身))
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 中身は一般的な緑色のオクラと同じで,皮の色だけ異なるようです。

 この皮の赤色は,ブルーベリーと同じアントシアニンによるものです。

 さっと茹でて食べようとしたら,赤色が抜けて白っぽい緑色になってしまいました。

 赤色を楽しむ場合は生を刻んでいただくのが良さそうです。


シカクマメ(四角豆)

 広島県安芸郡府中町にあるショッピングセンター「イオンモール広島府中」で,「甲山いきいき村」の産直野菜の1つとして「シカクマメ(四角豆)」が販売されていました。

(シカクマメ(包装))
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 私はカンボジアのホームステイ先で「キュウリと四角豆のサラダ」をいただいたのですが,その時に初めてシカクマメ(四角豆)という野菜を知りました。

 「日本でも栽培されているんだ」と,久しぶりの再会に感動しました。

(シカクマメ)
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 ふちが四角くてひだが付いている,珍しい形をした豆です。

 その形から「シカクマメ(四角豆)」と呼ばれます。

 ただ,四角いだけに水洗いが多少面倒な野菜でもあります。

 カンボジアでは生でいただいたので,同じようにサラダにしていただきました。

(シカクマメのサラダ)
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 生で食べると弾力があり,少し豆特有の青臭さを感じました。

 カンボジアでは,生のキュウリと同じくパリパリとした食感で,青臭さも気にならなかったように記憶しているのですが…。

 そこで豚肉や卵と一緒にシカクマメを油で炒めてみました。

(シカクマメと豚肉炒め)
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 油で炒めると,ポリポリした食感となり,青臭さもなくなりました。

 同じ熱帯アジア原産の野菜「ゴーヤ(ニガウリ)」の料理を参考に調理すればとよいと思います。


マコモダケ

 広島市内のデパート「そごう広島店」の産直野菜売場で「マコモダケ」が販売されていました。

(マコモダケ)
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 マコモダケは「マコモ」と呼ばれる植物の茎が肥大化したものです。

 緑色の葉の部分をはぎ取り,薄く切って豚肉と一緒に炒めてみました。

(マコモダケと豚肉の炒め)
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 マコモダケは,シャクシャクしてタケノコに似た食感でした。

 緑色の葉の部分は筋張っているので,きれいに取り除いて中の白い部分だけ食べることをおすすめします。


むかご

 広島県の北東部(庄原市東城町と神石高原町)に「帝釈峡(たいしゃくきょう)」という景勝地があります。

 こちらを訪問した際,道路沿いの産直店舗に「むかご」と呼ばれる野菜が販売されていました。

 バターや塩で炒めて食べると小粒の芋のようで美味しかった記憶があるのですが,その後は野菜売場で見かけることもなく,そのうち名前すら忘れてしまいました。

 しばらく経って,茨城県つくば市の料理店で「アピオス」と呼ばれる「むかご」とよく似た野菜をいただき,その時に改めて「むかご」を思い出しました。

 「むかご」はあまり流通しておらず,どちらかと言えば珍しい野菜のため,名前を思い出しては忘れるの繰り返しなのですが(笑),その「むかご」が広島市南区のスーパーマーケット「イオン宇品店」の産直野菜コーナー「豊平どんぐり村 さんさん市」で販売されていました。

(むかご(包装))
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 「むかご」はヤマイモなどの蔓(つる)が肥大化してできた肉芽の名称です。

 写真はヤマイモのむかごで,小袋に詰めて販売されていました。

(むかご)
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 1粒はパチンコ玉ぐらいの大きさで,形は丸いものや豆のような形をしたものなど様々です。

(むかご(中身))
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 皮は薄く,中身はジャガイモやヤマイモと似ています。

 むかごを水でよく洗い,熱したフライパンにバターを溶かし,むかごを入れて炒めました。

 塩で味を調えて「むかごのバター炒め」の完成です。

(むかごのバター炒め)
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 ホクホクとした食感で,油脂との相性も抜群でした。

 秋の味覚として,米とむかごを一緒に炊いた「むかごごはん」もおすすめです。


宇宙芋(エアーポテト)

 広島県廿日市市のカフェで,畑でできた「宇宙芋」をいただきました。

(宇宙芋)
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 宇宙の隕石を思わせる形から「宇宙芋」と呼ばれています。

 先程御紹介した「むかご」のジャンボサイズで,(土の中ではなく)蔓にできることから「エアーポテト」とも呼ばれています。

 その見た目や「宇宙」というネーミングから,私は小惑星「イトカワ」をイメージします。

 小惑星探査機「はやぶさ」のように,中を調査してみましょう。

(宇宙芋(中身))
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 見た目はゴツゴツして硬い印象を受けますが,実際は皮が薄く,中身も黄色くてやわらかい芋です。

 皮ごと薄切りにし,油をひいたフライパンで軽くソテーしました。

(宇宙芋のソテー)
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 ジャガイモに近いヤマイモの食感です。

 厚切りのポテトチップスのような仕上がりとなりました。

 ジャガイモと同じ感覚で調理でき,炒め物や揚げ物などに向いています。

 ちなみに…皮は薄いですが割としっかりしているので,むいた方がベターです。


<関連サイト>
 「甲山いきいき村」(広島県世羅郡世羅町小世良341-1)
 「道の駅 豊平どんぐり村」(広島県山県郡北広島町都志見12609)
 「小惑星イトカワの素顔に迫る -「はやぶさ」科学的観測の成果-」(JAXA・宇宙航空研究開発機構)

<関連記事>
 「産直市・産直野菜コーナーの魅力1 -皮付きヤングコーン・オカワカメ・花オクラ・紫ししとう(紫唐辛子)・エゴマの葉-
 「カンボジア料理の特徴と主な料理4 -プラホックを使った料理(プラホック・チャー,バナナの葉包み焼き)・カンボジアの食文化-
 「「うまいもんどころ」茨城 -納豆,メヒカリ,アピオス,つくば鶏,常陸秋そば,お土産-

2022年9月11日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力1 -皮付きヤングコーン・オカワカメ・花オクラ・紫ししとう(紫唐辛子)・エゴマの葉-

 産直市やデパート・スーパーマーケットの産直野菜コーナーへ行くと,地元で採れた面白い野菜や珍しい野菜を販売されていることがあります。

 たまたまその日だけ販売されているような野菜もあり,そうした「偶然の出会い」があるのも産直市・産直野菜コーナーの楽しみの1つです。

 今回は,産直野菜コーナーで見つけたちょっと面白い野菜・珍しい野菜をいくつか御紹介したいと思います。


ヤングコーン

 ヤングコーンはパック詰めや缶詰の状態でよく見かける野菜ですが,皮付き(葉付き)のヤングコーンが販売されていたので購入しました。

 皮付きのトウモロコシは季節になるとよく販売されていますが,皮付きのヤングコーンはちょっと珍しいです。

(ヤングコーン(皮付き))
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 1本の長さが40~50cmありました。

 トウモロコシと同様に,包まれている皮(葉)をはぎ,中身を取り出してみました。

(ヤングコーン(皮付き・生ヤングコーン))
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 取り出した瞬間「えっ,中身はこんなに小さいんだ」と驚きました。

 「ほとんど捨てるところじゃないか」と思うぐらい,タケノコのように何枚もの皮(葉)に包まれていました。

 茹でると,やわらかくてほんのり甘いヤングコーンになりました。

 パック詰めや缶詰で販売されているヤングコーンが,実は何枚もの大きな皮(葉)で包まれており,大変な労力がかけられた,とても貴重な1本であることがわかりました。


オカワカメ

 産直野菜コーナーで「オカワカメ」と呼ばれる野菜が販売されていました。

 オカ(丘・陸地)でできるワカメのような野菜ではないかと興味を持ち,購入しました。

(オカワカメ(包装))
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 ビニール袋の中に,平べったい小さな葉がたくさん入っていました。

 ビニール袋からオカワカメを取り出してみました。

(オカワカメ)
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 一見,近所にも生えてそうな普通の葉です。

(オカワカメの食べ方)
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 オカワカメの食べ方が紹介されていました。

 「熱湯で5秒間茹でてサッと冷水で洗う。ポン酢をかけて食べる。また味噌汁・納豆・サラダの中に入れて,食感を楽しんでね!」

 海のワカメと同じような調理法でよいようです。

 それならと,まずはオカワカメをサッと茹で,冷水で洗ってみました。

(ゆがいたオカワカメ)
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 葉が深緑色になり,表面にヌルヌルとしたぬめりが出てきました。

 ポン酢でいただくと,シャクシャクとした食感も楽しめました。

 このワカメにも似た「ぬめり」と「シャクシャク感」がオカワカメの特徴のようです。

 次に味噌汁の具にしてみました。

(オカワカメの味噌汁)
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 オカワカメのほか,豆腐・大根・オクラが入った味噌汁です。

 オカワカメを味噌汁に入れてみると,その食感がワカメとそっくりなことがわかりました。


花オクラ

 夏の産直市・産直野菜コーナーではオクラをよく見かけますが,今回,あまり馴染みのない「花オクラ」と呼ばれる野菜が販売されていました。

(花オクラ(包装))
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 ほとんどが花のようで,とてもやわらかく繊細でした。

(花オクラ)
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 花びらを開いてみましたが,やはり黄色い花のみでした。

 花オクラは,花が食べられるようにオクラを品種改良したもののようです。

 その細長い形にオクラの面影を感じます。

 この花オクラでおひたしを作ってみました。

(花オクラのおひたし)
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 花びらが綿のようにフワフワになりました。

 食べるとジュワッと溶けていくような感じです。

 苦味や渋味がないので食べやすいです。

 続いて味噌汁の具にしてみました。

(花オクラの味噌汁)
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 花オクラから出る「ネバネバ」・「ぬめり」により,味噌が汁椀の底に沈殿しました。

 この「ネバネバ」・「ぬめり」が出るところは,オクラと一緒です。

 繊細な食感が楽しめるエディブルフラワーでした。


紫ししとう(紫唐辛子)

 一般的な「ししとう」は緑色をしていますが,産直野菜コーナーで「紫のししとう」が販売されていました。

(紫のししとう(紫唐辛子)(包装))
Photo_20220911145301

 包装の説明書きには「奈良の伝統野菜」,「種袋には『紫のとうがらし』と書いてありましたが,食べたら『シシトウ』でした。加熱すると緑色に変~身!なので,サッと火を通すのがおススメです」とありました。

(紫のししとう(紫唐辛子))
Photo_20220911145401

 茄子(ナス)のような濃い紫色をしています。

 「加熱すると緑色に変~身!」するのか,実際に加熱してみました。

(紫のししとう(紫唐辛子)(生のものと加熱したもの))
Photo_20220911145501

 写真上が生,写真下が加熱した「紫のししとう」です。

 加熱が進むにつれ,徐々に緑色に変化しました。

 生はカリカリ,加熱したものはシャクシャクした食感で,いずれも辛味はありませんでした。

 茹でた「紫のししとう」に醤油・酢・ゴマ油を加えてしばらく漬け,ナムルにしてみました。

(紫ししとうのナムル)
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 紫のししとうに調味液がしっかりと浸み込み,ご飯のお供にぴったりの一品となりました。


エゴマの葉

 ある日,産直野菜コーナーで「エゴマの葉」が販売されていました。

 エゴマの葉はハングルでは「ケンニップ(ケンニプ)」と呼ばれ,韓国ではキムチ漬けにしたり,醤油漬けにしてよく食べられています。

 輸入食材店・韓国食材店などでは,エゴマの葉を使ったキムチの缶詰もよく販売されています。

 しかしながら,日本では生のエゴマの葉はあまり見かけません。

 どんな味がするのか興味を持って購入しました。

(エゴマの葉(包装))
Photo_20220911150301

 大葉を何倍も大きくしたような,大きな葉っぱが包装されていました。

(エゴマの葉)
Photo_20220911150401

 長さを測ってみると,縦が約20cm,幅が約15cmありました。

 大きい分,葉の肉厚もあり,表面が起毛でゴワゴワしていました。

(エゴマの葉(生のものと加熱したもの))
Photo_20220911150501

 写真左が生のエゴマの葉,写真右が加熱した(茹でた)エゴマの葉です。

 エゴマの葉を加熱すると緑色から濃い(暗い)緑色に変化しました。

 両方を食べ比べてみました。

 生のエゴマの葉は,見た目だけでなく,風味も大葉を何倍も凝縮させたような感じでした。

 肉厚なので多少食べにくさも感じました。

 加熱したエゴマの葉は,生に比べて青臭さは減りましたが,逆に大葉に似た香りは強まりました。ただ,期待したほどやわらかくはなりませんでした。

 牛肉を焼き,韓国料理風にエゴマの葉で包んでいただいてみました。

(エゴマの葉で包んだ牛焼肉)
Photo_20220911151001

 脂肪分が多い肉でも,さっぱりと美味しくいただくことができました。

 今回はシンプルに塩・こしょうで味付けした焼肉を包んで味わいましたが,エゴマの葉は少し香りが強いので,それに負けないコチュジャン(辛味噌)などのたれを使うのも良いと思います。

 エゴマの葉をキムチにして食べられるのも,そのままでは肉厚で香りの強いエゴマの葉を美味しくいただくために生み出された知恵なのでしょう。


まとめ

 産直市・産直野菜コーナーの野菜は,生産者の名前や写真が表示されているものも多く,その分,新鮮で安全・安心な野菜を安く買えるというメリットがあります。

 そして面白い野菜や珍しい野菜をゲットできるチャンスもあります。

 さらに消費者だけでなく,生産者にとっても,直接収入となり,消費者との交流もできることが喜びや励みにつながっているのです。

 今後も産直市・産直野菜コーナーで様々な野菜との出会いを楽しみたいと思います。

2022年4月10日 (日)

関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

関西の地場野菜「しろ菜」

 広島市南区のスーパーマーケットの野菜コーナーで,葉物野菜「しろ菜」が販売されていました。

(しろ菜(包装))
Photo_20220410114201

 しろ菜は,ハクサイと漬け菜の交雑品種です。

 「大阪しろ菜」・「天満菜」とも呼ばれ,大阪・関西地方を中心に栽培されています。

 漢字では「白菜」と表記されますが,これだと実際の見た目も含めて「しろな」なのか「ハクサイ」なのか消費者にわかりにくいため,「しろ菜」と表記して販売されています。

(しろ菜)
Photo_20220410114401

 ハクサイとは違い,非結球の野菜で1枚1枚の葉が独立しています。

 調理するとどんな味になるのか,簡単なおひたしと炒め物を作ってみました。


しろ菜のおひたし

 しろ菜を酒・みりん・醤油でさっと茹でて,おひたしを作りました。

(しろ菜のおひたし)
Photo_20220410114601

 いただいてみると,シャクシャクとした食感で,ハクサイよりはチンゲン菜や小松菜に近いと感じました。

 わずかながら,ほうれん草のような「えぐみ」も感じられました。

 しろ菜の美味しさをそのまま,簡単に味わえる料理として,おひたしが適しています。


しろ菜と豚肉炒め

 続いて,しろ菜を豚バラ肉と一緒に炒めました。

(しろ菜と豚肉炒め)
Photo_20220410115401

 しろ菜本来の味を楽しめるよう,調味はシンプルに塩・こしょうのみとしました。

 当初,ハクサイに近い野菜ならば茹で物が基本で,炒め物にすると失敗するかもと思ったのですが,実際はチンゲン菜や小松菜に近く,油を使った炒め物の方がより美味しくいただけました。


「やさいバス」と広島県内での運用

 静岡県牧之原市にやさいバス株式会社という会社があります。

 「やさいバス」と名付けられた冷蔵車が地域を巡回し,最寄りのバス停を利用して,生産者から実需者(卸売業者・青果店・消費者など)へ鮮度の良い野菜が直接届けられる流通システムを構築されている会社です。

 当初は静岡県内を中心に運用されていましたが,徐々にエリアを拡大され,2021年8月からはそごう広島店とのコラボレーションで,広島県内でも運用されるようになりました。

 広島市は,京都に次いで明治38(1905)年2月5日にバスが運行開始され(※),現在も数多くのバス会社が様々な地域・都市間を運行している日本有数のバス都市です。
 ※日本初は,明治36(1903)年9月20日に京都市で運行開始したバスとされ,この日が「バスの日」に制定されています。

 広島県内での「やさいバス」運用は,こうした広島のバスの路線網・ネットワークが活用されています。

 実際に運行しているバスに,乗客と産地で採れた野菜を乗せた「貨客混載」方式で運用される,全国でも珍しい取組みとなっています。

(「やさいバス」バス停)
Photo_20220410133701

 デパートの地下食品売場が「やさいバス」のバス停です(笑)

 現在,広島県内のバス路線のうち,「たかの便」(庄原市),「東城・庄原(県立広島大学)便」(庄原市),「戸河内便」(安芸太田町),「東広島便」(東広島市),「世羅便」(世羅町),「三原便」(三原市)などで「やさいバス」が運用されています。


関東の地場野菜「のらぼう菜」

 「やさいバス」のコーナーに,神奈川県愛川町から届いた「のらぼう菜」が販売されていました。

 価格表示ラベルに「お取り寄せしました」とあり,のらぼう菜を手に取ってみると,「運搬距離638km」と記載されていました。

 消費者が個人でお取り寄せすることを考えると,安価に購入することが出来ます。

(のらぼう菜(包装))
Photo_20220410134101

 商品POPを見ると,のらぼう菜は肉巻きがおすすめと紹介されていました。

(のらぼう菜POP(肉巻き料理紹介))
Photo_20220410134201

 のらぼう菜は,東京・埼玉など関東を中心に栽培されている野菜です。

 菜花類の一種で,春の訪れを知らせてくれる野菜です。

(のらぼう菜)
Photo_20220410134301

 太い茎と濃い緑色の葉が特徴です。

(のらぼう菜(拡大))
Photo_20220410134302

 こちらは茎と葉を拡大した写真です。

 茎は,右半分の切り口からもわかるように,アスパラガスに似ています。

 葉は濃い緑色で厚みがあります。

 中心部には菜の花などと同様につぼみがあります。

(のらぼう菜のつぼみ)
Photo_20220410134501

 とても小さく,1束に1つしかないので,よくよく注意して探さないと見つけられません。

 菜の花に比べて,苦味・クセが少なく,食べやすいことも特徴です。

 関東だけの野菜かと思っていましたが,意識して野菜売場を見て回ると,出雲産・広島産など他の地域でもポツポツと栽培されているようです。


のらぼう菜の肉巻き

 のらぼう菜のPOPに「特に茎の部分が美味しく,肉巻きで食べるのがおすすめ」とあったので,豚バラ肉(スライス)で巻き,肉巻きを作ってみました。

 のらぼう菜を5~6cm間隔で切り,豚バラ肉(スライス)で巻いて,つまようじで斜めに止めました。

(のらぼう菜の肉巻き(加熱前))
Photo_20220410135101

 茎が太いので,茎2~3本と葉の組合せで巻きました。

 油をひいて加熱したフライパンで焼き,シンプルに塩・こしょうで味付けしたら完成です。

(のらぼう菜の肉巻き)
Photo_20220410135201

 加熱すると,のらぼう菜の緑色は一層濃くなり,豚肉も良い焼き色となりました。

(のらぼう菜の肉巻き(拡大))
Photo_20220410135401

 豚肉はカリカリ,のらぼう菜の葉はパリパリに仕上がりました。

 いただいてみると,茎にはアスパラガスにも似た食感・ジューシーさが,葉には凝縮された濃い旨味が感じられ,焼いた豚バラ肉との相性も抜群でした。

 のらぼう菜は,肉巻きをシンプルに塩・こしょうでいただくのがおすすめです。


まとめ

 今回は,関西の「しろ菜」と関東の「のらぼう菜」という2つの地場野菜を御紹介しましたが,最近では,少量ながらも他の地域でも栽培されていたり,「やさいバス」やお取り寄せといった流通手段が発達するなど,その気になれば珍しい野菜も比較的容易に入手できる時代となっています。

 こうしたシステム・時代の流れをうまく活用し,お気に入りの野菜を使って,豊かな食生活を送りたいものです。


<関連サイト>
 「やさいバス」(やさいバス株式会社・静岡県牧之原市布引原1076-2

<参考文献>
 「バスびより(広島バスセンター60周年超特大号 Vol.13)」広島バスセンター

2022年2月13日 (日)

油麦菜(ユーマーサイ)の特徴と魅力 -油麦菜と海老・豚肉炒め-

野菜売場のニューフェイス「油麦菜」

 ここ最近,広島市内のスーパーマーケットやデパートの野菜売場などで,ニューフェイスでありながら頻繁に見かけた野菜があります。

 「油麦菜」という野菜です。

 「油麦菜」と書いて「ユーマーサイ」,「ユーマーツァイ」,「ヨウマイツァイ」,「ユバクサイ」と読みます。

 このほか「ムギレタス」や「エーサイ」などの呼び方もあります。

 台湾では「A菜」という名で親しまれているようです。

 今回は,この「油麦菜」を御紹介したいと思います。


油麦菜について

 広島市南区にあるスーパーマーケットの野菜売場で油麦菜を購入しました。

(油麦菜(包装))
Photo_20220212222301

 こんな感じに包装された油麦菜が,一時期,野菜コーナーに大量に陳列されていました。

 「油麦菜」という名前から,「中国野菜」で「炒め物など油を使った調理に向いた野菜」ではないかとイメージしました。

 そして野菜売場で見かける度に,どういった野菜なのか食べてみたい気持ちが強まりました。

 これが買ってみようと思った理由です。

 ビニール包装から油麦菜の束を取り出してみました。

(油麦菜(束))
Photo_20220213070001

 35cm前後の細長い葉が4~5枚で束になっています。

 1枚の葉の形を確かめてみましょう。

(油麦菜(葉))
Photo_20220213070101

 細長く,レタスのような弾力とみずみずしさがあります。

 生でサラダとしても食べられるとあったので,まずは水で洗って豪快にかじってみました。

 これと言った香りもクセもなく,特に白い部分はシャキシャキとした食感でレタスそっくりです。

 青菜の部分はほうれん草や春菊のように多少厚みがあるので,サラダにするならマヨネーズや濃いドレッシングが合うでしょう。


油麦菜と海老・豚肉炒め

 油麦菜の生の味や食感がわかったところで,次に油で炒めてみることにしました。

 相性が良さそうな海老や豚肉と一緒に炒めてみることします。

 油麦菜は3~4cmにざく切りし,薄切りの豚バラ肉も1~2cmの幅に切ります。

 海老は殻をむき,ボウルに入れて酒と醤油を加え,軽く片栗粉(または小麦粉)をまぶして,手で揉みこんでおきます。

 フライパンに油をひき,豚肉に軽く火を通してから海老と油麦菜を加え,強火でさっと炒めて,全ての材料に火が通れば出来上がりです。

(油麦菜と海老・豚肉炒め)
Photo_20220213070801

 油麦菜を油で炒めると,薄い緑色からつやのある濃い緑色に変化しました。

 そして何より驚いたのが,油麦菜を炒めた時に発する香りです。

 油麦菜を炒めると,焼きトウモロコシのような,何とも香ばしくて食欲をそそる香りが漂ってくるのです。

 油麦菜を生で食べた時は香りなどなかったのに,油で炒めるとなぜこんな香ばしい香りが出てくるのだろうかと,不思議でなりませんでした。

 イメージどおり,海老や豚肉との相性は抜群で,海老や豚肉を押しのけて油麦菜が主役だと思うほど美味しい野菜でした。


まとめ

 油麦菜は炒めるととても香ばしい香りが出るため,炒め物を作る際にごま油やにんにくを使う必要はありません。

 油麦菜は,ほかの食材と一緒に油で炒め,塩で調味するだけで本格的な炒め物が出来てしまう優れものです。

 私は油麦菜のとりこになり,その後も野菜売場に油麦菜がないか探して回りましたが,いざ意識して探すとないもので,次の出荷時期を楽しみにしておこうと思います。

 油で炒めると焼きトウモロコシの香りがする「油麦菜」,お湯で茹でるとかつおだしのような味が出る「かつお菜」など,世の中には不思議な葉物野菜があるものですね。

 皆様も油麦菜を見かけたら,ぜひ一度お試しください。


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