各国料理の特徴と主な料理

2026年4月26日 (日)

マレーシア・クアラルンプール・アロー通りの屋台めし(マンゴーとジャックフルーツのスティッキーライス・臭豆腐(チョウドウフ))-

夜のブキッ・ビンタン・アラブ人街・アロー通り

 マレーシア・クアラルンプールのブキッ・ビンタンは、国際色豊かで、深夜になっても人通りが多い、クアラルンプール最大の繁華街です。

(夜のブキッ・ビンタン)
Photo_20260426114901

 世界各国からやってきた観光客、人前で洋楽を演奏する若者、胡弓を演奏する中国人、歩道の真ん中で堂々と寝そべる浮浪者、こどもを抱いて地べたに座り物乞いするお母さん…多種多様な人々が集まっていました。

 注意は必要ですが、比較的治安が良く、夜も出歩ける街です。

 私が宿泊したホテル「ザ・クアラルンプール・ジャーナル」に近い「Berangan通り」に、アラブ人街がありました。

(アラブ人街)
Photo_20260426115101

 クアラルンプールには、アラブ人街、中華街(チャイナタウン)、インド人街など数多くの民族タウンがあります。

(アラブ人街の食料品店)
Photo_20260426115201

 アラブ・中東の食料品店・飲食店には、「シャワルマ」(回転させて焼いた肉を平べったいパンではさんだロールサンド)、「ファラフェル」(ペースト状にしたひよこ豆のコロッケ)、「フムス」(ひよこ豆のペースト)、「デーツ」などのドライフルーツ、「ナッツ」、「バクラヴァ」(パイ生地を重ね、シロップ漬けにした強烈に甘いお菓子)などが販売されていました。

 ブキッ・ビンタン中心街から少し歩いた場所に、東南アジア最大級のグルメタウン「アロー通り」があります。

(客で賑わう夜のアロー通り)
Photo_20260426115701

 この写真は平日の夜の様子ですが、週末の夜ともなると人の往来がさらに激しくなり、前に歩くことすら困難な状態になります。

 このアロー通りには、中国料理とマレー料理を中心に、タイ料理や韓国料理など、様々な国の料理店(屋台)が集結しています。

 アロー通りの屋台でちょっと珍しいお菓子や軽食を見つけたので、御紹介します。


マンゴーとジャックフルーツのスティッキーライス

 アロー通りを歩いていると、マンゴーやジャックフルーツなどトロピカルフルーツが販売されている屋台がありました。

(タイのスナック屋台)
Photo_20260426120001

 「泰国民味小吃」、どうやらタイのスナック屋台のようです。

 店内を眺めると、マンゴーとごはん(もち米)の詰合せや、ジャックフルーツとごはん(もち米)の詰合せが販売されていました。

(屋台の商品(マンゴー・ジャックフルーツとごはん(もち米)の詰合せ))
Photo_20260426120701

 お店の看板に、マンゴーとごはんの詰合せは「芒果糯米飯(Mango Sticky Rice)」、ジャックフルーツのおにぎりは「菠夢蜜糯米飯(Jackfruit Sticky Rice)」と紹介されていました。

 「スティッキーライス(Sticky Rice)」は「もち米」のことで、タイでは「カオニャオ」と呼ばれています。

 タイではこのマンゴーともち米を組み合わせたデザート「カオニャオ・マムアン(マンゴースティッキーライス)」が人気なのです。

 こちらの屋台では、ジャックフルーツ(タイ語でカヌン)ともち米を組み合わせた「ジャックフルーツスティッキーライス」も販売されていました。

(マンゴーとジャックフルーツのスティッキーライス)
Photo_20260426120901

 一口サイズにカットされたマンゴー、ココナッツミルク風味のもち米おにぎり、ジャックフルーツを巻いたもち米おにぎり、そして甘いココナッツミルクの詰合せです。

(ジャックフルーツとスティッキーライス)
Photo_20260426121201

 ジャックフルーツで包まれたスティッキーライス(もち米おにぎり)は、パンダンリーフで緑色に色付けされています。

 このジャックフルーツスティッキーライスをひっくり返してみると…

(ジャックフルーツスティッキーライス)
Photo_20260426121301

 どうしても「いなり寿司」に見えてしまいます(笑)

 ジャックフルーツは、マンゴーに比べて弾力があるので、薄く切ってスティッキーライスを包むことが可能です。

 この「いなり寿司」に醤油…ではなく、甘いココナッツミルクをつけていただきました。

 スティッキーライス(もち米おにぎり)は、ココナッツミルクの甘い香りがし、ほんのりと塩味も効いていました。

 このわずかな塩味が、ジャックフルーツやマンゴーの甘みを引き立ててくれました。

 とは言え、もち米おにぎりとフルーツの組合せは、慣れない私には少し違和感がありました。

 そこで活躍したのがココナッツミルクです。

 もち米おにぎりとフルーツを甘いココナッツミルクにたっぷり浸すと、甘いデザートに変化し、美味しくいただけました。


臭豆腐(チョウドウフ、スティンキートーフ)

 アロー通りの入口で「臭豆腐」の屋台を見つけました。

(臭豆腐の屋台)
Photo_20260426125701

 臭い豆腐を売るお店…日本ではあり得ない表現です。

 「正宗臭豆腐」と表記されています。

 「正宗」は、中国語で「本場」・「本格的」という意味です。

 本場の臭豆腐がいただけるお店のようです。

 「臭豆腐(チョウドウフ、スティンキートーフ(Stinky Tofu))」は、中国南部や台湾を中心に食べられる発酵豆腐料理です。

 豆腐を野菜・豆腐・魚介類などで作られた発酵液に漬け、豆腐の表面を「納豆菌」や「酪酸(らくさん)菌」で発酵させたものです。

 出来上がった臭豆腐は、腐敗臭に似た強烈な臭いを発すると言われますが、地元では人気があるようです。

 臭豆腐を使った料理には、油で揚げた「揚げ臭豆腐」、焼いた「焼き臭豆腐」、スープで煮込んだ「煮込み臭豆腐」、蒸した「蒸し臭豆腐」などがあります。

 「臭豆腐」の屋台に近づき、販売の様子を見学しました。

(臭豆腐販売の様子)
Photo_20260426131101

 お店に近寄れないほど臭いがきついという感じではありませんでした。

(臭豆腐の見本・価格表示)
Photo_20260426131201

 黒く変化した豆腐に調味料をのせた臭豆腐の見本がピラミッド形に積まれていました。

 クアラルンプールは暑いので腐らないかと心配しましたが、よく見るとこれはレプリカ(見本)でした。

 臭豆腐(5個入り)の値段は10リンギット、日本円で400~500円でした。

 臭豆腐を注文し、調理風景を見学させていただきました。

 お店の方は注文を受けると、4~5cmの平べったい臭豆腐を中華鍋で熱した油の中に投入し、揚げられました。

(臭豆腐を油で揚げる様子)
Photo_20260426131701

 お店の方は火傷防止のため、右腕に黒いアームカバーをされていました。

(油で揚げた臭豆腐)
Photo_20260426131801

 臭豆腐が揚がったら、金網ですくい上げます。

 この時点で臭豆腐の表面は真っ黒です。

(真っ黒の臭豆腐にピリ辛だれをかける様子)
Photo_20260426131901

 揚げた臭豆腐1つ1つに、写真右下(ペットボトル横)の赤いピリ辛だれをかける様子です。

 ピリ辛だれをかけた臭豆腐が、紙カップに盛り付けられました。

(揚げた臭豆腐にスープを注ぐ様子)
Photo_20260426132001

 そのカップに盛られた臭豆腐の上から白濁のスープを注ぎ、刻みネギを添えて正宗臭豆腐の完成です。

(臭豆腐)
Photo_20260426132101

 疲れて嗅覚が鈍っていたからかもしれませんが、思ったほど臭くありませんでした。

 臭豆腐の表面は、細かく刻んだ大豆か納豆を揚げたようなカリカリがあり、香ばしくなっていました。

 大豆か納豆の発酵液によるものかもしれません。

 豆腐の厚揚げにサンバル(チリソース)を添え、スープでいただく感じの料理でした。

 真っ黒になっている臭豆腐の中身も確かめてみました。

(臭豆腐の中身)
Photo_20260426132501

 中は普通の白い豆腐で、豆腐の海苔巻きのように見えました。

 豆腐に「すが入っている(すき間が生じている)」ので、その分スープがよく浸み込みました。

 想像していたほど臭くなかったことを喜ぶべきか、残念に思うべきか…(笑)


まとめ

 「マンゴースティッキーライス」や「ジャックフルーツスティッキーライス」を初めて見た際には、かなりのインパクトがあり、多少違和感も覚えました。

 ただ、逆に日本の「おはぎ」(小豆・きな粉ともち米ごはんの組合せ)だって、外国の方々から見れば、かなりインパクトがある、変わったお菓子に見えるはずで、そう考えると「そんなものか」とも思えます。

 「臭豆腐」についても、東アジア・東南アジア一帯が発酵食の文化で、豆腐や納豆を食べる地域であることを踏まえると、必ずしも特異な食べ物ではないことが理解できます。

 いずれも「東アジア・東南アジア特有の食べ物」であることには間違いありませんが。

(宿泊したホテルから眺めたペトロナス・ツイン・タワー)
Photo_20260426133001

 今回御紹介したお菓子や軽食は、アジア料理の飲食店や旅行先で見つけられたら、ぜひお試しいただきたいのですが、注文される際には言葉に注意が必要です。

 「スティッキーライス(Sticky Rice)」を誤って「スティンキーライス(Stinky Rice)」と注文したら「臭い飯」を注文したことになり、「臭豆腐(スティンキートーフ、Stinky Tofu)」を誤って「スティッキートーフ(Sticky Tofu)」と注文したら「もち米豆腐」を注文したことになりますので(笑)


<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「マレーシア料理」を御参照ください。

2026年4月19日 (日)

マレーシア料理の特徴と主な料理4 -チェンドル(ブキッ・ビンタンのショッピング街、マレーシアの外貨両替事情、セントラルマーケット)-

ブキッ・ビンタンとKLタワー(ブキッ・ナナス)

 「ブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)」は、クアラルンプール最大の繁華街です。

 「ブキッ(Bukit)」は「丘、高台」、「ビンタン(Bintang)」は「星」で、合わせて「星(のようにきらめく)丘(街)」という意味をもつ街です。

(ブキッ・ビンタンのスクランブル交差点)
Photo_20260419151301

 ブキッ・ビンタンには、東京・渋谷のスクランブル交差点をイメージして整備された、マレーシア唯一のスクランブル交差点があります。

(ブキッ・ビンタンから眺めたKLタワー)
Photo_20260419151302

 写真中央奥に見えるのが「KLタワー」です。

 KLは「クアラルンプール(Kuala Lumpur)」の略称・通称です。

 かつてパイナップル畑だった丘の上に建てられた、パイナップルの形をイメージしたタワーです。

 ちなみに、このKLタワーの最寄り駅「ブキッ・ナナス(Bukit Nanas)駅」は、「パイナップル(nanas、ナナス)の丘」という名称となっています。


マレーシアの外貨両替事情

 マレーシアで過ごすためには、マレーシアの現地通貨(RM、マレーシア・リンギット)が必要となります。

 クアラルンプール国際空港到着時に、空港内の外貨両替所で必要最小限のお金(5,000円)を両替しました。

 この時(2026年2月19日夜)のレートは、1円=0.02030000リンギットで、5,000円が101リンギット(端数切捨て)となって手元に戻ってきました。

 1リンギット=約49.26円となります。

 あらかじめ日本の外貨両替所で両替しておいた方が数円安い(得する)ぐらい高いレートでした。

 101リンギットを財布に入れ、宿泊先へ向かいましたが、チェックイン時に、すぐに観光税として現金で30リンギット(1泊あたり10リンギット)を徴収されたため、手持ちのお金は71リンギットになりました。

 そこで、市街地の外貨両替所へ行き、追加で両替することとしました。

 翌日、ブキッ・ビンタンのショッピング施設「ファーレンハイト88」を訪問しました。

(ファーレンハイト88)
Photo_20260419152201

 日本語に訳すと「華氏88度」となります。

 写真左上にも少し写っていますが、この施設内にはユニクロもあります。

 この施設の地下にある外貨両替所で両替をしました。

(ブキッ・ビンタンの外貨両替所)
Photo_20260419152301

 窓口で、1万円をマレーシア・リンギットに両替するようお願いしました。

 しばらくして、窓口の方が「1リンギットを追加で出してほしい」とおっしゃったので、「これは端数分を調整してもらえるんだ」と思った私は、手持ちの1リンギットを追加でお渡ししました。

(50リンギット紙幣)
Photo_20260419152401

 すると、50リンギット紙幣が5枚手渡されました。

 1円=0.0249リンギット(2026年2月20日昼)で両替されています。

 1リンギット=約40.16円となります。

 1万円だと249リンギットになるのですが、それに1リンギットを追加したことにより、250リンギットとなり、50リンギット紙幣5枚に両替していただいたというわけです。

 もしこの1万円を空港内の両替所で両替すれば、203リンギット、50リンギット紙幣4枚と1リンギット紙幣3枚が手渡されたことでしょう。

 空港内の両替所と比べてレートがよく、端数も切り捨てられることはありませんでした。

 マレーシアへ旅行される場合の参考になれば幸いです。


ブキッ・ビンタンの「ロット10」

 ブキッ・ビンタンのランドマークとなっているショッピングセンターが「ロット10」です。

(ブキッ・ビンタン(ロット10))
Photo_20260301074001

 写真右上が「ロット10(Lot10)」です。

 このショッピングセンターには、日系企業もたくさん展開されています。

(JR東日本「Japan Rail Dining」の広告)
Photo_20260419153201

 「ロット10」の「ジャパンレールダイニング(Japan Rail Dining)」は、JR東日本が展開されている日本食ブランドを集めた飲食店街で、日系飲食ブランドの海外展開を試す場としても活用されています。

(DON DON DONKI Lot10)
Photo_20260419153401

 日本の「ドン・キホーテ」も、「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)」という名でマレーシアにもドンドン展開されています。

(イセタン・ジャパン・ストア)
Photo_20260419153501

 「ISETAN(伊勢丹)」も展開されていて、日本製品・日本食品を購入したり、店舗で日本食を味わったりすることが出来ます。

 このほか、マレーシアではイオン(イオンモール)も多く見かけ、マレーシアでの日本(製品)の人気の高さや、日系企業のマレーシアへの関心の高さが伺えました。


「東方糖水(オリエンタルスイーツ)」のチェンドル

 「ロット10」の地下に、「十號胡同(ロット10フートン)」と呼ばれるフードコートがあります。

(ロット10「十號胡同」)
Photo_20260419153601

 中国料理やマレーシア料理を中心としたフードコートです。

 このフードコートでマレーシアのデザートをいただこうと、「東方糖水(オリエンタルスイーツ)」というお店を訪問しました。

(東方糖水(オリエンタルスイーツ))
Photo_20260419153801

 温かいデザート(糖水)、かき氷、南国系果物のドリンクなどが提供されています。

(かき氷メニュー)
Photo_20260419153802

 私はかき氷のメニューの1つ、「CENDOL(チェンドル)」というデザートを注文しました。

 値段は7.50リンギットでした。

 店頭でチェンドルを受け取り、近くのテーブルで食べようと思いましたが…どこも満席で、食べる場所がありませんでした。

 人混みをかきわけながら席を探している間にも、かき氷はどんどん溶けていきました。

 結局、やむなくフードコートのゴミ捨て場で、立ち食いの状態でチェンドルをいただきました。

(チェンドル(東方糖水))
Photo_20260419154001

 写真にある「緑色のにょろにょろ」が「チェンドル」です。

 「チェンドル」は、米粉、ココナッツミルク、パンダンリーフから作られる「ひも状のゼリー」を言います。

 緑色はパンダンリーフの色です。

 かき氷に「パームシュガー(椰子砂糖)」と「ココナッツミルク」をかけ、「チェンドル」と、甘く煮た「金時豆(赤えんどう豆)」がトッピングされていました。

 ココナッツミルクをベースに、パームシュガーのドロッとした甘みとコクが加わったかき氷でした。

 チェンドルは、パンダンリーフの風味とツルンとした食感が楽しめました。

 甘い金時豆(赤えんどう豆)も、日本の金時かき氷をいただく感じで、美味しくいただけました。

 暑いマレーシアでは、かき氷はすぐに溶けてしまうのですが、かき氷が溶けて具材(トッピング)と混ざった状態で、様々な味や食感を一度に楽しむのがマレーシア流の味わい方のようです。

 ちなみに、マレーシアでは、かき氷に「パームシュガー(椰子砂糖)」やココナッツミルクをかけたデザートも「チェンドル」と呼ばれています。

 また、豆(kachang、カチャン)を中心にしたかき氷は「アイスカチャン」と呼ばれています。

 現在、マレーシアでは日本の抹茶を使ったお菓子・ドリンクが大人気なので、抹茶のかき氷にカチャン(金時豆や小豆)をトッピングした「宇治金時かき氷」もヒット商品になる可能性があります。


「セントラルマーケット」と「チャイナタウン・チェンドル」のチェンドル・アイス

 続いて、パサール・スニ(Pasar Seni)駅近くの大型ショッピングセンター「セントラルマーケット」を訪問しました。

 1888年に青空市場としてスタートし、アジア雑貨・お土産品・飲食店などが揃う、クアラルンプールを代表する商業施設です。

(セントラルマーケット)
Photo_20260419154301

 マーケットを散策していると、チェンドルのお店がありました。

(チャイナタウン・チェンドル(Chinatown Cendol))
Chinatown-cendol

 イートインも可能でした。

 メニューを見てみましょう。

(メニュー(Chinatown Cendol))
Chinatown-cendol_20260419154401

 チェンドルとアイスカチャンが中心で、煮豆、ゼリー、アイスクリーム、ドリアンなどをトッピングしたメニューもありました。

 私は定番の人気商品「チェンドル・アイス(CENDOL ICE)」を注文しました。

(チェンドル・アイス)
Photo_20260419154602

 かき氷にココナッツミルクとパームシュガーをかけ、チェンドル(緑色のにょろにょろ)・金時豆・コーンがトッピングされたスイーツです。

 コーンもトッピングされるところが面白いです。

(チェンドル・アイス(かき氷))
Photo_20260419154601

 提供されてすぐにいただくことができたため、かき氷も原形を留めていました。

 かき氷の底には、濃厚でコクのあるパームシュガー(シュガーマラッカ(Sugar Melaka)、マレーシア語でグラムラカ(Gula Melaka))が溜まっていました。

(グラムラカ(パームシュガー))
Photo_20260419154801

 「あんみつ」にかける「黒みつ(黒糖シロップ)」とよく似ています。

 かき氷に金時豆をトッピングし、黒みつをかける手法は、沖縄の「ぜんざい」そっくりだと思いました。

 赤道に近いクアラルンプールは2月でも暑く、慣れない土地を歩くと疲労も蓄積しました。

 そんな状況でいただいたチェンドル・アイスは、疲れた体に清涼感と安らぎと癒しを与えてくれました。


まとめ

 今回御紹介したチェンドル(緑色のにょろにょろ)に使われるパンダンリーフは、東南アジアよく用いられる植物です。

 当ブログで、カンボジアの「ライスプディング」というデザートを御紹介しておりますが、改めてこの記事に掲載した「ライスプディング」の写真を見ると、こちらも「緑色のにょろにょろ」したデザートであることに気付きました。

 カンボジアでは「ライスプディング」、マレーシアでは「チェンドル」という名称ですが、パンダンリーフで作られた同じ系統のお菓子です。

 やし(椰子)のパームシュガーを組み合わせるところまで一緒です。

 さらに、かき氷に甘く煮た豆をトッピングし、パームシュガー(黒みつ)をかけるところは、沖縄の「ぜんざい」とよく似ていることにも気付きました。

 マレーシアの食文化の研究にあたっては、マレーシア1国だけでなく、東南アジア圏やもっと先の東アジア圏・インド圏を含めた広範囲なエリアの食文化との関係も踏まえると、より深く専門的な研究成果が得られることと思います。


<関連記事>
 「カンボジア料理の特徴と主な料理8 -ライスプディング,クボン,ノムチャン,クロサンオ,カンボジアと日本の食文化の共通点-
 「沖縄の食文化探訪7 沖縄の「ぜんざい」-富士家ぜんざい・黒糖ぜんざい 「沖縄ぜんざい」と「かき氷」の違いについて-
 マレーシア料理については、「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「マレーシア料理」を御参照ください。

2026年3月15日 (日)

料理教室&異文化理解イベント「ウズベキスタンの料理と文化を体験しましょう」-チュチュワラスープ・ウズベクバホルサラダ-

ひろしま国際センターの料理教室・異文化理解イベント

 2026年3月7日、ひろしま国際センター主催の料理教室&異文化理解イベント「ウズベキスタンの料理と文化を体験しましょう」に参加しました。

 このイベントは、「BIG FRONT ひろしま」の5階にある「広島市福祉総合センター」の料理教室で開催されました。

(BIG FRONT ひろしま)
Photo_20260310231701

 定員は20名で、参加者は3人又は4人ずつ、6つのグループに分かれました。

 応募者が多く、抽選となりましたが、私は電子メールで当選通知が届き、このイベントに参加することが出来ました。

 受付を済ませ、控え室で持参したエプロンとバンダナを身につけた後、案内されたEグループの調理台に向かいました。

 調理台には、あらかじめ調理器具や食材が用意されていました。

(各グループの調理台に用意された調理器具・食材)
Photo_20260311191801

 調理実習は、まず講師のカリモフ・ミルゾヒドさん(通称ミルさん)と奥様のリサさんがお手本を示し、参加者はそれを理解した上で、各グループの調理台に戻り、調理するという方法で進められました。

 今回は、ウズベキスタン料理の「チュチュワラスープ」と「ウズベクバホルサラダ」の調理にチャレンジしました。

 それぞれの料理と調理体験の様子を御紹介します。


チュチュワラスープ

 「チュチュワラスープ」は、羊肉や牛肉、玉ねぎなどを詰めた小さな餃子をブイヨンで煮込んだ、ウズベキスタンの家庭料理です。

 「チュチュワラ」はウズベク語で「耳」という意味です。

 餃子を耳の形に仕上げることで、その愛らしい形に由来した料理名が付けられています。

【チュチュワラ作り】

 まず最初に、講師から、あらかじめ寝かせておいた小麦粉生地(小麦粉と塩を混ぜ、水を加えてこねたもの)を麺棒で薄く伸ばす作業を教えていただきました。

(講師が麵棒で小麦粉生地を薄く延ばす様子)
Photo_20260311192301

 伸ばした生地に打ち粉を振りかけ、その生地を麵棒に巻き付けて、徐々に生地を薄く仕上げておられました。

 薄く延ばした生地は、指3本程度の幅に折り重ねます。

 その折り重ねた生地を、包丁で縦に指3本程度の幅に切ります。

(講師が折りたたんだ小麦粉生地を均等の幅に切る様子)
Photo_20260311192801

 人差し指・中指・薬指を3本合わせて、その幅に生地を切っている様子です。

 この切った生地を広げ、1枚1枚重ね直して、さらに指3本程度の幅に切ると、最終的に正方形の生地が出来上がります。

(正方形にカットされた小麦粉生地)
Photo_20260311193701

 この正方形の皮に具(餡)を包み、チュチュワラ(耳)の形に仕上げます。

(講師が皮に具(餡)を包み、チュチュワラの形を作る様子)
Photo_20260311194401

 生地にちょこんと具(餡)をのせて半分に折り、指でくるっと回しながら生地の両端を重ね合わせることで耳の形に仕上げます。

(講師が作られたチュチュワラ)
Photo_20260311194801

 中心に穴を作り、見事に耳の形に仕上げられています。

 ひととおり教えていただいた後、参加者は各グループの調理台に戻り、調理に取りかかりました。

 小麦粉生地を麺棒で伸ばし、正方形の形に仕上げました。

 続いて、挽き肉・玉ねぎ(みじん切り)・塩・こしょう・クミンを混ぜ合わせ、チュチュワラの具(餡)を作りました。

(Eグループでチュチュワラの具(餡)を作る様子)
Photo_20260311200001

 私は女性の皆さんが手際よく下拵えされている様子を見て感心するばかりでした(笑)

(Eグループでチュチュワラの具(餡)を混ぜ合わせる様子)
Photo_20260311200401

 なるほど、ビニール手袋をして挽き肉をこねると、手に脂が付かないのですね。
 (私は普段スプーンでこねています。)

 出来上がった皮と具(餡)をチュチュワラの形に包みました。

(チュチュワラの皮と具(餡))
Photo_20260311200801

(Eグループのチュチュワラ)
Photo_20260311201101

 こちらが、我がEグループが作ったチュチュワラです。

 右下が私の作ったチュチュワラですが、ほかの皆さんと比べて小さめのサイズとなりました。
 (具(餡)の量を少なくしたためです…)

 講師が作られたお手本チュチュワラと見比べてみました。

(講師が作られたお手本チュチュワラ)
Photo_20260311201501

 やはりこちらの方が耳の形に近いと思いました。

 中心の耳穴をはっきりと形作られているからでしょう。

【スープ作り】

 続いて、チュチュワラを煮込むスープを作りました。

 こちらも、まずは講師によるお手本調理からです。

 まずは、スープの具となる玉ねぎをみじん切りに、人参とじゃがいもを角切りにしました。

(講師が包丁で人参を切る様子)
Photo_20260311202401

 ミルさんの2人のお子さんも、お父さんの調理を見守っておられます。

 人参をまず縦に切ってから、一度に角切りを作る方法は新鮮でした。

 材料を切り終えたら、鍋にサラダ油を入れて加熱し、まずは玉ねぎをしっかりと炒めます。

 その後、鍋に人参とじゃがいもを加えて、軽く炒めます。

(講師が玉ねぎ・人参・じゃがいもを油で炒める様子)
Photo_20260311203101

 具に火がとおったら、トマトペーストを加えてさらに炒めます。

(講師がトマトペーストを加えた様子)
Photo_20260311203201

 トマト(ペースト)を油でよく炒めることで、旨味が出てくるとのお話でした。

 そして人数分の水を加えます。

(講師が鍋に水を加える様子)
Photo_20260311203601

 いったんスープ皿に水を入れたものを鍋に加えることで、人数分の水を測りました。

 このあと、塩・こしょう・クミン・コリアンダーで調味し、チュチュワラを加えてしばらく煮込めば完成です。

 お手本にならい、Eグループでも調理を開始しました。

(Eグループで玉ねぎ・人参・じゃがいもを油で炒める様子)
Photo_20260311204301

 鍋に油をたっぷり入れているため、油がパチパチはねて大変でした。

 「この段階でスパイスを加え、炒めた方が香りが引き立つのではないか」という意見も出て、私のグループのメンバーはレベルが高いと思いました。

(Eグループで具にトマトペーストを加え、炒める様子)
Photo_20260311231301

 旨味を引き出すべく、トマト(ペースト)を加えてからも、しっかりと炒めました。

(Eグループで鍋に水を加えて加熱した様子)

Photo_20260311231601

 表面がヌラヌラしているのは、たくさんの油を使ったからです。

(使用した油の量)
Photo_20260312191901

 4人分のスープに、カップ1杯分の油を使いました。

 スープが沸騰したところで、鍋にチュチュワラを入れました。

 しばらく煮込み、チュチュワラが浮き上がってきたら「チュチュワラスープ」の完成です。

(Eグループのチュチュワラスープ(鍋))
Photo_20260312192101

 トマトとスパイスが融合した、とても良い香りが漂いました。


ウズベクバホルサラダ

 「ウズベクバホルサラダ」は、新鮮な野菜を刻んでヨーグルトで和えた、ウズベキスタンのサラダです。

 「バホル」は「春」という意味で、その名のとおり春野菜で作るサラダなのだそうです。

 今回、野菜はキャベツ、ラディッシュ、きゅうり、青ねぎ、パクチー、にんにくを使いました。

 キャベツときゅうりは細切りに、ラディッシュは半月切りに、青ねぎとパクチーは小口切り(細かい輪切り)に、にんにくはみじん切りにします。

(講師がキュウリを刻む様子)
Photo_20260312193601

 人参と同様、きゅうりをまず縦に薄く切ってから、包丁を斜めに入れて細切りにしておられました。

(講師が青ねぎとパクチーを刻む様子)
Photo_20260312193801

 青ねぎとパクチーは束にまとめて、一緒に細かく刻みます。

 にんにくもみじん切りにしました。

 刻んだ野菜をボウルに入れ、ヨーグルト・塩・こしょうを加えて、すべてを混ぜ合わせます。

(講師が野菜とヨーグルトを和える様子)
Photo_20260312194501

 今回は使ってませんが、これにレモン汁かライム汁を加えると、さらに美味しくなるそうです。

 これで「ウズベクバホルサラダ」の完成です。

 お手本にならい、Eグループでも調理を開始しました。

 私はきゅうりとにんにくを切りました。

 分担して野菜を切った後、その野菜をボウルに入れ、ヨーグルトや調味料で和えました。

(Eグループで野菜とヨーグルト・調味料を和える様子)
Photo_20260312195301

 ウズベキスタンではなく、ブルガリアヨーグルトでしたが(笑)

 大皿に盛り付け、「ウズベクバホルサラダ」の完成です。

(Eグループのウズベクバホルサラダ)
Photo_20260312202201


チュチュワラスープとウズベクバホルサラダの試食

 出来上がったチュチュワラスープとウズベクバホルサラダを小皿に盛り付けました。

(チュチュワラスープとウズベクバホルサラダ)
Photo_20260312202401

 見た目重視で、ナイフ・フォーク・スプーンをペーパーナプキンの上に置きましたが、結局ナイフは不要でした(笑)

 「和食の煮物を入れる深皿にウズベキスタンのスープを盛るところが料理教室っぽくていいな」と個人的に思いました。

(チュチュワラスープ)
Photo_20260312203301

 具だくさんのチュチュワラスープです。

(チュチュワラスープのチュチュワラ)
Photo_20260312204301

 確かに耳の形をしています。

 いただいてみると、トマトスープに炒めた玉ねぎの甘みや、チュチュワラの挽き肉の旨みが加わり、何とも美味しいスープになっていました。

 油をたっぷり使ったことで、スープにコクが出て、具の旨みも引き出されていました。

 小麦粉生地で作ったチュチュワラも食べごたえがあり、このスープだけで十分な食事になる一品でした。

 続いて、ウズベクバホルサラダをいただきました。

(ウズベクバホルサラダ)
Photo_20260312205201

 この皿は、サラダに合った皿だと思います。

 ヨーグルトがドレッシングの役割を果たすこと、そして、ヨーグルトのほどよい酸味とコクが加わることにより、野菜もヨーグルトも食べやすくなることがわかりました。

 一番驚いたのはヨーグルトと刻みにんにくの相性が良いことで、生のにんにくの臭いや辛味はヨーグルトで包み隠され、にんにくの旨みが引き出されることがわかりました。


ウズベキスタン文化ミニ講座

 料理を食べながら、講師のミルさんからウズベキスタンの文化や風習について教えていただきました。

(ウズベキスタン文化ミニ講座の様子)
Photo_20260312222601

 今回のイベントで、食文化を中心に、学んだことをまとめておきます。

・ウズベキスタンの食事はパンが中心で、パン料理もある。
・パン料理にもパンを添えて食べられる。
・ウズベキスタンの人は出会った人に「お茶を飲もう」と誘うが、これは建前ではなく本心。
・プロフ(ウズベキスタンのピラフ)は油をたくさん使う。羊のお尻の脂が使われているのが本物のプロフ。
・白ごはんだけを食べる(白ごはんにおかずを添えて食べる)習慣はない。
・ラグマンは中国から伝えられた麺料理。中国ウイグル自治区が発祥と言われている。
・マルコフチャは朝鮮系の人参サラダ(キムチ)。「マルコフ」はロシア語で「人参」という意味。

 みんなで後片付けをし、一段落した後、私はミルさんにウズベキスタンの麺料理「ラグマン」の食べ方について質問させていただきました。

 私:「ラグマンは日本の「うどん」に似た太麺の麺料理ですが、ウズベキスタンの人々はどうやって食べているのでしょうか。以前、ラグマンを食べたことがあるのですが、麺が太いので、フォークでからめたり、スプーンですくったりすることが難しく、箸を使うのが一番適していると思うのですが…」
 ミルさん:「そうなんです。実は本国でもラグマンを食べるのは難しいと思われている方が多いです。広島のウズベキスタン料理店では、箸と紙エプロンが用意されています」

 「ラグマンをフォークやスプーンで食べるのは難しい」と思っているのは私だけではなかったと、ホッと胸をなでおろしました。


まとめ

 ひろしま国際センターの職員さんとは、以前、一緒にお仕事をしたことがあるので、今回はプライベートでの参加とは言え、懐かしさと嬉しさがこみ上げてきました。

 ミルさんと奥様から調理方法や食材の切り方などのお手本を教えていただき、それを受けて実際に各グループで調理体験し、作った料理を食べ、会場の皆さんとお話しできたことは、とても身近な異文化交流・異文化体験だと思いました。

 コロナ禍の際はこうした料理体験イベントがパタッとなくなり、少し寂しい気持ちでしたが、再びこうしたイベントが開催されるようになったことを心から嬉しく思いました。

 またこのようなイベントがあれば応募したいと思います。


<関連サイト>
 「ひろしま国際センター」(広島市中区中町8-18 広島クリスタルプラザ6階)
 「広島市社会福祉協議会(広島市総合福祉センター)」(広島市南区松原町5番1号 BIG FRONT ひろしま 5・6階)
 「ウズベキスタン パレス(UZBEKISTAN PALACE)」(広島市中区立町1-26 泰平ビル1階)

<関連記事>
 「アルメニア・ウズベキスタン・ロシア・モルドバのスープとパン
 「ウズベキスタン・キルギス料理の特徴と主な料理 -ノン・ラグマン-
 「ウズベキスタン料理の特徴と主な料理 -ノン・カイマク・コムハニー・シャクシュカ・サラート・ナッツ・ドライフルーツ・マルコフチャ-
 世界各国の料理は「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」を御参照ください。

2026年3月 8日 (日)

マレーシア料理の特徴と主な料理3 -クアラルンプール「ザクアラルンプールジャーナル」の朝食ビュッフェ・アフタヌーンティー・ミニバー-

ブキッ・ビンタンと「ザ クアラルンプールジャーナル」

 「ブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)」は、クアラルンプール最大の繁華街です。

(ブキッ・ビンタン)
Photo_20260308125501

 マレーシア訪問時、このブキッ・ビンタンの中心地にあるホテル「ザ クアラルンプールジャーナル(THE KUALA LUMPUR JOURNAL)」に3泊しました。

(ザ クアラルンプールジャーナル(全景))
Photo_20260308125701

(ザ クアラルンプールジャーナル玄関)
Photo_20260301074601

 今回は、このホテルでいただいた朝食(ビュッフェ)、アフタヌーンティー、ミニバーのドリンクを御紹介します。


ホテルのミニバー

 ホテルに到着し、案内された部屋に入ると、室内にミニバーがありました。

(ミニバー(冷蔵庫))
Photo_20260308130301

 ミニバー(冷蔵庫)の中には、紙パックのソフトドリンクが4本と瓶詰めのミネラルウォーターが1本入っていました。

 冷蔵庫の上には常温のミネラルウォーターも用意され、お湯を沸かして温かいコーヒーや紅茶も飲めるようになっていました。
 (ホットドリンク用に、コーヒースティック3本、紅茶ティーバッグ3袋、レギュラーコーヒー2杯分が常備されていました。)

(ミニバーのソフトドリンク)
Photo_20260308130701

 ソフトドリンクは、豆乳ドリンク(Soya Bean Drink)2本、オレンジジュース(Orange Juice)1本、菊花茶(クリサンセマム ティー・Chrysanthemum Tea)1本が冷蔵庫に常備されていて、滞在中は消費した分だけ(無料で)補充されました。

 豆乳ドリンクは薄い白色で、薄い豆乳に砂糖を加えたような味でした。

 菊花茶は中国由来の真っ黄色なお茶で、花の香りはあまりせず、ロウソクのロウを水に溶かして砂糖で甘くしたような、不思議な風味がしました。

 大びんのミネラルウォーターが2本常備されているのが何よりもありがたく、ホテル滞在中に外出してミネラルウォーターを買ってくる必要はありませんでした。


朝食ビュッフェ(初日)

 朝、目覚めて服を着替え、カメラ片手にグランドフロアのレストラン(朝食会場)へ向かいました。

 マレーシアの様々な食文化を体験することがメインテーマだったので、ホテルの朝食は不要と考えていたのですが、「朝食の有無で宿泊料金は変わらない」パッケージプランだったこともあり、「せっかくなら」という気持ちで朝食をいただきました。

 ところが、レストランで用意されている料理・デザートを見てみると、マレーシアならではの料理もあり、「これも1つのテーマになる」ことを確信しました。

(朝食ビュッフェの様子)
Photo_20260308131901

 初日の朝食ビュッフェを御紹介します。

(フルーツコーナー(朝食ビュッフェ))
Photo_20260308132001

 東南アジアのホテルビュッフェでは、南国の様々なフルーツが提供されるのが定番です。

 スイカ、パイナップル、オレンジ、フルーツ入りのポテトサラダ、スイカサラダなどが用意されていました。

(お粥の付け合わせ)
Photo_20260308132101

 マレーシアには中国系の料理も多く、加えて中国人観光客も多いことから、お粥(白粥)とその付け合わせも用意されていました。

 「ナシレマ」に必須の「皮付きピーナッツ」や「揚げた小魚(イカンビリス)」など、マレーシアならではの付け合わせも用意されていました。

(ナシゴレン・チキンルンダン)
Photo_20260308132701

 こちらは「ナシゴレン」(マレーシアの焼き飯、「ナシ」はごはん、「ゴレン」は炒めるという意味)と、「チキンルンダン」(鶏肉のココナッツ煮込み)です。

 いずれもマレーシアの代表的な料理です。

(炒麺)
Photo_20260308132901

 こちらは「炒麺(焼きそば)」です。

 米粉の平麺が使われているところはタイの「パッタイ」に、ピリ辛の味付けはマレーシアの「ミーゴレン(「ミー」は麺という意味)」に似た、オリジナル焼きそばでした。

(シューマイ)
Photo_20260308133201

 こちらは鮮やかな緑色の皮で包まれたシューマイです。

(フムス・トルティーヤ)
Photo_20260308133601

 中東のひよこ豆のペースト「フムス」と、中南米の薄焼きパン「トルティーヤ」もありました。

(デニッシュ・ペストリー)
Photo_20260308133901

 アップルパイ、チョコレートパイ、クロワッサン、ドーナツなどが揃った、デニッシュ・ペストリーのコーナーもありました。

(朝食プレート(初日))
Photo_20260308134001

 皿の中心にナシゴレン、その周りにおかずを盛り付けて、「ナシレマ」のようなワンプレートライスにしてみました。

 続いてデザートをいただきました。

(デザートプレート(初日))
Photo_20260308134701

 特筆すべきは「ミニエッグタルト」と「パンダンケーキ」です。

(ミニエッグタルト・パンダンケーキ)
Photo_20260308134801

 写真手前が「ミニエッグタルト」、奥の緑色のケーキが「パンダンケーキ」です。

 マレーシア(特にマラッカ)は、歴史的にポルトガルの影響も受けていることから、お菓子としてパイやエッグタルト(パステル・デ・ナタ)がよく食べられます。

 また、鮮やかな緑色をしたパンダンリーフを使ったお菓子も東南アジアでよく見受けられます。

(ドリンクバー)
Photo_20260308135101

 ドリンクバーは、コーヒー・紅茶のほか、フルーツジュースが充実していました。

 フルーツジュースは、マンゴージュース、グァバジュース、オレンジジュースが用意されていました。

(マンゴージュースとバーチャーミューズリー)
Photo_20260308135201

 「マンゴージュース」と「バーチャーミューズリー」です。

 「バーチャーミューズリー(ビルヒャーミューズリー、bircher muesli)」は、シリアル(穀物やドライフルーツ)にヨーグルトや牛乳を組み合わせたスイス発祥の健康食です。

 なんだかんだと、初日の朝はたくさんいただきました(笑)


アフタヌーンティー

 こちらのホテルでは、15時から17時の間、アフタヌーンティータイムとして、軽食ビュッフェがいただけます。

 ワインも好きなだけいただくことができるようです。

(クロポッ・クラッカー・クッキー・グリッシーニ)
Photo_20260308135401

 写真右上に用意されているのは「クロポッ(Keropok)」と呼ばれる魚の粉末を混ぜ込んだチップスです。

 東南アジア各国でよく食べられているスナックで、日本の「(揚げ)かきもち」そっくりです。

 インドネシアでは「クルプック」という名で、ナシゴレンなどの付け合わせとしてよく出されます。

(ナシゴレン・フライドチキン)
Photo_20260308135601

 「ナシゴレン」や「フライドチキン」もありました。

(揚げ物コーナー(ポテトカレーパフ・フィッシュフィンガー・カニの素揚げ))
Photo_20260308135701

 揚げ物コーナーには「ポテトカレーパフ(カレー風味ポテトのパイ)」、「フィッシュフィンガー(魚すり身フライ)」、「カニの素揚げ」がありました。

(アフタヌーンティープレート)
Photo_20260308135702

 アフタヌーンティーなので、サンドイッチもいただきました。

 カニの素揚げがインパクトあります。

(ポテトカレーパフ(カレー風味ポテトのパイ))
Photo_20260308135801

 「ポテトカレーパフ(カレー風味ポテトのパイ)」は、揚げたパイの中にカレー風味のポテトが詰められた一品でした。

(フルーツコーナー(アフタヌーンティー))
Photo_20260308135901

 アフタヌーンティーでもフルーツコーナーが充実していて、みかん、ドラゴンフルーツ、マンゴー、スイカが用意されていました。

(フルーツとココナッツケーキ)
Photo_20260308140001

 プレート右側のケーキは、ココナッツケーキです。

(糖水スイートポテト)
Photo_20260308140201

 こちらは、一見マンゴーのように見えますが、「糖水スイートポテト(Tong Shui Sweet Potato)」と呼ばれるサツマイモをシロップで煮たデザートスープです。


朝食ビュッフェ(2日目)

 朝食ビュッフェ2日目も数多くの料理が用意されていましたが、マレーシアで連日たくさんの料理を食べ続けていた私は、軽くデザートだけいただきました。

(プチケーキとカスタードプリン)
Photo_20260308140202

 この日は、3種の「プチケーキ(紫芋・抹茶・ココナッツ)」と「カスタードプリン」が用意されていました。

(プチケーキ(紫芋・抹茶・ココナッツ))
Photo_20260308140301

 緑色のケーキは、一瞬パンダンリーフのケーキかと思いましたが、いただいてみると抹茶風味のケーキでした。

 マレーシアでは日本の抹茶を使ったお菓子が人気で、街なかのお店では「KYOTO(京都)」という名の抹茶パフェなども見かけました。

(デザートプレート(2日目))
Photo_20260308140501

 デザートとグァバジュースをいただきました。


朝食ビュッフェ(3日目)

 朝食ビュッフェ3日目も数多くの料理が用意されていましたが、前日と同様に少しだけいただきました。

(朝食プレート(3日目))
Photo_20260308140801

 朝からすでにお腹いっぱいで…見てください、この盛り付けの少なさ!(笑)

 写真のプレート右上が「野菜カレーとナン」、それから時計回りに、右下の白い料理が「フルーツサラダ(ポテトとドラゴンフルーツのヨーグルト和え)」、手前が「アチャール」、左上が「ミーゴレン(焼きそば)」と「ナシゴレン(焼き飯)」です。

 「アチャール(Acar)」は、人参・ウリ・パイナップルを千切りにし、酢・塩・こしょうで味付けした漬物(ピクルス)です。

 マレーシアはインド出身の方も多く、インド料理も充実していますが、今回のカレー、ナン、アチャールはインドの食文化と融合した料理でした。

(チョコレートケーキ・ミニエッグタルト)
Photo_20260308141001

 デザートコーナーには、「チョコレートケーキ」と「ミニエッグタルト」が用意されていました。

(デザートプレート(3日目))
Photo_20260308141002

 チョコレートケーキ、ミニエッグタルト、ドラゴンフルーツ、オレンジ、スイカ、そしてグァバジュースをいただきました。

 ミニエッグタルトにはマンゴーソースがかかっていました。

 また、ドラゴンフルーツ(写真の黒ゴマが混ざったような果物)には、白肉タイプと赤肉タイプ(写真「フルーツとココナッツケーキ」参照)の2種類があることもわかりました。


まとめ

 今回ホテルに3泊しましたが、しっかりと食事したのは初日の朝食だけで、2日目と3日目の朝食はごく軽く(またはデザートとドリンクのみ)、アフタヌーンティーに至っては初日のみの利用となりました。

 後になってよく考えてみると、国際的に比較的安価と言われているクアラルンプールのホテルで、1泊2万円前後支払っているにもかかわらず、しっかりと食事しなかったのは少しもったいない気もします。

 割り切って考えれば、朝食のビュッフェと夕方のアフタヌーンティーでお腹を満たせば、1日の食事をホテルの食事のみでカバーすることも可能だからです。

 一方で、毎日用意されたミニバーのミネラルウォーターやソフトドリンクは、とてもありがたいサービスでした。

 「ザ クアラルンプールジャーナル」は食事だけでなく、立地条件・客室(広々とした室内とキングサイズベッド)・サービスなども充実しており、クアラルンプールの拠点として十分に活用させていただきました。

 私は食をテーマにした旅になるので、ホテルの食事だけで済ませることはありませんが、それを抜きにしても、再度クアラルンプールを訪問することがあれば利用したいと思う、魅力的なホテルでした。


<関連サイト>
 「THE KUALA LUMPUR JOURNAL」(30,Jalan Beremi,Kuala Lumpur,Malaysia)

<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「マレーシア料理」を御参照ください。

2026年3月 1日 (日)

マレーシア料理の特徴と主な料理2 -マレーシアへのフライト、クアラルンプール・アロー通りのナシレマ(アヤムゴレン)-

福岡空港からスワンナプーム国際空港へ

 2026年2月19日から23日までの日程でマレーシアを訪問しました。

 2026年2月19日の朝、広島市内の自宅から広島駅へ、広島駅から山陽新幹線で博多駅へ、博多駅から地下鉄と国際線連絡バスを利用して福岡空港国際線旅客ターミナルへと向かいました。

 福岡空港からはタイのスワンナプーム国際空港経由(乗継ぎ)でマレーシアのクアラルンプール国際空港へ向かいました。

(マレーシアへの行程)
Photo_20260215113001
 ※画像をクリックすると拡大します。
 (帝国書院ウェブサイト「世界白地図 東南アジア」の一部を引用・加工)

 タイ国際航空のチェックインカウンターでチェックイン手続きをし(手荷物を預け)、保安検査場、出国審査を済ませて、搭乗ゲートに着きました。

 54番ゲートにたどり着くと、これから乗るタイ国際航空・バンコク行き・TG0649便が待機していました。

(福岡空港・バンコク行・TG0649便)
Photo_20260301065401

 この飛行機に乗り、まずはタイのスワンナプーム国際空港(バンコク)を目指しました。

(福岡空港・タイ国際航空・TG0649便・搭乗案内表示)
Photo_20260301065601

 福岡空港11時40分発、スワンナプーム国際空港15時40分着です。

 日本ではタイとの時差がマイナス2時間なので、スワンナプーム国際空港へは日本時間で17時40分着、約6時間のフライトとなります。

 ボーディングタイムを迎え、TG0649便に搭乗しました。

 機内では、私の隣の席の男性が、私に英語で声を掛けてくださいました。

 私は拙い英語で何とか会話することが出来ました。

 この男性はタイの学校の先生で、福岡の中村学園で幼稚園から大学までの教育実習をされ、タイへ帰国されるとのことでした。

 約6時間後、飛行機は着陸態勢に入り、窓越しにタイの風景を眺めることができました。

(飛行機から眺めたタイの風景)
Photo_20260301070801

 私は隣の席の男性へ、少し興奮気味に「人生初めてのタイです!」とお話しすると、その男性から「あれが寺院で、こちらには米を栽培する田んぼが広がっていて、水を供給する運河があって…」とタイの特徴を教えていただきました。

 最後に、私がこれから乗り継ぎでクアラルンプールへ向かうことをお伝えすると、「タイを訪問された際は、案内しますよ(Visit to THAILAND,I will be a guide for you!)」とおっしゃってくださり、電話番号やメールアドレスまで教えていただきました。

 いつかタイの街も訪問してみたい気持ちになりました。

 やがて飛行機はスワンナプーム国際空港にほぼ予定どおり(15時45分頃)到着しました。


スワンナプーム国際空港からクアラルンプール国際空港へ

 実はこのスワンナプーム国際空港での乗り継ぎがとても大変でした。

 乗継時間がわずか1時間程度しかなかったからです。
 (クアラルンプール国際空港行き出発予定時刻16時45分)

 広い空港内を走りながら、乗り継ぎ(TRANSFER)カウンターを必死で探し、それでも結局よくわからず、空港警備員に航空券を見せて乗り継ぎをしたいと伝え、場所を教えていただきました。

 タイ国際航空の乗り継ぎカウンターで搭乗ゲートを教えていただき、再び手荷物の保安検査を済ませた上で、搭乗ゲート(C10)を目指しました。

 このC10ゲートが国際線コンコースの一番奥にあり、必死に走って汗だくになりながら、搭乗時刻を過ぎた16時20分ごろ、ようやく到着しました。

(スワンナプーム国際空港C10・タイ国際航空・TG0417便・搭乗案内表示)
Photo_20260301071201

 表示はすでに「BORDING(搭乗中)」となっています。

(スワンナプーム国際空港・クアラルンプール行・TG0417便)
Photo_20260301071301

 スワンナプーム国際空港16時45分発、クアラルンプール国際空港19時55分着のタイ国際航空TG0417便です。

 何とか無事にこの飛行機に乗ることが出来ました。

 タイとマレーシアの時差は1時間なので、約2時間のフライトでした。

 19時を過ぎてもまだ明るいマレー半島の風景を眺めながら、ほぼ予定どおりの時刻にクアラルンプール国際空港に到着しました。

(クアラルンプール国際空港着陸)
Photo_20260301071701

 スワンナプーム国際空港での乗り継ぎにはひやひやしましたが、何とかクアラルンプール国際空港に着きました。
 (乗り継ぎできなければ、タイで1日過ごせるのでは…とそれはそれで期待もあったのですが(笑))

(クアラルンプール国際空港到着・出発ロビー)
Photo_20260301072701

 日本からマレーシアにたどり着けた達成感もあり、空港内の見るものすべてがキラキラ輝いて見えました。

 幸せな気分で入国審査へ向かっていると、急にある不安が襲ってきました。

 「スワンナプーム国際空港であれだけ急いで乗り継いだけど、私の手荷物もちゃんと乗り継いで、この空港にたどり着いているだろうか…」

 「スーツケースに入れるものがない」と思ったほど、スーツケースの中はスカスカなのですが(笑)、福岡空港からきちんと届けられているかどうか、やはり不安でした。

 入国審査を済ませ、手荷物受取所(BAGGAGE CLAIM)で私の荷物を待っていると、ほどなくして私の小さな紺色のスーツケースがコンベアーで運ばれてきました。

(ベルトコンベアーで運ばれてきたスーツケース)
Photo_20260301073201

 巨大なスワンナプーム国際空港で、飛行機から荷物を降ろして、次の飛行機へ運んで、積むという作業がわずか数十分で行われたことになります。

 スーツケースに巻いたベルトは無くなっていましたが…(笑)

 ホッと安心しながらスーツケースを見ると、「HOT Transfer(ホットトランスファー)」と記載された黄色いタグが付けられていました。

(スーツケースとホットトランスファータグ)
Photo_20260301073401

 このタグは、短時間で乗り継ぐ客の預入荷物に付けられるものです。

 このタグが付けられた手荷物は貨物室のドア付近に積み込まれ、到着後、最初に取りだされて乗り継ぎ作業が短時間で済むように配慮されてます。

 この「ホットトランスファータグ」、乗り継ぎの空港内で助けてもらいやすいよう、私の体にも付けてほしかったです(笑)

 色々ありましたが、同日の夜、無事マレーシア・クアラルンプールに着きました。


クアラルンプール最大の繁華街「ブキッ・ビンタン」

 クアラルンプール「ブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)」に到着しました。

 ブキッ・ビンタンは、大型ショッピングセンターが軒を連ね、深夜まで人通りが絶えないクアラルンプール最大の繁華街です。

(ブキッ・ビンタンのスクランブル交差点)
Photo_20260301074001

 ブキッ・ビンタンにはマレーシア唯一のスクランブル交差点があります。

 東京・渋谷のスクランブル交差点をイメージして整備されたものですが、待ち時間が長いため、信号無視する人も多く見かけました。

 逆に歩行者信号が青でも突っ込んでくる車やバイクもいるので、要注意です。

 マレーシア語(インドネシア語)で「通り(Street)」のことを「Jalan(ジャラン)」と言います。

 この言葉は、リクルートの旅行サイト「じゃらん」の名称の由来にもなっています。

 例えば写真に写っている「ブキッ・ビンタン通り」は、「Jalan Bukit Bintang(ジャラン・ブキッ・ビンタン)」と呼ばれます。

 では「Jalan Jalan(ジャラン・ジャラン)」と繰り返すとどういう意味になるでしょうか。

 答えは「散歩する、ぶらぶら歩く」です。

 ユーモアと遊び心のある言葉ですよね。

 私が滞在したホテルは、このブキッ・ビンタン交差点から徒歩数分の場所にある「The Kuala Lumpur Journal Hotel(ザ クアラルンプールジャーナルホテル)」です。

(ザ クアラルンプールジャーナルホテル玄関)
Photo_20260301074601

 日本で言えば、東京・銀座四丁目交差点から一本入った通りに位置するような、アクセス抜群のブティックホテルです。

 チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いたのち、再び夜の繁華街へと繰り出しました。


アロー通りの「ナシレマ(アヤムゴレン)」

 ブキッ・ビンタンの繁華街をジャラン・ジャラン(散歩)し、東南アジア最大級のグルメタウン「アロー通り」にやってきました。

(アロー通り)
Photo_20260301075101

 中国料理とマレー料理を中心に、タイ料理や韓国料理など、様々な国の料理店(屋台)が集結しています。

 春節(旧暦のお正月。中国などでお祝いされる。2026年は2月17日から)の時期に重なったとは言え、すごい人の数でした。
 (週末になると、身動きが取れなくなるほどの人出でした。)

 中国系の料理が多い中で、マレーシア料理「ナシレマ」が提供されているお店を見つけました。

 「ナシレマ(Naci Lemak)」は、「ココナッツミルク(Lemak、本来の意味は脂肪、脂)」で炊いた「ごはん(Naci)」という意味で、ごはんを中心に様々な総菜・付け合わせを皿に盛ったワンプレート料理です。

 基本的なナシレマは、ココナッツミルクライスに揚げた小魚(イカンビリス)、ピーナッツ(カッチャン)、キュウリ、ゆで卵、サンバルブラチャンチリソース(辛味ソース)の組合せです。

 「ブラチャン(Belacan)」は干しエビを発酵させたペースト(味噌)です。

(レストラン「BEH BROTHERS」)
Photo_20260301075401

 レストラン「BEH BROTHERS」、中国語で「馬兄弟」と併記されていることから、中国系の「マレーシア(馬来西亜)」料理を扱うお店なのでしょう。

 でも一番上の看板には「TIGER(虎)」が描かれています。

(レストラン「BEH BROTHERS」メニュー看板)
Photo_20260301075701

 メニュー看板には、目玉焼きをトッピングしたオリジナルメニューのほか、チキン(レモンサンバル、クリスピーチキン、カレー、クリーミーバター)、海老(フライ、クリーミーバター)、タコなどが紹介されていました。

 お店の前でどれにしようか悩んでいると、お店の方が寄って来られ、しきりにクリスピーチキンをすすめられました。

 「夜中(23時30分)に食べるには少し重いなぁ」と思いつつ、定番で見栄えも良さそうなクリスピーチキン(マレーシア語ではアヤムゴレン(Ayam Goreng))のナシレマを注文しました。

 現金で支払いを済ませ、しばらく待っているとナシレマが運ばれてきました。

(ナシレマ(アヤムゴレン))
Photo_20260301075901

 ココナッツミルクライス(ナシレマ)を中心に、周囲におかずが盛り付けられています。

(アヤムゴレン(クリスピーチキン))
Photo_20260301080701

 アヤムゴレン(クリスピーチキン)は、骨付きの鶏もも肉をパリパリに揚げたもので、馴染み深いフライドチキンとよく似ていました。

 揚げたてでボリューム満点でした。

(キュウリ・揚げた小魚・ピーナッツ)
Photo_20260301080801

 キュウリはウリに近い大きなもので、揚げた小魚(イカンビリス)はイリコを油で揚げた感じの食べ物でした。

 ピーナッツは薄皮付きが定番です。

(サンバルブラチャンチリソース(辛味ソース))
Photo_20260301081001

 調味料のサンバルブラチャンチリソースは唐辛子の辛さが効いており、少量でもごはんがすすみました。

 発酵調味料であるブラチャン(蝦醤)の風味も感じましたが、辛さが先行していました。

 運ばれてきた際には「ボリュームがあるな」と思ったのですが、意外とすんなり食べられました。

 料理が残りわずかとなった頃、私の席の斜め向かいに、1人の若い男性が相席されました。

 その方も私と同様に、店員からアヤムゴレン(クリスピーチキン)のナシレマをすすめられ、それを注文されました。

 その会話の中で日本語でつぶやかれる場面があったので、少し勇気を出して、その男性に日本語で声をかけてみました。

 するとやはり日本人で、高知県から関西国際空港経由でマレーシアへ来られたとのお話でした。

 色々とお話を伺うと、マレーシア一人旅、旅行好き、写真(カメラ)好き、バスでマラッカへ訪問予定など共通点が多く、盛り上がりました。

 お互いのカメラでツーショット写真まで撮りました。

 私は「コウジ菌のブログ」とブログに掲載しているマレーシアの記事を御紹介しました。

 最後に「良い御旅行を!」とお互いに声を掛け合って解散しました。

 その後、私は再び夜のアロー通りやブキッ・ビンタンをジャラン・ジャランしました。


深夜になっても賑やかなブキッ・ビンタンと春節の花火

 マレーシアは華人(中国系の海外移住者)も多く、春節(旧正月)の期間はお祝いムードで盛り上がります。

 ブキッ・ビンタン周辺を歩いていると、いたるところで花火が打ち上げられていました。

(春節を祝う花火(アロー通り))
Photo_20260301081701

 花火を打ち上げるだけでなく、爆竹のようなパンパンという派手な音も鳴らされていました。

(春節を祝う花火(チャンカット・ブキッ・ビンタン通り))
Photo_20260301081702

 時刻はすでに夜中の0時30分なのですが…。

 ホテルに戻り、深夜に寝ようと思った際も、目の前の空き地でパンパンと花火が打ち上げられ、寝させてもらえないほどの盛り上がりでした。


<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「マレーシア料理」を御参照ください。

2026年2月18日 (水)

マレーシア料理の特徴と主な料理1 -マレーシアの概要とマレーシア料理の特徴、マレーシアへの旅-

 東南アジアの料理と言われて日本人が思い浮かべるのは、タイ料理やベトナム料理、それに次いでフィリピン料理やインドネシア料理、シンガポール料理…といったところでしょうか。

 いずれにせよ、私を含めて、東南アジアの料理としてマレーシア料理を思い浮かべる人は少ないですし、代表的な料理と言われてもあまりピンとこない人が多いと思います。

 マレーシア料理の特徴について理解するため、まずは東南アジア(インドシナ半島)全体の食文化の特徴を把握することからアプローチしたいと思います。


東南アジア(インドシナ半島)の食文化の特徴

 東南アジア(インドシナ半島)の国々に共通してみられる食文化は、
①稲作が盛んで、米食文化であること
②肉よりも川や湖で豊富に採れる魚が主なたんぱく源であること
③魚醤やナレズシ(塩とごはんで発酵させたすし)など長期保存できる発酵食が多く作られること
④ココナッツミルクや果物が料理に多用されること
⑤インドの影響を受け、スパイス(香辛料)やハーブが使われること
⑥中国の影響を受け、中華鍋が普及し、麺料理も多いこと
⑦世界のほかの地域に比べ、昆虫食が多くみられること
などが挙げられます。


マレーシアの概要とマレーシア料理の特徴

 東南アジア(インドシナ半島)の食文化の大きな特徴を把握した上で、マレーシアの概要とマレーシア料理の特徴についてまとめてみたいと思います。

 マレーシアは赤道近く、熱帯雨林気候に属する国で、マレー半島とボルネオ島北部から成り立っています。

(マレーシア)
Photo_20260211110801
(帝国書院ウェブサイト「世界白地図 東南アジア」の一部を引用・加工)

 首都はクアラルンプールで、日本との時差はマイナス1時間です。

 「えっ、たった1時間?」と思いますが、マレーシアは東西に長い国なので、ボルネオ島北部と日本との距離で考えると納得できます。
(ちなみに、タイやインドネシアと日本の時差はマイナス2時間となります。)

 マレーシア人は、マレー人、マレー人以外の先住諸民族、華人(中国系の海外移住者)、インド系の海外移住者など、多民族で構成されています。

 マレー半島の南側に位置するマラッカ海峡は、古代から中国とインド、ペルシャを結ぶ交易路・海のシルクロードとして栄えました。

 その拠点となったのがマレーシアの「マラッカ」でした。

 マレーシアの歴史を簡単に御紹介します。

・イスラム教徒の鄭和(ていわ・チェンホー)がマラッカに寄港し、イスラム教が広まる(1405年)
・ポルトガルがマラッカ王国を占領(1511年)
・オランダがマラッカを占領(1641年)
・ペナン島をイギリスへ割譲(1786年)
・英蘭協約によりペナン、マラッカ、シンガポールが海峡植民地となる(1824年)
・海峡植民地から内陸へとイギリスの支配が内陸へと広がる(1896年)
・日本軍がマラヤと北ボルネオを占領(1941年)
・第二次世界大戦が終結し、マレーシアは再びイギリス領になる(1945年)
・イギリスからマラヤ連邦が独立(1957年)
・マラヤ連邦にシンガポール、サバ、サラワク州を加え、マレーシアとなる(1963年)
・シンガポールがマレーシアから離脱・独立し、現在のマレーシアとなる(1965年)

 こうしてみると、マレーシアは地理的・歴史的に、中国、ポルトガル、オランダ、イギリス、日本など様々な国から影響を受け、多様な民族や文化が共存して発展してきた国だということがわかります。

 そのため、言語もマレー語が公用語ですが、英語や中国語(マンダリン)も使われますし、宗教においてもイスラム教が国教とされつつ、仏教、キリスト教、ヒンズー教、道教などの信者も一定の割合でおられます。

 食文化も多種多様です。

 マレー人の多くはスマトラ島(インドネシア)のミナンカバウを祖先の地とするため、マレー料理の中核はスマトラ料理を引き継いだものとなっています。

 そしてこのマレー料理以外にも、地理的・文化的・歴史的背景から、中国料理、インド料理、ニョニャ料理(※)、さらにはイギリス料理(アフタヌーンティー)やポルトガル料理(クリスタン料理)に至るまで、マレーシアには様々な国の料理が混在しています。
 ※ニョニャ料理…マレーシアへ移住した中国人と現地(マレー)の人々の交流から生まれたマレーシア料理と中国料理の融合料理。

 また、イスラム教、ヒンズー教、仏教など宗教によってタブーとされる食が異なるため、食習慣も様々です。

 マレーシアは外食文化が浸透しており、日常の食事を外食で済ませる人が多いため、こうした様々な国・文化の料理店があります。

 街の屋台・夜市(パサーマラム)もマレー料理だけでなく、中華系やインド系の料理も提供されています。

 マレーシア料理は、シンガポール料理やインドネシア料理と一緒、もしくはとても近い関係にあるため、日本ではシンガポール料理・インドネシア料理として知られる(紹介される)料理がたくさんあります。

 サテ(串焼き)、ルンダン(牛肉のココナッツミルク煮込み)、バクテー(肉骨茶、骨付き豚肉の煮込み・薬膳スープ)など、インドネシア料理やシンガポール料理としてよく知られる料理は、実は代表的なマレーシア料理でもあるのですが、マレーシア料理として紹介されることはあまり多くありません。

 こうしたことも、日本でマレーシア料理があまり知られていない理由の1つとなっています。


答えはマレーシアにある(マレーシアへの旅)

 この度、私はマレーシアで現地の食文化を学んでくることにしました。

 2026年2月19日から23日にかけて5日間の旅です。

 福岡空港からタイのスワンナプーム国際空港経由(乗継ぎ)でマレーシアのクアラルンプール国際空港へ向かいます。

 クアラルンプールで3泊し、往路と同じ方法で広島へ戻る予定です。

(マレーシアへの行程)
Photo_20260215113001
 ※画像をクリックすると拡大します。
 (帝国書院ウェブサイト「世界白地図 東南アジア」の一部を引用・加工)

 今回はツアーガイドなし、オプショナルツアーなしの1人旅です。

 国内旅行は慣れてきたものの、海外旅行となると、言葉や文化の壁など、条件がかなり違ってくるので、期待と不安が入り混じっているのが本音です。

 海外旅行へ行こうと思ったきっかけは、昨年夏に職場で旅行券を貰ったことにあります。

 まとまった金額だったので、これは「海外旅行へ行けということだろう」と勝手に解釈し、当ブログでまだ御紹介したことのないマレーシア料理を求めて、マレーシアを訪問することにしました。

 旅行代理店で航空券と宿泊施設の手配をお願いしました。

 ひととおり手続きを終えた後、旅行代理店の方から「なぜマレーシアへ行こうと思われたのですか?」と尋ねられたので、私は「マレーシアは様々な食文化が混在し、いろんな料理に出会えるからです」とお答えしました。

 食を知ることがメインなので、観光名所へはほとんど行かないと思います(笑)

 慣れない海外旅行での一人旅ですので、皆様に御紹介できるほどの食の取材ができないかも知れませんが、私としては、とりあえず行って無事帰ってくることを目標にしたいと思います。

 しばらく留守にさせていただきますが、よろしくお願い申し上げます。

 ※今回は日曜日の更新をお休みさせていただきます。


<関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「マレーシア料理」を御参照ください。

<参考文献>
 石毛直道「世界の食べもの 食の文化地理」講談社学術文庫
 沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会
 柳澤順子「魅惑の食文化 クアラルンプール・マラッカ・イポー」東京ニュース通信社

2026年1月25日 (日)

ギリシャ料理の特徴と主な料理3 -グリークサラダ・フェタチーズフライ・スブラキプレート・ジャジキ・ドルマデス・トマトのゲミスタ-

 広島市中区のギリシャ料理店を訪問し、ギリシャ料理をいただきました。

 今回いただいた料理を御紹介します。


グリークサラダ

 「グリークサラダ」は、ざく切りのトマト、オリーブの実、玉ねぎ、キュウリなどの野菜に、一口サイズにカットしたフェタチーズをのせたサラダです。

 ギリシャでは「ホリアティキ(田舎風・自家製サラダ)」と呼ばれています。

(グリークサラダ)
Photo_20260124131201

 「フェタチーズ」は山羊乳や羊乳から作られる、やわらかくて塩味の強いチーズで、ギリシャの代表的なチーズです。

 ドレッシングは、主にオリーブオイル、レモン汁、白ワインビネガーが使われます。

 仕上げにオレガノがふりかけられるのも特徴の1つです。

 野菜やフェタチーズにオリーブオイルをかけていただくシンプルなサラダですが、美味しいのでたっぷりといただくことができます。

 ギリシャでは角切りのスイカを加えたサラダも好まれています。


フェタチーズフライ

 「フェタチーズフライ」は、フェタチーズにパン粉をまぶし、油で揚げた料理です。

(フェタチーズフライ)
Photo_20260124131501

 フェタチーズにほのかな塩気があるので、コショウやレモン果汁を加えるだけで美味しくいただけます。

(フェタチーズフライ(中身))
Photo_20260124131502

 また、フェタチーズはクセが少なく、やわらかくてさっぱりしているため、厚く切って豪快にいただくことができます。

 チーズのほどよい塩気と油のコクの相乗効果でうま味がグーンと高まり、絶好のおつまみだと思いました。


スブラキプレート

 「スブラキ」は、串焼き料理のことです。

(スブラキプレート)
Photo_20260124131701

 プレートに横たわる棒のような形をしたものが豚肉のスブラキです。

 プレート左下の「ジャジキ」と呼ばれるタルタルソースのような白いディップをつけていただきます。

 「ジャジキ」は、ヨーグルトにすりおろしたにんにくや細かく刻んだキュウリを混ぜ、塩、オリーブオイル、酢などで味を調えたディップで、ギリシャ料理には欠かせない付合せです。

 豚肉の串焼きはそのままでも美味しいのですが、ジャジキを添えていただくと、さわやかな酸味も加わって、より美味しく、そして食べやすくなりました。

 フライドポテト、トマト、ピタパン(薄焼きの丸パン)も盛り付けられたボリューム満点のプレートで、これ一皿で食事になるような一品でした。


ドルマデス

 「ドルマデス」は、ぶどうの葉でお米や肉を包み、煮込んだ料理です。

 ギリシャだけでなく、中央アジアから中東、北アフリカにかけて、「ドルマ」などの料理名で幅広く食べられています。

 キャベツの葉で具を包んで煮込んだ「ロールキャベツ」の原形とも言われています。

(ドルマデス)
Photo_20260124132001

 ドルマデスとレモンが交互にきれいに盛り付けられていました。

 ディップとしてジャジキも添えられていました。

(ドルマデスとジャジキ)
Photo_20260124132002

 中にはライスが入っていました。

 ぶどうの葉の香りやパリッとした食感を楽しめる料理です。

 この発想は、日本の和菓子「桜餅(道明寺桜餅)」と似ているように思いました。


トマトのゲミスタ

 「ゲミスタ(イェミスタ)」は、トマトにお米や挽き肉、玉ねぎなどを詰めて焼いたギリシャの伝統料理です。

(トマトのゲミスタ)
Photo_20260124132401

 今回いただいた「トマトのゲミスタ」は、熱々の鉄皿の中心にトマトのゲミスタが置かれ、その周囲にもゲミスタの具(トマトソースライス)が盛られたボリュームたっぷりの料理でした。

(トマトのゲミスタ(トマトとライス))
Photo_20260124132501

 中心に置かれたトマトのふたを開けてみると、中身をくり抜かれたトマトに、トマトソースライスがたっぷり詰められていました。

 トマトソースライスは、トマトソースたっぷりのリゾットをイメージさせる食感・味でした。


まとめ

 今回いただいたギリシャ料理は、オリーブオイル、トマト、レモン、ヨーグルトがよく使われており、これらの食材がギリシャ料理の重要な役割を果たしていることがわかりました。


<関連サイト>
 「ポリカラ」(広島市中区中島町2-16 パレグレース平和公園1F)

<関連記事>
 「ギリシャ料理の特徴と主な料理1 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-
 「ギリシャ料理の特徴と主な料理2 -ティロピタ・グリークサラダ・ギリシャヨーグルト・フルーツ・ガラトピタ-
 今回のギリシャ料理を含む世界の料理は、「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」を御覧ください。


2025年12月21日 (日)

中国料理の特徴と主な料理6 -中国の高級食材・上海蟹の魅力(上海蟹味噌の茶碗蒸し・上海蟹味噌入り小籠包・上海蟹の姿蒸し・肉団子の上海蟹味噌煮込み)-

上海蟹とは

 中国料理で、秋から冬にかけて注目される食材の1つに「上海蟹(シャンハイガニ)」があります。

 上海蟹は、学名で「チュウゴクモクズガニ(シナモクズガニ)」と呼ばれる、淡水のモクズガニの一種です。

 上海蟹の主産地は中国の長江沿いやその周辺の湖で、中でも蘇州近郊の陽澄湖や無錫太湖で採れるものが重宝されています。

 上海蟹は日本へも生きた状態で空輸されますが、日本では生態系に影響を及ぼす「特定外来生物」に指定されているため、飲食店で調理する目的以外での生体の売買は禁止されています。

 上海蟹は秋から冬(10月から12月頃)にかけて出荷の最盛期を迎え、日本でも中華街の料理店や高級中国料理店で上海蟹の料理が提供されています。

 私はこの上海蟹の料理を、上海市の観光地「豫園(よえん)」にある「緑波廊酒楼(リウボーランシュロウ)」という上海料理店で初めていただき、その美味しさに感動しました。

 高価な蟹ですが、それだけの価値(美味しさ)があることは確かです。


上海蟹コース

 「ホテルグランヴィア広島」の中国料理店「煌蘭苑(こうらんえん)」で、上海蟹を使った様々な料理が味わえる「上海蟹コース」が提供されていることを知り、予約しました。

 高価なコースでしたが、上海・豫園の料理店で食べた上海蟹の味が忘れられず、「あの味と感動をもう一度味わえるなら」と決断しました。

 予約時刻にお店を訪問し、テーブル席に案内されると、テーブルに「上海蟹コース」のお品書きが用意されており、テンションが上がりました。

 しばらくして、料理が運ばれてきました。


【前菜盛合せ】

(前菜盛合せ)
Photo_20251221141401

 こちらは、一口前菜の盛合せです。

 写真左から、「上海蟹味噌の茶碗蒸し」、「酔っぱらい海老」、「アイミィトマトのライチ酒漬け」、「瀬戸内六穀豚のチャーシュー」です。

 「上海蟹味噌の茶碗蒸し」は、茶碗蒸しの上に上海蟹の蟹味噌が盛られた料理です。
 前菜から上海蟹の蟹味噌がいただけるとは、さすが上海蟹コースだと思いました。

 「酔っぱらい海老」は、生の甘海老を紹興酒に漬けた料理です。
 紹興酒の甘い香りが甘海老の身に浸みて、ねっとりとして芳醇な甘海老を楽しめました。

 「アイミィトマトのライチ酒漬け」は、広島県産の「アイミィトマト(ミディトマトの一種)」の皮をむき、ライチ酒に漬けた一品です。
 トマトにライチ酒の甘みと風味が加わり、デザートのような仕上がりでした。

 「瀬戸内六穀豚のチャーシュー」は、広島県産の瀬戸内六穀豚(せとうちろっこくとん)(※)で作られたチャーシューです。
 八角の効いた甘辛醤油でじっくり煮込まれた肉はきめ細やかでやわらかく、脂身は甘みとコクがありました。
 ※六穀豚…六種類の穀物(とうもろこし、大麦、小麦、米、マイロ(コウリャン)、大豆)をメインにした配合飼料を与えて育てられた国産豚肉


【漢薬蒸しスープ】

 続いて「漢薬蒸しスープ」が提供されました。

(漢薬蒸しスープ)
Photo_20251221142001

 青森シャモロック、スッポン、金華ハム、牛肉、貝柱などの高級食材が使われたスープです。

 修行中のお坊さんも塀を跳び越えて食べに来ると言われる中国の高級スープ「仏跳牆(ファッチューション、ぶっちょうしょう)」に似ていると思いました。

 様々な食材の旨みが凝縮された、滋味深いスープでした。


【上海蟹味噌入り小籠包】

 続いて、せいろで蒸された小籠包が提供されました。

(上海蟹味噌入り小籠包)
Photo_20251221142301

 小籠包の上に上海蟹の蟹味噌がのせられています。

 刻み生姜が添えられた黒酢のタレをつけていただきました。

 小籠包を口にした瞬間、皮の中から旨みたっぷりのスープが飛び出しました。

 蟹味噌には、上品な旨みとコクがありました。

 ズワイガニやワタリガニの蟹味噌と比べると、上海蟹の蟹味噌は意外とあっさりとしているように感じました。


【生姜茶】

 上海蟹味噌入り小籠包と一緒に、ポットで温かい生姜茶が用意されました。

 その際、お店の方から「蟹は身体を冷やしますので、温かい生姜茶を御用意しました」と説明がありました。

(生姜茶)
Photo_20251221142601

 漢方では、蟹は陰性(身体を冷やす食べ物)なので、生姜などの陽性(身体を温める食べ物)と一緒に摂取するのが良いようです。

 「温かさが恋しくなる時期にシーズンを迎える蟹は、逆に身体を冷やす食べ物とされているのか」と思いつつ、生姜茶をいただきました。

 甘い生姜茶だったので、びっくりしました(笑)


【上海蟹の姿蒸し】

 「上海蟹コース」のメインデッシュ「上海蟹の姿蒸し」が用意されました。

(上海蟹の姿蒸し)
Photo_20251221143301

 上海蟹の甲羅を器にして、上海蟹の肉(甲羅や脚の殻から取り外したもの)や卵などが盛り付けられていました。

(上海蟹の肉・上海蟹の卵)
Photo_20251221143401

 上海蟹は、ほかの蟹と比べて体は小さいものの、蟹肉の旨みや濃厚さにおいては圧倒的な存在感があると思いました。

 あらかじめ取り出された蟹肉や蟹味噌をいただけることを、とても贅沢に思いました。

 生姜入りの黒酢だれをつけながら、美味しくいただきました。


【肉団子の上海蟹味噌煮込み】

 続いて肉団子の上海蟹味噌煮込みをいただきました。

(肉団子の上海蟹味噌煮込み)
Photo_20251221143701

 あんかけ肉団子で、あんには上海蟹の肉や蟹味噌がたっぷり加えられ、上海蟹の旨みが引き出されていました。


【海老入り焼きビーフン】

 ひととおり上海蟹をいただいたあと、焼きビーフンが用意されました。

(海老入り焼きビーフン)
Photo_20251221144101

 海老入りの焼きビーフンです。

 漢方では、海老は身体を温める作用があるとされています。

 上海蟹と生姜(茶)の組合せと同様のお考えで、海老を具にした焼きビーフンを御用意いただいたのではないかと思いました。


【梨・白キクラゲ・南北杏仁入り温かいデザート】

 コースの締めくくりに、デザートを御用意いただきました。

(梨・白キクラゲ・南北杏仁入り温かいデザート)
Photo_20251221144401

 世羅幸水農園(広島県世羅町産)の梨、白キクラゲ、南北杏仁入りの甘く温かいスープです。

 写真のヒラヒラしたものが「白キクラゲ」、左手前の赤いものが「ナツメ(棗)」、右手前の赤いものが「梨(の皮)」、銀杏のような白いものが「杏仁(アンズの仁(種の核))」です。

 白キクラゲを使ったデザートは、ほかの中国料理店でもいただいたことがあり、日本では馴染みが薄いものの、中国では好まれていることがわかりました。

 ほどよい甘さで、ポカポカと身体が温まりました。


まとめ

 今回、上海蟹の様々な料理をいただくことができ、上海蟹の魅力・美味しさについて再認識しました。

 ただ、私が上海で食べた上海蟹は「ゼリー状のもの」だったように記憶しています。

 この記憶が間違ってないとすれば「上海蟹の刺身(生肉)を食べたのではないか」とも考えたのですが、淡水ものの生食は危険を伴うため、おそらく違うでしょう。

 あと考えられるのは、蒸した上海蟹の白子か、生の上海蟹を紹興酒で漬けた「酔蟹(酔っぱらい蟹)」ですが、後者の場合は紹興酒の味に気付くはずなので、おそらく雄の白子をいただいたのだと思います。

 この当時、私は食にあまり興味がなく、ましてや上海蟹の価値など知らなかったので、この記憶自体もあまり頼りになりませんが…。

 いつか機会があれば、白子や酔蟹(酔っぱらい蟹)も味わってみたいです。


<関連サイト>
 「ホテルグランヴィア広島・煌蘭苑」(広島市南区松原町1-5)

<関連記事>
 「中国料理の特徴と主な料理1 -水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)-」(白きくらげのデザート)
 「中国料理の特徴と主な料理2 -空芯菜炒め・鮎の揚げ春巻・二色酢豚・佛跳牆・杏仁豆腐-

2025年11月23日 (日)

ウクライナ(東欧)料理の特徴と主な料理 -ビーツサラダ・ミモザサラダ・オリビエサラダ・ボルシチ・ピロシキ・メドウィク・ラズベリージャム入り紅茶-

ウクライナの食文化

 ウクライナは国土の7割以上が農地で、肥沃な黒土(チェルノーゼム)に恵まれていることから「世界の穀倉地帯」と呼ばれています。

 首都キーウ(キエフ)は、東スラブ人(ウクライナ人、ロシア人、ベラルーシ人など)初の統一国家「キエフ公国」が成立した地であることから、ロシア料理の礎が築かれた地とも言われています。

 肥沃な大地と温暖な気候に恵まれ、豊かな食文化が形成されてきました。

 小麦粉を使ったパンやクレープ、ソバや雑穀を使ったお粥(カーシャ)、肉・魚・野菜料理、乳製品など様々な料理やお菓子があります。


神戸のウクライナ(東欧)料理店「レストランベルーガ」

 2025年2月、神戸市中央区に、ウクライナ出身のオーナーやシェフが振る舞うウクライナ(東欧)料理店「レストランベルーガ」がオープンしました。

 ウクライナ(東欧)料理を求めて、お店を訪問しました。

(レストランベルーガ(遠景))
Photo_20251123102501

 過去に営業されていたロシア料理の老舗「バラライカ」の跡地にオープンされていますが、これは全くの偶然のようです。

(レストランベルーガ案内看板)
Photo_20251123102801

 お昼時だったので、ランチメニューの案内看板が置かれていました。

 ボルシチランチ、サラダランチ、ミートボールランチ、ペルメニランチ、ビーフストロガノフランチなど、東欧の伝統的な料理がランチセットで提供されています。

 建物の3階にお店があります。

(レストランベルーガ店舗入口)
Photo_20251123102802

 豪華な佇まいに、少し緊張しながらお店のドアを開けると、お店の方が温かく迎えてくださいました。

(店内装飾品(マトリョーシカ))
Photo_20251123103001

 装飾品やアンティーク家具が揃えられた、美術館のようなレストランです。

 背が高い私は、天井から吊り下げられた豪華なシャンデリアに頭をぶつけてしまいました。

 お店の方に謝ったところ、逆に「おケガはないですか」とお気遣いいただき、温かい気持ちになりました。

 メニューブックを眺めながら、どのランチセットを注文するか考えました。

 少し悩んだ末、伝統的なサラダ3種が味わえる「サラダランチ(Bランチ)」を注文しました。

 ドリンクもついており、コーヒーか紅茶(ラズベリージャム付き)を選べたので、紅茶を注文しました。


ビーツサラダ・オリビエサラダ・ミモザサラダ

 ラグジュアリーな店内でくつろいでいると、しばらくしてサラダが運ばれてきました。

 サラダがメイン料理で提供されるイメージを持っていましたが、冷静に考えたら冷製の前菜です(笑)

(サラダ3種)
Photo_20251123105901

 美しい、芸術作品のようなサラダの3種盛りを御用意いただきました。

 プレート上側の黄色いサラダが「ミモザサラダ」、プレート右側の赤いサラダが「ビーツサラダ」、そしてプレート手前の角切りサラダが「オリビエサラダ」です。

 「ビーツサラダ」は、その名のとおり、茹でて真っ赤になったビーツを角切りにして盛り付けたサラダです。

 ビーツは茹でたジャガイモのようにホクホクした食感で、ほんのりと甘みも感じました。

 「オリビエサラダ」は、角切りの野菜や肉をマヨネーズで和えた東欧の伝統的なサラダです。

 今回御提供いただいたオリビエサラダは、ジャガイモ、人参、グリーンピース、キュウリ、ハムなどで構成されていました。

 角切りのジャガイモで作ったポテトサラダに似た料理でした。

 「ミモザサラダ」は、表面にまぶされたゆで卵の黄身が、黄色いミモザの花のように見えることから名付けられたサラダです。

 様々な具が層になるように重ねられ、見た目がケーキのようなサラダに仕上げられていました。

 ミモザサラダの中身を確認してみました。

(ミモザサラダ)
Photo_20251123104401

 底がジャガイモの層で、その上にマヨネーズで和えたツナ、人参、裏ごししたゆで卵の白身が積み重ねられ、表面に裏ごししたゆで卵の黄身がまぶされていました。

 まるでケーキの3種盛りのような、見た目も美しいサラダのセットでした。


ボルシチ

 ボルシチは、肉や野菜をビーツと一緒に煮込んだ真っ赤なスープです。

 ロシアの代表的な料理として有名ですが、もともとはウクライナの家庭料理でした。

 ウクライナからスラブの広い地域に伝播していったものと考えられています。

 そのため、出汁にスペアリブが使われたり、牛骨が使われたりと、ボルシチの作り方は地域によって千差万別で、地名を冠して「キエフ風ボルシチ」、「モスクワ風ボルシチ」などと呼ばれています。

 日本で言えば、地域によって具や味が異なる「雑煮(ぞうに)」に該当します。

 ボルシチに共通する(欠かせない)食材はビーツで、好みで白いサワークリーム(スメタナ)も加えられます。

(ボルシチ)
Photo_20251123104501

 ビーツ入りの真っ赤なスープの中心にスメタナが添えられています。

(ボルシチ(中身))
Photo_20251123104601

 具はビーツのほか、角切りの牛肉、人参、ジャガイモ、ハーブ、青ねぎなどが使われていました。

 スープ皿も壺形の熱々にした状態のものを御用意いただきました。

 ビーツの赤色で見た目にも温かみを感じます。

 肉や野菜の旨みが凝縮された、身も心も温まるスープでした。


ピロシキ

 ピロシキは、肉・魚・野菜・きのこ・ゆで卵などを刻んで炒めた具を小麦粉の生地で包み、油で揚げたり、オーブンで焼いたりして作られる東欧の総菜パイ(惣菜パン)です。

(ピロシキ)
Photo_20251123104801

 焼きたてのピロシキを御用意いただきました。

(ピロシキ(中身))
Photo_20251123104901

 生地の中には、牛の挽き肉や細かく刻んだ野菜を具にとろみをつけた「あん」がたっぷりと入っていました。

 このお店のピロシキは、単品だと2個で400円、テイクアウトだと5個で1000円でいただけるので、とてもお得感があります。

 このお店は王子公園で人気だった東欧デリの「ロシアンピロシキ」が前身で、ピロシキは看板メニューの1つとなっています。


メドウィク

 ランチを利用すると、お得な値段で本日のデザートをセットにすることができるため、デザートも注文しました。

 本日のデザートは「メドウィク」と呼ばれる、ウクライナやロシアで食べられる伝統的なケーキでした。

 「メドウィク」の「メド(ミョド)」は「ハチミツ」という意味で、ハチミツのケーキです。

(メドウィク)
Photo_20251123105001

 ハチミツ入りの薄い生地とサワークリーム(スメタナ)を何層にも重ねたケーキです。

 ケーキの表面には、焼いた生地の切れ端やナッツを細かく粉砕したものがトッピングされています。

 ウクライナは養蜂が盛んで、ハチミツはそのまま食されるだけでなく、料理やお菓子にも幅広く使われています。

 ミルクレープをもう少しザックリさせたような食感で、ハチミツ入りの優しい甘さのケーキでした。


紅茶とラズベリージャム

 デザートと一緒に、紅茶をいただきました。

(紅茶とラズベリージャム)
Photo_20251123105101

 紅茶と自家製ラズベリージャムのセットです。

 紅茶にラズベリージャムを混ぜていただきました。

 ラズベリージャムを加えると、甘味と酸味が増して、より一層美味しくいただけました。

 紅茶にラズベリージャムをいくらたっぷり入れても、ほどよい甘味と酸味に落ち着くのが不思議でした。


 店名の「ベルーガ」は、チョウザメやその卵「キャビア」のことで、お店のシンボルマークにもチョウザメとキャビアが描かれています。

 ディナータイムにはキャビアのコースもあるようで、このコースにも心惹かれます。


<関連サイト>
 「レストランベルーガ」(神戸市中央区中山手通一丁目22-13 ヒルサイドテラス 3F)
 「ウクライナ はちみつたっぷりの家庭の味「メドウィク」」(不二家・世界のお菓子)

<関連記事>
 「ひろしま南区スイーツフェア -南区3名山(似島(安芸小富士)・黄金山・比治山)と代表花(ミモザ・桜・広島椿)のスイーツ-
 世界の料理については、当ブログ「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」も御参照ください。

<参考文献>
 「あまから手帖(2025年7月号)」クリエテ関西
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」Gakken
 沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会

2025年11月 9日 (日)

ウズベキスタン料理の特徴と主な料理 -ノン・カイマク・コムハニー・シャクシュカ・サラート・ナッツ・ドライフルーツ・マルコフチャ-

ウズベキスタンの食文化

 東京で世界の朝食が味わえるお店「TASTE THE WORLD(テイスト・ザ・ワールド)」。

 2025年10月・11月限定の朝ごはんは「ウズベキスタンの朝ごはん」です。

 ウズベキスタンは中央アジア、シルクロードの中間に位置する国で、東西の交易の中心地として繁栄してきた国です。

 ウズベキスタンは人口の80%以上をウズベク系が占めており、公用語はウズベク語です。

 ウズベキスタンという国名には、「ウズベク人の国・土地(スタン)」という意味があります。

 中央アジアでは家畜と共に移動・生活する遊牧生活が一般的ですが、ウズベク人は中央のオアシスにで穀物や野菜、果物を栽培しながら定住する生活を選択しました。

 そのため、米や小麦粉、野菜、果物を使った料理が豊富にあります。

 また、羊の放牧も盛んなことから、羊肉をはじめとする肉料理も数多くあります。

 料理にハーブや香辛料が多用されるのも特徴となっています。


ウズベキスタンの朝ごはん

 「TASTE THE WORLD 外苑前店」を訪問すると、お店にウズベキスタンの国旗が飾られていました。

(TASTE THE WORLD 外苑前店(ウズベキスタン国旗))
Photo_20251109100701

 どんなウズベキスタン料理が味わえるか、ウズウズしながらお店に入りました。

 席に座り、注文を済ませてホッと一息ついていると、すぐ近くにウズベキスタンの本が用意されていました。

 ウズベキスタンの料理が紹介されている本を読んでみると、ウズベキスタンの朝食が紹介されていました。

(ウズベキスタン料理案内本(ウズベキスタンの朝食))
Photo_20251109101301

 左のページでは「ノン」と呼ばれるパンが紹介され、右のページではウズベキスタンの朝食や代表的な食材が紹介されています。

 ウズベキスタンの代表的な朝食は、カイマク、ウズベクブレッド(ノンなど)、季節の果物、野菜、茶、ナヴァト(氷砂糖、ロックキャンディ)、ナッツ、ドライフルーツ、伝統的なデザートなどで構成されると記載されています。

 ウズベキスタンの食文化について予習していると、注文した料理が運ばれてきました。

 今回お店で御用意いただいたウズベキスタンの朝ごはんプレートがこちらです。

(ウズベキスタンの朝ごはんプレート)
Photo_20251109102001

 ウズベキスタンの代表的な朝食として、ノン、カイマク、コムハニー、シャクシュカ、サラート、ナッツ、ドライフルーツが盛り付けられたプレートです。

 それでは順に料理を御紹介します。


【ノン】

 「ノン」は、ウズベキスタンの代表的なパンです。

 インドなどで食される「ナン」と語源は一緒です。

(ノン)
Photo_20251109102101

 パンの表面の黒いゴマのようなものは、ブラッククミン(ブラックシード)です。

 「ノン」の特徴は、生地を一次発酵のみか短時間の発酵で済ませてずっしりと食べ応えのあるパンに仕上げられること、生地を「タンディール」(タンドール)と呼ばれる釜で焼き上げられること、そして、パンの表面に独特な幾何学模様がつけられることにあります。

 パンの模様は「チェキチ」と呼ばれる金属の型でつけられます。

 どんな料理にも合う、ウズベキスタンでは主食のようなパンです。

 「カイマク(濃厚なクリーム)」、ハチミツ、アプリコットジャムなどをつけて食べます。

 もっちりとして食べ応えのあるパンでした。


【カイマク・コムハニー】

 ノンに、「カイマク」や「コムハニー」を塗っていただきました。

(カイマク・コムハニー)
Photo_20251109103001

 こちらが「カイマク」(写真左側)と「コムハニー」(写真右側)です。

 「カイマク(カイマック)」は、牛乳などのミルクをゆっくりと煮詰めて作られる濃厚なクリームで、中央アジア、バルカン半島、トルコなど広い地域で親しまれています。

 生クリームから作るフレッシュな手作りバターのような風味・食感で、わずかにヨーグルトのような酸味も感じました。

 バターやクロテッドクリームよりもあっさりとして食べやすいと思いました。

(コムハニー)
Photo_20251109103501

 「コムハニー」は、巣蜜(ハチミツ)です。

 サックリとして、液体のハチミツより優しい甘さでした。

 ノンにカイマクとコムハニーを一緒につけて食べると、美味しさと贅沢感が増しました。


【シャクシュカ】

 「シャクシュカ」は、野菜のトマト煮込みです。

 アラビア語で「混ぜ合わせたもの」という意味する、北アフリカ、中近東、中央アジア地域の家庭料理です。

(シャクシュカ)
Photo_20251109103701

 今回いただいたシャクシュカは、トマトと一緒に玉ねぎ、ナス、パプリカなどの野菜を煮込み、クミンやコショウなどのスパイスを効かせ、最後に卵を落として仕上げられた料理でした。

 フランス料理のラタトゥイユに似ており、ノンとよく合いました。

 半熟の黄身を和えながらいただくと、旨みとコクが増してより一層美味しくいただけました。


【サラート】

 「サラート」はサラダのことです。

 お店では「ウズベキスタンらしいブドウ入りのサラダ」と説明されていました。

 ぶどうのほか、フェタチーズのような白くてボソボソした塩気の強いチーズも混ぜ合わせられていました。

(サラート(ぶどう入りサラダ))
Photo_20251109104001

 レタス、プチトマト、キュウリ、ぶどう、オリーブの実、チーズのサラダです。

 ギリシャの「ホリアティキ」と呼ばれる、野菜にオリーブやフェタチーズ、そしてスイカが加えられるサラダと発想がよく似ているように思いました。


【ドライフルーツとナッツ】

 日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きく、降水量が少ないウズベキスタンの気候は、ドライフルーツとナッツの生産に非常に適しているため、ウズベキスタンではドライフルーツやナッツがよく食べられるそうです。

 ウズベキスタンの料理本を読むと、「ドライフルーツやナッツがもたらす健康への貢献度の高さが認識され、いくつかの国では薬局でも販売されている」と説明されていました。

(ドライフルーツとナッツ)
Photo_20251109104501

 今回は、アプリコット(アンズ)、レーズン(干しぶどう)、殻付きアーモンドをいただきました。

 ウズベキスタンには、お茶(緑茶・紅茶)と一緒にドライフルーツやナッツが提供され、お茶や会話を楽しむ文化があります。


マルコフチャ

 追加で「マルコフチャ」という料理をいただきました。

 「マルコフチャ」は、人参のキムチです。

 「マルコフ」はロシア語で「人参」を意味します。

(マルコフチャ)
Photo_20251109104901

 「キャロットラぺ」や「にんじんしりしり」とよく似ています。

 ウズベキスタン(中央アジア)には旧ソ連により朝鮮半島から強制移住させられた「高麗人」と呼ばれる朝鮮系の人々がおられ、この人々が白菜の代わりに現地で入手しやすかった人参を用いてキムチ風にアレンジされた料理が「マルコフチャ」です。

 かねてから朝鮮半島から遠く離れたウズベキスタンにキムチがあるという話に興味を持っていたので、注文しました。

 いただいてみると、キムチというよりは、フレンチドレッシングに唐辛子やクミンなどのスパイスを加えた人参のマリネに近く、辛味よりも酸味やスパイシーさを強く感じました。

 辛い物が苦手なウズベク人向けにアレンジされた経緯もあるようです。


まとめ

 ウズベキスタンでは、朝鮮系の人々からもたらされた「キムチ」が食べられたり、日本以外ではあまり一般的でない「緑茶」がよく飲まれたり、「ラグマン」と呼ばれるうどんに似た麺料理があったりと、「なぜ遠く離れたウズベキスタンで?」と思う料理も多く、興味深い食文化が形成されています。

 ウズベキスタンがシルクロードの中間に位置し、東西の交易の中心地として繁栄したことや、旧ロシア帝国・旧ソ連に属していたことなど、様々な要因が組み合わさって形成された食文化だと言えるでしょう。


<関連サイト>
 「TASTE THE WORLD」(東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F(外苑前店)ほか)

<関連記事>
 「アルメニア・ウズベキスタン・ロシア・モルドバのスープとパン
 「ウズベキスタン・キルギス料理の特徴と主な料理 -ノン・ラグマン-
 「ギリシャ料理の特徴と主な料理1 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-
 世界の料理については,当ブログ「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」も御参照ください。

<参考文献>
 「TASTE THE WORLD」ウズベキスタン料理紹介リーフレット
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」Gakken
 地球の歩き方編集室「地球のかじり方 世界のレシピBOOK」Gakken

より以前の記事一覧

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック

2026年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ