宗教・食文化史

2024年4月28日 (日)

京都の「澄まし粉豆腐」と「にがり豆腐」 -「森嘉」の嵯峨豆腐と擬製豆腐・「祇園うえもり」の湯豆腐会席-

京都には2種類の豆腐がある

 京都には2種類の豆腐があることを御存知でしょうか。

 1つは凝固剤に「にがり(塩化マグネシウム)」を使った豆腐、もう1つは凝固剤に「澄まし粉(硫酸カルシウム)」を使った豆腐です。

 今回は、京都で「にがり(塩化マグネシウム)」に代わって「澄まし粉(硫酸カルシウム)」を使った豆腐が作られるようになった歴史的背景と、澄まし粉豆腐を使った料理を御紹介したいと思います。


京都で「にがり豆腐」に代わって「澄まし粉豆腐」が作られるようになった理由

 京都では元々「にがり」を使った豆腐だけが作られていたのですが、その「にがり」が使えなくなる事態が発生しました。

 その原因は、太平洋戦争の戦局悪化に伴う(武器生産に必要な金属資源などの)物資不足を補うため、金属類の回収を行うことを定めた「金属類回収令」にあります。

(金属類回収令(戦争めし))
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 魚乃目三太「戦争めし 命を繋いだ昭和食べ物語 其の弐 豆腐が消えた日」秋田書店から一部引用

(金属類回収令(快盗くいしん坊))
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 ビッグ錠「俺流!絶品めし vol.33 快盗くいしん坊 第32話」ぶんか社から一部引用

 お寺の鐘や学校のストーブ、通天閣の鉄骨まで回収されたようです。

 さらに「金属類回収令」は、豆腐の凝固剤として使われる「にがり(苦汁)」の回収にまで及びました。

(にがりの回収)
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 魚乃目三太「戦争めし 命を繋いだ昭和食べ物語 其の弐 豆腐が消えた日」秋田書店から一部引用

 一見、「にがり」は金属類とは関係がないように思えますが、実は「ジュラルミン」の精製に「にがり」の主成分である塩化マグネシウムが必要とされたのです。

(「にがり」と「ジュラルミン」の関係)
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 魚乃目三太「戦争めし 命を繋いだ昭和食べ物語 其の弐 豆腐が消えた日」秋田書店から一部引用

 「ジュラルミン」は、軽くて強度がある金属なので、日本海軍の戦闘機・ゼロ戦の翼の骨組みなどに用いられました。

(「ジュラルミン」とゼロ戦)
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 魚乃目三太「戦争めし 命を繋いだ昭和食べ物語 其の弐 豆腐が消えた日」秋田書店から一部引用

 「にがり」を使って豆腐を作らず、ゼロ戦が製造されたというわけです。

 ※同様の話として、戦時中、ワイン(の結晶)から作られた兵器「水中聴音機(パッシブソナー・海中の潜水艦などをいち早く探知するための装置)」があります。

 こうして日本中の豆腐屋は「にがり」を入手することが困難となり、戦時中は営業の自粛を余儀なくされました。

 そんな中、満州へ出兵していた京都の豆腐屋出身の兵士が、満州で「豆腐」を見つけます。

 この兵士が地元の人に「豆腐」の作り方を尋ねたところ、中国では豆腐の凝固剤として「石膏のとぎ汁」が使われることがわかりました。

 終戦を迎え、日本(京都)へ帰国したこの兵士は、不足していた「にがり」に代わり、「石膏(澄まし粉・硫酸カルシウム)」を使って豆腐屋の営業を再開することを提案します。

(中国の石膏を使った豆腐の提案)
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 魚乃目三太「戦争めし 命を繋いだ昭和食べ物語 其の弐 豆腐が消えた日」秋田書店から一部引用

 やがて、石膏を使った豆腐は「つるっとして食べやすい」と評判になり、嵯峨・嵐山周辺の精進料理や湯豆腐に使われるようになりました。

 さらに、川端康成が小説「古都」で澄まし粉を使った豆腐を紹介したこともあって、京都の豆腐は全国的に有名になりました。


嵯峨豆腐「森嘉」

 京都の澄まし粉豆腐を求めて、嵯峨嵐山を訪問しました。

(221系と223系・嵯峨嵐山駅)
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 近畿エリアの代表的なJR車両、221系(写真左)と223系(写真右)の連結車両です。

(嵐山・渡月橋)
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 嵐山の渡月橋(とげつきょう)周辺は観光客、とりわけ外国人観光客でとても賑わっていました。

 嵐山の観光地を離れ、嵯峨野の街を北へ向かってしばらく歩いたところに、澄まし粉豆腐を販売されているお店・嵯峨豆腐「森嘉(もりか)」があります。

(嵯峨豆腐「森嘉」店舗)
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 豆腐を買い求めるお客さんで賑わっていました。

(森嘉豆腐・商品案内)
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 嵯峨豆腐のほか、油揚げ、厚揚げ、ひろうす(がんも)など、数多くの商品が販売されています。

(嵯峨豆腐「森嘉」・店内の様子)
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 豆腐製造場の一部が販売スペースとなっています。

 嵯峨豆腐には、「大」・「小」(一般的な豆腐パックの大きさ)・「はだか」と3種類あり、地元の方は「大」を購入される方を多く見かけました。

 湯豆腐を作られるのでしょう。

 私は「嵯峨豆腐」(小)と「擬製豆腐(ぎせどうふ)」を購入しました。

 このお店のすぐそばにあるお寺「清涼寺(せいりょうじ)」へも行ってみました。

(清涼寺(嵯峨釈迦堂))
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 お釈迦様と光源氏にゆかりのあるお寺です。

 このお寺の境内には、嵯峨豆腐が食べられるお店「竹仙(ちくせん)」があります。

(清涼寺「竹仙」)
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 また、「森嘉」の向かいにも嵯峨豆腐が食べられるお店「おきな」があります。

(嵯峨「おきな」)
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 嵯峨豆腐「森嘉」の豆腐(澄まし粉豆腐)を取り扱っておられる飲食店は、嵯峨嵐山を中心に20店舗以上あります。


「祇園うえもり」の湯豆腐会席

 その日の夕方、澄まし粉豆腐の料理を味わうため、四条河原町から歩いて祇園を目指しました。

(四条・川端通り(八坂神社方面))
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 学生時代は京都に住んでいましたが、木屋町や河原町でのコンパ(飲み会)しか経験のない私にとって、祇園は全く縁のない街でした。

 ネクタイを締め、ジャケットを着用して、少し緊張しながらお店を訪問しました。

(「祇園うえもり」店舗)
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 こちらが祇園で澄まし粉豆腐(森嘉の嵯峨豆腐)を取り扱っておられるお店「祇園うえもり」です。

 カウンター席を御案内いただきました。

 目の前で板前さんが料理される姿を拝見しながら食事ができるのがカウンター席の魅力です。

 あらかじめ予約しておいた「湯豆腐と湯葉の会席」をいただきました。

(湯葉炊き)
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 湯葉炊きです。クコの実とおろしわさびが添えられています。

 何層にも重ねられた湯葉は、プツンプツンと心地よい歯応えがあり、美味しい出汁をたっぷりと含んでいました。

 続いて、湯葉と鮪の刺身が用意されました。

(湯葉と鮪の刺身)
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 湯葉の刺身は適度な弾力があり、濃厚な大豆の味を楽しめました。

 鮪は中トロの刺身で、いいもの・美味しいものを食べてほしいという、お店の意気込みを感じました。

 そしていよいよ、湯豆腐の登場です。

(湯豆腐桶)
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 目の前に湯豆腐桶がセットされました。

 下部にある固形燃料から発する火で、豆腐などの具が加熱されています。

 手前の褐色のビンには湯豆腐の「たれ」が入っています。

 しばらく待っていると、食べ頃を迎えました。

(湯葉と湯豆腐)
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 木のフタを開けると、モワッと蒸気が漂いました。

 豆腐の上に湯葉がのせられています。

 小さな金網で湯豆腐をすくい、たれを注いだ小皿に入れました。

(湯豆腐(祇園うえもり))
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 これが澄まし粉豆腐(森嘉の豆腐)を使った湯豆腐です。

 澄まし粉豆腐の特徴は、ツルンとして、とてもやわらかいことです。

 まさに湯豆腐に最適な豆腐で、大豆の濃厚な風味と、とろけるような食感を味わうことができました。

 ただ、湯豆腐がとてもやわらかいので、箸で持ち上げるのに苦労しました。

 箸の扱いに慣れていない外国人観光客はなおさら難しいのではないかと、板前さんに質問してみました。

 すると、やはり「(湯豆腐を食べるのに)スプーンを求められるお客様が多く、外国からおいでのお客様はほぼ全員スプーンで召し上がります」とのことでした。

(ひろうす 湯葉あんかけ)
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 こちらは「ひろうす」の湯葉あんかけです。

 「ひろうす」は,つぶした豆腐に野菜を中心とした様々な具を詰めて油で揚げたもので,「飛竜頭(ひりょうず・ひりゅうず)」,さかのぼればポルトガルの揚げ菓子「フィリョース」がその名の由来とされています。

 いわゆる「がんも」,「がんもどき」のことです。

 今回の料理は、「森嘉」の銀杏とゆり根を包んだ「ひろうす」に、刻んだ湯葉のあんかけをかけた一品です。

 やわらかい湯豆腐とは対照的に、弾力があり、揚げた豆腐の旨味がぎゅっと凝縮されていました。


 このほか、天ぷらの盛合せ、ちりめん山椒ごはん・赤だし・漬物、デザートとしてチョコレートムースをいただき、大満足の会席でした。


森嘉の嵯峨豆腐(寄せ鍋・湯豆腐)・擬製豆腐

 後日、「森嘉」で購入した豆腐を味わってみました。

(森嘉の嵯峨豆腐(パック))
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 こちらは森嘉の嵯峨豆腐(小パック)です。

 この豆腐で寄せ鍋を作りました。

(嵯峨豆腐の寄せ鍋)
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 寄せ鍋のだしをたっぷりと含み、ふっくらとした豆腐に仕上がりました。

 豆腐はおたまですくわないと鍋の中で崩れてしまいますが…(笑)

 鍋に昆布を敷き、湯豆腐でも楽しみました。

(嵯峨豆腐の湯豆腐(鍋))
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 湯豆腐にはまとまった量の豆腐が必要となること、そのためには嵯峨豆腐(小)よりも嵯峨豆腐(大)の方が適していることが理解できました。

 醤油に広島県産の紅八朔(べにはっさく)の絞り汁を加えたポン酢でいただきました。

(嵯峨豆腐の湯豆腐)
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 だし汁をたっぷりと含み、ふわふわで繊細な湯豆腐を味わえました。

 これは澄まし粉豆腐ならではの味わいです。

 その優しい味わいに、体も心も温まる湯豆腐でした。

 擬製豆腐もいただきました。

(擬製豆腐(包装))
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 森嘉の店頭で時間をかけて丁寧に包装していただきました。

(擬製豆腐)
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 ずっしりと重たく、表面は厚焼き玉子のようです。

 表面にけしの実がまぶされています。

 一口サイズに切り分けました。

(擬製豆腐(切り分け))
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 見た目は焼き豆腐のようですが、甘い厚焼き玉子のような味のお菓子です。

 豆腐にかなりの圧力がかけられているからか、かまぼこのような弾力があります。

 和菓子の「松風(まつかぜ)」にも似ていると思いました。

 ほんのり甘い、上品でヘルシーな豆腐菓子です。


まとめ

 今回は京都の「澄まし粉豆腐」を中心に御紹介しましたが、左京区の南禅寺周辺では「にがり豆腐」を使った湯豆腐が提供されています。

 つまり、現在の京都では「にがり豆腐」を使った湯豆腐と「澄まし粉豆腐」を使った湯豆腐の食べ比べができるのです。

 「にがり豆腐」と「澄まし粉豆腐」

 それぞれの良さがあり、まさに甲乙つけがたいのですが、食感の違いから、判別はしやすいと思います。

 京都に住んでいた頃、スーパーやコンビニで豆腐を買う際に「京都の豆腐はサイズが大きいな」と思いましたが、今になってみれば、それだけ京都では豆腐が愛され、たくさん食べられている証拠なのだと思います。

 京都での同窓会の折、地元京都出身の同級生から発せられた言葉が衝撃的でした。

 私が「嵯峨には澄まし粉豆腐のお店があって、今朝そのお店へ行ってね…」と自慢たっぷりに話したところ、それを聞いた彼女は澄ました顔でこう言ったのです。

 「えっ、知ってるわ。当たり前やん!」

 それを聞いた私は、凝固剤を入れた豆腐のように一瞬で固まりました(笑)

 地元京都では有名な話のようです…。


<関連サイト>
 「豆腐の添加物を知る」(一般財団法人全国豆腐連合会)
 「戦時中のワイン造りの奨励」(国税庁・税の歴史クイズ)
 「嵯峨豆腐 森嘉」(京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町42)
 「清涼寺(嵯峨釈迦堂)」(京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46)
 「清凉寺 竹仙」(京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46)
 「嵯峨 おきな」(京都市右京区嵯峨釈迦堂大門町11)
 「祇園うえもり」(京都市東山区祇園町南側570-6)

<参考文献>
 魚乃目三太「戦争めし 命を繋いだ昭和食べ物語 其の弐 豆腐が消えた日」秋田書店
 ビッグ錠「俺流!絶品めし vol.33 快盗くいしん坊 第32話」ぶんか社

2023年12月17日 (日)

横浜発祥の洋食・デザートを求めて -ホテルニューグランドのスパゲッティナポリタン・ドリア・プリンアラモード、センターグリルのナポリタン-

日本初・発祥が多い街・横浜

(みなとみらい高層ビル群(桜木町駅前))
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 横浜は、日本で最初に開港した地であることから、「横浜が日本初」・「横浜が発祥」となっているもの・文化が数多くあります。

 鉄道、ガス灯、電話、日刊新聞、消防救急、牛鍋、食パン、アイスクリーム、ナポリタン(スパゲティ)、ドリア、プリンアラモードなどが挙げられます。

 横浜市内には、これらの発祥の地を示す石碑や案内施設もたくさんあり、歩いていて偶然見つけ、ハッと気づかされることも少なくありません。

 今回は、そんな「横浜発祥もの」の中から、ナポリタン(スパゲティ)、ドリア、プリンアラモードを御紹介したいと思います。


ホテルニューグランド発祥の料理・デザート

 横浜を代表する伝統的なホテル「ホテルニューグランド」です。

(ホテルニューグランド本館・夜景)
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(ホテルニューグランド本館・大階段)
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 ホテルニューグランドは、創業時、初代総料理長にパリで活躍していたスイス出身のフランス料理人「サリー・ワイル」を迎え入れ、本場のフランス料理(西洋料理)提供に力を注ぎました。

(ホテルニューグランド初代総料理長 サリー・ワイル)
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 (ホテルニューグランド展示品)

 その後、ホテルニューグランドで修行した料理人が日本全国のホテル・レストランへ展開し、フランス料理(西洋料理)の腕を振るったことで、日本各地にフランス料理・西洋料理が広まりました。

 一方でサリー・ワイルは、お客様の視点に立ち、自由な雰囲気を取り入れたスタイルの導入や料理の提供にも力を注ぎました。

 当時のレストランのメニューに「コック長はこのメニュー以外のいかなる料理にてもご用命に応じます」、パンフレットに「お好みのお料理がお選びいただける食堂でございます」と記載されていたことからも、その精神を読み取ることができます。

 その結果、コース料理だけでなくアラカルト(一品料理)での提供もなされるようになり、ホテルニューグランド独自の料理(洋食)・デザートも誕生しました。

 こうして誕生した料理・デザートが、今ではすっかりおなじみの「スパゲッティナポリタン」、「ドリア」、「プリンアラモード」です。

 ホテルニューグランド本館には、こうしたホテルニューグランド発祥の料理・デザートの物語が展示・紹介されています。

(ホテルニューグランド・サリーワイルが考案したドリア)
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 (ホテルニューグランド展示品)

 シーフードドリアは、サリー・ワイルが体調を崩した外国人客のために即興で考案した料理です。

(入江総料理長が考案したスパゲッティナポリタン)
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 (ホテルニューグランド展示品)

 スパゲッティナポリタンは、2代目総料理長の入江茂忠さんが、戦後、ホテルニューグランドがGHQ(連合国最高司令官総司令部)に接収された時代に、米兵が茹でたスパゲッティに塩・こしょう・トマトケチャップを和えたものを食べていることにヒントを得て作られた一品です。

(ホテルニューグランド発祥のデザート・プリンアラモード)
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 (ホテルニューグランド展示品)

 プリンアラモードも、戦後のGHQ接収時代に、甘いもの好きのアメリカ人のためにカスタードプリンとアイスクリームを合わせて盛り付けるようになったのがはじまりです。

 戦前から存在した「パフェ」を意識し、プリンを主役とした名前が付けられました。


ホテルニューグランド・ル グランの「ニューグランド物語~伝統の3品~」

 ホテルニューグランド本館の「ザ・カフェ」では、ホテルニューグランド発祥の料理・デザートを味わうことができます。

 私もスパゲッティナポリタン・ドリア・プリンアラモードをアラカルトで注文し、味わってみようと思ったのですが、よく調べてみると、系列店「ル グラン」に、これらの料理・デザートがセットになったお得なメニューがあることがわかりました。

 そこで私はこの「ル グラン」に伺い、セットメニュー「ニューグランド物語~伝統の3品~」をいただくこととしました。

 テーブルに案内され、セットメニューを注文して、しばらく待っていると、前菜が提供されました。

(前菜(トルティージャ・柿と生ハム・牛肉コロッケ))
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 トルティージャ(スペイン風オムレツ)、柿と生ハム、牛肉コロッケです。

 牛肉コロッケは挽き肉のみで作られており、前菜にも力が注がれいることがわかりました。

 続いて温かいスープが提供されました。

(カボチャのポタージュスープ)
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 熱々の濃いカボチャのスープは、寒い季節にぴったりです。

 そしていよいよ、メイン料理となるドリアとスパゲッティナポリタンが用意されました。

(シュリンプドリアとスパゲッティナポリタン)
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 「想像していたより一品一品が大きい」というのが最初の印象でした。

 ほかのテーブルに運ばれる料理やデザートを見ても、ボリューム満点のアメリカンサイズで提供されていました。


【スパゲッティナポリタン】

(スパゲッティナポリタン)
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 フレッシュなトマトに炒めた玉ねぎを合わせたソースで、具はハムとマッシュルームでした。

 ケチャップは使われていません。

 高級感のある具材で作られたトマトソースパスタでした。


【ドリア】

 続いてドリアをいただきました。

(シュリンプドリア)
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 大きめのココット(耐熱皿)に盛り付けられた熱々のシュリンプドリアです。

 「ドリアというからには、中にご飯が入っているのだろう」と思い、スプーンですくってみました。

(シュリンプドリア(中身))
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 中にはバターライスが敷き詰められ、大きめの海老、マッシュルーム、アサリも入っていました。

 そして何より嬉しかったのが、グラタンとバターライスの間にかけられていた濃厚な海老のクリームソース(アメリケーヌソース)です。

 これまで「グラタンにご飯を入れるなんて…」とドリアにはあまり興味を持っていませんでしたが、このドリアをいただいて、私の価値観は一変しました。


【プリンアラモード】

 デザートはプリンアラモードです。

 「プリンアラモードです」と提供されると、つい「あら、ドーモ」と言ってしまいそうです(笑)

(プリンアラモードとコーヒー)
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 「コルトンディッシュ」と呼ばれる平たいガラスの器に、プリン、アイスクリーム、果物、ホイップクリームが盛り付けられています。

(プリンアラモード)
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 プリンはかためでほろ苦い伝統的なプリンで、アイスクリームは卵黄とバニラの風味がしっかり効いたバニラアイス、果物はオレンジ・キウイフルーツ・リンゴ・プルーン・サクランボがのせられ、それにきれいに絞られたホイップクリームとミントが添えられていました。

 これも、イメージしていたプリンアラモードの概念を覆すほど完成度の高いデザートでした。

 横浜・ホテルニューグランド発祥の料理・デザートをまとめていただくことができました。


センターグリルの「ナポリタン」

 ホテルニューグランドの「スパゲッティナポリタン」はトマトソースですが、当然のことながら、横浜は馴染み深いケチャップで味付けした「ナポリタン」の発祥の地でもあり、提供するお店もたくさんあります。

 ケチャップで味付けしたナポリタンを提供する横浜の代表的なお店の1つが、野毛にある「センターグリル」です。

 センターグリルのナポリタンを味わうべく、桜木町駅から野毛へと向かいました。

 桜木町駅の北東側は、冒頭の写真「みなとみらい高層ビル群」のようなオフィス街・ショッピング街が広がっていますが、同駅の南西側・野毛は、居酒屋・飲食店を中心とした繁華街が広がっています。

 野毛を歩いていると、大岡川にかかる宮川橋と都橋の間に、実に味のある飲食店街がありました。

(都橋商店街(ハーモニカ横丁))
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 「都橋商店街(ハーモニカ横丁)」です。

 この都橋商店街(ハーモニカ横丁)の近くに「センターグリル」があります。

(センターグリル店舗)
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 米国風洋食「センターグリル」と書かれた看板に歴史を感じ、ナポリタンへの期待値が上がりました。

 お店の2階へ案内され、単品のナポリタンを注文しました。

 しばらくして、センターグリルオリジナルの皿に盛られたナポリタンが提供されました。

(ナポリタン)
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 そうそう、ナポリタンと言ってイメージするのは、まさにこれです。

 ケチャップの甘酸っぱい香りが広がりました。

 具はハム・玉ねぎ・ピーマン・マッシュルームで、仕上げに粉チーズがまぶされています。

 ポテトサラダと千切キャベツも盛られています。

 いただいてみると、麺は太麺でコシがあり、ケチャップや具材とよく絡んでいて、ナポリタンに抱く期待どおりの美味しさでした。

 ちなみに、このお店には「ナポリタン」のほかに「イタリアン」という名称のスパゲティも提供されています。

 「イタリアン」はケチャップで炒め、ミートソースがかけられたスパゲティです。

 私は新潟の「イタリアン」を思い出しました。

 このお店の看板メニューは言うまでもなく「ナポリタン」なのですが、セットメニューで提供されるスパゲティには、この「ナポリタン」ではなく「イタリアン」が付きます。

 なぜだろうかと思っていましたが、お店の方のお話でその疑問が解けました。

 麺と具を一緒に炒める「ナポリタン」に比べ、ケチャップで炒めた麺にミートソースを盛る「イタリアン」は調理の手間・時間が少なくて済むことが理由のようです。

 センターグリルには、「ナポリタン」と「イタリアン」、白ご飯を卵で包んだ「オムライス」とケチャップライスを卵で包んだ「チキンライス」が御用意されています。

 食べ比べをしてみるのも面白いでしょう。


<関連サイト>
 横浜観光情報「横浜発祥グルメ・発祥グルメ年表」(横浜観光コンベンションビューロー)
 「ホテルニューグランド ル グラン」(横浜市西区南幸1-6-31 横浜高島屋8階)
 「センターグリル」(横浜市中区花咲町1-9)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪5 -日本のイタリア料理史・「イタリアン」と呼ばれる料理・新潟の「イタリアン」-

2023年11月12日 (日)

徳島県鳴門市・第九の里なると(板東俘虜収容所跡地・ドイツ館・道の駅第九の里)を訪ねて -第九の里ジェラート-

徳島駅から板東駅へ

 徳島県を訪問しました。

 今回は徳島県鳴門市の「第九の里なると」(板東俘虜収容所跡地・ドイツ館・道の駅第九の里)を御紹介します。

 JR徳島駅からJR高徳線を利用し、板東(ばんどう)駅を目指しました。

(徳島駅2番ホーム・特急うずしお・高松行)
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 徳島駅2番ホームに停車する高松行きの「特急うずしお」です。

(徳島駅2番ホーム・特急うずしお・普通列車)
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 私が乗る列車は、この特急うずしお…の奥に待機している後続列車です。

(徳島駅2番ホーム・普通列車・板野行)
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 JR高徳線・板野(いたの)行きの普通列車(気動車・ワンマン)です。

 快調なディーゼルエンジンの音を聞きながら、徳島駅を出発しました。

(徳島駅・出発進行)
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 童心に帰り、運転席の横でワクワクしながら景色を楽しみました。

(先頭車両から見た吉野川・吉野川橋梁)
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 吉野川橋梁からは吉野川が見えました。

 利根川の「坂東太郎」、筑後川の「筑後次郎」に続く「四国三郎」です。

 車窓からの景色をしばらく楽しんでいるうちに、列車は板東駅に到着しました。

(板東駅に到着した普通列車)
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 運転手さんに改札してもらうところが、ほのぼのして良かったです。


板東駅から徒歩で「第九の里なると」へ

 板東駅に「第九の里なるとマップ」がありました。

(第九の里なるとマップ)
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 板東駅から「第九の里なると」の各施設までは、少し距離があるのですが、私は徒歩で向かいました。

 駅前の古い街並みの残る「ばんどう門前通り」を歩き、橋を渡り、大きな県道に出て、「この道で合っているのだろうか」と不安になっていると、目の前に案内標識が見えました。

(鳴門市ドイツ館・賀川豊彦記念館・大麻比古神社・霊山寺案内標識)
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 ホッと一安心し、板東俘虜収容所跡地を目指しました。


板東俘虜収容所跡地

 1914年8月、第一次世界大戦の影響を受けて、中国・青島(チンタオ)で日本とドイツの間で戦争(日独戦争)が起きました。

 この戦争の影響で、日本はドイツ兵捕虜(俘虜)を日本各地の収容所(習志野(千葉)、名古屋(愛知)、青野原(兵庫)、板東(徳島)、似島(広島)、久留米(福岡))へ移送しました。

 「板東俘虜収容所(ばんどうふりょしゅうようしょ)」は、その収容所の1つです。

(四国各地の俘虜収容所と板東俘虜収容所)
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 (鳴門市「「板東俘虜収容所」の世界」から一部引用)

 四国には板東のほかに、徳島・丸亀・松山にも収容所がありましたが、板東に集約され、ピーク時には1,000人を超える捕虜(俘虜)が収容されました。

(板東俘虜収容所要図)
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 (鳴門市「国指定史跡 板東俘虜収容所跡 -語り継がれてきた約100年前の歴史に学ぶ-」から一部引用)

 板東俘虜収容所の敷地面積は約57,000㎡で、管理棟、兵舎(バラッケ)、給水施設、調理場、製パン所、浴室、食堂、酒保(売店)などがありました。

 敷地内を散策してみました。

(ドイツ兵の慰霊碑)
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 こちらは収容所で亡くなったドイツ兵の慰霊碑です。

 写真手前の慰霊碑は、昭和23(1948)年に地元住民によって再発見され、のちに鳴門市とドイツ・リューネブルク市とで国際交流が始まるきっかけとなりました。

 写真右上の慰霊碑は、全国の収容所で亡くなった捕虜を弔うために建てられたドイツ兵合同慰霊碑です。

(製パン所跡)
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 こちらは製パン所跡です。

 当初、日本人が「かまど」を作りましたが、よく故障し、ドイツ人が好むパンが焼けなかったことから、ドイツ人捕虜が作り直しを願い出ました。

 それが認められ、かまどが作り直されてようやく美味しいパンが焼けるようになったようです。

(製パン所内部(当時)の写真)
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 (鳴門市「国指定史跡 板東俘虜収容所跡 -語り継がれてきた約100年前の歴史に学ぶ-」から一部引用)

 「パンのことなら俺たちに任せろ」と言っているように見えます(笑)

 パンのほかに、ソーセージやドイツ菓子も作られたようです。


鳴門市ドイツ館

 板東俘虜収容所跡地を見学した後、高松自動車道をくぐって道の駅「第九の里」・鳴門市ドイツ館を訪問しました。

(道の駅「第九の里」と鳴門市ドイツ館)
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 写真手前が道の駅「第九の里」、奥が鳴門市ドイツ館です。

 道の駅「第九の里」は、兵舎(バラッケ)を利用した建物となっています。

(鳴門市ドイツ館)
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 「鳴門市ドイツ館」は、板東俘虜収容所で生活していたドイツ人捕虜と地元民の交流を後世に伝えるために建てられた施設で、元捕虜から寄贈された資料など、当時の貴重な資料が展示されています。

 このドイツ館の敷地に「第九」の作曲者・ベートーヴェンの銅像が設置されています。

(ベートーヴェン像)
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 ゴミを後ろへ放り投げている姿…ではなく、音楽の指揮を執っている姿です(笑)

(ベートーヴェン像の説明)
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 ベートーヴェン像の石台には「ベートーヴェン「第九」交響曲は、1918年6月1日、ここ板東において日本で初めて演奏された」との説明文があります。

 なんだ年末じゃないのか…(笑)

 続いてドイツ館の館内を見学しました。

 受付でチケットを購入し、写真撮影の承諾申請書も提出しました。

(仲間との食卓)
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 (ドイツ館・館内展示)

 兵舎(バラッケ)での仲間との食事の様子です。

(ドイツ兵が使っていたヴァイオリン)
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 (ドイツ館・館内展示)

 こちらはドイツ兵が使っていたヴァイオリンです。

 館内で音楽活動の紹介映像も鑑賞したのですが、その中で「ドイツ人捕虜は男性ばかりだったので、第九合唱の際、高音のソプラノやアルトのパート配分で苦労した」というお話が印象的でした。

 1階のミュージアムショップへ行くと、ドイツや音楽関係のグッズが販売されていたので、私はドイツのプレッツェルスナックやピアノの鍵盤がデザインされた定規などを購入しました。

(フーバープレッツェル)
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第九の里カフェの「第九の里ジェラート」

 ドイツ館の見学を終え、道の駅「第九の里」に併設する「第九の里カフェ」へ向かいました。

(第九の里カフェ)
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 このお店で、鳴門ご当地料理「鳴ちゅるうどん」や第九・ドイツにちなんだ「第九ホットドッグ」、「カリーヴルスト」をいただく予定でした。
 (この写真はそのつもりで到着してすぐに撮影したものです。)

 これが今回の訪問のハイライトであり、一番の楽しみでした。

 が…ドイツ館を見学している間に15時30分を過ぎ、お店はすでにオーダーストップを迎えていたのです。

 「ジャジャジャジャーン」

 私の心の中でベートーヴェン交響曲第5番「運命」が流れたのは言うまでもありません。

 気を取り直し、道の駅「第九の里」物産館を見て回ると、「第九の里ジェラート」が販売されていました。

(「第九の里ジェラート」案内看板)
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 なると金時、すだち、和三盆、れんこん、鳴門わかめといったご当地食材が使われたジェラートも提供されています。

 数多くのジェラートの中から、私は「和三盆とつぶつぶれんこん」のジェラートをいただきました。

(第九の里ジェラート(和三盆とつぶつぶれんこん))
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 和三盆はやさしい甘みとくちどけが特長の高級砂糖で、徳島県(阿波和三盆)と香川県(讃岐和三盆)のものが有名です。

 そしてレンコンですが、徳島県のレンコン生産量は、茨城県に次いで全国第2位を誇っています。

 ジェラートには、この和三盆と細かく刻まれたレンコンが加えられていました。

 和三盆のやさしい甘みと、レンコンのシャクシャクとした食感を楽しめるジェラートでした。


まとめ

 捕虜(俘虜)収容所と聞けば、暗くて非人道的な扱いを受ける施設とイメージしがちですが、板東俘虜収容所は松江豊寿(まつえ とよひさ)所長のもと、ハーグ陸戦条約に基づき、人道的に対応され、自主性も尊重されたようです。

 ドイツ兵による地元住民との交流、音楽活動、演劇活動、スポーツ活動、食品(パン・ソーセージ・ドイツ菓子など)製造、作品展覧会といった文化的活動は、ある程度の自由と余裕がなければ成し得ません。

 広島市南区の似島(似島捕虜収容所跡)でも同様の文化的活動がなされたようです。

 その結果として、板東俘虜収容所では日本で初めてベートーヴェンの「第九」が紹介され、似島俘虜収容所ではカール・ユーハイムにより日本初のバウムクーヘンが誕生したのです。

 こうした事実は、敵・味方や国の枠を超えた、人と人としての素晴らしいつながりがあったことを物語っています。


<関連サイト>
 「板東俘虜収容所跡」(鳴門市)
 「鳴門市ドイツ館」(徳島県鳴門市大麻町桧字東山田55-2)
 「道の駅「第九の里」」(徳島県鳴門市大麻町桧字東山田53)

<関連記事>
 「日本のバウムクーヘン発祥の地・似島 -似島とカール・ユーハイム,似島バウムクーヘン-

<参考文献>
 「国指定史跡 板東俘虜収容所跡 -語り継がれてきた約100年前の歴史に学ぶ-」鳴門市
 「「板東俘虜収容所」の世界」鳴門市

2023年10月15日 (日)

元祖鴨南ばんの味を求めて -神奈川県藤沢市湘南台「元祖鴨南ばん本家」の「治兵衛の鴨南ばん」-

「南蛮」と呼ばれる料理・食材の謎

 日本には「南蛮(なんばん)」と呼ばれる料理や食材が数多くありますが、時折、「そもそも「南蛮」って何だろう」と思うことがあります。

 「南蛮」は、もともと中国から見て南方の異民族を意味する言葉のようですが、日本では、その南蛮(東南アジア)経由で来航したポルトガル・スペイン人を「南蛮人」と呼び、この南蛮人が持ち込んだ野菜(唐辛子、カボチャ)や病気予防に食べられた辛味野菜(ネギ)、そしてお菓子(カステラ、金平糖、鶏卵素麵など)などにも「南蛮」という名前が用いられました。

 また「チキン南蛮」や「鯵の南蛮漬け」のように、唐辛子入りの甘酢(マリネ液)に食材を漬け込んだ料理も「南蛮」と呼ばれます。

 さらには、トウモロコシ(玉蜀黍)のことを「なんばんきび(南蛮黍)」と呼んだり、炒め物や揚げ物のことを「なんばん(南蛮)」と呼んだりする地方もあります。

 その一方で、「柚子胡椒(ゆずこしょう)」のように、九州を中心に唐辛子を「南蛮」とは呼ばず「こしょう」と呼ぶ地域もあるので、ややこしいのですが…。

 とりあえず舶来品の食材・料理は「南蛮」と呼ぼう、みたいな雰囲気があったのでしょうね。

 かつて中国の一大輸出港だった天津(港)のイメージが先行し、天津発祥ではないのに「天津飯」とか「天津甘栗」と呼ばれることとよく似ています。

 汁そばのトッピングとしてカボチャ(南蛮)とトウモロコシ(南蛮)のかき揚げ(南蛮)をのせ、刻みネギ(南蛮)を盛って、一味唐辛子(南蛮)を振りかけたら、「南蛮南蛮南蛮南蛮南蛮そば」となってしまいます(笑)


元祖鴨南ばん本家の「治兵衛の鴨南ばん」

 神奈川県藤沢市湘南台に鴨南蛮発祥のお店があります。

 「元祖鴨南ばん本家」です。

 江戸時代に、お店の初代・笹屋治兵衛が長崎の「南蛮煮(唐辛子やネギを使ったり、食材を油で揚げたり炒めたりした後で煮込んだ料理)」をもとに「鴨南ばん」を考案したところ、江戸中の評判となり、親しまれるようになったようです。

 その後、このお店は東京・日本橋馬喰町から神奈川県藤沢市湘南台へ拠点を移し、現在に引き継がれています。

(元祖鴨南ばん本家・店舗)
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 こちらが藤沢市湘南台にあるお店「元祖鴨南ばん本家」です。

(元祖鴨南ばん本家・看板)
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 お店の玄関に「日本橋馬喰町・元祖鴨南ばん本家」と書かれた木の看板が置かれています。

 お店に入り、お品書きを見ると「鴨南ばんの由来」が紹介されていました。

(鴨南ばんの由来)
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 由来には、「金比羅宮にお参りする道中、長崎から伝わった「南蛮煮」を食べ、それをもとに「鴨南ばん」を考案した」と紹介されています。

 金刀比羅宮のある讃岐(香川県)は「そば」ではなく「うどん」文化の地です。

 汁そばに鴨肉とネギをのせる「鴨南蛮」は、「そば」文化の根付いた江戸の人ならではの考案だったと言えるでしょう。

 やがて出来上がった料理が運ばれてきました。

(治兵衛の鴨南ばん(朱塗りのふた))
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 初代治兵衛の鴨南ばんは、このように丼に朱塗りのふたをして提供されます。

(治兵衛の鴨南ばん)
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 青森県産の本鴨と江戸千住葱が使われています。

 また、香り付けに柚子の皮ものせられています。

(治兵衛の鴨南ばん(そば))
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 白色でつるっとした食感のそばです。

 主張せず、おつゆの旨味をしっかりと受け止めてくれるそばでした。

(治兵衛の鴨南ばん(骨付き本鴨肉))
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 鴨肉は、本鴨の切り身と骨付き肉がのせられています。

 切り身はやわらかい肉と甘い脂の両方が楽しめ、骨の周りの肉は弾力があって凝縮した旨味が楽しめました。

 鴨とネギを組み合わせると、実に旨いだしがとれ、そばとの相性も抜群です。

 「鴨がネギを背負ってくる」ような旨い話はあるのです(笑)


まとめ

 今と違って、外国との交易が少なかった時代の日本では、外国から渡ってきた食べ物や、それまでの日本にはない調理法・食べ方をする料理をひとくくりに「南蛮」と呼び、日本のものと区別していました。

 面白いのはその「南蛮」と付く料理やお菓子のほとんどが、日本で独自に進化し、すっかり日本の料理・食材・お菓子となっていることです。

 例えば「カレー南蛮そば」は、インド料理ともスペイン・ポルトガル料理とも言えず、日本独自の料理に分類することとなるでしょう。

 いつか「南蛮」と付く料理に出会われたら、何の食材を対象にしているのか、どういう意味で使われているのかを、歴史的背景も踏まえながら考えてみると面白いと思います。


<関連サイト>
 「元祖鴨南ばん本家」(神奈川県藤沢市湘南台2-22-17)

2023年10月 8日 (日)

吉原の桜鍋・馬肉料理 -東京都台東区「桜なべ中江」の桜なべランチ-

吉原の桜鍋

 江戸時代、吉原(現在の東京都台東区千束)に幕府公認の遊郭が設けられました。

 以降、吉原は遊郭の街として華やかな文化が形成されました。

 食の分野においても、独自の食文化が形成されました。

 その1つが桜鍋です。

 桜鍋の桜は「馬肉」を意味します。

 吉原で桜鍋が食べられるようになった理由は定かではありませんが、「遊郭で遊びたい客が自分の乗ってきた馬を吉原で売って遊ぶ金を作った」、「馬を売りつけられたお店は、牛鍋にならって馬肉で鍋を作ることを考案し、売り出したところ、吉原名物として流行した」という言い伝えがあります。

 吉原で桜鍋を提供するお店は「蹴飛ばし屋」という愛称で呼ばれ、最盛期には20軒以上のお店で賑わったようです。

 現在は「桜なべ中江」1店舗のみとなってしまいましたが、このお店では吉原の伝統的な桜鍋を味わうことができます。


「桜なべ中江」の桜なべランチ

 吉原の桜鍋を味わうため、東京都台東区日本堤の「桜なべ中江」を目指しました。

 上野駅から台東区循環バス「ぐるーりめぐりん」に乗車しました。

(台東区循環バス「ぐるーりめぐりん」・上野駅入谷口)
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 土手通りにある「吉原大門(よしわらおおもん)」というバス停で下車すると、すぐ目の前に「桜なべ中江」がありました。

(「桜なべ中江」店舗(全景))
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 吉原大門はかつての吉原遊郭の玄関口で、「桜なべ中江」もこの場所で明治38年から桜鍋・馬肉料理を提供されています。

 近くには馬肉を販売されているお店もありました。

(馬肉の千葉屋)
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 こちらのお店では、様々な部位の馬肉だけでなく、馬肉の総菜(佃煮、ハンバーグ、煮こごりなど)や馬の油も販売されています。

 やがて開店(予約)時刻となったので、「桜なべ中江」に戻りました。

(「桜なべ中江」店舗(入口))
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 関東大震災の翌年に再建され、現存している建物で、文化庁の登録有形文化財に指定されています。

 お店に入ると、予約席へ案内していただきました。

 今回私はお昼時に訪問しましたが、ランチは土日祝のみで、1日限定30食となっています。

 最初に3点盛りが用意されました。

(3点盛り(お新香・馬刺し・桜肉佃煮))
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 写真左からお新香、馬刺し、桜肉佃煮です。

 馬刺しは生姜醤油でいただきました。
 肉質がとてもきめ細かく、やわらかくて、クセも全くありませんでした。

 桜肉佃煮は、馬肉を醤油や砂糖で甘辛く煮たものですが、やわらかく煮込まれており、酒の肴やご飯のおともに最適な一品でした。

 お新香をポリポリいただいていると、続いて馬肉の握り寿司が運ばれてきました。

(馬刺し握り寿司)
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 適度にサシ(脂)が入った馬肉の握り寿司です。

 肉がとてもやわらかく、口の中ですし飯と一緒になってスッと溶けていく感じでした。

 やがて「桜なべ」の準備が始まりました。

(桜なべセット(桜なべ・卵・ご飯・みそ汁))
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 こちらが桜なべのセットです。

 桜なべのほか、生卵、白ご飯、みそ汁が用意されました。

 桜なべのコンロに火をつけ、煮込みの開始です。

(桜なべ)
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 玉ねぎ、江戸菜(小松菜)、しらたき、麩、焼き豆腐、しめじと一緒に秘伝の味噌だれで煮込みます。

 やがて桜肉(馬肉)が桜色になりました。

 取り皿に桜肉などを入れ、溶き卵をつけていただきました。

(取り皿の卵につけた桜肉・しらたき・麩)
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 甘辛いタレが桜肉に浸み込み、より一層美味しく、食べやすくなりました。

 馬肉を煮て固くなるどころか、逆にやわらかくなったのが不思議でした。

 江戸菜、しらたき、麩、焼き豆腐、しめじも味噌だれと馬肉の旨味をたっぷりと含み、心ゆくまで桜なべを堪能できました。

 食べ終えると、体が芯から温まり、精力がついたように思いました。

 精算を済ませ、「どれ、ちょいと街へ繰り出そうかい」とお店の戸を開けた瞬間、外は土砂降りの雨でした。

 お店の目の前がバス停なので、しばらく玄関で雨宿りし、バスに飛び乗って浅草駅へ向かいました。

 浅草駅に着いた途端、雨は止みましたが、お店の目の前がバス停だったので助かりました。


 桜鍋をつつきながら、吉原の歴史に思いを馳せるのも、東京の楽しみ方の1つです。


<関連サイト>
 「桜なべ中江」(東京都台東区日本堤1-9-2)

<参考文献>
 土田美登世「いまどきの旬 桜鍋」(「dancyu」2022年2月号)
 榊こつぶ「江戸を喰う 桜なべ」(ぶんか社「俺流!絶品めし」Vol.30)

2023年8月27日 (日)

菅原道真ゆかりの地(大阪府藤井寺市道明寺)で道明寺粉と道明寺桜餅について学ぶ

道明寺桜餅と道明寺

 和菓子の桜餅は、小麦粉の生地で作られた関東風の「長命寺桜餅」と、もち米(道明寺粉)で作られた関西風の「道明寺桜餅」の2種類に分類できます。

 その「道明寺」という名称のルーツである大阪府藤井寺市の道明寺。

 和菓子好きな方、和菓子を作っておられる方、食文化に興味をお持ちの方などで、このお寺の名前を御存知の方も多いと思います。

 今回、道明寺粉と道明寺桜餅について学ぶため、大阪府藤井寺市道明寺を訪問しました。


近鉄・道明寺駅と道明寺天神通り商店街

 近鉄南大阪線・準急列車で近鉄・道明寺駅に到着しました。

(近鉄列車と道明寺駅ホーム(準急・河内長野行きと普通・柏原行き))
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 道明寺駅は近鉄・南大阪線と道明寺線の駅です。

 駅を出てすぐの場所に、「大坂夏の陣・道明寺合戦記念碑」がありました。

(大坂夏の陣・道明寺合戦記念碑)
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 道明寺合戦は、大坂夏の陣で真田幸村軍と伊達政宗軍が激突した戦いです。

 それから約400年の時を経た夏、ようやく私が道明寺の地にたどり着きました(笑)

 道明寺駅周辺の地図を見ると、道明寺と道明寺天満宮があり、その寺社に続く商店街「道明寺天神通り商店街」がありました。

(道明寺天神通り商店街)
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 どこか懐かしさを感じる、地域に密着した商店街です。

 道明寺を訪問する前に、ぜひとも調達しておきたい食べ物がありました。

 桜餅です。

 道明寺周辺のお店で桜餅を買って、道明寺境内でいただく、名付けて「道明寺作戦」。

 戦いの火ぶたが切って落とされ、スマートフォンを片手に「桜餅はどこじゃ、どこにあるのじゃ」と目の色を変えて和菓子店を探しました。

 そうして見つけたお店が「御菓子司 梅屋店舗」です。

(御菓子司 梅屋店舗)
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 「見つけたり!」

 でもお店のシャッターがちょっと気になり…さらにお店に近づいてみると…。

(休業の貼り紙)
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 「誠に勝手ながら しばらくの間休業させていただきます」

 「無念じゃ、安芸の国から参ったのに、実に無念じゃ…」

 明らかにトーンダウンして引き戻しました。

 でも気分だけでも味わいたいと思い、道明寺近くのスーパーマーケットへ行きました。

(食品館アプロ 道明寺店)
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 和菓子コーナーへ行くと、季節外れなので桜餅はなかったものの、土用餅と柏餅のセットが販売されていました。

 この和菓子セットを購入し、道明寺へ向かいました。


道明寺

 道明寺入口にたどり着きました。

(道明寺入口)
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 少し緊張しつつ、山門に向かいました。

(道明寺山門)
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 気を引き締めて、山門をくぐりました。

 入ってすぐのところに、道明寺略縁起(りゃくえんぎ、起源・由来)がありました。

(道明寺略縁起)
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 道明寺の由来については、後ほどまとめて御紹介します。

(道明寺案内板)
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 こちらは道明寺の案内板で、現代版「道明寺略縁起」です。

(道明寺本堂(遠景))
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 こちらが道明寺の本堂です。

 さらに歩いて近づいてみました。

(道明寺本堂)
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 道明寺本堂を正面から眺めた様子です。

 心ばかりのお賽銭を納め、手を合わせました。

(伊藤柏翠の句碑)
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 境内に句碑がありました。

 その1つ、伊藤柏翠(いとう はくすい)の「大安で吉日 梅の道明寺」という句碑です。

 いくら桜餅に道明寺粉が使われようと、菅原道真と言えばやはり「梅」なのですね。

 ひととおり境内を散策した後で、椅子に腰かけ、休憩を兼ねて和菓子をいただきました。

 境内で食べることに少し申し訳なさを感じましたが、お賽銭を納めたことでお許しをいただこうと思います。

(土用餅・柏餅)
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 道明寺でいただいた土用餅と柏餅です。

 ここで道明寺桜餅をいただきたかった…(笑)


道明寺天満宮

 道明寺に隣接して道明寺天満宮があります。

 天満宮と言えば、菅原道真を祭神とする神社で、北野天満宮(京都)、大宰府天満宮(福岡)、防府天満宮(山口)など全国各地にありますが、道明寺天満宮もその1つです。

 この道明寺天満宮を訪問しました。

(道明寺天満宮神門)
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 天満宮の梅の紋章もあります。

(道明寺天満宮注連柱・灯籠)
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 道明寺天満宮の注連柱(しめばしら)と灯籠(とうろう)です。

 さらに中へと進みました。

(道明寺天満宮拝殿)
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 こちらが道明寺天満宮の拝殿です。

 梅の紋章があちこちに配されています。

 ならば天神さまお使いの「牛」もいらっしゃるのではないかと探してみると…

(撫で牛)
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 やはりいらっしゃいました。

 ここで私も一句。

 「東風(こち)吹かば におひおこせよ 桜餅 桜なしとて 餅を忘るな」

 意味「(道明寺や道明寺天満宮に)桜のおもかげはなくとも、桜餅のことも忘れないでほしい。せめて桜餅の匂いだけも感じられたら…」

 道明寺桜餅への深い思い入れが感じられる一句です(笑)


道明寺粉についてわかったこと

 今回道明寺や道明寺天満宮を訪問し、道明寺粉についてわかったことをまとめてみます。

○土師氏の寄進により建立された尼寺で、当初は「土師寺」と呼ばれていた。

○菅原道真の伯母の覚寿尼(かくじゅに)が住職をしていたこともあり、菅原道真自身もよくこのお寺を訪問した。

○菅原道真は、土師氏の後裔(こうえい)にあたる。

○本尊の国宝十一面観音菩薩像は、菅原道真が自ら刻んだ像だと伝えられている。

○菅原道真の左遷が決まった時、菅原道真は土師寺を訪れ、覚寿尼と別れを惜しんだ。

○菅原道真の死後、「土師寺」は菅原道真の号「道明」にちなんで「道明寺」と改められた。

○桜餅の材料として有名な「道明寺粉(糒、ほしい、ほしいい)」は、菅原道真が太宰府に左遷された後、覚寿尼が毎日お供えした御膳のお下がりを多くの人に分け与える為に乾燥・貯蔵したことが始まり。

 道明寺粉は、お供えした後のごはんをパラパラに乾燥させた「干し飯(ほしいい)」のことで、それを蒸したり茹でたりすることで、再びごはんやお餅に戻して食べられたようです。

 「菅原道真へのお供えしたご飯のお下がり」が「道明寺糒(道明寺粉)」へとつながり、やがてその道明寺粉が和菓子の材料として用いられるようになり、道明寺粉の名前を冠した道明寺桜餅として西日本を中心に広まったのです。


まとめ

 藤井寺市道明寺は、「道明寺桜餅」発祥の地というよりは、桜餅の材料となる「道明寺粉(糒、干し飯)」発祥の地であり、菅原道真ゆかりの地であることがわかりました。

 そのため、本来は菅原道真と関わりの深い「梅」の街なのですが、全国的には道明寺粉を使った道明寺桜餅が有名になったため、「桜」の街だと思われることもあるのです。

 ちなみに、後になって知ったのですが、道明寺では「道明寺糒(どうみょうじほしい)」が1本千円で販売されているようです。

 私も「あっ、ほしい」と思ったのですが、時すでに遅しでした。

(近鉄列車と道明寺駅ホーム(普通・古市行きと普通・柏原行き))
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 菅原道真ゆかりの地を訪問したことで、様々なことを学べました。


<関連サイト>
 「蓮土山 道明寺」(大阪府藤井寺市道明寺1-14-31)
 「道明寺天満宮」(大阪府藤井寺市道明寺1-16-40)

<関連記事>
 「関東の和菓子と関西の和菓子 -和菓子の比較検証-

2023年6月18日 (日)

マリー・アントワネット 王妃のお茶会 -ヒルトン広島のデザートビュッフェ-

ヒルトン広島の「マリー・アントワネット 王妃のお茶会」

 広島市中区富士見町にあるホテル「ヒルトン広島」を訪問しました。

(ヒルトン広島)
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 G7広島サミットでアメリカのバイデン大統領が宿泊されたホテルです。

(ヒルトン年表(日本初のデザートビュッフェ))
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 エントランスに展示されている年表には、1984年にヒルトン(ヒルトン東京)が日本で初めてデザートビュッフェを提供されたことなどが紹介されています。

 このホテルで、マリーアントワネットにまつわるお菓子・ドリンクがビュッフェ方式で楽しめる「マリー・アントワネット 王妃のお茶会」が開催されています。(2023年5月27日~8月27日の週末)

 マリーアントワネットにまつわる豪華なお菓子・ドリンクが食べ放題という、夢のようなイベントに心惹かれ、参加しました。

 会場のオールデイダイニング「モザイク」の様子です。

(「マリー・アントワネット王妃のお茶会」会場入口)
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 会場入口にマリーアントワネットにまつわるドレスと直筆の手紙が展示されていました。

(マリーアントワネット展示品(ドレスと直筆の手紙))
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 ピンク色の豪華なドレスに、マリーアントワネットらしさを感じました。

(マリー・アントワネット直筆の手紙)
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 マリーアントワネットの手紙は、相手だけがわかる秘密の暗号で真意が書かれたり、見えないインクで文字の行間などに書かれることもあったようです。

 マリーアントワネットにまつわる手紙は秘密と安全のため開封後に焼却処分される習慣がある中、このように現存する手紙は大変貴重なもののようです。

 御案内いただいたテーブル席に着くと、オリジナルのペーパーランチョンマットとカトラリーが用意されていました。

(ペーパーランチョンマット(マリーアントワネットビュッフェ))
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 周囲を見渡すと、マリーアントワネットのイベントということで、豪華に着飾った女性の方も見かけました。

 マリーアントワネットの宴に呼ばれたような感じですが、もし本当の宴なら私は門前払いでしょう(笑)


スイーツビュッフェ会場の様子

 ビュッフェ開始前に、スイーツビュッフェの見学・撮影タイムが設けられました。

 ビュッフェ会場で堂々と写真撮影ができるのは珍しいですが、これもマリーアントワネットのイベントならではのサービスです。

(スイーツ・装飾品コーナー(その1))
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 きらびやかな装飾品とスイーツの数々、もう夢の世界です。

 大勢の人々が一斉に撮影される中、人の顔が写り込まないように撮影するのはとても大変でした。

(スイーツ・装飾品コーナー(その2))
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 お菓子も装飾品もピンク色で揃えられ、どれがお菓子でどれが装飾品か迷ってしまいます。

(マカロンとミニシュークリーム)
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 マカロンやミニシュークリームもピンク色です。

(チョコレートファウンテン)
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 こちらはホワイトチョコレートとストロベリーチョコレートのチョコレートファウンテンのコーナーです。

 マシュマロ、パイナップル、メロン、バウムクーヘンが用意されていました。

(ブレッド&バタープディングとストロベリークロワッサン)
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 ブレッド&バタープディングと言えばイギリスですが、私はフランスの「パンペルデュ」(フレンチトースト)をイメージしました。

(ストロベリークロワッサンとカモミールマドレーヌ)
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 クロワッサンもストロベリーチョコレートがかけられてピンク色に仕上げられていました。


スイーツビュッフェ1皿目

 ビュッフェタイムが告げられると、私を含む参加者が、お菓子やドリンクを求めて、フランス革命のごとく一斉に突撃しました(笑)

 私は普段、そんなにお菓子は食べませんが、今日だけは特別です。

 欲張っていろんなお菓子をお皿に盛りました。

(スイーツブッフェ(1皿目))
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 1品ずつ簡単に御紹介します。

【ア・ラ・マリー・アントワネット】

(ア・ラ・マリー・アントワネット)
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 マリーアントワネットのヘアスタイルをイメージした「マリーアントワネット風」デコレーションケーキです。

 エルダーフラワーシロップを浸み込ませたスポンジ生地にイチゴクリームがたっぷり使われたケーキです。


【カフェリエジョワ風チョコレートムース】

(カフェリエジョワ風チョコレートムース)
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 「カフェ・リエジョワ」、コーヒーに生クリームをのせたリエージュ風(ウィンナーコーヒー風)のチョコレートムースです。


【ポム・ダムール】

(ポム・ダムール)
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 「ピュイダムール(愛の井戸・愛の泉)」というパイの器の中にクリームを入れ、表面をキャラメリゼしたお菓子がありますが、「ポム・ダムール(愛のリンゴ)」というお菓子は初めて知りました。

 パウンドケーキの中にリンゴのコンポートが入ったお菓子です。


【ラズベリー・ビジュー】

(ラズベリー・ビジュー)
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 ラズベリーとディプロマットクリーム(カスタードクリームに生クリームを加えたもの)が入ったミニシュークリームです。


【バニラムースとグリオットのコンフィチュールタルト】

(バニラムースとグリオットのコンフィチュールタルト)
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 タルト生地の上に、バニラムースとグリオット(スリーズ(さくらんぼ)の1種)のコンフィチュール(シロップ煮)をのせたお菓子です。


【フロマージュブランとパイナップルライムのムース】

(フロマージュブランとパイナップルライムのムース)
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 クッキー生地の上にフロマージュブラン(白いクリーム状のチーズ)、パイナップル、ライムのムースがのせられたお菓子です。


【マカロン・イスパハン】

(マカロン・イスパハン)
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 ローズの香りを効かせたラズベリーバタークリームをサンドした赤いマカロンです。

 マカロンはマリーアントワネットが暮らしたヴェルサイユ宮殿と関わりが深いお菓子でもあります。


スイーツビュッフェ2皿目

 続いてスイーツビュッフェ2皿目を御紹介します。

(スイーツブッフェ(2皿目))
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【ブレッド&バタープディング】

(ブレッド&バタープディング)
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 パンにカスタード液をたっぷりと含ませて焼いたお菓子です。

 フランスのパンペルデュ(フレンチトースト)に似ています。


【カモミールマドレーヌ】

(カモミールマドレーヌ)
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 ジャーマンカモミール入りのマドレーヌです。

 マドレーヌはフランスを代表するホタテ貝の形をしたお菓子で、カモミールもフランスでは馴染み深いハーブの1つです。


【カップケーキ】

(カップケーキ)
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 レモン入りのカップケーキで、パッション風味のクリームがのせられています。

 このカップケーキや先のマドレーヌにのせられた紫色のスミレの花は、ハプスブルク家王妃・エリザベートが好んだ花でもあります。


【ライチグアバゼリー】

(ライチグアバゼリー)
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 ライチがトッピングされたグアバのゼリーです。


【レモンバーベナ・エメルード】

(レモンバーベナ・エメルード)
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 明るいライムグリーン色をしたレモンバーベナのソースがかけられたパンナコッタです。


【ストロベリークロワッサン】

(ストロベリークロワッサン)
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 ミニクロワッサンにストロベリーチョコレートがコーティングされた菓子パンです。


【ピンクチョコレートファウンテン(バウムクーヘン)】

(ピンクチョコレートファウンテン(バウムクーヘン))
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 一口大のバウムクーヘンを竹串に刺し、ピンクチョコレートの滝にくぐらせてコーティングしたお菓子です。


マリーアントワネット アンティークケーキとブレンドティー

 数々のお菓子を楽しんでいると、テーブル席に特別なケーキが運ばれてきました。

(マリーアントワネット アンティークケーキ)
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 マリーアントワネット アンティークケーキです。

 マリー・アントワネットに献上されたケーキを再現したお菓子で、ヴェルサイユのリンゴとバラのエッセンスが使用されています。

 「ニナス(NINA’S)」の紅茶「マリーアントワネットブレンド」と一緒にいただきました。

(マリーアントワネットブレンドティーのティーバッグ)
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 ニナスの紅茶(ティーバッグ)が何種類か用意されていましたが、一番人気はやはり「マリーアントワネットブレンド」でした。

(マリーアントワネットブレンドティー)
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 ティーカップもこのピンク色が一番人気でした(笑)


ビスキュイ・ド・サヴォワとマリーアントワネットが好んだクグロフ

 厨房に面白い案内板が掲げられていました。

(「ビスキュイをお食べなさい」)
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 「ビスキュイをお食べなさい」

 御命令ですから、是が非でも食べなければなりません(笑)

 「ビスキュイ(biscuit)」は「別立て(卵黄と卵白を別々に泡立てる製菓法)」で作られたスポンジ生地(ケーキ)のことで、ビスケットの語源にもなっています。

 サヴォワ地方の伝統的な焼き菓子です。

 厨房の奥にはビスキュイ・ド・サヴォワとクレームシャンティイ(生クリーム)が用意されていました。

(ビスキュイ・ド・サヴォワとクレームシャンティイ)
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 注文を受けてからクグロフ型のケーキをカットし、生クリームを添えて提供される方式でした。

(ビスキュイ・ド・サヴォワ)
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 ビスキュイに生クリームとバラのクリームが添えられています。

 シフォンケーキのような軽い食感のケーキで、クリームを添えるとより美味しくいただけました。

 ちなみに、ビスキュイの生地に牛乳、バター、洋酒、ドライフルーツ、アーモンドなどを加え、よりリッチなケーキに仕上げたものが「クグロフ」です。

 マリーアントワネットの故郷・オーストリアの郷土菓子でもあるクグロフは、マリーアントワネットとともにフランスに伝えられたとされます。

 マリーアントワネットが好んだとされるお菓子・パン(クグロフ、キッフェルン、ブリオッシュ)の1つです。


ローストポークハムサンドとニース風サラダ

 立て続けに甘いものを食べたので、次第に食べるペースが遅くなってきました。

 私:「マリーアントワネット王妃、こういう場合はどうすればよろしいでしょうか?」

 マリーアントワネット:「お菓子が食べられなければ、パンを食べればいいじゃない」

 というわけでパンとサラダをいただきました。

(ジャンボンブール風ハニーマスタードローストポークハムサンド・鮪のニース風サラダ)
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 ジャンボンブール風ハニーマスタードローストポークハムサンドは、ジャンボンブール(ハムとバターのサンド)にチーズ、ハニーマスタード、レタスなどを加えたバゲットサンドです。

 鮪のニース風サラダは、レタス、ゆで玉子、鮪(ツナ)、オリーブなどをドレッシングで軽く混ぜ合わせた料理です。


スイーツビュッフェ(3皿目)

 スイーツビュッフェ3皿目です。

(スイーツブッフェ(3皿目))
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 さすがに取ってくるお菓子の数が減っています(笑)


【シャポーブラン】

(シャポーブラン)
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 ココナッツムースの中に、マンゴーとパッションフルーツのジュレがサンドされた軽い口当たりのケーキです。

 マリーアントワネットの白い帽子(シャポーブラン)をイメージしたケーキです。

(白い帽子とネックレス)
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【プティブーケ】

(プティブーケ)
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 プティブーケ(小さな花束)のようにバラやチョコレートの花びらが飾られたケーキです。

 ブラッドオレンジのジュレが挟まれています。


【桃とローズのムース】

(桃とローズのムース)
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 クッキー生地の上に、桃とローズのムースが盛られたお菓子です。


ストロベリーアイスクリームとムラング

 厨房のアイスクリームコーナーでストロベリーアイスクリームを注文しました。

(ストロベリーアイスクリームとムラング)
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 アイスクリームはバニラ・チョコレート・ストロベリーの3種類、ソースはマンゴーとベリーの2種類が用意されていました。

 「ここまで来たら、とことんピンクと赤にこだわろう」と、ストロベリーアイスとベリーソースの組み合わせにしました。

 ムラング(メレンゲの焼き菓子)まで鮮やかな赤色でした。


まとめ

 改めて、今回いただいたお菓子・軽食・ドリンクを数えてみると、お菓子が20種類、軽食がサンドイッチとサラダで各1種類、ドリンクが紅茶1種類とコーヒー1種類(2杯)でした。

 数か月分のお菓子を一気にいただいた感じです(笑)

 かつてマリーアントワネットが愛したベルサイユ宮殿の離宮「プチ・トリアノン」に招かれたような、夢のようなひとときでした。


<関連サイト>
 「ヒルトン広島」(広島市中区富士見町11-12)
 「ニナス マリーアントワネット」(フランスの紅茶ブランド)

<関連記事>
 「イエズス会士書簡集とマリーアントワネット -東洋文庫 オリエント・カフェの文庫ランチ-
 「ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-

<参考文献>
 池上俊一「お菓子でたどるフランス史」岩波ジュニア新書
 安達正勝「マリー・アントワネット」中公新書
 21世紀研究会「食の世界地図」文春新書

2023年4月16日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」3-小松菜グルメスタンプラリー・小松菜サラダ・小松菜鍋・小松菜と牛肉の五香粉炒め・小松菜の肉巻き-

東京都江戸川区の「小松菜グルメスタンプラリー」

 東京都江戸川区で「第9回小松菜グルメスタンプラリー」(2022年11月1日~2023年1月31日)が実施されました。

 私は2022年12月末に江戸川区を訪問した際に,このスタンプラリーが実施されていることを知りました。

 興味を持った私は,レンタサイクルで江戸川区内の小松菜商品販売店舗を巡り,スタンプシールを3枚集めることができました。

 後日,スタンプシールを貼り,必要事項とアンケートを記入した応募はがきをポストに投函しました。

 欲しかったのは,スタンプシール3枚達成でもれなくもらえる「こまつなくん缶バッジマグネット」です。

 応募したことも忘れかけていた2023年3月4日,自宅に大きな段ボール箱のゆうパックが届きました。

 ずっしりと重い段ボール箱を受け取り,「何だろう?」と宛名ラベルを見てみると,「小松菜グルメスタンプラリー景品(小松菜)」と記載されていました。

 段ボール箱の側面には「えどちゃんシール」が貼ってありました。

(えどちゃんシール)
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 「えどちゃん」は,江戸川(edogawa)の「e」と,江戸川区の名産「花」と「小松菜」をイメージした「江戸川区農業応援キャラクター」です。

(えどちゃんの紹介)
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 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 「えどちゃん」は「江戸川区農業のPRのため,元気に走り回っている」とのことですが,まさか遠く離れた広島市南区まで走ってくるとは元気全開です(笑)

 ワクワク,ドキドキしながら段ボール箱を開けてみました。

(段ボールの中身)
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 中には,小松菜グルメスタンプラリー当選通知,こまつなくん缶バッジマグネット,日本農業新聞のフリーマガジン「フレマルシェ」,そして江戸川区産の小松菜が入っていました。

(小松菜グルメスタンプラリー当選通知)
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 こちらが当選通知です。

 参加賞の缶バッジマグネットに加え,「Wチャンス」として江戸川区産小松菜1000円分が当選しました。

 これは嬉しいプレゼントです。

 江戸川区を訪問した際,本当は江戸川区の小松菜を買って帰りたかったのですが,旅の途中だったことや,実際に東京から広島まで持って帰るのは大変なことから,断念した苦い思い出があったからです。

(こまつなくん缶バッジマグネット)
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 こちらは参加賞のこまつなくん缶バッジマグネットです。

 江戸川区内をレンタサイクルで巡った思い出を呼び起こす記念品となりました。

(小松菜の束(江戸川区産))
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 こちらがWチャンスで当選した江戸川区産小松菜です。

 当選者10名のうちの1人に選ばれたようです。

 袋詰めで販売される小松菜が多いなか,江戸川区では茎をテープで留めて結束する方法を採用しておられます。

 茎も根もシャキッと美しく束ねられた小松菜は,鮮度と品質の良さの証です。

 確かに,まだ水滴が残るほどみずみずしい小松菜がそのまま段ボールに詰められていました。

(小松菜(江戸川区産))
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 小松菜を1本取り出してみました。

 確かに白く太い根までついている小松菜は珍しいです。

 その根まできれいに洗ってくださっており,その手間を想像すると,根も含めて無駄にはできないと思いました。

 都内に鮮度の高い小松菜を出荷できるのも江戸川区産小松菜のメリットの1つです。


江戸川区産小松菜を使った料理

 いただいた江戸川区産小松菜を使って,いくつか料理を作ってみました。


【小松菜サラダ】

 江戸川区の小松菜は生でも美味しく食べられることから,純粋に小松菜の味を味わえるサラダにしました。

(小松菜サラダ)
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 醤油ベースのドレッシングをかけていただくと,シャキシャキした食感で,旨味とほのかな甘味を感じました。

 江戸川区の小松菜は,東京湾の潮風にあたって育つことで,旨味と甘味が凝縮されるようです。

 サラダであれば,いつでも手軽に小松菜をいただくことができます。


【小松菜と牛肉の五香粉炒め】

 小松菜と牛肉で炒め物を作りました。

(小松菜と牛肉炒め)
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 小松菜と牛肉を炒め,塩こしょうで味付けした「小松菜と牛肉炒め」です。

 シャキッとした食感を残した小松菜を美味しくいただくことができ,いくら牛肉と言えども,主役は小松菜だと思わせる一品でした。

 別の日に,中国などで使われる「五香粉(ウーシャンフェン)」と呼ばれるスパイスを使った炒め物も作ってみました。

 五香粉は,スターアニス(八角),シナモン,花椒,クローブ,陳皮といった約5種類のスパイスが調合されたミックススパイスです。

 このスパイスを使うと,中国料理の「豚の角煮」や台湾料理の「魯肉飯(滷肉飯,ルーローハン)」と同じような風味を得ることが出来ます。

 今回の炒め物に使う調味液は,酒,みりん,醤油を同じ割合で加え,それに五香粉をパッパッと足したものです。

(五香粉の調味液)
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 フライパンにゴマ油をひいて牛肉を炒め,小松菜も加えて強火でサッと炒めます。

 仕上げに五香粉入りの調味液を入れ,汁気を少し飛ばせば完成です。

(小松菜と牛肉の五香粉炒め)
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 どろっとした甘辛い醤油と八角・シナモンの甘くさわやかな香りが,小松菜と牛肉の味をより一層引き立てます。

 手軽に本格的な中国・台湾料理を作ることができるので,オススメです。


【小松菜鍋】

 寄せ鍋の材料(白ねぎ,大根,しめじ,豚肉,海老,タラなど)に小松菜を加え,小松菜鍋を作りました。

(小松菜鍋)
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 栄養価の高い小松菜をたっぷりと食べることができることが魅力です。


【小松菜とパンチェッタのパスタ】

 小松菜とパンチェッタ(塩漬け豚肉)でパスタを作りました。

 フライパンにたっぷりのオリーブ油を入れて熱し,薄切りのニンニクで香り付けした後,小松菜と厚切りのパンチェッタを加えて炒めます。

 ほどよく炒めたところで,別に茹でておいたパスタを加え,茹で汁も少し加えてサッと炒めます。

 塩こしょうで味を調えれば完成です。

(小松菜とパンチェッタのパスタ)
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 小松菜の甘味とシャキシャキ感,パンチェッタの脂と塩気がパスタと見事にマッチしました。


【小松菜の肉巻き】

 江戸東京野菜「のらぼう菜」を肉巻きでいただいたことを思い出し,小松菜の肉巻きにチャレンジしました。

(小松菜の肉巻き(加熱前))
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 5cm程度に切り揃えた小松菜を厚切りの豚バラ肉で巻き,つまようじで留めます。

 小松菜は葉と茎をバランスよく詰め,きれいに洗った根も入れました。

 フライパンを火にかけ,油をひいて小松菜の肉巻きをのせました。

 途中,まんべんなく火がとおるよう,フタをしてしばらく蒸し焼きにしました。

 フタをとり,塩こしょうで調味して,表面にこんがりと焼き色がつけば完成です。

 こしょうは小松菜や厚切りの豚肉をしっかり受け止める「粗挽き」がオススメです。

(小松菜の肉巻き)
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 肉巻きをガブリとかじると,旨味と甘味が凝縮された小松菜のエキスがジュワッとほとばしりました。

 同じ材料で炒め物にするよりも,肉巻きにする方が小松菜をよりジューシーにいただくことができます。

 興味を持たれた料理があれば,ぜひお試しください。


まとめ

 東京都江戸川区の小松菜について,今回を含めて3つの記事で御紹介しました。

 小松菜グルメスタンプラリーの当選通知に「今後とも江戸川区特産小松菜をはじめ,小松菜商品を応援くださいますようお願い申し上げます。」と記載されていたこともあり,何らかの形で江戸川区の小松菜を応援し,江戸川区の皆さんにお礼ができないかという気持ちを込めて執筆しました。

 また機会があれば江戸川区を再訪し,レンタサイクルで小松菜めぐりをしたいです。

 江戸川区の小松菜。

 新鮮で,クセがなく,甘味もあって,とても美味しい野菜です。

 皆様も機会があれば江戸川区の小松菜や小松菜料理・商品を御賞味ください。


<関連サイト>
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)

<関連記事>
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」2-小松菜ドリア・小松菜サラダ・小松菜ジュース-
 「関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)

2023年4月 9日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」2-小松菜ドリア・小松菜サラダ・小松菜ジュース-

 当ブログ記事で,小松菜は東京都江戸川区(小松川)が発祥の「江戸東京野菜」であることを御紹介しました。

 今回は,その東京都江戸川区でいただいた小松菜料理と小松菜ドリンクを御紹介したいと思います。


しのざき文化プラザの伝統工芸カフェ「アルティザン」

 都営新宿線・篠崎駅に直結する施設「しのざき文化プラザ」を訪問しました。

(しのざき文化プラザ)
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 「しのざき文化プラザ」は,江戸川区の歴史・文化・産業などを様々な形で紹介するギャラリー,図書館,飲食施設などが揃った複合文化施設です。

 江戸川区の小松菜についても,図書館やギャラリーで情報を得たり,特産品ショップで関連商品(お土産)を購入したり,飲食ショップで料理・ドリンクを味わったりと,様々なニーズに活用できます。

 その「しのざき文化プラザ」内にある飲食ショップ・伝統工芸カフェ「アルティザン」で小松菜料理・小松菜ドリンクをいただきました。

(伝統工芸カフェ「アルティザン」)
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 写真中央が受付・レジ・調理スペース,写真左(手前)が飲食スペース,写真右(奥)が特産品ショップです。

 レジで料理・ドリンクを注文し,テーブル席に座りました。


小松菜料理・小松菜ドリンク

 今回私が注文した小松菜料理・ドリンクは,「小松菜ドリア」とセットの「小松菜サラダ」,そして「小松菜ドリンク」です。

 しばらくして,料理・ドリンクが出来上がりました。

(小松菜料理・小松菜ドリンク)
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 小松菜メニューのオンパレードです!

 このほかにも小松菜を使ったメニューとして,ピザ,オムライス,パスタ,カレー,ハンバーガー,スムージー,豆乳ジュースなどが用意されていました。

 それでは,今回私が味わった料理・ドリンクを個別に御紹介します。


小松菜ドリア

 「小松菜ドリア(えび)」です。

(小松菜ドリア(えび))
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 ドリアはえびとミートの2種類があり,私はえびをチョイスしました。

 こんがり焼けた熱々・トロトロのチーズとホワイトソースがたっぷりとかかっています。

 小松菜は…チーズの中に隠れているのでしょうか。

 中を確かめてみましょう。

(小松菜ドリア(中身))
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 主役の小松菜を見つけました!

 ホワイトソースの中には,小松菜,きのこ,ライス(もち麦ご飯)が入っていました。

 小松菜は江戸川区の石井農園から直送されたものです。

 いただいてみると,中の小松菜が温かくてシャキシャキの状態で,食感と持ち味(新鮮さや甘みなど)がよく生かされていました。

 トロトロのチーズやコクのあるホワイトソースとの相性も抜群でした。

 小松菜を表面に盛り付けず,チーズ・ホワイトソースとライスの間に入れてオーブンで焼くことで,小松菜の食感や持ち味が生かされています。

 小松菜は炒め物やおひたしに使うイメージが強かったのですが,ドリアやグラタンなどホワイトソースを用いる洋食にも応用できることがわかりました。


小松菜サラダ

 小松菜ドリアのセットとして,「ミニ小松菜サラダ」を注文しました。

(小松菜サラダ)
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 新鮮な小松菜にクスクスとレンズ豆が添えられたサラダです。

 そして人参を使ったキャロットドレッシングがかけられています。

 生の小松菜をサラダとしていただくというのは初めてでしたが,青菜のえぐみがなく,むしろ,ほんのりとした甘みを感じました。

 シャキシャキとした食感で,ドレッシングをかけるといくらでも食べられそうな一品でした。

 江戸川区の小松菜ガイドブック「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」にも小松菜が生で食べられることが紹介されています。

(江戸川区のサラダ小松菜の紹介)
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 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 江戸川区の小松菜は,茎も葉もやわらかく,生でも美味しく食べられます。
 ※区内農家・弘前大学・江戸川区で構成する「えどがわ農業産学公プロジェクト」のまとめ

 サラダ向けの「サラダ小松菜」も,伝統工芸カフェ「アルティザン」などで販売されています。

 サラダであれば,毎日お手軽に小松菜をいただくことができますね。


小松菜ジュース

 最後に「小松菜ジュース」を御紹介します。

(小松菜ジュース)
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 この青汁にも似た小松菜ジュースが一番気がかりでした(笑)

 江戸川区石井農園直送の新鮮な小松菜をミキサーにかけ,100%アップルジュースと合わせて飲みやすくしたジュースです。

 小松菜の甘みや爽快さ,そして若干青臭さも感じましたが,それらを含めて小松菜の特徴をストレートに味わえるドリンクだと思いました。

 小松菜ジュースは常温に近い状態でしたが,これも新鮮な小松菜が使われているからこそで,リアリティがあって好感が持てました。

 小松菜の味・フレーバーをストレートに楽しめる,小松菜発祥の地・江戸川区ならではのドリンクです。


まとめ

 小松菜は,今や全国各地で見かけるメジャーな野菜となりましたが,その発祥の地で小松菜の特徴や歴史をじかに学び,小松菜(商品)を扱うお店(直売所)を巡り,飲食店で地元の小松菜を使った料理やドリンクを味わえば,より一層小松菜への親しみがわき,江戸川区の皆さんがいかに小松菜に愛着を持っておられるかを知ることができるでしょう。

 徳川吉宗になった気分で,江戸川区の小松菜の魅力を探る「小松菜ツアー」はいかがでしょうか。


<関連サイト>
 「伝統工芸カフェ アルティザン」(東京都江戸川区篠崎町7-20-19)
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)

<関連記事>
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)

2023年4月 2日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-

江戸東京野菜・小松菜

 「江戸東京野菜」と呼ばれる野菜を御存知でしょうか。

 「江戸東京野菜」とは,江戸時代以降,東京都内の農地で数世代以上にわたって栽培されてきた在来種や,在来の栽培法によって育てられた野菜を言います。

 江戸時代に東京都に含まれていなかった地域の野菜や,明治以降(東京になってから)生み出された野菜(品種)も含めた総称として「江戸東京野菜」と呼ばれています。

 「江戸東京野菜」には,練馬ダイコン,小松菜,東京べか菜,のらぼう菜,馬込半白キュウリ,早稲田ミョウガなどがあります。


小松菜発祥の地・東京都江戸川区

 「江戸東京野菜」の1つに小松菜があります。

 小松菜は東京都江戸川区が発祥の地とされ,江戸時代から栽培されています。

 また,小松菜という名称は,地名の「小松川」に由来しています。

 現在は全国各地で栽培され,お店で見かけることも多い小松菜が,実は東京都江戸川区にルーツがあることに興味を持ち,同区を訪問しました。


江戸川区の小松菜の概要

 都営新宿線に乗り,篠崎駅で下車しました。

 そして篠崎駅に直結する施設「しのざき文化プラザ」を訪問しました。

(しのざき文化プラザ)
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 この施設内にある図書館で,小松菜の情報を入手しました。

(「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」表紙)
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 とても参考になったのが,この「小松菜力」(こまつなりょく)というガイドブックです。

 冊子には,江戸川区の小松菜に関する様々な情報が掲載されています。

 その中のいくつかを御紹介します。

 まずは小松菜の名前の由来についてです。

(小松菜の名前の由来)
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 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 小松菜の名付け親は徳川八代将軍・徳川吉宗と言われています。

 小松川村に鷹狩りに来た徳川吉宗は,地元民から地元で採れた無名の葉っぱを入れたすまし汁を献上されました。

 この汁をとてもおいしいと感じた徳川吉宗は,この無名の葉っぱを,地名(小松川)にちなんで「小松菜」と命名したのです。
 ※三代将軍・徳川家光や五代将軍・徳川綱吉とする説もあります。

 小松菜の栄養についても,興味深いお話が紹介されています。

(天然サプリメント・小松菜パワー)
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 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 小松菜は栄養バツグンの野菜で,カルシウムや鉄分(ミネラル)が豊富に含まれています。

 また,アクやえぐみのもととなるシュウ酸の含有量が少なく,クセが少ないという特長もあります。

 私はなぜか腎臓に結石を作りやすい体質(尿路結石を起こしやすい体質)なので,シュウ酸を多く含む食品はたくさん食べられないのですが,小松菜はシュウ酸が少なく,カルシウムが多いようなので,安心して食べられます。

 続けてガイドブックを読むと,江戸川区内の小松菜商品取扱店舗・直売所が紹介されていました。

(小松菜商品 取扱い店舗・直売所MAP)
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 江戸川区の小松菜の直売所や,江戸川区の小松菜を使った料理・お菓子などを販売しているお店が数多く紹介されています。

 江戸川区の皆さんが一丸となって,地元の名産品・小松菜を盛り上げておられる様子が伺えました。


小松菜発祥の地 江戸川区の歴史・史跡巡り

 篠崎駅でレンタサイクルをお借りし,小松菜とゆかりのある歴史・史跡巡りをしました。

 江戸川区は東西に京成本線・JR総武線・都営新宿線・東京メトロ東西線・JR京葉線が走っていますが,南北には鉄道がないため,区内を巡る際はバスやレンタサイクルが活躍します。

 自転車で移動する途中,野菜畑を見かけました。

(東京都江戸川区・畑の風景)
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 東京を自転車で移動したり,野菜畑を見たりするのは初めてで,新鮮な体験でした。

 その後,江戸川区中央にある新小岩香取神社を訪問しました。

(新小岩香取神社)
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 この神社の境内に,小松菜産土神の石碑があります。

(小松菜産土神の石碑と小松菜の紹介看板)
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(「江戸・東京の農業 小松菜」の紹介看板)
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 徳川吉宗が鷹狩りをされた際,この神社が食事場所として選ばれたようです。

 つまり,「小松菜の名前の由来」で御紹介した「小松菜」命名のお話は,この神社にまつわるお話なのです。

 続いて,神社の隣にある「小松菜屋敷」を訪問しました。

(小松菜屋敷)
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 黒塗りの立派な門です。

(小松菜屋敷の由来)
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 小松菜屋敷の由来には,「徳川吉宗が鷹狩りに来られた際,小松菜入りのすまし汁を献上した人物が香取社の神主・亀井和泉守(通称「いづみ様」)で,その方の屋敷であったことから「小松菜屋敷」と呼ばれるようになった」と記載されています。

 さらに,「邸内には亀井家の屋敷神「小松菜さま」が祀られており,困ったことがあれば「こまつたな」といって小松菜を供えれば願い事が叶えられ,さらに「菜(名)を上げ菜(名)を残す」といって,昔から信仰されています」とも記載されています。

 門をくぐり,中に入ってみると「吉宗腰掛石」がありました。

(吉宗腰掛石)
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 かの徳川吉宗が鷹狩りの合間に腰かけ,休憩された石なのでしょう。

 徳川吉宗は,砂糖の栽培を奨励して砂糖の国産化を進めたり,隅田川に桜を植えるよう命じ,その桜から桜餅が作られるようになったりと,小松菜の命名だけでなく,日本の様々な食文化に影響を与えた人物でもあります。

 ほかにも小松菜ゆかりのものがないかと庭を歩いていると,この家にお住まいの方から「今,掃除中ですので…」と注意を受けました。

 庭の奥は個人宅のようなので,見学をする際には注意が必要です。

 このようなこともありましたが,江戸川区で小松菜ゆかりの場所を訪問することができ,江戸川区と小松菜のつながりを実感することが出来ました。


江戸川区の小松菜商品

 再び自転車で篠崎に戻り,「しのざき文化プラザ」内の伝統工芸カフェ「アルティザン」で江戸川区の小松菜商品をいくつか購入しました。

(伝統工芸カフェ「アルティザン」)
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 伝統工芸カフェ「アルティザン」には,食事コーナーと江戸川区の特産品や工芸品を扱っておられる物販コーナーがあります。

 こちらの物販コーナーで江戸川区の小松菜商品をいくつか購入しました。

(江戸川区の小松菜商品)
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 写真左上が「小松菜玄米せんべい」,中央手前が「小松菜ふりかけ」,右上が「小松菜サンド」です。


【小松菜玄米せんべい】

(小松菜玄米せんべい)
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 「小松菜玄米せんべい」は,小松菜の粉末と焙煎した玄米が練り込まれた甘い一口せんべいです。

 カルシウム豊富な小魚の粉末も使われており,栄養豊富で子供からお年寄りまで楽しめるせんべいです。

 小松菜(青菜)の香りや,焙煎した玄米の香ばしさを楽しむことが出来ます。


【小松菜ふりかけ】

 「小松菜ふりかけ」は,小松菜,魚粉,ごま,塩,根昆布で作られたふりかけです。

 無添加で自然な味を重視された一品です。

 このふりかけを炊きたてのご飯に混ぜ,小松菜おにぎりを作ってみました。

(小松菜おにぎり)
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 ご飯にたっぷり混ぜ込んだので,抹茶を使った時のように緑色が際立つおにぎりに仕上がると思ったのですが,意外と控えめな色に仕上がりました。

 そのため,おにぎりの頂上にも小松菜ふりかけをかけてみました。

 一般的なふりかけと比べて塩分が控えめで,その分,小松菜の粉末がたくさん入っているので,ご飯にたくさんふりかけて(混ぜ込んで)も大丈夫です。

 ほんのりと小松菜の風味を感じるおにぎりでした。


【小松菜サンド】

(小松菜サンド)
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 小松菜サンドは,小松菜パウダー入りクリームを甘い薄焼きせんべいでサンドしたお菓子です。

 ゴーフルに似た焼菓子です。

 ほのかに小松菜の香りが感じられるクリームが魅力のお菓子です。


【小松菜饅頭「こまつなっぴー」】

 新小岩香取神社と小松菜屋敷を訪問した際,その近くのお店「玄舟庵 新小岩店」にも寄って江戸川区産小松菜が使われたお菓子を購入しました。

 小松菜饅頭「こまつなっぴー」です。

(小松菜饅頭「こまつなっぴー」)
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 小松菜のかわいいキャラクターが描いています。

(小松菜饅頭「こまつなっぴー」(中身))
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 饅頭の皮には小松菜がデザインされています。

 中の薄緑色のあんは,白いんげん豆や練乳をベースにした白あんに,小松菜パウダーを練り込んだものです。

 しっとりとした皮に,ほんのりと小松菜の香りを感じるあんが入った饅頭です。

 ちなみに,私はこの「こまつなっぴー」をまとめて購入し,東京のお土産として職場で配りました。

 東京のお土産,何にしようか「こまつたなー」という時は,江戸東京野菜である江戸川区の小松菜を使ったお菓子や工芸品のお土産をチョイスされてはいかがでしょうか。

 江戸川区発祥の小松菜のお土産を贈れば,きっと「菜(名)を上げ,菜(名)を残される」ことでしょう(笑)


 東京都江戸川区は,小松菜の歴史・由来を学べ,様々な小松菜料理・菓子を味わうことができる日本唯一の小松菜魅力発信地域です。


<関連サイト>
 「江戸東京野菜について」(東京都農業協同組合中央会)
 「江戸東京野菜(地域資源紹介)」(東京都産業労働局)
 「しのざき文化プラザ」(東京都江戸川区篠崎町7-20-19)
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)
 「小松菜の産土神」(新小岩香取神社:東京都江戸川区中央4-5-23)

<関連記事>
 「関東の和菓子と関西の和菓子 -和菓子の比較検証-
 「あずきの研究5 -和菓子と砂糖の歴史-
 「関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区の食をひもとく」(江戸川区郷土資料室)
 「新・蒼太の包丁」(漫画:本庄敬・原作:末田雄一郎)

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